地 域 再 生 計 画 1 地域再生計画の名称 博物館を核とした航空宇宙産業

地
域
再
生
計
画
1 地域再生計画の名称
博物館を核とした航空宇宙産業都市魅力向上事業
2 地域再生計画の作成主体の名称
各務原市
3 地域再生計画の区域
各務原市の全域
4 地域再生計画の目標
4-1 地域の現況
各務原市は、濃尾平野の北部、岐阜県南部に位置し、各務原市の北部から東
部にかけて山地が広がり、南部には木曽川が流れている。市の大部分は極度に
水はけがよく稲作には適さない台地が広がっていたが、明治初期に陸軍の砲兵
演習場が開設され、大正・昭和にかけては陸軍の各務原飛行場として使用され、
陸軍および軍需工場の町として繁栄してきた。各務原飛行場は、戦後も航空自
衛隊岐阜基地として使用され、大正時代から現代に至るまで我が国の航空機開
発の中心地として、数多くの航空機の初飛行を見守ってきた地である。
このような歴史から、本市の航空宇宙産業は、大正11年に開設された川崎
造船所各務原分工場(現:川崎重工業岐阜工場)をはじめ、これを下支えする
中小企業が多数集積している。このような本市の優位性を活かし、平成23年
に本市、岐阜県、愛知県、名古屋市はじめ12地方公共団体が共同で指定申請
した「アジア No.1 航空宇宙産業クラスター形成特区」が国際戦略総合特別区域
として指定された。ボーイング787などの国際共同開発旅客機の受注拡大、
国産ジェット旅客機(MRJ)量産を機に、米国シアトル、仏国トゥールーズ
に並ぶ世界有数の航空宇宙産業の集積地を目指している。現在、市内18事業
所が特区区域の指定を受けており、岐阜県内では本市を含め21市町53社に
拡がっている。平成26年工業統計によると、岐阜県の航空宇宙産業の製造品
出荷額は 2,571 億円で、我が国全体の 13.8%を占めているが、この大半は、本市
に所在している事業所によるものである。
4-2 地域の課題
航空機の街として発展してきた当市を含む東海地方は製造業が盛んな地域で
ある。製造工程で機械化が進んでいる自動車や工作機械に比べ、手作業が多い
航空機は、高度な技術を持った人材の育成・確保が不可欠である。さらに、信
頼性、安全性の面から当産業の技術者には、高度な製造技術、評価技術、品質
管理能力が求められることから、人材育成には多くの時間と費用がかかる。
そのため、岐阜県と各務原市は連携して、日本の将来をけん引する航空宇宙分
野の人材を確保するため、子どもの頃から航空宇宙科学博物館や航空宇宙産業に、
生涯にわたり日常的に関わるサイクルを作り、航空宇宙産業への就業意欲を醸成
し、在職者や退職者となった後も航空宇宙分野に係る人材育成に携わるなどの継
続的な関係を構築するために必要な人材育成体制の整備、研修環境の整備を推進
し、課題の解決を図る。
一方、当市の航空史や各務原ゆかりの航空機と技術を紹介する「かみがはら航
空宇宙科学博物館」は平成8年の開館から20年が経過し、当初24機であった
展示機体は、現在37機に増え、我が国屈指の機体数を誇る航空宇宙に関する博
物館となった。しかし、施設の老朽化、展示内容の陳腐化、実機展示場の狭隘化
などの課題があり、大空や宇宙に感動し憧れや夢を育むための施設であるはずの
航空宇宙科学博物館が本来の目的を十分に果たせない状況に陥っている。
4-3 計画の目標
航空宇宙産業は高度な製造技術、評価技術や品質管理を必要とするため、今
後人材確保という課題に直面している。人材を確保するためには、将来の航空
宇宙産業の担い手となるべき子どもたちが、大空や宇宙に感動し、憧れや夢を
育める環境を整備する必要がある。
リニューアルを通じて同博物館の魅力向上・機能強化を図ることで、我が国の
航空宇宙産業の持つ歴史、魅力、優れた技術を将来の航空宇宙産業の担い手とな
るべき子どもたちが早い段階から学び、体験することに加え、当市をはじめとす
る当地域を航空宇宙産業の集積地として国内外に発信し、当地域の更なる発展を
目指す。
そのために、地域再生法の特別措置を下表のとおり活用し、岐阜県と連携して
幼年期から小中学生、高校生、在職者に向けた人材育成を切れ目なく行うための
