Review The Long Journey of Cancer Biomarkers from the Bench to the Clinic Maria P. Pavlou1,2, Eleftherios P. Diamandis1,2,3 and Ivan M. Blasutig2,3,* + Author Affiliations 1 Department of Pathology and Laboratory Medicine, Mount Sinai Hospital, Toronto, ON, Canada; Department of Laboratory Medicine and Pathobiology, University of Toronto, Toronto, ON, Canada; 3 Department of Clinical Biochemistry, University Health Network, Toronto, ON, Canada. 2 * Address correspondence to this author at: Toronto General Hospital, 200 Elizabeth Street, Rm. 3 EB 362, Toronto, ON, M5G 2C4. Fax 416-340-4215; e-mail [email protected]. Clinical Chemistry 2013;59:147-157 がんバイオマーカー:基礎研究から臨床までの長い道程 概要 背景:タンパク質ベースのがんバイオマーカーは、疾患の進行における初期から後期に至るまでの間 で、臨床的に多様な役割を担っている。新たな、そしてより有用なバイオマーカーの探索は、現代の がん研究に不可欠な要素である。しかしながら、米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration: FDA)によって認可された新規バイオマーカーのいくつかは、この 10 年の間に認可取り消しになっ ている。このため、がんバイオマーカーの開発パイプラインの有効性に対する懸念が広がりつつある。 内容:ここでは、幾つかのがんバイオマーカーの臨床的有用性と、性能についての必要事項について 示す。また、現在臨床で利用されているタンパク質ベースのがんバイオマーカーの実例と、それらの 限界性について言及する。さらに、バイオマーカー候補が臨床応用されるまでに至るための、主要な 壁とは何かについて記す。最後に、あるタンパク質ベースのがんバイオマーカーを一例に、基礎研究 レベルから臨床に至るまでの、長く、困難な道程を紹介する。 要約:基礎研究で見出されたタンパク質ベースのがんバイオマーカーが、臨床で応用されるまでには、 長く、困難な道を経る必要がある。その工程を成功に導くためには、それぞれの過程を、細心の注意 をもって計画、実施しなければならない。臨床的に有用な、いくつかのバイオマーカーが辿った歴史 からみて、あるマーカー候補が実験段階からベッドサイドに至るまでには、少なくとも 10 年を要す 1 る。従って、最新の技術進歩が、今にもバイオマーカーを革命的に変えるという見方は、時期尚早と 言えるのかもしれない。 がんバイオマーカーの探索は、がん研究には欠くことのできないテーマとなっている。バイオマー カーによる診断や、予後の情報を得ることにより、疾病の早期対応につながる可能性があるためであ る。NIH によると、バイオマーカーとは、「正常な生体内作用、発病過程、あるいは治療的介入に対 する薬理的効果を反映し、客観的に評価するための特性を持ったもの」、と定義されている (1)。こ の 10 年の間に、バイオマーカーの探索は、ハイスループットな「オミックス」技術(すなわち、ゲ ノミクス、トランスクリプトーミクス、プロテオミクス、メタボロミクス)の進歩により、臨床診療 時の観測から得られた副産物というレベルだった時代から脱皮し、より大規模で体系的なプロセスに よって行われることになり、探索によって得られたバイオマーカーは、しばしば「パイプライン」と 評される。どういうわけか、アカデミア・企業・政府機関を含む関係者による集中投資にもかかわら ず、US Food and Drug Administration (FDA)4 により認可されたバイオマーカーの数は、この 10 年の間 に減少傾向にあり、1 年辺り1つに満たない状況にある(2, 3)。 バイオマーカー開発パイプラインをシンプルな形で表すと、主に 4 つの段階に分けることができる (図 1)。まず初めに、前臨床(プレクリニカル)な探索的研究により、バイオマーカー候補を同定す る。この探索段階においては、通常、患者および健常者グループ由来の、少数の検体を用いた比較研 究により、有望な分子を見出す。適正な設定で研究を実施することで、ハイスループットな技術によ り、同時に、しかも先入観を持たない形で、数千の分子の中から有望なバイオマーカーを同定でき得 る。採用する同定技術、バイオインフォマティックスツール、目的に沿ったバイオマーカーの性質に 合わせた選択条件を設定することで、幾つかのバイオマーカー候補に絞り込みを行う。新規バイオマ ーカー候補の探索結果を示した数々の文献から判断するに、この探索段階は生産的なものと判断でき る。また、このパイプライン初期段階の戦略をまとめた、数々のレビューが報告されている(4–7)。 図1 バイオマーカー開発パイプライン 2 バイオマーカー開発における主要な 4 段階。ある段階から次の段階に進むためには、異なるレベルの、 複数の課題を克服しなければならない。最後の段階まで到達したバイオマーカーのみが、臨床導入さ れることになる。ここでは 4 つの段階として示したが、それぞれの段階に必ずしも明確な境界が存在 するわけでは無く、また各段階が順に進むとも限らない。各段階でいくつもの研究が実施され、また バイオマーカーの開発サイクルを通して、様々な段階においての研究が必要となる。 続いてのステップには、確固たる測定系の構築や、臨床検体を用いての測定系の検証が含まれる。 実のところ、測定系の構築は終わりなきプロセスであり、バイオマーカー開発のどの段階でも、再構 築が行われ得る。市販後に至ってさえも必要な場合もある。構築した測定系によりバイオマーカーの 定量を行うことになるが、それはがん検体バンクに保存された患者検体を用いた後ろ向き試験として 行われることが多い。これが開発第 3 段階である。統計的信頼性を得るために、また目的とする患者 群の生物学的多様性を網羅するために、探索段階と異なり、この段階での後ろ向き検証試験には多数 の検体を用いる必要がある。ほんの一握りのバイオマーカー候補のみが生き残り、次の段階、つまり 前向きな臨床試験に進む。開発パイプラインは、概念的に 4 つの連続的なステップとして示すことが できるが、各層でいくつもの研究が実施され、またバイオマーカーの開発サイクルを通して、様々な 段階において研究が必要となる。明らかに、バイオマーカーの開発及び検証は、プロセスが幾重にも 重なったものである。このプロセスには、アカデミアと企業のコラボレーションが必要で、時間のか かるものであり、多大な投資も必要となる。 バイオマーカーには、様々な分子形態があり得る。例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、 代謝産物である。 タンパク質は生理活性を示す分子そのものであり、生体反応の多くを制御する分 子であり、効率的かつ経済的に定量化でき、血中での分析感度も高い。このために、血中バイオマー カーとして最も注目される分子であることは当然とも言える。2002 年のノーベル化学賞受賞者であ る Fenn と田中によって見出された ソフトレーザー脱離イオン化法により、質量分析計を用いての複 合タンパク質の解析が可能となった。この方法の発見以来、血液、その他の体液、組織、細胞株など の様々な生物検体を用いて、新規バイオマーカーの同定を目指した、数千の研究がおこなわれてきた。 質量分析計を用いたプロテオミックスが定量可能な方法になったことにより、新規バイオマーカー発 見への期待が高まった(8)。それにもかかわらず、臨床に導入されたバイオマーカーの数は増えてい ないことから、開発パイプラインが効率的で無いことが示唆される。ハイスループットな技術を用い ての網羅的バイオマーカー探索における大きな課題の一つは、既存の同定法に比べて偽陽性率が高い ことである。偽陽性が多いということにより、結果的に真のバイオマーカーの同定とその検証に時間 がかかってしまう。さらに残念なことに、高い可能性を示すバイオマーカー候補もなかなか臨床導入 につながらない。正確な検証法が存在しないことや、既存の臨床診療に対する優位性を十分に示せる だけのデータを確保できていないためである。こうした課題を克服するためのカギは、バイオマーカ ー探索を行う前に、何が臨床的に必要とされているのかを明確に理解することである。探索を行うも のが、臨床が直面している課題とそれに対する答えが何かを理解していない場合、真のバイオマーカ ーの同定と検証を行うための適切な研究を組むことは不可能である。 タンパク質バイオマーカーの、基礎研究から臨床までの道程は長く、克服しなければならない課題 も多い。さらに、それぞれの段階研究を正しく計画し、成功に向けて実施する必要がある。こうした ことは、新規バイオマーカーが少ないことの理由や、解決策について記述された幾つもの論文だけで なく、NIH が示す Roadmap initiative や、FDA が示す Critical Path Initiative for drugs and diagnostics での 報告などからも、明らかである (9) 。このレビューのゴールは、タンパク質ベースのがんバイオマー 3 カーの臨床的有用性に焦点を当て、実例を示し、強みと弱みについて言及することにある。さらにこ こでは、バイオマーカー候補が臨床に導入されるまでに克服しなければならない障害を示し、FDA の認可を受けるために必要な薬事プロセスを概説する。最後に、タンパク質ベースのがんバイオマー カーが探索から臨床に進むために乗り越えなければならないステップについて述べる。 