(別 紙) 公立高等学校の授業料不徴収及び高等学校等就学支援金制度の 事務の取扱に関する一問一答 (1)高等学校等就学支援金関係 ○加算届出手続について 1.父母 A 及び B が離婚した家庭において、親権者は A であるが、実際には、 B が子どもを養育している場合、A・B どちらの税額を基準として加算の対 象になるか否かを判断すべきか。 (答) 実質的な監護関係によるのではなく、原則として保護者(親権を行う者) である A の税額を基準として判断する。(施行令第4条第2項第1号) しかし、親権者が、受給権者の就学に要する経費の負担を求めることが困 難である者と認められる場合には、本法の適用においては、その者は保護者 には含まれない。(施行令第4条第2項第1号及び施行規則第8条第1項第 3号) 受給権者に保護者がいない場合には、加算の基準となる税額は、受給者本 人又は「受給者が主として他の者の収入により生計を維持している場合にあ っては、当該他の者」の税額となる。(施行令第4条第2項第2号)したが って、親権を有する親Aが受給権者の就学に要する経費の負担を求めること が困難である者と認められる場合であって、親権を有しない親Bが親権を有 する親Aの負担によることなく受給権者である生徒の生計の維持にあたって いる場合は、当該親権を有しない親Bの税額を基準とすることになる。 (質問) ①「親権者が、受給権者の就学に要する経費の負担を求めることが困難であ る者と認められる場合」とは、どのような基準で判断すればよろしいので しょうか。 → 平成22年4月1日付け「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等 学校等就学支援金の支給に関する法律等の施行について」「第二 項」 「5 就学支援金の支給等に関する事務処理等」を参照。 -1- 留意事 ②Aが「親権者が、受給権者の就学に要する経費の負担を求めることが困難 である者と認められる場合」に該当しない、つまり保護者と認められる場 合は、Bの「生徒の生計維持の程度」に関係なく、Aのみの税額を基準と して判断してよろしいのでしょうか。 → それでよろしい。 2.親権者から離れて里親の下で生活している場合に、所得は里親を基準とし て判断することになるのか。 (答) 実質的な監護関係によるのではなく、原則として保護者(親権を行う者) の税額を基準として判断する。 しかし、1.に記載のとおり、親権者の中にも本法においては保護者に含 まれない場合がある。受給権者に保護者がいない場合には、受給権者の生計 を主として維持する者又は本人の税額を基準として判断することとなる。 したがって、親権を有する親Aが受給権者の就学に要する経費の負担を求め ることが困難である者と認められる場合であって、里親が受給権者の生計を 主として維持する者である場合には、当該里親の税額を基準とすることにな る。 3.二十歳になって成人した者には「親権者」がいないが、誰の所得を基準と して判断するのか。 (答) 成人には親権者がいないため、本法上「受給権者に保護者がいない場合」 (施行令第4条第2項第2号)にあたる。この場合、加算の可否は、受給権 者本人又は「受給権者が主として他の者の収入により生計を維持している場 合にあっては、当該他の者」の税額により判断する。 4.受給権者の生計を主として維持している者はどのように判断すればよいか。 (答) 生計を主として維持している者という概念は、健康保険法等で扶養者と被 扶養者の関係を定めるにあたって用いられている概念と同等のものであるの で、この簡便な確認手段として、例えば健康保険証を確認すること等により 確認することが考えられる。 (質問) 健康保険等の被扶養者になっていない場合はどのように確認したらよろし いのでしょうか。 -2- → 個別のケースに応じて判断する。判断が難しい場合は、本省に相談す る。 5.親の離婚、結婚等で保護者の変更があることに伴い、保護者等の税額が変 わることによって加算額の変更が生じる場合、いつから加算額が変更される のか。 (答) 保護者に変更があった場合には、受給権者は速やかに届け出なければなら ない(施行規則第8条第3項)。保護者関係の変更に伴い加算額も変動する 場合には、当該届出のあった翌月から、変動した加算額が適用される。 (質問) 届出が遅れた場合はどのような取扱いになるのでしょうか。 → 届出が行われるまでは、従前の支給限度額が適用される。なお、届出 を懈怠することによって不正に利得を得ている場合には、不正利得に関 する規定が適用される可能性がある。 6.届出書の記入者署名欄は、誰の名で署名するのか。 (答) 受給権者である生徒(学生)本人又は保護者(施行令第4条第2項第1号 に規定する保護者のほか、児童相談所長等の親権を行う者及び施行令第4条 第2項第2号に規定する「当該受給権者が主として他の者の収入により生計 を維持している場合にあっては、当該他の者」に該当する者を含む)の名で 署名する。 7.加算届出手続について、生徒のプライバシー保護の観点からどのような配 慮が必要か。 (答) 生徒又は保護者が届出書等の提出を躊躇することがないように、配慮が必 要。その際には、例えば、以下のような措置をとることも考えられる。 ・届出書等の提出は封をした封筒で行う。 ・届出書等の受付を事務室など他の生徒の目に触れにくいところで行う。 ・届出書等の提出を学校への郵送で受け付ける。 ○休学・留学の生徒の取扱について -3- 8.法施行前からすでに休学している生徒について、4月に就学支援金の申請 と休学の申し出を行った場合、4月分を36月の算入から除外することがで きるか。 (答) 法施行前の休学は自動的に36月の算入から除外することとしていること との均衡上、この場合も4月分は36月に算入されない。 ○その他 9.全日制と定時制又は通信制を異動した場合の支給月数について端数が生じ た場合には、どのように処理するか。 (例)全日制で20月在学し、定時制に転学した場合48月-20月× 4 /3という算定式になるが、小数点未満をどこで処理するか。 (答) 上記の例では、20月×4/3について小数点以下を切り捨てた値を、 4 8月から減じる。 10.外国籍の生徒については、どのように住所を確認すればよいか。 (答) 日本国籍の生徒であるか外国籍の生徒であるかにかかわらず、就学支援金 の支給資格である「日本国内に住所を有する者」であること(法第4条第1 項)は、受給資格認定申請書に住所を記入させることによって認定すること になるが、仮りにその記載に疑義がある場合には、日本国籍の生徒について は住民票で、外国籍の生徒については、外国人登録原票記載事項証明書等で 確認することが考えられる。 (2)公立高等学校の授業料不徴収関係 ○これまで徴収していた PTA 会費等のいわゆる「学校徴収金」は引き続き徴収 することができるか。 (答) PTA 会費等のいわゆる「学校徴収金」については徴収することができる。 その際には、これまで行っていた減免措置などの低所得世帯の生徒に関する 負担軽減の措置に十分に配慮し、適切な措置がとられることが期待される。 -4-
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