国の詳細情報 (平成20年3月更新情報)

台湾の育児環境とワーキングマザー
台湾はこどもにやさしい人が多く中国の社会は子どもを大事にしている。
保育も丁寧で日本と同等、またはそれ以上の保育環境が望める。
ちなみに日本の幼稚園を経験しているお母さんたちの台湾の幼稚園に対する評価はとても高い。
台湾人ママの考え方とは‥
子育ては大変、それだったら仕事をしている方が楽しいし収入もある、だから自分で育てたくな
いという風に考えている人が多い。産んで 1 カ月(坐月子と呼ばれる)後には即職場復帰な場合
がほとんど。ある意味すごいパワーな台湾人女性だ。ちなみにシッターさんのお世話になる場
合の金額は台湾人女性の平均的お給料とあまりかわらない。お給料がプラマイゼロになるので
あれば自分で子育てした方がベビーも喜ぶはずだが台湾人女性は違う。それでも子育ては大
変だからしたくない、また社会と繋がりがなくなるのが嫌という女性が多い。実はそういう考えの
人の中には「私も小さい頃は祖父母に育ててもらった」という人が多い。日本よりは「女性が働
く」ということが社会的に受け入れられている台湾ならではなのかもしれない。もちろん共働きし
ないと家計が苦しいという家庭も多く存在するが、台湾人女性の強さが子育てポリシーにも見
受けられるのだ。
育児方法
<一般的なパターン>
三者択一
祖父母
1 歳半後‥
or
シッターさん
託児所
or
or
メイドさん
幼稚園
1 歳半を過ぎると
受け入れ可能なところが
多く存在し割安であるため。
祖父母に預ける
・ 恐らくこれが一番メジャー、金銭的負担はもちろんゼロ。
・ 祖父母が田舎に住んでいる場合は子供を田舎に置きっぱなしにする人も。
ベビーシッターさんを雇う
・ 比較的お金に余裕がある場合
・ 月~金の毎日預けて、およそ月7万円。(シッターの家に送迎する場合)
・ 台湾では働く女性が多く利用している。
・ ベビーシッター宅に預ける場合と
自分の家に来てもらう、の2パターンがあるが後者の方が割高に。
―ベビーシッターさん宅―
・ 保母さん免許を持っている人が自宅を開放して、同じくらいの月齢の赤ちゃんを面倒見る。
・ 人数制限があったり、シッターさん個人のポリシーが影響する。
・ 平日はシッターさんの家に預けっぱなしで週末だけ子どもと一緒に過ごすのが一般的らしい。
シッターさんは保母協会のようなところに紹介をしてもらう。
インターネットのサイトなどで自分の希望を書き込んでシッターさんからの連絡を待つ等の方法
シッターさんはちゃんと選ばないと問題が起こることもしばしば。
お手伝いさんを雇う
・ あくまでも保育のプロではないという事を心構えておく方が◎
・ 元々お金持ちで家にメイドさん(住み込み、フィリピン人、マレーシア人等が多い)がいる家
庭では自動的にそのメイドさんが赤ちゃんのお世話をすることに。ちなみにママが専業主婦
であっても自分でお世話はせず、メイドさんに任せる。
・ 子どももママよりもメイドさんになついて、ママが抱くと泣いたりする子も。しかしメイドさんは
子育てのプロではない事を覚えておかなければならない。不注意で起きる事故が度々TV な
どで報道されているので怖い一面も。
・ 台湾の人にもお願いできる。曜日や時間は希望に応じてくれる。
育児も家事も何でもやってくれる。NT$500/時間くらい。
・ 普段お家にいるようであれば、時間単位でお手伝いさんをお願いしていいかも知れません。
お手伝いさん: 「外労センター」を通して雇う。お手伝いさんをうまく使うのを難しいと感じる人も。
当たりはずれもあり、人を育てて使う、といったようなもの。値段との相談などハ
ードルが高い面も。赴任前の日本である程度情報収集できればいいのですが。
結果的に子どもをしつけるのは親ではなく、ほとんどの時間を共にする祖父母、またはシッタ