がんバイオマーカーの臨床的有用性 がん患者のみが陽性となる血液検査で、がんのステージと相関があり、予後情報も得られ、治療効 果も予測可能で、簡便かつ再現性も高いものが、理想的ながんバイオマーカーの検査、と言える。今 日までに FDA によって認可されたタンパク質がんバイオマーカーは、わずか 18 に過ぎない(表 1)。 これらのマーカーは臨床に導入されているものの、理想からは程遠い検査である。下記に、がんバイ オマーカーの主要な使われ方を示し、実例を挙げ、それらに不足する要素を取り上げる。 表 1 FDA が認可したタンパク質がんバイオマーカー スクリーニング/早期診断 4 「早期、これががんの制御に大切な要素で、早期発見と早期治療により多くの命が救われることに なる」というのが、1930 年半ばに公衆衛生と安全性向上を目的にデザインされたプログラムである、 Work Projects Administration Poster Collection (www.loc.gov/pictures/resource/cph.3b48900) のポスターに掲 げられたスローガンである。しかしながら、1971 年を迎えるにあたって初めて、Richard Nixon 大統 領によってがんへの戦争が宣言され、一般大衆も注目するようになった。多くの場合、がんの兆候が 見られたときには、既にがん細胞は組織内に広がり、治療効果も高くない。スクリーニングプログラ ムの目的は、がんの兆候が見られる前の、治療できるステージで見つけることにある。例えば、限局 性 乳がんの 5 年生存率は 90%以上であるが、転移患者の場合の 5 年生存率は、局所性で 60%、離れ た場所にあるがんの場合で 30% に減少する (10)。 スクリーニング用バイオマーカーが有用なものであるためには、いくつかの条件を満たさなければ ならない。疾患を早期かつ兆候が見える前のステージで検知できれば、死亡率低下、もしくは生存率 向上につながる。しかしながら、早期発見が生存率にもたらす効果を正確に調べることは難しい可能 性があり、リードタイムのバイアスを加味する必要がある。生存率の向上は唯一、疾患の早期発見に よってもたらされたものでなければならない。さらに、スクリーニング検査は偽陽性を抑えるために、 特異度が高くなければならない。その意味では、特異性とは設定されたカットオフ値以下に占める健 常人の割合のことを特に示す。100 万人がスクリーニング検査を受けた場合、99.9%の特異度でも、 1000 人が偽陽性となることを 意味する。従って、生理学的なストレスとコスト削減のため、過度な 診断が行われないようにするためには、偽陽性の少ない、つまり高い特異度を持つスクリーニング用 のバイオマーカーが必要である。そんなマーカーの場合も、最適となる感度および特異度は、検査に よる偽陽性、偽陰性が診療にどのような影響を及ぼし得るのかを十分に検討したうえで設定する必要 がある。究極的には、成功するスクリーニングプログラムとは、経済的に有効で、非侵襲性、疾患特 異的な罹患率、そして/または死亡率の減少が計測可能なものと言える。結果として、罹患率が比較 的高く、治療法が存在し、患者も持続的な治療に協力するような、疾患に対する早期発見目的のスク リーニングが最も良いと言える (11)。 がんスクリーニング用バイオマーカーとして最もよく知られ、研究例も多いのが、prostate specific antigen (PSA)である。PSA は 1986 年に前立腺がんのモニタリング用として認可され、PSA によるモ ニタリングにより、前立腺がんの治療に顕著な改善が見られた。その 8 年後、症状を示さなくとも PSA 濃度が高い個人では、前立腺がんのリスクが高まるという研究結果を受け、PSA は前立腺がん のスクリーニング用マーカーとしても FDA に認可された (12)。PSA 検査が広く普及したことにより、 およそ 90% の前立腺がん患者が早期に発見されたものとなり、診断後の延命期間向上にも明らかに 寄与した。 広く普及したものの、しかし PSA にはいくつかの限界も存在する。前立腺がん患者のみならず、 PSA 高値は良性前立腺肥大や前立腺炎、前立腺感染などの良性症状の人にも見られる場合がある。加 えて PSA の検査値には、悪性度との相関が見られない。高悪性度泌尿器がんは転移の可能性も高く、 前立腺がんに関係する死亡につながる一方、低悪性度のがんの場合は初発がんの部位に留まることが 多い為、患者の生命を脅かすリスクは高くない。低悪性度のがんの治療はむしろ、患者の QOL に害 となり得る。その結果、前立腺がんによる死亡率減少に PSA スクリーニング検査がどれほど寄与し たのかについて、前向きな 2 つの前立腺がんスクリーニングの治験、The European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer と、The Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial (13, 14)、から得られた異なる結果により、論争が続いている。The European Randomized Study of Screening 5 for Prostate Cancer trial では、PSA スクリーニング検査によって、前立腺がんに特異的な死亡率 が 20% 減少したことが示された。一方、The Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian Cancer Screening Trial では、 前立腺がんに特異的な死亡率減少に関して、PSA は顕著に寄与しなかったことが示された。また、双 方の結果から、PSA スクリーニングが過度の診断、過度の前立腺がん治療につながることが示唆され た。過度の診断、治療は、不必要な生検、治療の副作用、精神的ストレスなど、有害となり得る事例 に結びつく可能性がある。従って、バイオマーカーとしてもっとも認知度の高い PSA でさえ、理想 的なマーカーとは言えない。そのため、臨床における主なアンメットニーズは残されたままである。 それはつまり、PSA よりも特異度の高いスクリーニングマーカーが必要で、さらに死亡につながる可 能性のある悪性と、無痛性がんを区別できるマーカーが必要であるということである。 診断 スクリーニングと異なり、診断的検査は疾患症状[病態]を持つか否かを見極めるものである。し かしながら、診断用バイオマーカーに要求される性質は、スクリーニング用検査のものと類似する。 特筆すべきは、がんの診断ガイドラインでは推奨されるタンパク質ベースのバイオマーカーは無いと のことだが、それでいて広く知られる多くのマーカーが、診断補助の目的で広く利用されている。 予知と予後 予後(prognostic)因子は、診断時点での患者もしくは疾患に影響を受けるもので、治療とは独立した、 その疾患の自然な経過に関する情報を提供するものである。その一方で予知(predictive)バイオマーカ ーは、ある治療介入が他の治療法や無介入に比べて、どれほど効果があり得るかを予測するものであ る。予知バイオマーカーは、個別化医療の基礎となるものである。 予後検査により、個々の患者は異なるリスクグループに分類される。もし特定のバイオマーカーの 予後的有用性が高い場合、3 つの血清マーカー、つまり α-フェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロ ピン、乳酸脱水素酵素と同様に、それらのマーカーは TNM(tumor-node-metastasis) 分類に導入され得 る。例えばこの 3 つのマーカーは精巣がんで用いられるが、部位特異的な予後因子として TNMS シ ステムに組み込まれている(S は site-specific つまり部位特異的な予後因子を示す) (15)。良好な予後が 示される患者は、アジュバント療法を回避できる可能性があり、それによって副作用のリスクや治療 費の低減につながるかもしれない。このことから、予後マーカーは重要と言える。しかしながら、ほ とんどの予後バイオマーカーは診断精度を伴わないため、臨床医は過少治療よりも過剰治療を選択す る場合が多い。 無病・全生存などをエンドポイントに置いた場合、何年もの時間を要し、複雑な統計解析もしばし ば必要となるため、特に前向き研究下において、予後及び予知バイオマーカーの検証は容易なもので は無い(16)。 最も広く用いられている予後および予知バイオマーカーは、乳がん患者に用いられる組織マーカー、 エストロゲンレセプター (estrogen receptor: ER)である。 予後的には、ER 陽性がんの患者は、ER 陰性 がんに比べて、アウトカムが良好である。しかしながら、予後マーカーとしての有用性は時間に依存 6 するとともに(診断後 5 年もしくはそれ以前)、リンパ節陰性患者の場合の予後マーカーとしての有 用性は限定的である (17, 18)。より正確な乳がんの予後バイオマーカーに対するニーズから多くの研 究が進められ、その結果いくつかの複数遺伝子セットがバイオマーカー候補として浮上しており、将 来、乳がん患者のマネージメントに用いられる可能性も出てきた。しかしながら、これらの遺伝子セ ットの臨床的有用性は、まだ確立されていない(19)。 ER は、 Tumor Marker Panel of the American Society of Clinical Oncology により、乳がんに対してルー チンベースでの使用を推奨された、最初の予知マーカーである(20)。この検査は、ホルモン療法の効 果の推定により患者を選択するものである。選択的 ER 調節因子やアロマターゼ阻害剤のような内分 泌療法は、初期あるいは末期のホルモンレセプター陽性腫瘍を持つ患者に最も効果的である(21)。し かしながら末期の ER 陽性患者の 3 分の 1 は、内分泌療法に対して本質的に抵抗性を示し、初期に内 分泌療法が効果を示した ER 陽性腫瘍も、最終的には抵抗性を示すことが多い。こうしたことから、 ER の予知有効性は理想からは程遠いものである(22)。 