施設を整備する。
【数値目標】
(目標1)観光入込客数
576 万人(平成21~25年度の平均)
→576 万人(平成31年度)
(目標2)「かかみがはら航空宇宙科学博物館」入館者数(年間)
12.3 万人(平成25年度)→ 50 万人(平成31年度)
【交付金対象事業の概要と活用する特別措置事業】
年齢層
交付金対象事業の概要
活用事業
・展示物輸送・展示物製作
・航空宇宙にかかるイベントの開催
推進交付金
・イベント・ワークショップの実施
・旧陸軍戦闘機等の展示施設棟の整備【ハード】
①
児童・
一般
・新規プログラム開発事業
応援税制(県)
・博物館に集う人々による企画展の開催
応援税制(市)
・かかみがはら航空宇宙科学博物館本館の改修
応援税制(市)・
【ハード】 岐阜県事業
・かかみがはら航空宇宙科学博物館本館の展示製作
岐阜県事業・
【ハード】 各務原市事業
②
学生
③
在職者
・セミナー・研修
・モノづくり教育プラザの整備【ハード】
・高度技術者育成研修
推進交付金
推進交付金
・成長産業人材育成センター(仮称)の整備【ハード】 岐阜県事業
5 地域再生を図るために行う事業
5-1 全体の概要
5-2(3)に記載
5-2 法第5章の特別の措置を適用して行う事業
まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附を行った法人に対する特
例(内閣府):【A2007】
(1) 事業名: 博物館を核とした航空宇宙産業都市魅力向上事業
(2)
事業区分:人材の育成・確保
(3) 事業の目的・内容
(目的)
今後、世界的に需要が拡大し成長が期待される航空宇宙産業であるが、自動
車産業に比べ就業希望者が少ない傾向がある。身近な乗り物である自動車や電
車に比べ、航空機、ロケットや衛星に触れる機会が少ないことが要因のひとつ
と考えられる。
本市は、岐阜県と連携して、日本の航空機開発の中心地である各務原市に所
在する「かかみがはら航空宇宙科学博物館」を活用した、航空宇宙産業を支え
る産業人材育成の拠点としてリニューアルを推進している。増床した施設で、
貴重な展示機体の再配置や体験装置の拡充により航空宇宙に関する技術や産
業について学ぶことができる環境に強化する。
(事業の内容)
本事業は、航空宇宙科学博物館の改築や展示物の拡充などを実施し、日本
有数の航空宇宙産業集積地にふさわしい施設にリニューアルする。リニュー
アル工事とともに、リニューアルオープンに向けた機運の向上と、次代を担
う子どもたちと航空宇宙分野に従事、退職したボランティアたちが交流でき
る企画展を実施する。航空宇宙科学博物館に集う人々による新たな地域コミ
ュニティーがリニューアルオープン後の博物館の人材育成機能に寄与するこ
とを期待する。
1年目)航空宇宙科学博物館の改築
2年目)航空宇宙科学博物館の改築と展示製作を進め、地域の航空宇宙産業
の歴史と航空技術等が学べる施設に整備(年度末にグランドオープ
ン)。加えてリニューアルオープンに関する企画展を収蔵庫等を利
用して企画展を実施する。
3年目)リニューアルオープン後に航空宇宙科学博物館での子どもたちやボ
ランティアなどの活動を紹介する企画展を開催する。
4年目)活動を紹介する企画展の実績を踏まえ内容を改良し実施
(4) 地方版総合戦略における位置付け
本市の地方版総合戦略「しあわせ実感かかみがはら総合戦略」では、様々な
体験学習を通じて、職業観を育み、働くことへの夢や憧れを醸成し、世界で活
躍できる人材を育成することを掲げている。具体的には、本市の基幹産業であ
る航空宇宙産業を軸に、航空宇宙科学博物館と近隣教育機関が連携した航空人
材育成プログラムを実施する。
併せて、岐阜県と連携し、航空宇宙科学博物館を、日本の航空宇宙分野の中
心地の一つである本市にふさわしい施設にリニューアルを図り、貴重な展示機
の公開や、様々なモノづくり教室・企画展等の運営を実施し、市内外に当施設
の魅力を発信していく。
(5)
事業の実施状況に関する客観的な指標(KPI)
事業
博物館を核とした
航空宇宙産業都市魅力向上事業
KPI
観光施設入込客数
