57 Case Study 東京団地倉庫株式会社 倉庫施設の災害対策を強化し、 物流拠点を守る 事業概要 1966 年に倉庫会社の共同出資により設立。 以来、東京圏の主要物流拠点に 4 事業所を 展開し、各事業所は大規模倉庫を区分けし て、倉庫会社に賃貸している。安全性と利便 性に優れた倉庫施設を提供し、省エネ設備の 導入等顧客満足度の高い付帯サービスの充実 を図っている。 BCPの 概 要 策定を 終えて 生、停電によるエレベータ・シャッター使 用不可を想定。 ● 事業所においては、設備点検チェックリス ト・復旧マニュアルを作成し、平時より訓 練を行うとともに、設備管理者、警備員等 との協力体制を構築。 倉庫施設賃貸事業 ● 本社に防災対策本部を設置し、安否確認シ 代表取締役社長 ステムによる社員の安全確認を行う。事業 対象リスク 荒井 正邦 所の被害状況・復旧状況を把握し、資金、 東京湾北部地震 応援要員、備蓄などの緊急応援体制をとる。 今回の検討で、各テナン トとの協力体制の必要性 ● テナント協議会を立ち上げて、各社の協力 会社概要 称号:東京団地倉庫株式会社 本社所在地:東京都江東区永代 2-31-1 設立:1966 年 8 月 資本金:45 億 1,310 万円 従業員数:36 人 代表者:代表取締役社長 荒井 正邦 URL:http://www.danchisoko.co.jp 58 社と葛西事業所を対象拠点に選択。 ● テナント倉庫の荷崩れ等による負傷者の発 BCP 対象事業 Case Study ● 倉庫施設賃貸事業を BCP の対象とし、本 が明確になりました。今 を得ながら負傷者対応を行う。 対策の ポイント 後は、事業所と本社のリ ンクを強めるとともにテ ● 安否確認システムの導入による社員の安全 ナントへ働きかけ、関係 確認、設備点検チェックリスト・設備復旧 強化に努めます。また、 マニュアルによる訓練、テナントを含めた 地域防災の問題にも取り 防災体制の再整備、予備電源・備蓄の増強、 組みたいと思います。 本社・事業所間の協力支援体制の強化 ヨシザワ株式会社 子会社・テナントの事業を守るため 万全な準備を整える 事業概要 不動産業 1917 年に芳澤鉛管製造所として創業。近 年は、X線・放射線の遮蔽を主体に医療関連・ 半導体・ 液晶装置など、多様な製品展開を 行う。1981 年よりその役割をグループ会 社に譲り、会社の形態を持株会社として、子 会社管理と当社所有施設を活かした不動産賃 貸業を行う。 BCPの 概 要 ● 不動産賃貸業・子会社管理の両事業を対象に BCP を策定。 策定を 終えて ● 子会社管理では、支払手形発行、子会社資金繰り等 の業務を 3 日で復旧する。 ● 停電のため情報機器が使用できないことを想定し、 月次明細など印刷保管しておいたものを活用して 代替する。 ● 不動産賃貸業においては、管理会社が施設の被災状 BCP 対象事業 況を正確に把握し、復旧工程表をもとに、テナント 子会社管理・不動産管理 向けに説明会を実施。管理会社と連絡がとれない場 合は、当社から直接設備会社に修繕依頼をする。 対象リスク ● 一部の担当者に業務が集中しているため、その社員 代表取締役社長 芳澤 雅俊 東京湾北部地震 の被災に備えて業務手順マニュアルを作成し、災害 事業の継続は、顧客への 会社概要 時の対応を可能とする。 サービス提供と、従業員の 称号 : ヨシザワ株式会社 本社所在地 : 東京都中央区京橋 2-17-3 設立 :1917 年 10 月 資本金 :5,000 万円 従業員数 :4 人 代表者 :代表取締役社長 芳澤 雅俊 44 平成 24 年度 東京都BCP策定支援事業取組事例集 対策の ポイント ● 自社所有施設の建物耐震診断及び補強、重要書 類の金庫保管、情報機器の固定、事業所内のレ イアウト変更、各設備機器会社への修繕直接依 頼(管理会社被災時)、代替要員による対応(子 会社からの派遣及び業務手順マニュアルによる 対応)、紙文書の代替使用 安定した生活を維持するこ とを意味します。従業員に、 この BCP の取組を会社と して行うことを理解しても らい、会社に対する愛社精 神を高めてもらえたことが 一番の収穫でした。
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