モニタリング 再発が起こっていないかどうかの確認目的で経過観察を行うため、治療後の患者に対してモニタリ ングが行われる。加えて、モニタリング用バイオマーカーの濃度により、治療効果の判定が可能とな り得る。濃度上昇は治療への抵抗性を示唆し、代替療法への切替えが必要となり得る。治療の継続的 な有効性の確認と、早期での非効果的な治療の中止、及び代替治療法の選択を判断するためには、モ ニタリングテストは感度と特異度の両方が必要となる。 典型的なモニタリングバイオマーカーの一例は、糖鎖抗原の carbohydrate antigen 19-9 (CA19-9)であ る。CA19-9 は、膵臓がんと結腸直腸がんに有効なマーカーとして 1979 年に同定され (23)、2002 年に 膵臓がん患者のモニタリングマーカーとして FDA に認可された。CA19-9 は比較的良好な診断感度を 有すが(進行疾患で 70%–90% 、早期疾患で約 50%、一般集団の健常者でおよそ 5% )、特異性が高 くない(膵臓がん以外のいくつかの癌や、良性の膵臓病、胆道炎でも高値となる) (24–27)。従って、 CA19-9 は、高値な患者の治療効果を推定するための使用が推奨される一方で、スクリーニング目的 としての使用や、膵臓がんの再発を見出すために他の検査を伴わずに用いることは推奨されていない (28)。 新たながんバイオマーカーの必要性 僅か 18 のタンパク質ベースでのがんバイオマーカーが、 FDA の認可を受けているのみである (表 1)。その他のバイオマーカーもいくつかは、FDA の認可を得ない形で臨床に用いられている。最適な 患者マネージメントを実現させるためには、明らかに新たなバイオマーカーが必要である。多数のが ん研究者や関係組織が、臨床でのアンメットニーズ(満たされていないニーズ)を解消するために、 新規バイオマーカーを同定しようとしのぎを削っている。それではなぜ、新たに臨床で用いられるバ イオマーカーがこれほど少ないのだろうか?より多くのバイオマーカーが利用されるような道はある のだろうか? 7 バイオマーカー開発の課題 下記に、探索後のバイオマーカー開発に見られるいくつかの課題を概説し、これらの課題を克服す るための手法をいくつか示してみた。これらは表 2 にもまとめてある。また、FDA の認可は得られ ていないにもかかわらず、20 年以上検査で利用され、十分なデータが蓄積されている実例として、 ある予後バイオマーカーの開発経路についても示す。 表 2. バイオマーカーの失敗例とその理由 測定系 バイオマーカーが臨床的に有用であるためには、安定的に測定でき、ルーチンベースでの検査室に も簡便に導入可能でなければならない (29)。ELISA のようなイムノアッセイが、タンパク質ベースの バイオマーカーの臨床応用には、ゴールドスタンダードな手法であることに変わりは無い(30, 31)。 質量分析計を用いた測定は、高い分析特異度と分析感度を有し、マルチプレックスな系の構築も可能 であることなどから、臨床への応用は引き続き魅力的と言える。しかしながら、測定系の複雑さや、 専門技術が必要であることから、現時点では検査室でのルーチンベースでの利用には向かない(30)。 8 測定系の開発以前に、いくつものプレアナリティカルな変動要因についても評価しておかなければ ならない。例えば、マトリックス効果や採血、検体ハンドリング、保存時における様々な影響などで ある。抗体やキャリブレータ―のような測定系の主構成分の完成状況に応じて、測定系の開発には数 週間から数年を要する。イムノアッセイの場合、高品質の抗体が得られない場合は、開発速度が鈍化 する。この時間を短縮するために、Human Protein Atlas project により、全てのヒトタンパク質に対す る複数の抗体が作成されつつある (32)。2011 年 11 月までに、UniProt によって定義された 19, 559 個 のエントリーがあるヒト由来のタンパク質の 40%以上を占める、12, 238 個のタンパク質コーディン グ遺伝子に対応する 15, 598 個の抗体が既に作成されている(33)。構築されたプロトタイプの測定系 は、注意深く検証しなければならない。確認の必要がある基本的な分析性能としては添加試験、測定 範囲、感度限界、定量限界、精度、正確性、分析的特異度などである(34)。臨床検査室改善法 (Clinical Laboratory Improvement Amendment : CLIA)として知られる、ヒトに対する診断用検査の連邦 政府の規制ルールに従うことで、測定系の分析的検証段階における信頼性とデータの品質が向上する (35)。 組織検体を採集した Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian Cancer Screening Trial での卵巣がんのバイ オマーカー候補の検証試験の結果から、測定系の技術的品質の重要性が実証された(36)。この試験で は、phase II で有望視された 28 の卵巣がんバイオマーカーに関して、診断前の検体を用い、phase III の設定で検証した。その結果、CA125 は他のバイオマーカーの成績を圧倒したものの、測定性能がバ イオマーカー自体の性能に大きく影響を及ぼすことが分かった。CV が 30%を越える測定系のマーカ ーはどれも、phase II あるいは phase III での試験において、診断感度で許容できるものは無かった。 必要となる検体 標的とすべき適切な集団を見出すこと、採取から解析に到るまで、信頼できる検体を用いることは、 バイオマーカーの開発には不可欠なステップである。検証試験で用いる、ケースおよびコントロール を含む集団は、標的とする集団に良く合致している必要があり、その選択プロセスには、明確な選択 基準及び除外基準が定義されていなければならない。十分な統計的信頼性を確保するためには、それ に必要なだけの数の検体を必要とする(37)。一般的には、バイオマーカーの開発が臨床応用に近づく に連れ、検体数も増える。絶食や姿勢、概日性、年齢、性別などの患者が持つ固有の要素については、 全ての検体について、その情報を併記させる必要があり、対象とする分析物への影響も注意を払って 検討する必要がある。分析物の濃度に影響を与えることが確認された要素は全て、今後の試験では十 分に制御しておく必要がある。さらに、最も有効な検体の採取法、ハンドリング法、保存法を知るた めに、異なる条件下でのバイオマーカーの安定性についても確認しておく必要がある。最後に、検体 採取および保存時に用いられる器具および試薬には、十分な注意を払う必要がある。全ての検体の採 取と前処理は、分析前のバイアスを最小化させるために、事前に構築した標準業務手順を用いて行う 必要がある。注釈の乏しい検体や、あるいは不的確な集団に由来する検体の使用により、試験データ にバイアスが掛かり、それは研究の失敗につながる。 必要とする生物学的試料の入手は、検証試験における律速因子の一つであり、生物学的試料の需要 は供給を大きく上回ることになる。臨床データを付帯する高品質の検体の確保は容易でないだけに、 その後の重要な研究や、後期でのバイオマーカー探索のために、保存しておくべきである(38)。この ような方向性に則し、下流での検証試験に耐え得る最も期待できる候補を見出すことができるように、 9 特に無作為化試験での検体を用いた検証試験が進行中である新規バイオマーカー情報を含む、情報デ ータベースを構築しようという試みが進められている(39)。これに加えて、有望なバイオマーカーを 検証するための高品質な検体バンクの構築も進められている。NIH 主導での大規模プロジェクト 「 Early Detection Research Network」は、有望なバイオマーカーを用いて構築した測定系の開発や、が んの早期発見を目指した技術の確立を目指した、アメリカ国内外のアカデミアおよび企業の研究者と 各組織を結び付ける取り組みである (http://edrn.nci.nih.gov)。 統計学 バイオマーカーの検証研究では、確固たる統計解析法が必須となる。検体数が十分でないことや、 適当なコントロール検体、独立的で無いトレーニングセットなどから生まれるバイアスの可能性や、 検証すべきコホート集団、複数の作業仮説などを吟味する必要がある。さらには、良く P value で示 されるような統計的優位性の評価は、臨床的有用性を見るには適切であるとは言えず、誤った解釈に つながることもあり得る。バイオマーカーの評価を行う研究者は、その道での経験を有する統計家と 親密に連携して、検証研究を進める必要がある。RNA マイクロアレイや、複数の遺伝子を対象にし た発現解析などのオミックス技術の普及により、統計解析は益々複雑化している。初期段階では、こ うした複雑な解析に用いられる統計手法は、開発した測定系および最適化した個々の測定シグナル出 力に用いられてきた。しかしながら、複数のシグナルを同時に読み込むことをベースにした、より新 しく、より適した方法論が開発されつつある (40)。例えば Oncotype Dx (41) や OVA1 (42)のような、 複数の遺伝子や複数のタンパク質を測定するような診断系では、複数の遺伝子もしくはタンパク質の 発現量を一つの値として数値化したものである。アルゴリズムは診断スコア換算の根幹ではあるもの の、臨床家にとっては「ブラックボックス」の状態にある。FDA が認可したこの種の検査系は、“多 変数指標測定系体外診断薬(in vitro diagnostic multivariate index assay: IVDMIA)” (43)と呼ばれている。 資金調達 バイオマーカーの開発が、ある段階から次の段階に移行するにしたがって、投入資金量は増大する。 あるバイオマーカーの発見段階や初期検証段階は、アカデミア側で進行することが多く、企業は開発 段階になって登場し、財政支援を行う。綿密な計画に基づいて行う初期検証研究によって、臨床での アンメットニーズに対する答えとなるバイオマーカーかどうかを明確に示すことは、企業側のパート ナーを獲得するためには不可欠である。この段階での潜在的限界は、知的所有権に関係した問題であ ることも多い。バイオマーカーの商業化の主要素は、所有権である。