は じ め に 財団法人女性労働協会は、従来より厚生労働省の委託を受けて、「働く女性の身体と心を考える 委員会」を設置し、働く女性の母性健康管理のあり方について調査研究を行っていますが、平成 15 年度においては、事業所の産業保健関係者や人事労務担当者に、月経不順、子宮内膜症等女性特有 な健康問題に関する知識や対処方法等を提供するためのテキスト作成に向けての基礎資料となる、 働く女性の健康に関する実態調査研究の委託を受けました。 委員会では、まず、働く女性の女性特有の疾患・症状の有無等の実態を把握するため、「働く女 性の健康に関する実態調査」を実施し、これを分析してその結果をとりまとめました。 この報告書が、働く女性の母性健康管理に関心をお持ちの皆様の参考になれば幸いです。 最後に、お忙しい中、調査にご協力くださいました事業所の産業保健スタッフや女性労働者の皆 様、また、問題の検討に当たられ、報告書の作成に携わってくださった方々に心から感謝申し上げ ます。 平成16年3月 財団法人 女性労働協会 働く女性の身体と心を考える委員会委員 相澤 好治 北里大学医学部衛生学・公衆衛生学教授 麻生 武志 東京医科歯科大学医学部産婦人科教授 内山 寛子 JR東日本健康推進センター呼吸器科部長 木下 勝之 順天堂大学医学部産婦人科教授 清川 尚 船橋市立医療センター院長・日本産婦人科医会副会長 ◎坂元 正一 日本産婦人科医会会長・母子愛育会総合母子保健センター所長 長井 聡里 松下電工(株)健康管理室室長 中林 正雄 母子愛育会総合母子保健センター愛育病院院長 森 晃爾 産業医科大学産業医実務研修センター所長 小委員会委員(各症状等の考察は小委員会で分担を決め執筆した。) 内山 寛子 JR東日本健康推進センター呼吸器科部長 久保田 俊郎 東京医科歯科大学医学部産婦人科助教授 巽 あさみ 藤田保健衛生大学衛生学部衛生看護学科助教授 長井 聡里 松下電工(株)健康管理室室長 ◎中林 正雄 母子愛育会総合母子保健センター愛育病院院長 野原 理子 東京女子医科大学医学部衛生学公衆衛生学教室助手 百枝 幹雄 東京大学医学部産科婦人科学教室講師 森 晃爾 産業医科大学産業医実務研修センター所長 (◎は座長 敬称略、五十音順) 目 次 はじめに 委員会名簿 調査の概要 7 調査結果の概要 女性労働者調査の結果の概要 集計女性労働者の属性 10 月経周期及び月経不順 16 月経痛 21 子宮内膜症 26 月経前の症状 31 更年期症状 35 ピル服用の有無及び服用年数 40 更年期障害の治療と治療方法 41 膀胱炎症状及び貧血症状 42 関心のある病気・症状 49 身体と心の悩みや、健康管理に関して会社、地方公共団体、国への要望等 50 産業保健スタッフの結果の概要 集計産業保健スタッフの属性 53 女性労働者から女性特有な疾患・症状等について相談の有無、対応に困難 を感じたことの有無 54 事業所内(女性労働者を含む)から産婦人科系疾患・症状について相談の 有無、対応に困難を感じたことの有無、相談の疾患・症状名 56 相談に対して困難に感じたことの内容 57 産婦人科系疾患・症状の対策について社員教育等していること 58 子宮がん・乳がん検診の実施 59 子宮がん・乳がん検診の受診率 59 働く女性の健康管理をしていく上で会社、地方公共団体、国等への要望等 60 集計表 働く女性の健康に関する実態調査票 女性労働者用 産業保健スタッフ用 調 査 の 概 要 1. 調査の目的 月経不順、月経痛、子宮内膜症等女性特有の健康問題に関する知識や対処方法等を幅広く情報提供 するための基礎資料を得るため、女性労働者の女性特有の疾患・症状の有無等の実態を把握すること を目的とした。 2. 調査の構成 ①女性労働者調査 ②産業保健スタッフ及び健康管理担当者(以下産業保健スタッフという)調査 の2種類により構成した。 3. 調査対象 ①女性労働者 下記産業保健スタッフが所属する事業所の女性労働者約 8,150 人のうち、集計可能な女性労働者 2,166人。 ②産業保健スタッフ 産業医学推進研究会会員 160 人(160 事業所)及び、株式会社帝国データバンク社の信用調査報 告書データベース約 92 万社の中から、企業規模 300 人以上で女性従業員が全従業員の 30 %以上 企業 1,310 企業の産業保健スタッフ 1,310 人、合計 1,470 人のうち、集計可能な産業保健スタッフ 351人(有効回答率23.9%) 4. 調査方法 郵送による通信調査。産業保健スタッフに向けて、上記2種類の調査票を郵送した。女性労働者に ついては産業保健スタッフが所属する事業所の女性労働者5∼ 10 人に手渡しを依頼した。回答は産業 保健スタッフ、女性労働者にそれぞれ直接(財)女性労働協会へ返送願った。 5. 調査項目 (女性労働者調査) 1 属性(就業状況−事業所の規模等、勤務状況等、生活状況−年齢、身長・体重、出産経験等) 2 女性特有な健康問題について 月経不順、月経痛、子宮内膜症、月経前の症状、更年期障害、膀胱炎症状、貧血症状の症状の 有無と各症状時の対応等 3 健康管理等に関しての国等への要望等 (産業保健スタッフ及び健康管理担当者調査) 1 属性(業種、事業所規模、女性労働者比率) 2 女性特有な健康問題に関しての実態と対策 3 女性労働者の健康管理に関しての国等への要望 −7− 6. 調査期間 平成 15 年6月 20 日∼7月 20 日 7. 集計・解析の方法 就業状況・生活状況は各要因を表 A-1、表 A-2 のように定義し、また、症状については表 B のよう に定義して、それぞれの関係をカイ二乗検定を用いて評価した。また、年齢については連続変数とし て単回帰分析を行った。さらに、就業状況、生活状況の各要因は、上述の検定によって統計学的に有 意であったものについて、各要因間の相関を検討した上で、ロジスティック回帰分析による多変量解析 を行い、各症状に対する各要因の評価を行った。 