ーさんになる。しかし台湾人は日本人に比べて時間にルーズであったり物事も適当なところ
が。いいようにも悪いようにもとれますが。。ということで公園にお散歩に行ってもいるのは子
連れのおじいちゃんおばあちゃんかメイドさんだけでママ友達といった集団を見かける事は
ありません。
幼稚園
就学前教育 就学率 25%(2003 年度)
・ 入園の義務はないが、都市部ではほとんどの子供が通っている。
・ 幼稚園には公立(2 割程度)、私立(8 割)がある。
・ 基本的に 3~5 歳。
幼稚園のカリキュラムと別に保育中心のベビークラスのある小規模幼稚園もあり
1歳半過ぎ、満2歳、満3歳、学齢年齢の4歳児(いわゆる年少)とあるところも。
(また入園は2歳~と謳っていても、実際はベビークラス(0歳児~)があり保育士さんがつい
ているところも。)
<公立>
費用は月額 5,000 台湾元程度(諸費用を含む)で私立の 4 分の 1 くらいと安いが以下のように様々な
制限が。
・ 就学前教育として国民小学校に併設していく方向にあるが、まだその数は少ない。
・ 公立は地区ごとに分かれていてその地区に住んでいる人しか入ることができない。
・ 更に定員も決まっているので希望者多数の場合は日本と一緒で抽選になる。
・ 英語は教えてくれない。
ちなみに…
台湾では英語熱が日本よりすごく、とにかく子どもに早くから英語を覚えさせたいという親
がたくさんいるので、学費が高くても私立に行かせるという人が増えてきている。
<私立> 私立の幼稚園は「幼稚園」と「託児所」に区別される。
「幼稚園」
費用
学期(6 ヶ月)ごとに 22,000~30,000 台湾元(登録費のみ)。
時間
・ 朝~午後 3 時くらいまでのところが多く、
延長保育などで遅くても午後 6 時くらいにはお迎えに行かなくてはいけない。
・ 自ら送迎する場合、朝7時半くらいから夕方6時半くらいまで保育可能なところが多い。
・ 長期休業(夏休み、冬休み、春休み)がない。
内容
言語: 英語プラス北京語がメジャーだが日本語プラス中国語なところもある。
特徴:
・ 小学校で必要な知識などを教えてくれる。
・ 競争が激しいためか個性豊かで自然教育や芸術に力を入れていたりしてどこも教
育熱心だと感じられる。
・ 自宅前までスクールバスで送迎してくれるところが多い。
・ 9時の朝食、12時の昼食、4時の軽食が提供される。
・ 最近はモンテッソーリのところもある(中、英2ヶ国語)
気兼ねなくできる体験入学
現地到着後、近くの幼稚園や目星をつけた幼稚園をたくさん見学し話を聞き、体験入学をするとよ
いでしょう。台湾ではお試し入園すること、体験しても子供に合わなければ入学を取り消すこと、は
普通のことです。
「託児所」
・ 0~4才対象。
・ 時間が長いこともあり割高であるところが多い。
・ 共働きの両親のために朝早くから夜遅くまで可能。週2~3回も可能
・ 中国語、英語、日本語を教えてくれたり(場所による)、必要知識を教えてくれるが幼稚園ほど
に設備や先生の面で整っていない場合が多い。
・ 家庭的だが台北ではビルの 1 階や 1 室を使っているところもあるのが現実でスペース的に狭い
感じは否めない。
<衛生面>
気になる衛生面ですが、日常それほど心配する必要はないとは思いますが、台湾では乳児でB型
肝炎の予防接種が必須。集団生活を予定される場合はご検討されては。日本ほど衛生面がしっか
りしていないとはいえ台湾の医療水準は高く予防接種もしっかりしています。日本にいるときと同様
に(帰宅したら手洗い・うがい、感染症などが流行していないかなどの情報収集をする etc)台湾でも
気をつけて行えば十分。ちなみに1歳半くらいの子を保育園に入れたら最初は風邪などでよく休む
ことでしょうがそれは日本でも同じでしょう。
『亜細亜大学アジア研究所所報』に、現地在住の研究者の方が「台湾の出産・育児事情」(第126号)、