臨床的有用性に由らず、企業側 が投資収益の見込めそうにないマーカー開発に着手することは無い。このため、研究者はバイオマー カの探索段階のできるだけ初期の時点で、特許申請を行うべきである。 バイオマーカーに対する FDA の認可を取る理由の一つは、検査を広く普及させるために、メディ ケア(Medicare) や民間保険会社の保険償還を得るためである。その一方、不十分な保険償還率によっ て企業パートナーは FDA からの認可を受けることに消極的になり、利用度は広がらないが、高い償 還率を期待できるインハウステスト開発の道を選択することもあり得る。不十分な保険償還の問題に ついては、2 つの政府委員会報告書の中で強調されており、診断分野での保険償還の再評価を推奨し ている(44, 45)。高い財務リスクのために、診断分野は治療薬分野に比べて投資対象としての魅力に 10 欠けると長く思われてきた。このため、創薬のようには診断法の開発に資金が投入されてこなかった (46)。診断分野に対するこのような投資家の姿勢により、バイオマーカーの開発は容易では無い。だ からこそ、バイオマーカー探索を開始する前に、得られるバイオマーカーがどのような臨床価値を持 ち得るのか、慎重に検討したうえで明確な答えを導き出しておく必要がある。 規制上の課題 新規がんバイオマーカー候補の臨床評価には、異なる人種における診断的有用性の評価が含められ る(37)。臨床的有用性が示された後、企業は体外診断薬としての製品開発を進める場合もある。技術 的および臨床的有用性を評価するため、さらなる検証研究が行われる。特定の臨床利用についての有 用性を示すことのできる十分なデータが蓄積した時点で、FDA のような規制当局の認可を得ようと することになる。アメリカでは、保険償還されるため、また市販するために必ず当局の認可を受けな ければならないわけでは無いが、当局の認可によって市場性が広がり、また広い支持を集めることが できる。 FDA は Voluntary Exploratory Data Submission 制度を構築した。この制度では、当局の判断対象には ならない初期開発段階のデータに到るまで、企業は当局との間での共有化を促される。当局は規制側 として企業に厳格に接するのでは無く、むしろ企業と協調関係にあろうとする意思の表れである。 アメリカでのバイオマーカー開発のための規制プロセスについての詳細は、FDA のウェブサイト (www.fda.gov)や最近のレビュー(3, 47)を通して確認することができる。どの国にも独自の規制機関が 存在し、バイオマーカーが医療システムの中で使われる際の規制を展開している。また、ある国で認 可されたからと言って、その他の国で認可されるとは限らない。 ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子とその阻害因子である I 型プラスミノーゲ ン活性化因子阻害タンパク質の例 ここでは、広く普及はしていないものの、臨床的有用性が確認されているバイオマーカーを例に挙 げることで、がんバイオマーカーの普及における主要な課題について示す。既に述べた通り、乳がん における臨床のアンメットニーズの一つが、感度・特異度の高い予後マーカーの開発である(48)。現 在用いられている予後指標は、リンパ節の状態、つまりがんに関係したリンパ節数、腫瘍サイズ、グ レード、そしてホルモンレセプターの状態、つまり 2 型ヒト上皮成長因子受容体(human epidermal growth factor receptor 2: HER2)の増幅度である(49, 50)。しかしながら、これらの因子を用いても、30% 程の患者にしか、明確な予後情報は得られない(10)。 セリンプロテアーゼのウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(urokinase-type plasminogen activator: uPA)とその阻害因子である I 型プラスミノーゲン活性化因子阻害因子(plasminogen activator inhibitor type 1: PAI-1)は、予後判定用がんバイオマーカー候補の一つである。uPA と PAI-1 抗原濃度 は、再発リスクと相関を持つ。つまり、リンパ節転移が無く、uPA と PAI-1 濃度の低い患者は、低リ スクのサブグループにクラス分類でき、従って全身性のアジュバント療法を回避でき得る(51)。 uPA 11 と PAI-1 の予後判定能は、何も最近見出されたものでは無い。1988 年 Duffy らは、原発性乳がん患者 では、uPA のセリンプロテアーゼ酵素活性により、予後判定ができる可能性のあることを示唆する報 告をした(52)。それから 1 年経たない間に、Janicke らは酵素活性で無く、uPA の主要組織における抗 原濃度もまた乳がんの予後を明らかに示すことを報告した(53)。その 3 年後、リンパ節転移の有無に 依らず、PAI-1 もまた予後判定用乳がんバイオマーカーとしての可能性があることが示された(54)。 その後、1990 年代初頭から 2000 年代中頃にかけて、様々な対象集団を用いた 15 の独立した研究が行 われ、原発性乳がんにおける uPA および PAI-1 の予後能力が報告された (55–67) 。 Receptor and Biomarker Group of the European Organization for Research and Treatment of Cancer により、 uPA および PAI-1 の抗原濃度を測定するためのいくつかの ELISA キットが評価され、国際的に品質 の保証が検討れた(68, 69)。加えて、プレアナリティカルなステップでの、組織検体作成法の最適化 が行われ、これらの ELISA キットの標準化が進められている(70)。 uPA と PAI-1 は、乳がん患者のマネージメントに、高いレベルでの臨床的有用性を示すエビデンス が認められた最初の癌マーカーである。Hayes らは、有効性を示す高いレベルでのエビデンスについ て、「単独の、高い統計的検出力のある、前向きのマーカーの検証のためにデザインされた対照試験 から得られたエビデンス、あるいはメタ解析から得られたレベル II ・レベル III 研究をまとめた結果 としてのエビデンス」であると述べている(71)。uPA や PAI-1 の場合、Receptor and Biomarker Group of the European Organization for Research and Treatment of Cancer によって、フォローアップ試験が中央値 として 6.5 年行われた、8000 人以上もの原発性乳がん患者を含む 18 のデータセットのメタ解析が進 められ(51) 、予後マーカーとしての可能性が検証された。加えて、前向き多施設無作為化(ランダム 化)臨床試験(Chemo N0)が、1993 年より 1999 年にかけて実施され、uPA および PAI-1 の予後マーカ ーの有効性が確認された (72)。 すべてを加味すると、これら 2 つのタンパク質がんマーカーの臨床的有用性を示すには、アカデミ ア、企業、臨床家、患者のコラボレーションのもとに行われた 20 年以上に渡る精力的な研究が必要 であった。注目すべきことに、American Society of Clinical Oncology によって推奨された乳がん予後マ ーカーリストに uPA と PAI-1 は含まれているものの(73)、FDA には未だに認可されていない。 この例に見られるように、測定系が分析的に検証され、高いレベルのエビデンスが臨床評価によっ て得られ、明確な臨床的有用性が独立した幾つもの研究で再現されたバイオマーカーでさえ、基礎研 究での探索成果を臨床導入するには少なくとも 20 年以上を要する。uPA と PAI の臨床導入を阻害し 得る主な障害は、新鮮な状態で凍結された組織検体の必要性である。このような検体種は標準的な手 順では得られないためである。(正しい探索成果、ロバストな測定系、臨床試験、資金調達などの) 必要となる要素をすべて獲得できているとしても、バイオマーカーの臨床導入には時間がかかるもの で、それを回避する容易な道は存在しない。一般的に言えば、臨床でのインパクトが大きければ大き いほど、市場に登場する時間は短い。例えば 4 型ヒト精巣上体タンパク質(Human epididymis protein 4: HE4)の場合、最初の卵巣がんバイオマーカー候補として報告されたのは 1990 年代後半であったが (74–76) 、2010 年になってようやく、再発と進行度のモニタリングマーカーとして、FDA の認可を受 けた。PSA は血清中に見出された後(77, 78)、FDA の認可を受けるまでに、モニタリング目的で約 6 年、スクリーニング目的で 8 年を要したのである。 12 結論 がんバイオマーカーの臨床での使われ方は様々である。新規バイオマーカーの研究が重点的に実施さ れている背景には、臨床における既存マーカーの利用価値が限定的なものである、という事実が存在 する。ヒトゲノムシーケンスプロジェクトの完了によって莫大な情報が得られ、技術革新が進んでい るにもかかわらず、FDA によるがんバイオマーカーとしての新規タンパク質マーカーの認可は、こ の 10 年間の間、減少傾向が続いている。多くの人が、これは「オミックス」によって得られるバイ オマーカーの、臨床導入への失敗例だと考えている。しかしながら、我々は、バイオマーカーの開発 にはいくつもの連続的な研究段階が伴うこと、異なるプレイヤー間でのコラボレーションが必要とさ れること、莫大な資金投入が必要で、開発段階でいくつもの課題に直面し得ること等を理解しなけれ ばならない。これらすべての課題を克服してもなお、既に臨床に導入されたバイオマーカーの歴史か ら見て、基礎研究段階から臨床導入までに行き着くには、少なくとも 10 年はかかるものと思われる。 従って、新たな技術革新がすぐにもバイオマーカーに革命をもたらす、というのは恐らく時期尚早と 言えるかもしれない。 (訳者:石倉 清秀) 脚注 4 Nonstandard abbreviations: FDA, US Food and Drug Administration; TNM, tumor-node-metastasis; PSA, prostate-specific antigen; ER, estrogen receptor; CA19-9, carbohydrate antigen 19-9; uPA, urokinase-type plasminogen activator; PAI-1, plasminogen activator inhibitor-1. Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article. 13 Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors completed the author disclosure form. Disclosures and/or potential conflicts of interest: Employment or Leadership: E.P. Diamandis, Clinical Chemistry, AACC. Consultant or Advisory Role: None declared. Stock Ownership: None declared. Honoraria: None declared. Research Funding: None declared. Expert Testimony: None declared. Patents: None declared. Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data, or preparation or approval of manuscript. Received for publication March 6, 2012. Accepted for publication June 28, 2012. © 2012 The American Association for Clinical Chemistry References 1. Biomarkers Definitions Working Group. Biomarkers and surrogate endpoints: preferred definitions and conceptual framework. Clin Pharmacol Ther 2001;69:89–95. 2. Anderson NL, Anderson NG. The human plasma proteome: history, character, and diagnostic prospects. Mol Cell Proteomics 2002;1:845–67. 3. Gutman S, Kessler LG. The US Food and Drug Administration perspective on cancer biomarker development. Nat Rev Cancer 2006;6:565–71. 4. Kulasingam V, Diamandis EP. Strategies for discovering novel cancer biomarkers through utilization of emerging technologies. Nat Clin Pract Oncol 2008;5:588–99. 5. deVera IE, Katz JE, Agus DB. Clinical proteomics: the promises and challenges of mass spectrometrybased biomarker discovery. Clin Adv Hematol Oncol 2006;4:541–9. 14 6. Rifai N, Gillette MA, Carr SA. Protein biomarker discovery and validation: the long and uncertain path to clinical utility. Nat Biotechnol 2006;24:971–83. 7. Wang P, Whiteaker JR, Paulovich AG. The evolving role of mass spectrometry in cancer biomarker discovery. Cancer Biol Ther 2009;8:1083–94. 8. Ong SE, Mann M. Mass spectrometry-based proteomics turns quantitative. Nat Chem Biol 2005;1:252–62. 9. US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. Innovation or stagnation: challenge and opportunity on the critical path to new medical products. 2004. http://www.fda.gov/ScienceResearch/SpecialTopics/CriticalPathInitiative/CriticalPathOpportunitiesReports/ ucm077262.htm (Accessed December 2012). 10. Weigelt B, Peterse JL, van 't Veer LJ. Breast cancer metastasis: markers and models. Nat Rev Cancer 2005;5:591–602. 11. Mulley A. Primary care medicine. 3rd ed. Philadelphia: J.B. Lippincott; 1995: p 13–6. 12. Catalona WJ, Smith DS, Ratliff TL, Dodds KM, Coplen DE, Yuan JJ, et al. Measurement of prostatespecific antigen in serum as a screening test for prostate cancer. N Engl J Med 1991;324:1156–61. 13. Andriole GL, Crawford ED, Grubb RL III., Buys SS, Chia D, Church TR, et al. Mortality results from a randomized prostate-cancer screening trial. N Engl J Med 2009;360:1310–9. 14. Schroder FH, Hugosson J, Roobol MJ, Tammela TL, Ciatto S, Nelen V, et al. Screening and prostatecancer mortality in a randomized European study. N Engl J Med 2009;360:1320–8. 15. Edge SB, Byrd DR, Compton CC, Fritz AG, Greene FL, Trotti A. Testis. AJCC cancer staging manual. New York: Springer Verlag; 2009. p 469–73. 16. Buyse M, Sargent DJ, Grothey A, Matheson A, de Gramont A. Biomarkers and surrogate end points: the challenge of statistical validation. Nat Rev Clin Oncol 2010;7:309–17. 17. Duffy MJ. Biochemical markers as prognostic indices in breast cancer. Clin Chem 1990;36:188–91. 18. Isaacs C, Stearns V, Hayes DF. New prognostic factors for breast cancer recurrence. Semin Oncol 2001;28:53–67. 19. Ross JS, Hatzis C, Symmans WF, Pusztai L, Hortobagyi GN. Commercialized multigene predictors of clinical outcome for breast cancer. Oncologist 2008;13:477–93. 20. ASCO Tumor Marker Expert Panel. Clinical practice guidelines for the use of tumor markers in breast and colorectal cancer. Adopted on May 17, 1996 by the American Society of Clinical Oncology. J Clin Oncol 1996;14:2843–77. 15 21. Duffy MJ. Predictive markers in breast and other cancers: a review. Clin Chem 2005;51:494–503. 22. Hanstein B, Djahansouzi S, Dall P, Beckmann MW, Bender HG. Insights into the molecular biology of the estrogen receptor define novel therapeutic targets for breast cancer. Eur J Endocrinol 2004;150:243–55. 