独立変数定義 表A-1 就業状況 1 事業所規模 50人未満 50人以上 2 女性の割合 10%未満 10%以上 3 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 4 雇用形態 パートタイム 労働者 5 勤務形態 早朝・深夜あり 6 仕事の姿勢 腰掛けたり 立ち作業 前屈姿勢作業 反復する作業 その他 7 重い物の運搬 あり なし 8 作業の中断 できない できる 9 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 10 有機溶剤を取り扱う あり なし 11 細かい物の加工 あり なし 12 対面応対業務 あり なし 13 パソコン作業 あり なし 派遣社員 その他 正社員 日中のみ 14 大型機械を使用する作業 あり 注1 腰掛け作業 なし 15 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 16 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 17 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 18 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 19 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 20 換気が良くない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 21 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 22 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 23 ストレス あり なし あり なし あり なし あり なし あり なし あり なし あり なし あり とても感じる なし 感じる 注 1 中腰作業・長時間歩く作業・長時間車を運転する作業を含む −8− 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 表A-2 生活状況 24 年齢 25 BMI 1歳上昇(実数値) やせ(18.5未満) 注2 肥満(25以上) 普通(18.5∼25未満) 26 妊娠経験 あり なし 27 出産経験 あり なし 28 喫煙 あり なし 29 飲酒 あり なし 6時間未満 6時間以上 30 睡眠時間 2 注 2 BMI=体重(㎏)÷身長(m)から算出 表B 女性特有な疾患・症状 1 月経不順 注 3 月経不順 月経順調 2 月経痛 注 4 かなりひどい、ひどい 我慢できる程度、なし 月経時痛+α(下腹部痛など) それ以外 4 月経前症状 注 3 イライラ・憂鬱・頭痛 なし 5 更年期症状 注 5 2項目以上に「あり」 しかし「腰痛」 + それ以外 3 子宮内膜症症状 注4 「頭痛」の2項目の場合を除く 6 膀胱炎症状 あり なし 7 貧血症状 あり なし 注 3 閉経及び45歳以上は除く 注 4 閉経は除く 注 5 45歳未満は除く (注)本文中用いている用語解説 オッズ比 …女性特有な疾患・症状の有無の出現率を、ある一定の要因を受けた者とそうでなかっ た者に分け対比した数値。例えば、月経不順の者は 1,532 人のうち 291 人であったが、 この 291 人のうち、喫煙の習慣がある者はない者よりも 2.22(オッズ比)倍の割合で出 現率が高い。 P 値 ………「統計的有意水準」を意味し、統計的に有意かどうかの程度を示す。一般的に有意水 準 0.05 未満であれば P < 0.05 と示し、小さいほど有意性が高い。 −9− 調 査 結 果 の 概 要 (女性労働者調査の結果の概要) 1 集計女性労働者の属性 1-1 就業状況 事業所規模、女性労働者比率、勤務時間、雇用形態、勤務形態、現在就いている仕事、仕事の姿勢、 仕事の性質、作業環境に不快を感じること、仕事や職業生活によるストレス 回答を寄せた女性労働者の就業・作業状況についてみると、勤務先の事業所は、従業員 100 人以上 規模が7割強、女性労働者比率で一番多いのは 50 %以上で3割強。 勤務時間は8∼9時間未満が一番多く 40.9 %だが、9∼ 10 時間未満 21.3 %、10 ∼ 12 時間未満 9.5 % で、12 時間以上の者も 2.1 %いる。また、87.4 %が正社員、95.2 %が日中のみの通常勤務で、現在就い ている仕事は事務職が 69.7 %で、仕事の姿勢は 68.0 %が腰掛け作業で、仕事の性質は 81.3 %がパソコ ン等を使用する事務作業となっている。 作業環境に不快を感じることは「特にない」が 37.1 %で不快を感じるは 60.0 %となっており、不快 を感じることで一番多いのは「換気がよくない」(30.9 %)である。仕事や職業生活にストレスを「感 じる」が 55.1 %、「とても感じる」が 15.9 %で、併せて 71.0 %がストレスを感じるとしている。 表1 集計女性労働者の属性(就業状況) 就業状況 就業状況 雇用形態(計) 人数、% 2,166(100.0) 49 人以下 344(15.9) 正社員 1,893(87.4) 50 ∼ 99 人 254(11.7) パートタイム労働者 100 ∼ 299 人 434(20.0) 派遣社員 63(2.9) 300 ∼ 499 人 439(20.3) その他 77(3.6) 500 ∼ 999 人 297(13.7) 無回答 1(0.0) 1,000 人以上 374(17.3) 勤務形態(計) 2,166(100.0) 24(1.1) 日中のみの勤務 2063(95.2) 事業所規模(計) 無回答 女性労働者比率(計) 人数、% 2,166(100.0) 2,166(100.0) 早朝や深夜勤務のある勤務 10%未満 224(10.3) 無回答 10 ∼ 30%未満 536(24.7) 現在就いている仕事(計) 30 ∼ 50%未満 657(30.3) 販売の仕事 50%以上 698(32.2) 事務の仕事 無回答 勤務時間(計) 51(2.4) 2,166(100.0) サービスの仕事 専門的・技術的な仕事 132(6.1) 78(3.6) 25(1.2) 2,166(100.0) 51(2.4) 1,509(69.7) 43(2.0) 379(17.5) 6 時間未満 50(2.3) 運輸・通信の仕事 6 ∼ 7 時間未満 39(1.8) 生産工程・労務の仕事 7 ∼ 8 時間未満 471(21.7) 管理的な仕事 38(1.8) 8 ∼ 9 時間未満 886(40.9) その他の仕事 8(0.4) 9 ∼ 10 時間未満 462(21.3) 無回答 10 ∼ 12 時間未満 205(9.5) 12 時間以上 無回答 45(2.1) 8(0.4) −10− 3(0.1) 104(4.8) 31(1.4) 人数、% 就業状況 2,166(100.0) 仕事の姿勢(計) 立ち作業 186(8.6) 中腰作業 8(0.4) 127(5.9) 前屈姿勢作業 1,473(68.0) 腰掛け作業 16(0.7) 長時間歩く作業 4(0.2) 長時間車を運転する作業 297(13.7) 立ったり腰掛けたり反復する作業 その他 15(0.7) 無回答 40(1.8) 2,166(100.0) 仕事の性質(計)(M.A.) 10㎏を超えるような重い物の運搬や病人を抱える 自分の意思で自由に作業を中断することができない 84(3.9) 150(6.9) 身体に動揺、振動又は衝撃を受ける 22(1.0) 有機溶剤など化学物質を取り扱う 43(2.0) 細かい物の加工など特に眼を使う 87(4.0) 対面による対応業務 470(21.7) パソコン等を使用する事務作業 1,761(81.3) 主に大型機械を使用する作業 14(0.6) 上記に該当するものはない 117(5.4) 無回答 作業環境に不快を感じること(計) (M.A.) 