企画展来場者数
(累計)
申請時
初年度
2年目
3年目
4年目
(6)
495 万人
495 万人
495 万人
495 万人
495 万人
H28.3
H29.3
H30.3
H31.3
H32.3
事業費
年度
市事業費計
区分
0人
4,000 人
16,000 人
40,000 人
64,000 人
年月
工事請負費
工事請負費
(県負担分)
委託料
(単位:千円)
H30
H31
2,000
2,000
H28
1,105,000
H29
1,585,840
310,000
394,340
0
0
795,000
1,191,500
0
0
0
0
2,000
2,000
(7) 寄附の見込額
年度
事業費計
寄附額計
寄附
法人
A社
B社
H28
310,000
2,000
H29
394,340
2,000
1,000
1,000
1,000
1,000
(単位:千円)
H30
H31
2,000
2,000
1,000
1,000
500
500
500
500
(8) 事業の評価の方法(PDCA サイクル)
毎年度、3月末時点の KPI の達成状況を地方創生担当部署がとりまとめて、
市民の代表で構成する「各務原市まちづくり推進会議」や議会の関与を得なが
ら検証結果報告をまとめる。また、必要に応じてしあわせ実感かみがはら総合
戦略や今後の事業方針に反映させる。検証結果は HP で公表する。
(9)
事業期間
平成28年9月~平成32年3月
5-3 その他の事業
① 新規プログラム開発事業
事業概要:多くの方が航空宇宙産業について学ぶ場とし、同産業への就業
意欲の醸成を促すとともに、航空宇宙科学博物館の入館料収入
の増加を図る新たなプログラムを博物館リニューアルにあわせ
て開発する。あわせて、政府関係機関移転基本方針(平成28
月3月)を踏まえたJAXAと連携し新たな教育プログラム等
を検討する。開発した宇宙教育プログラムはリニューアル後の
航空宇宙科学博物館で実施していく。
実施主体:岐阜県
実施期間:平成28年8月~平成32年3月
② かかみがはら航空宇宙科学博物館本館の展示製作
事業概要:航空宇宙産業の集積地である各務原市地域並びに岐阜県をPR
するとともに、次代を担う子どもたちに同産業の夢や魅力を伝
え、就業意欲の醸成・喚起を図るために、航空宇宙科学博物館
の増築を踏まえ大幅な展示内容の見直しを実施する。児童・一
般向けに航空宇宙産業の夢や魅力を伝え、特に子どもたちへの
就業意欲を醸成・喚起する拠点として活用する。
実施主体:岐阜県及び各務原市
実施期間:平成28年6月~平成30年3月
③ 成長産業人材育成センター(仮称)整備事業
事業概要:航空宇宙や医療福祉機器など岐阜県成長・雇用戦略で位置付け
た成長産業にかかる高度産業人材、コーディネータ等を育成す
るための人材育成拠点の形成に向け、研修室や実習機器などの
研修環境を整備する。
実施主体:岐阜県
実施期間:平成27年11月~平成28年11月
④ 博物館を活用した誘客促進
事業概要:各務原市内の特産品の紹介及び物販等を行う産業農業祭や婚活
イベントなどを航空宇宙科学博物館で開催し、来客を促し賑わ
い創出する。また、コミュニティバスの運行により同博物館へ
のアクセスの利便性を図る。
実施主体:各務原市
実施期間:平成28年4月~平成32年3月
6 計画期間
地域再生計画認定の日から平成32年3月31日まで
7 目標の達成状況に係る評価に関する事項
7-1 目標の達成状況に係る評価の手法
事業の KPI の達成状況を確認するため、毎年度各指標の集計を行い、産官学
金労言の有識者で構成する「各務原市まちづくり推進会議」において結果につ
いて評価を行う。評価結果を踏まえ、目標の効果的な実現に向けて必要な事業
の見直しや変更を行う。
7-2 目標の達成状況に係る評価の時期及び評価を行う内容
毎年度、7月に「各務原市まちづくり推進会議」、9月に議会の関与を得なが
ら検証結果報告を行い、翌年度以降の取組み方針を決定する。
7-3 目標の達成状況に係る評価の公表の手法
目標の達成状況については、検証後速やかに各務原市公式 HP で公表する。