23. Koprowski H, Steplewski Z, Mitchell K, Herlyn M, Herlyn D, Fuhrer P. Colorectal carcinoma antigens detected by hybridoma antibodies. Somatic Cell Genet 1979;5:957–71. 24. Tempero MA, Uchida E, Takasaki H, Burnett DA, Steplewski Z, Pour PM. Relationship of carbohydrate antigen 19-9 and Lewis antigens in pancreatic cancer. Cancer Res 1987;47:5501–3. 25. Goonetilleke KS, Siriwardena AK. Systematic review of carbohydrate antigen (CA 19-9) as a biochemical marker in the diagnosis of pancreatic cancer. Eur J Surg Oncol 2007;33:266–70. 26. Frebourg T, Bercoff E, Manchon N, Senant J, Basuyau JP, Breton P, et al. The evaluation of CA 19-9 antigen level in the early detection of pancreatic cancer. A prospective study of 866 patients. Cancer 1988;62:2287–90. 27. Rosty C, Goggins M. Early detection of pancreatic carcinoma. Hematol Oncol Clin North Am 2002;16:37–52. 28. Locker GY, Hamilton S, Harris J, Jessup JM, Kemeny N, Macdonald JS, et al. ASCO 2006 update of recommendations for the use of tumor markers in gastrointestinal cancer. J Clin Oncol 2006;24:5313–27. 29. US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. Guidance for industry: bioanalytical method validation. 2001. http://www.fda.gov/downloads/Drugs/…/Guidances/ucm070107.pdf (Accessed December 2012). 30. Sahab ZJ, Semaan SM, Sang QX. Methodology and applications of disease biomarker identification in human serum. Biomark Insights 2007;2:21–43. 31. Veenstra TD. Global and targeted quantitative proteomics for biomarker discovery. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2007;847:3–11. 32. Uhlen M, Bjorling E, Agaton C, Szigyarto CA, Amini B, Andersen E, et al. A human protein atlas for normal and cancer tissues based on antibody proteomics. Mol Cell Proteomics 2005;4:1920–32. 33. Uhlen M, Oksvold P, Fagerberg L, Lundberg E, Jonasson K, Forsberg M, et al. Towards a knowledgebased human protein atlas. Nat Biotechnol 2010;28:1248–50. 34. Lee JW, Hall M. Method validation of protein biomarkers in support of drug development or clinical diagnosis/prognosis. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci 2009;877:1259–71. 35. Swanson BN. Delivery of high-quality biomarker assays. Dis Markers 2002;18:47–56. 16 36. Cramer DW, Bast RC Jr., Berg CD, Diamandis EP, Godwin AK, Hartge P, et al. Ovarian cancer biomarker performance in prostate, lung, colorectal, and ovarian cancer screening trial specimens. Cancer Prev Res 2011;4:365–74. 37. Pepe MS, Etzioni R, Feng Z, Potter JD, Thompson ML, Thornquist M, et al. Phases of biomarker development for early detection of cancer. J Natl Cancer Inst 2001;93:1054–61. 38. Hinestrosa MC, Dickersin K, Klein P, Mayer M, Noss K, Slamon D, et al. Shaping the future of biomarker research in breast cancer to ensure clinical relevance. Nat Rev Cancer 2007;7:309–15. 39. Andre F, McShane LM, Michiels S, Ransohoff DF, Altman DG, Reis-Filho JS, et al. Biomarker studies: a call for a comprehensive biomarker study registry. Nat Rev Clin Oncol 2011;8:171–6. 40. US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. Statistical guidance on reporting results from studies evaluating diagnostic tests. 2007. http://www.fda.gov/MedicalDevices/DeviceRegulationandGuidance/GuidanceDocuments/ucm071148.htm (Accessed December 2012). 41. Cobleigh MA, Tabesh B, Bitterman P, Baker J, Cronin M, Liu ML, et al. Tumor gene expression and prognosis in breast cancer patients with 10 or more positive lymph nodes. Clin Cancer Res 2005;11:8623–31. 42. Zhang Z, Chan DW. The road from discovery to clinical diagnostics: lessons learned from the first FDAcleared in vitro diagnostic multivariate index assay of proteomic biomarkers. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2010;19:2995–9. 43. US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. Draft guidance for industry, clinical laboratories, and FDA staff: in vitro diagnostic multivariate index assays. 2007. http://www.fda.gov/downloads/MedicalDevices/DeviceRegulationandGuidance/GuidanceDocuments/ucm07 1455.pdf (Accessed December 2012). 44. Department of Health and Human Services, Secretary's Advisory Committee on Genetics, Health, and Society. Coverage and reimbursement of genetic tests and services: report of the Secretary's Advisory Committee on Genetics, Health, and Society. 2006. http://oba.od.nih.gov/oba/sacghs/reports/CR_report.pdf (Accessed December 2012). 45. Kessler L, Ramsey SD, Tunis S, Sullivan SD. Clinical use of medical devices in the “Bermuda Triangle.” Health Aff 2004;23:200–7. 