音がうるさい 7(0.3) 2,166(100.0) 139(6.4) 50(2.3) 粉塵が多い 高温・多湿である 230(10.6) 低温すぎる 281(13.0) 乾燥しすぎる 392(18.1) 換気がよくない 670(30.9) 足場が悪い 17(0.8) たばこのにおいや煙が多い 204(9.4) その他(建物が古い汚い狭い等) 152(7.0) 特にない 803(37.1) 無回答 63(2.9) ストレス(計) とても感じる 2,166(100.0) 感じる 1,193(55.1) 344(15.9) 何ともいえない 360(16.6) あまり感じない 248(11.4) 全く感じない 10(0.5) 無回答 11(0.5) −11− 1-2 生活状況 年齢、BMI(肥満度)、妊娠回数、出産回数、喫煙の習慣、喫煙本数、飲酒の習慣、飲酒量、睡眠時間 年齢 集計女性労働者の年齢は 25 歳未満 10.4 %、25 ∼ 29 歳 23.4 %、30 ∼ 34 歳 25歳未満 225人 10.4% 17.5 %、35 ∼ 39 歳 13.3 %、40 ∼ 44 歳 10.6 %、45 ∼ 49 歳 9.8 %、50 ∼ 54 歳 25∼29歳 506人 23.4% 30∼34歳 380人 17.5% 35∼39歳 289人 13.3% 40∼44歳 229人 10.6% 45∼49歳 212人 9.8% 50∼54歳 199人 9.2% 55歳以上 116人 5.4% 2,166人 (100.0%) 無回答 10人 0.5% 9.2 %、55 歳以上 5.4 %である。 BMI(やせ、普通、肥満) 肥満125人 5.8% BMI についてみると、73.2 %が普 通だが、やせ 18.9 %、肥満 5.8 %と 無回答46人 2.1% やせ 409人 18.9% なっている。 BMI= 体重(kg)÷身長(m)2 2,166人 100.0% やせ 18.5 未満 普通 18.5 ∼ 25.0 未満 肥満 25.0 以上 普通 1,586人 73.2% 妊娠回数、出産回数 妊娠回数、出産回数とも、一番多いのは 0 回でそれぞれ 59.0 %、60.4 %、また、妊娠回数、出産回 数が2回以上は、それぞれ、30.2 %、28.1 %となっている。 妊娠回数 出産回数 無回答 12人 0.6% 1回 223人 10.3% 1回 222人 10.2% 3回以上 263人 12.1% 2,166人 100.0% 2,166人 100.0% 2回 391人 18.1% 無回答 24人 1.1% 3回以上 150人 6.9% 0回 1,277人 59.0% 2回 460人 21.2% −12− 0回 1,309人 60.4% 喫煙習慣の有無及び喫煙量 喫煙の習慣は「ない」が 80.1 %「やめた」が 6.1 %で、現在喫煙の習慣がない者は 86.2 %で、喫煙 の習慣「あり」と答えた 13.4 %に、喫煙量について尋ねると1日 10 ∼ 19 本が 46.4 %、1∼9本が 41.3 %で、20 本以上は 12.3 %である。 無回答 8人 0.4% やめた 132人 6.1% あり 290人 13.4% ●1日何本 20本以上36人 12.3% 290人 100.0% 2,166人 100.0% ない 1,736人 80.1% 1∼9本 121人 41.3% 10∼19本 136人 46.4% 飲酒の習慣の有無及び飲酒量 飲酒の習慣は「ない」者が 55.9 %で「あり」と答えた 43.0 %の飲酒量は1週間のうち1∼2日が一 番多く 58.3 %である。 無回答 24人 1.1% あり 931人 43.0% ●1週間のうち何日 5∼7日 188人 19.9% 無回答 11人 1.2% 931人 100.0% 2,166人 100.0% 3∼4日 195人 20.7% ない 1,211人 55.9% 1∼2日 550人 58.3% 1 日の睡眠時間 1日の平均睡眠時間は、6∼7時間未満が一番多く 42.6 %、次いで5∼6時間未満が 36.1 %となっ ている。 4時間未満 8人 0.4% 4∼5時間未満 165人7.6% 5∼6時間未満 782人36.1% 6∼7時間未満 923人42.6% 7∼8時間未満 264人12.2% 8時間以上16人 0.7% 無回答8人 0.4% 2,166人 (100.0%) −13− 1-3 年齢別にみた職業生活や仕事でのストレス、BMI、喫煙の習慣 年齢別職業生活や仕事でのストレスの有無(図 1) 年齢別にストレスをみると、「とても感じる」25 歳未満で 20.4 %と一番多く、次いで 25 ∼ 30 歳未満 17.8 %となっている。 (20.4) 25歳未満 46人 225人(100.0%) 115人(51.1) 何ともいえない、 あまり感じない、 全く感じない 63人(28.0) (17.8) 25∼30歳未満 90人 506人(100.0%) 261人(51.6) 153人(30.2) (16.8) 30∼35歳未満 64人 380人(100.0%) 212人(55.8) 104人(27.4) (17.3) 35∼40歳未満 50人 289人(100.0%) 169人(58.5) 68人(23.5) 2人(0.7) (13.1) 40∼45歳未満 30人 229人(100.0%) 124人(54.1) 74人(32.3) 1人(0.4) (11.3) 45∼50歳未満 24人 212人(100.0%) 128人(60.4) 60人(28.3) (11.1) 50∼55歳未満 22人 199人(100.0%) 111人(55.8) 64人(32.2) 2人(1.0) (14.7) 55歳以上 17人 116人(100.0%) 67人(57.8) 29人(25.0) 3人(2.6) とても感じる 0 20 感じる 40 60 無回答 1人(0.4) 2人(0.4) 100(%) 80 年齢別 BMI(やせ、普通、肥満)(図 1-2) BMI を年齢別にみると、やせは年齢が低いほど高く 25 歳未満 33.3 %、25 ∼ 30 歳未満 27.7 %で、肥 満は年齢の高い 45 歳以上で高く 10 %以上となっている。 