「台湾の医療事情と小児医療」(第131号)という文章を載せています。
台北市内保育(臨時保育含む)情報
http://1st.geocities.jp/nadeshikokids/02school/kindergarden.htm#
習い事
一番多いのがまず英会話教室、そして次はピアノといった音楽学校である。
ただ日本ほど多種多様ではない。
参考情報
安親班
小学校の付近に多数存在する補習班のような塾。小学校に通う子供を持つ共働きの親にとって、下校
後「安親班」の人達が子どもを学校まで迎えに行ってくれて、親が迎えに行くまで宿題を手伝ってくれた
り勉強を見てくれたり教えてくれたりするのでとても助かる存在。
最近話題になっていること
幼稚園での英語教育(授業)を禁止するという。違反したら罰金などされてしまう。
理由は著しい中国語の上達の遅れ(以前に比べて下手になっている子どもが増えている)や、その遅
れによって焦りを感じる子供もいるからだ。まだボーダーラインがはっきりしていないところもあるので
今後の動きに注目です。
臨時で預けたい! さあどうする?
アメリカやヨーロッパなどではよくティーンエイジャーをベビーシッターとして家に来てもらい、親は外出、
なんていうのがあるが湾では皆無に近い。あまり知らない人に預けるのは怖いということで、臨時のシ
ッターさんがあまり存在しない。あるのは託児所の臨時保育や、毎日預けているシッターさんの時間延
長くらい。ただこの臨時保育、月齢が小さいと受け入れていないところがほとんどで実際に探すのはと
ても困難。託児所は 0-3 歳を対象としたところもまれにあるので見つかればラッキーだ。しかし毎日預
ける訳ではないので子どもも先生に慣れず、親も気が気でない場合が多いのでは。言葉を少し話す年
齢になればまだしも、もっと低い月齢の場合はやはり怖さが先走ってしまい、なかなか預けるのに勇気
がいる。 そして大きい託児所の場合は収容人数も多く、臨時保育で預けても病気をもらって来ること
もしばしば。
他人に預けることによって起こるのは……
よく目にするのはベビーシッターさん&託児所の不慮の事故や故意の虐待。家にビデオカメラを取り付
けて、現場を撮っている親御さんが TV 局に持ち込んだというケースも多々ある。自分の家にいるメイド
さんがお湯の温度を確かめずにミルクをあげ、ベビーが火傷死したということもだがメイドさんは基本的
にベビーシッターとしての資格を持っている訳でもなく、保育の勉強をした訳でもない。ベビーシッターさ
んは大体が保母としての資格を持っていたり、保母さんになる訓練を受けている人なのでそういうミス
は故意以外の場合はないはずである。しかしイライラが募り虐待をしてしまったシッターさんや少し目を
離した隙に起こってしまった大事故など、問題は後を絶たない。子どもを赤の他人に預けるということ
はとても勇気のいること。預ける相手(祖父母にしろ、ベビーシッターさんにしろ、メイドさんにしろ)と、と
ことん話し合い、納得し、相手を 100%信頼した上でないと預けるということは出来ないのではないだろ
うか。もちろんそういう信頼できるシッターさんやメイドさんを探すのは容易ではない。ただ時間が無か
ったから急いで探した、などという理由で預ける人を選んだ親の得る代償は時としてあまりに大きい。
http://www.marugoto-world.com/taiwandata/archives/2005/09/post_48.html
http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2009/0113/220293.htm?g=05
http://baby.goo.ne.jp/member/topics_back/topics38/w_taiwan/05/02.html