46. Phillips KA, Van BS, Issa AM. Diagnostics and biomarker development: priming the pipeline. Nat Rev Drug Discov 2006;5:463–9. 47. Scherf U, Becker R, Chan M, Hojvat S. Approval of novel biomarkers: FDA's perspective and major requests. Scand J Clin Lab Invest Suppl 2010;242:96–102. 17 48. Gradishar WJ. The future of breast cancer: the role of prognostic factors. Breast Cancer Res Treat 2005;89(Suppl 1):S17–S26. 49. Pinder SE, Ellis IO, Galea M, O'Rouke S, Blamey RW, Elston CW. Pathological prognostic factors in breast cancer, III. Vascular invasion: relationship with recurrence and survival in a large study with longterm follow-up. Histopathology 1994;24:41–7. 50. Rosen PP, Groshen S, Saigo PE, Kinne DW, Hellman S. Pathological prognostic factors in stage I (T1N0M0) and stage II (T1N1M0) breast carcinoma: a study of 644 patients with median follow-up of 18 years. J Clin Oncol 1989;7:1239–51. 51. Look MP, van Putten WL, Duffy MJ, Harbeck N, Christensen IJ, Thomssen C, et al. Pooled analysis of prognostic impact of urokinase-type plasminogen activator and its inhibitor PAI-1 in 8377 breast cancer patients. J Natl Cancer Inst 2002;94:116–28. 52. Duffy MJ, O'Grady P, Devaney D, O'Siorain L, Fennelly JJ, Lijnen HJ. Urokinase-plasminogen activator, a marker for aggressive breast carcinomas. Preliminary report. Cancer 1988;62:531–3. 53. Janicke F, Schmitt M, Ulm K, Gossner W, Graeff H. Urokinase-type plasminogen activator antigen and early relapse in breast cancer. Lancet 1989;2:1049. 54. Janicke F, Schmitt M, Graeff H. Clinical relevance of the urokinase-type and tissue-type plasminogen activators and of their type 1 inhibitor in breast cancer. Semin Thromb Hemost 1991;17:303–12. 55. Janicke F, Schmitt M, Pache L, Ulm K, Harbeck N, Hofler H, Graeff H. Urokinase (uPA) and its inhibitor PAI-1 are strong and independent prognostic factors in node-negative breast cancer. Breast Cancer Res Treat 1993;24:195–208. 56. Foekens JA, Schmitt M, van Putten WL, Peters HA, Kramer MD, Janicke F, Klijn JG. Plasminogen activator inhibitor-1 and prognosis in primary breast cancer. J Clin Oncol 1994;12:1648–58. 57. Grondahl-Hansen J, Peters HA, van Putten WL, Look MP, Pappot H, Ronne E, et al. Prognostic significance of the receptor for urokinase plasminogen activator in breast cancer. Clin Cancer Res 1995;1:1079–87. 58. Eppenberger U, Kueng W, Schlaeppi JM, Roesel JL, Benz C, Mueller H, et al. Markers of tumor angiogenesis and proteolysis independently define high- and low-risk subsets of node-negative breast cancer patients. J Clin Oncol 1998;16:3129–36. 59. Kim SJ, Shiba E, Kobayashi T, Yayoi E, Furukawa J, Takatsuka Y, et al. Prognostic impact of urokinasetype plasminogen activator (PA), PA inhibitor type-1, and tissue-type PA antigen levels in node-negative breast cancer: a prospective study on multicenter basis. Clin Cancer Res 1998;4:177–82. 18 60. Knoop A, Andreasen PA, Andersen JA, Hansen S, Laenkholm AV, Simonsen AC, et al. Prognostic significance of urokinase-type plasminogen activator and plasminogen activator inhibitor-1 in primary breast cancer. Br J Cancer 1998;77:932–40. 61. Bouchet C, Hacene K, Martin PM, Becette V, Tubiana-Hulin M, Lasry S, et al. Dissemination risk index based on plasminogen activator system components in primary breast cancer. J Clin Oncol 1999;17:3048–57. 62. Foekens JA, Peters HA, Look MP, Portengen H, Schmitt M, Kramer MD, et al. The urokinase system of plasminogen activation and prognosis in 2780 breast cancer patients. Cancer Res 2000;60:636–43. 63. Konecny G, Untch M, Arboleda J, Wilson C, Kahlert S, Boettcher B, et al. Her-2/neu and urokinase-type plasminogen activator and its inhibitor in breast cancer. Clin Cancer Res 2001;7:2448–57. 64. Cufer T, Borstnar S, Vrhovec I. Prognostic and predictive value of the urokinase-type plasminogen activator (uPA) and its inhibitors PAI-1 and PAI-2 in operable breast cancer. Int J Biol Markers 2003;18:106–15. 65. Zemzoum I, Kates RE, Ross JS, Dettmar P, Dutta M, Henrichs C, et al. Invasion factors uPA/PAI-1 and HER2 status provide independent and complementary information on patient outcome in node-negative breast cancer. J Clin Oncol 2003;21:1022–8. 66. Bouchet C, Ferrero-Pous M, Hacene K, Becette V, Spyratos F. Limited prognostic value of c-erbB-2 compared to uPA and PAI-1 in primary breast carcinoma. Int J Biol Markers 2003;18:207–17. 