やせ 普通 肥満 無回答 142人(63.1) 4人(1.8) 4人(1.8) 25∼30歳未満 140人(27.7) 506人(100.0%) 349人(69.0) 8人(1.6) 9人(1.8) 30∼35歳未満 80人(21.1) 380人(100.0%) 285人(75.0) 8人(2.1) 7人(1.8) 35∼40歳未満 45人(15.6) 289人(100.0%) 220人(76.1) 19人(6.6) 5人(1.7) 40∼45歳未満 32人(14.0) 229人(100.0%) 178人(77.7) 15人(6.6) 4人(1.7) 45∼50歳未満 19人(9.0) 212人(100.0%) 165人(77.8) 23人(10.8) 5人(2.4) 50∼55歳未満 12人(6.0) 199人(100.0%) 155人(77.9) 31人(15.6) 1人(0.5) 55歳以上 5人(4.3) 116人(100.0%) 92人(79.3) 17人(14.7) 2人(1.7) 25歳未満 75人(33.3) 225人(100.0%) 0 20 40 −14− 60 80 100(%) 年齢別喫煙の習慣有無 (図 1-3) 喫煙の習慣「あり」は、40 ∼ 45 歳未満が一番多く 16.6 %、25 ∼ 30 歳未満 15.2 %、35 ∼ 40 歳未満が 14.9 %となっている。 あ り な い や め た 無 回 答 (11.1) 25歳未満 25人 225人(100.0%) 189人 (84.0) 10人 (4.4) 1人 (0.4) (15.2) 25∼30歳未満 77人 506人(100.0%) 384人 (75.9) 43人 (8.5) 2人 (0.4) (11.3) 30∼35歳未満 43人 380人(100.0%) 311人 (81.8) 26人 (6.8) (14.9) 35∼40歳未満 43人 289人(100.0%) 227人 (78.5) 19人 (6.6) (16.6) 40∼45歳未満 38人 229人(100.0%) 175人 (76.4) 16人 (7.0) (14.2) 45∼50歳未満 30人 212人(100.0%) 174人 (82.1) 8人 (3.8) (11.1) 50∼55歳未満 22人 199人(100.0%) 169人 (84.9) 7人 (3.5) (8.6) 55歳以上 10人 116人(100.0%) 103人 (88.8) 3人 (2.6) 0 20 40 −15− 60 80 1人 (0.5) 100( %) 2 月経周期及び月経不順 月経周期について尋ねたところ、順調 70.0 %、不順 17.1 %で閉経が 12.0 %である。 月経周期が不順であると答えた者のうち月経不順の程度を尋ねると、「次の周期が全く予測できな い」が 46.1 %で一番多く、次いで 26.4 %の「1周期が長すぎる」である。更に、月経不順の対応につ いて尋ねたところ、「特に何もしなかった」が 44.5 %で一番多いが、「産婦人科を受診した」も 35.6 % ある。 図2 順調、不順、閉経 図 2-2 月経不順の程度(M.A.) 無回答 19人 0.9% 閉経 260人 12.0% その他 12.9% 無月経が3ヶ月以上続く 10.0% 1周期が短すぎる 13.2% 不順 371人 17.1% 図 2-3 月経不順であるときの対応(M.A.) (%) 50 40 1周期が長すぎる 26.4% 次の周期が全く予測できない 46.1% 順調 1,516人 70.0% 2,166人 100.0% 44.5 35.6 30 20 0 10.8 8.6 10 産 婦 人 科 を 受 診 し た 先 輩 や 同 僚 に 相 談 し た 2.7 1.9 1.6 1.6 0.3 産 業 医 等 健 康 管 理 部 門 に 相 談 し た 上 司 に 相 談 し た 産 婦 人 科 以 外 を 受 診 し た 市 販 薬 を 服 用 し た 人 事 ・ 総 務 の 担 当 者 に 相 談 し た 4.3 そ の 他 特 に 何 も し な か っ た 無 回 答 −16− 年齢別に月経不順をみると、一番多いのが 26.2 %の 25 歳未満層でその対応を見ると 27.1 %が産婦人 科を受診しているが、何もしなかったが 55.9 %に上っている。次いで多いのは 21.5 %の 25 ∼ 30 歳未 満で、その対応は 39.4 %が産婦人科を受診しており、41.3 %が何もしなかったとしている。30 ∼ 55 歳 未満の各年齢層においては 10 %半ばが月経不順で、月経不順時の対応は 40 ∼ 45 歳未満の 46.9 %が産 婦人科を受診している。 図 2-4 年齢別月経順調、月経不順、閉経 順 調 無回答 不 順 59人(26.2) (73.8) 25歳未満 166人 225人(100.0%) 2人 (0.4) (78.1) 25∼30歳未満 395人 506人(100.0%) 109人(21.5) (82.6) 30∼35歳未満 314人 380人(100.0%) 66人(17.4) (86.9) 35∼40歳未満 251人 289人(100.0%) 37人(12.8) 1人 (0.3) (83.0) 40∼45歳未満 190人 229人(100.0%) 32人(14.0) 5人 (2.2) (71.2) 45∼50歳未満 151人 212人(100.0%) 37人(17.5) 閉 経 (20.6) 50∼55歳未満 41人 199人(100.0%) 31人(15.6) 3人 (1.5) 6人 (5.2) 107人 (92.2) 0 図 2-5 20 40 60 100(%) 80 年齢別月経不順の対応(M.A.) 産婦人科を受診した (%) 60 産婦人科以外を受診した 市販薬を服用した 55.9 30 20 10 産 婦 人 科 を 受 診 し た 27.1 産業医等健康管理部門に相談した 人事・総務の担当者に相談した 特 に 何 も し な か っ た 50 40 2人 (0.9) 22人 (10.4) 124人 (62.3) 3人 (2.6) 55歳以上 116人(100.0%) 2人 (0.9) 先輩や同僚に相談した 51.6 上司に相談した その他 45.9 41.3 39.4 39.4 37.9 46.9 特に何もしなかった 無回答は表記していない 45.9 37.8 34.4 先 輩 や 同 僚 に 相 談 し た 1.7 3.4 1.71.7 1.7 29.0 27.0 産 業人 医事 等・ 産 健総 婦 康務 人 市管 の 科 販理 担 以 薬部 当 15.3上 外 を門 者 司 を 服に に にそ 受 用相 相 相の 診 し談 談 談他 し たし し し6.8 た たた た 10.1 9.4 7.67.6 0.9 1.8 2.81.8 3.0 1.5 1.5 5.4 3.0 2.7 8.1 8.1 6.36.3 3.13.1 5.4 2.7 6.5 3.2 0 25歳未満 59人 (100.0%) 25∼30歳未満 109人 (100.0%) 30∼35歳未満 66人 (100.0%) 35∼40歳未満 37人 (100.0%) −17− 40∼45歳未満 32人 (100.0%) 45∼50歳未満 37人 (100.0%) 50∼55歳未満 31人 (100.0%) 閉経と答えた者に閉経時の年齢を尋ねたところ 50 ∼ 55 歳未満層が一番多く 51.5 %、45 歳∼ 50 歳未 満 31.9 %で、45 歳∼ 55 歳未満で、83.4 %を占めている。 図 2-6 閉経時の年齢 40歳未満 11人(4.2) 45∼50歳未満 40∼45歳未満 23人(8.8) 83人(31.9) 50∼55歳未満 134人(51.5) 55歳以上 6人(2.3) 260人 (100.0%) 無回答 3人(1.2) 次に月経不順と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 なお、月経不順は閉経にしばしば関連することを考慮し、「閉経」と答えた者及び 45 歳以上を解析 対象者から除外した。 カイ二乗検定(表 2-2)では、月経不順とたばこの臭い、ストレス、年齢、BMI、喫煙、睡眠時間 が統計学的に有意な関連(P<0.05)を認めた。 これらの6項目間に有意な相関は見られなかったので、全てを独立変数に採用して多変量解析を行 った。その結果、たばこの臭いを「不快に感じない」者に比べ「不快に感じる」者では 1.74 倍、スト レスを「とても感じる、感じる」者は「何とも言えない、あまり感じない、まったく感じない」(以 下「何とも言えない∼まったく感じない」とする)者に比べ、1.51 倍、喫煙の習慣「あり」の者は 「ない」者に比べ 2.22 倍となっていたが、年齢は 1 歳上昇につきリスクが 4.7 %低くなっていた。 表2 月経不順 人数1,532(あり291, なし1,241) 独立変数 オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 オッズ比 P値 たばこの臭い 1.738 0.006 2.573 1.175 ストレス 1.509 0.010 2.063 1.104 年齢(実数) 0.953 0.000 0.974 0.932 BMI 1.295 0.074 1.719 0.975 喫煙 2.221 0.000 3.098 1.592 睡眠時間 1.249 0.096 1.622 0.961 −18− 表2-2 月経不順:月経順調 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 1,599 0.503 女性の割合 10%未満 10%以上 1,575 0.441 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 1,615 0.252 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 1,619 0.734 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 1,604 0.160 腰掛け作業 1,599 0.746 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 1,612 0.272 作業の中断 できない できる 1,612 0.708 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 1,612 0.108 有機溶剤を取り扱う あり なし 1,612 1.000 細かい物の加工 あり なし 1,612 0.900 対面応対業務 あり なし 1,612 0.947 パソコン作業 あり なし 1,612 0.581 結果 なし 1,612 1.000 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 0.875 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 0.105 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 0.463 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 0.133 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 0.982 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 1.000 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,571 1.000 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 1,571 0.002 ** ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 1,613 0.004 ** 人数 P値 結果 普通 1,590 0.038 大型機械を使用する作業 あり あり あり あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし なし なし A-2 生活状況 BMI やせ 妊娠経験 あり なし 1,617 0.313 出産経験 あり なし 1,609 0.279 喫煙 あり なし、やめた 1,616 <0.001 飲酒 あり なし 1,605 0.101 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 1,617 0.030 肥満 * ** * 単回帰分析 年齢(実数値) −19− P値 結果 0.000 ** [考 察] 年齢別月経不順の対応をみると、25 歳未満での産婦人科受診率が低く(27.1 %)、「特に何もしなか った」が多い(55.9 %)ことが目立つ。