67. Meo S, Dittadi R, Peloso L, Gion M. The prognostic value of vascular endothelial growth factor, urokinase plasminogen activator and plasminogen activator inhibitor-1 in node-negative breast cancer. Int J Biol Markers 2004;19:282–8. 68. Sweep CG, Geurts-Moespot J, Grebenschikov N, de Witte JH, Heuvel JJ, Schmitt M, et al. External quality assessment of trans-European multicentre antigen determinations (enzyme-linked immunosorbent assay) of urokinase-type plasminogen activator (uPA) and its type 1 inhibitor (PAI-1) in human breast cancer tissue extracts. Br J Cancer 1998;78:1434–41. 69. Sweep FC, Fritsche HA, Gion M, Klee GG, Schmitt M. Considerations on development, validation, application, and quality control of immuno(metric) biomarker assays in clinical cancer research: an EORTC-NCI working group report. Int J Oncol 2003;23:1715–26. 70. Janicke F, Pache L, Schmitt M, Ulm K, Thomssen C, Prechtl A, Graeff H. Both the cytosols and detergent extracts of breast cancer tissues are suited to evaluate the prognostic impact of the urokinase-type plasminogen activator and its inhibitor, plasminogen activator inhibitor type 1. Cancer Res 1994;54:2527– 30. 19 71. Hayes DF, Bast RC, Desch CE, Fritsche H Jr., Kemeny NE, Jessup JM, et al. Tumor marker utility grading system: a framework to evaluate clinical utility of tumor markers. J Natl Cancer Inst 1996;88:1456– 66. 72. Janicke F, Prechtl A, Thomssen C, Harbeck N, Meisner C, Untch M, et al. Randomized adjuvant chemotherapy trial in high-risk, lymph node-negative breast cancer patients identified by urokinase-type plasminogen activator and plasminogen activator inhibitor type 1. J Natl Cancer Inst 2001;93:913–20. 73. Harris L, Fritsche H, Mennel R, Norton L, Ravdin P, Taube S, et al. American Society of Clinical Oncology 2007 update of recommendations for the use of tumor markers in breast cancer. J Clin Oncol 2007;25:5287–312. 74. Hough CD, Sherman-Baust CA, Pizer ES, Montz FJ, Im DD, Rosenshein NB, et al. Large-scale serial analysis of gene expression reveals genes differentially expressed in ovarian cancer. Cancer Res 2000;60:6281–7. 75. Schummer M, Ng WV, Bumgarner RE, Nelson PS, Schummer B, Bednarski DW, et al. Comparative hybridization of an array of 21,500 ovarian cDNAs for the discovery of genes overexpressed in ovarian carcinomas. Gene 1999;238:375–85. 76. Wang K, Gan L, Jeffery E, Gayle M, Gown AM, Skelly M, et al. Monitoring gene expression profile changes in ovarian carcinomas using cDNA microarray. Gene 1999;229:101–8. 77. Papsidero LD, Wang MC, Valenzuela LA, Murphy GP, Chu TM. A prostate antigen in sera of prostatic cancer patients. Cancer Res 1980;40:2428–32. 78. Kuriyama M, Wang MC, Papsidero LD, Killian CS, Shimano T, Valenzuela L, et al. Quantitation of prostate-specific antigen in serum by a sensitive enzyme immunoassay. Cancer Res 1980;40:4658–62. 79. Potti A, Mukherjee S, Petersen R, Dressman HK, Bild A, Koontz J, et al. A genomic strategy to refine prognosis in early-stage non-small-cell lung cancer. N Engl J Med 2006;355:570–80. 80. Xu Y, Shen Z, Wiper DW, Wu M, Morton RE, Elson P, et al. Lysophosphatidic acid as a potential biomarker for ovarian and other gynecologic cancers. JAMA 1998;280:719–23. 81. Villanueva J, Shaffer DR, Philip J, Chaparro CA, Erdjument-Bromage H, Olshen AB, et al. Differential exoprotease activities confer tumor-specific serum peptidome patterns. J Clin Invest 2006;116:271–84. 82. Leman ES, Cannon GW, Trock BJ, Sokoll LJ, Chan DW, Mangold L, et al. EPCA-2: a highly specific serum marker for prostate cancer. Urology 2007;69:714–20. 83. Mor G, Visintin I, Lai Y, Zhao H, Schwartz P, Rutherford T, et al. Serum protein markers for early detection of ovarian cancer. Proc Natl Acad Sci U S A 2005;102:7677–82. 20 84. Petricoin EF, Ardekani AM, Hitt BA, Levine PJ, Fusaro VA, Steinberg SM, et al. Use of proteomic patterns in serum to identify ovarian cancer. Lancet 2002;359:572–7. 85. Esrig D, Elmajian D, Groshen S, Freeman JA, Stein JP, Chen SC, et al. Accumulation of nuclear p53 and tumor progression in bladder cancer. N Engl J Med 1994;331:1259–64. 86. Malats N, Bustos A, Nascimento CM, Fernandez F, Rivas M, Puente D, et al. P53 as a prognostic marker for bladder cancer: a meta-analysis and review. Lancet Oncol 2005;6:678–86. 87. Kim JH, Skates SJ, Uede T, Wong KK, Schorge JO, Feltmate CM, et al. Osteopontin as a potential diagnostic biomarker for ovarian cancer. JAMA 2002;287:1671–9. 21
© Copyright 2025 Paperzz