これはこの年齢の女性が産婦人科を受診することに対して抵 抗感があるものと推測される。一方、40 ∼ 45 歳未満では産婦人科受診率が高くなり(46.9 %)、「特に 何もしなかった」が低くなった(34.4 %) 。これはこの年齢の女性では産婦人科を受診することの抵抗 感が減少し、自分自身の健康管理を積極的に行う気持ちが強くなっているものと推測される。 月経不順の原因として、中枢系(間脳・下垂体系)の失調があげられる。たばこの臭いを不快に感 じる者は臭いに対して敏感であると考えられ、中枢系の失調を起こしやすいものと推測される。スト レスをとても感じる者は、ストレスに対する閾値が低いことと、実際にストレスが強いことの両方が 考えられるが、いずれにしろストレスが強い環境下では中枢神経系を介して月経不順となることは良 く知られており、今回の調査でも月経不順の一因としてストレスが関与することが示された。 喫煙の習慣「あり」の者は「ない」者に比べて2倍以上も月経不順になるという結果は注目すべき である。一般的にたばこは軽度のホルモン抑制作用があることが知られている。今回の結果でたばこ は排卵機序に関与するホルモンを抑制して月経不順を起こしやすいことが示唆された。今後さらに検 討されるべき課題であると思われる。 年齢が上昇するにつれて月経不順が減少しているが、これは年齢とともに生活面や精神面で安定す ることが関係するためと推測される。 −20− 3 月経痛 月経痛を感じる程度について尋ねたところ、「かなりひどい(薬を服用しても会社を休むほど)」 2.8 %、「ひどい(薬を服用すれば仕事ができる程度)」25.8 %「月経痛はあるが我慢できる程度」 47.9 %で、「月経痛は感じない」は 21.6 %である。月経痛のあるときの対応で「かなりひどい」は、 「産婦人科を受診した」64.8 %、「市販薬を服用した」55.6 %で、「ひどい」は「市販薬を服用した」 82.3 %、「産婦人科を受診した」は 22.6 %で、「特に何もしなかった」は、それぞれ 7.4 %、8.9 %と 10 %に満たない。また、「我慢できる程度」は、「特に何もしなかった」が 51.0 %に上り「市販薬を服 用した」は 42.5 %、「産婦人科を受診した」は 3.6 %にすぎない。 図3 月経痛の程度(閉経と答えた者を除く) 図3-2 月経痛がかなりひどい、ひどい、我慢できる 程度時の対応(M.A.) かなりひどい (薬を服用しても会社を休むほど) 54人(2.8) 無回答 35人(1.8) 0 10 20 30 40 50 60 70 (%) 80 ひどい 月経痛は感じない 412人(21.6) (薬を服用すれば 仕事ができる程度) 492人 (25.8) 産婦人科を受診した か な り ひ ど い 1,906人 100.0% 3.7% 産婦人科以外を受診した 3.7% 産業医等健康管理部門に相談した 55.6% 1.9% 月経痛はあるが 我慢できる程度 913人(47.9) 0 先輩や同僚に相談した 7.4% 7.4% その他 7.4% 特に何もしなかった 20 上司に相談した 40 60 (%) 100 80 22.6% 1.4% ひ ど い 産婦人科を受診した 産婦人科以外を受診した 市販薬を服用した 82.3% 1.4% 492人 (100.0%) 産業医等健康管理部門に相談した 人事・総務の担当者に相談した 先輩や同僚に相談した 0.6% 10.2% 0.8% 上司に相談した 2.2% その他 8.9% 特に何もしなかった 無回答は表記していない 0 10 20 30 40 (%) 60 50 3.6% 0.2% 我 慢 で き る 程 度 42.5% 0.4% 2.5% 3.7% 1.9% 51.0% 913人 (100.0%) −21− 市販薬を服用した 人事・総務の担当者に相談した 18.5% 54人 (100.0%) 64.8% 月経痛を年齢別に見ると、「かなりひどい」は 25 歳未満層で一番多く 5.3 %、次いで、25 ∼ 30 歳未 満の 3.6 %となっている。「ひどい」をみると同じく 25 歳未満が 37.8 %で一番多く、次いで 25 ∼ 30 歳 未満の 34.6 %で、「かなりひどい」「ひどい」を併せると 25 歳未満は 43.1 %、25 ∼ 30 歳未満は 38.2 % である。 図 3-3 年齢別月経痛の程度(閉経を除く) かなりひどい 25歳未満 12人(5.3) 225人 (100.0%) ひどい 85人(37.8) 94人(41.8) 25∼30歳未満 18人(3.6) 506人 (100.0%) 175人(34.6) 239人(47.2) 30∼35歳未満 12人(3.2) 380人 (100.0%) 114人(30.0) 180人(47.4) 35∼40歳未満 4人(1.4) 57人(19.8) 288人 (100.0%) 55歳以上 1人(11.1) 9人 (100.0%) 0 74人(33.0) 94人(49.5) 68人(35.8) −22− 7人(3.1) 8人(10.7) 1人(11.1) 40 4人(1.1) 7人(3.7) 30人(40.0) 2人(22.2) 20 70人(18.4) 65人(22.6) 107人(47.8) 31人(41.3) 50∼55歳未満 6人(8.0) 75人 (100.0%) 無回答 1人(0.4) 71人(14.0) 3人(0.6) 162人(56.3) 40∼45歳未満 6人(2.7) 30人(13.4) 224人 (100.0%) 45∼50歳未満 1人(0.5)20人(10.5) 190人 (100.0%) 月経痛は 感じない 33人(14.7) 我慢できる程度 5人(55.6) 60 80 100(%) 年齢別に月経痛の対応で、「特に何もしなかった」を見ると、25 歳未満では 28.8 %、25 ∼ 30 歳未満 31.9 %、30 ∼ 35 歳未満 35.0 %と年齢が上がるにつれ多くなっており、若年層ほど何らかの対応をして いる。対応を見ると「産婦人科を受診した」が一番多いのは 25 歳未満の 13.6 %であるが 45 歳未満ま で1割強である。「市販薬を服用した」は、30 歳未満までは6割強、30 歳代では5割半ば、40 歳代で は5割弱となっている。 図 3-4 年齢別月経痛がある時(かなりひどい、ひどい、月経痛はあるが我慢できる程度)の対応(M.A.) 産婦人科を受診した 産婦人科以外を受診した (%) 80 市販薬を服用した 産業医等健康管理部門に相談した 人事・総務の担当者に相談した 先輩や同僚に相談した 70 上司に相談した 63.9 その他 60.0 60 特に何もしなかった 無回答は表記していない 56.5 55.9 51.4 49.0 50 47.0 42.0 40 41.7 37.8 37.2 35.0 31.9 28.8 30 20 13.6 12.7 13.5 12.4 11.9 10.5 8.1 10 0.5 0 1.01.0 1.0 2.1 25歳未満 191人 (100.0%) 5.2 2.1 1.2 0.9 0.5 0.5 0.3 25∼30歳未満 432人 (100.0%) 30∼35歳未満 306人 (100.0%) 0.7 2.0 0.7 2.9 −23− 1.8 0.40.4 2.2 2.7 35∼40歳未満 223人 (100.0%) 1.4 2.1 3.5 5.2 4.9 1.4 40∼45歳未満 143人 (100.0%) 8.1 7.0 2.6 3.5 5.4 5.4 1.7 45∼50歳未満 115人 (100.0%) 50∼55歳未満 37人 (100.0%) 次に月経痛と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 なお、月経痛は閉経している場合は症状がないので、 「閉経」と答えた者は解析対象者から除外した。 カイ二乗検定(表 3-2)では、高温多湿、ストレス、年齢、BMI、妊娠経験、出産経験、飲酒が統 計学的に有意な関連(P<0.05)を認めた。 これらの7項目のうち妊娠経験、出産経験の間で強い相関が認められたため、妊娠経験を除いた項 目を独立変数に採用して多変量解析を行った。その結果、ストレスを「とても感じる、感じる」者は 「何とも言えない∼まったく感じない」者に比べ、1.46 倍、BMI が普通の者に対しそうでない者は、 1.42 倍であったが、高温多湿を「不快に感じない」者に比べ「不快に感じる」者では、31.3 %、年齢は 1歳上昇につき 5.9 %、出産経験が「ない」者に比べ「ある」者では 30.3 %リスクが低くなっていた。 表3 月経痛 人数1,737(あり503, なし1,234) オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 独立変数 オッズ比 P値 高温多湿 0.687 0.043 0.988 0.478 ストレス 1.456 0.003 1.872 1.133 年齢(実数) 0.941 0.000 0.958 0.925 BMI 1.419 0.004 1.801 1.118 出産経験 0.697 0.019 0.943 0.515 飲酒 1.190 0.117 1.479 0.957 表3-2 月経痛 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 1,849 0.494 女性の割合 10%未満 10%以上 1,823 0.933 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 1,864 0.364 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 1,871 0.481 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 1,851 0.117 腰掛け作業 1,841 0.233 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 1,864 0.297 作業の中断 できない できる 1,864 0.413 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 1,864 0.124 有機溶剤を取り扱う あり なし 1,864 0.054 細かい物の加工 あり なし 1,864 0.517 対面応対業務 あり なし 1,864 0.969 パソコン作業 あり なし 1,864 0.398 あり なし 1,864 0.639 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.176 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.826 大型機械を使用する作業 あり あり なし なし −24− 結果 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.049 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.730 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.274 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.174 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.512 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,817 0.996 1,863 0.002 ** 人数 P値 結果 普通 1,828 <0.001 ** ストレス あり あり あり あり あり あり とても感じる 感じる なし なし なし なし なし なし 何とも言えない あまり感じない 全く感じない A-2 生活状況 * BMI やせ 妊娠経験 あり なし 1,862 <0.001 ** 出産経験 あり なし 1,852 <0.001 ** 喫煙 あり なし、やめた 1,863 0.081 飲酒 あり なし 1,850 0.039 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 1,865 0.704 肥満 * 単回帰分析 年齢(実数値) [考 P値 結果 0.000 ** 察] 月経痛については、かなりひどい者(2.8 %)と薬を服用しなければならないほどひどい者(25.8 %) を合わせると 30 %近くになり、女性にとって月経痛は大きい問題であることが示された。年齢別にみ ると特に若い年齢層でその傾向が強い。 月経痛を増加させる因子としては器質的な疾患(子宮筋腫、子宮内膜症、炎症など)に加えて、月 経血の排出困難、子宮発育不全、骨盤内の充血、心理的な影響などがあるが、その多くの場合に子宮 筋で産生分泌されるプロスタグランディンという物質が子宮筋を強く刺激することが関与すると考え られている。 今回の結果からストレスは子宮を収縮させ、月経痛を増加させるものと推測される。就業状態とし て、高温多湿を不快と感じる者が不快に感じない者に比べて月経痛のリスクが低いという今回の結果 は、高温多湿に対する感受性の差もあろうが、高温多湿の職場環境が月経痛を緩和させると解釈でき よう。これは一般的に温湿布が月経痛に対して有効であることと類似していると思われる。出産経験 による月経痛のリスクの低下は、出産によって月経血の排出困難が改善されることと、潜在的に存在 した軽度の子宮内膜症が出産によって改善することが関与しているものと推測される。さらに年齢と ともに生活面や精神面で安定することが月経痛を軽減させるものと推測された。 −25− 4 子宮内膜症 子宮内膜症を疑わせる症状を選択肢にあげて症状の有無を過去3年間について尋ねたところ、 32.2 %の者が症状があると答えた。症状数をみると、1 症状のみが 23.5 %で 2 症状以上は 8.7 %である が、ここでは、「月経時に強い痛みがある」に加えて他の症状がある者を子宮内膜症の疑いが強いと 仮定し、 「月経時に強い痛みがある + α」をみると、閉経した者を除く女性労働者の 7.1 %が該当する。 (人数、 %) 表4 子宮内膜症の症状の有無(閉経を除く) (M.A.) 月経時に強い痛みがある+月経時以外に下腹部痛がある 80 (4.2) 月経時に強い痛みがある+セックス時などに下腹部痛を伴う 19 (1.0) 月経時に強い痛みがある+月経時以外に下腹部痛がある+セックス時などに下腹部痛を伴う 12 (0.6) 月経時に強い痛みがある+月経時以外に下腹部痛がある+排便時に下腹部痛を伴う+ 8 (0.4) セックス時などに下腹部痛を伴う 月経時に強い痛みがある+排便時に下腹部痛を伴う 7 (0.4) 月経時に強い痛みがある+月経時以外に下腹部痛がある+排便時に下腹部痛を伴う 7 (0.4) 月経時に強い痛みがある+排便時に下腹部痛を伴う+セックス時などに下腹部痛を伴う 3 (0.2) 小計 136 (7.1) 月経時以外に下腹部痛がある+セックス時などに下腹部痛を伴う 15 (0.8) 月経時以外に下腹部痛がある+排便時に下腹部痛を伴う 12 (0.6) 排便時に下腹部痛を伴う+セックス時などに下腹部痛を伴う 3 (0.2) 小計 30 (1.6) 月経時に強い痛みがある 227 (11.9) 月経時以外に下腹部痛がある 156 (8.2) セックス時などに下腹部痛を伴う 41 (2.2) 排便時に下腹部痛を伴う 23 (1.2) 小計 上記のような症状は無い 447 (23.5) 1,241 (65.1) 無回答 52 (2.7) 計 −26− 1,906 (100.0) 「月経時に強い痛みがある + α」を症状別にみると、「+ 月経時以外に下腹部痛がある」が 58.8 %を 占めており、次いで「+ セックス時などに下腹部痛を伴う」14.0 %となっている。 年齢別に「月経時に強い痛みがある + α」をみると、25 歳未満が一番高く 9.8 %となっており、30 歳代まではほぼ 8 %半ばであるが、40 歳を過ぎると半減し、40 ∼ 45 歳未満 4.9 %、45 ∼ 50 歳未満 3.2 %となっている。これらの症状があるときの対応は、49.3 %が産婦人科を受診しており、次いで市 販薬を服用したが 40.4 %となっている。 図4 月経時に強い痛みがある + α +排便時に下腹 部痛を伴う 7人(5.1) 図 4-3 「月経時に強い痛みがある + α」 がある時の対応(M.A.) +月経時以外に下腹 部痛がある+排便時 に下腹部痛を伴う 7人(5.1) +月経時以外に下腹部 痛がある+排便時に下 腹部痛を伴う+セックス 時などに下腹部痛を伴う 8人(5.9) +排便時に下腹部痛 を伴う+セックス時など に下腹部痛を伴う 3人(2.2) (%) 67人 (49.3) 50 55人 (40.4) 40 35人 (25.7) 30 +月経 時 以 外に 下腹部痛がある 80人(58.8) 月経時に 強い痛みがある +α 136人 (100.0%) +月経時以外に 下腹部痛がある +セックス時などに 下腹部痛を伴う 12人(8.8) 20 14人 (10.3) 6人 4人 2人 1人 2人 (4.4) (1.5) (2.9) (1.5)(0.7) 10 0 産 婦 人 科 を 受 診 し た +セックス時などに 下腹部痛を伴う 19人(14.0) 図 4-2 市 販 薬 を 服 用 し た 先 輩 や 同 僚 に 相 談 し た 産 婦 人 科 以 外 を 受 診 し た 年齢別「月経時に強い痛みがある + α」(閉経を除く) (%) 10 9.8 8.5 8 7.6 8.0 6 4.9 4 3.2 2 0 1.3 25歳未満 25∼30歳未満 30∼35歳未満 35∼40歳未満 40∼45歳未満 45∼50歳未満 50∼55歳未満 (100.0%) 75人 225人 (100.0%) 506人 (100.0%) 380人 (100.0%) 288人 (100.0%)224人 (100.0%) 190人 (100.0%) −27− 上 司 に 相 談 し た 産 業 医 等 健 康 管 理 部 門 に 相 談 し た 人 事 ・ 総 務 の 担 当 者 に 相 談 し た そ の 他 特 に 何 も し な か っ た 次に子宮内膜症と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 なお、子宮内膜症は閉経している場合は症状がないので、「閉経」と答えた者は解析対象者から除 外した。 カイ二乗検定(表 4-3)では、子宮内膜症とストレス、年齢、妊娠経験、出産経験、喫煙、飲酒が 統計学的に有意な関連(P< 0.05)を認めた。 これらの 6 項目のうち妊娠経験、出産経験の間で強い相関を認められたため、妊娠経験を除いた項 目を独立変数に採用して多変量解析を行った。その結果、ストレスを「とても感じる、感じる」者は 「何とも言えない∼まったく感じない」者に比べ、2.32 倍、喫煙習慣「あり」の者は「ない」者に比べ 1.65 倍であった。年齢は1歳上昇につきリスクが 3 %低くなっていた。 表4-2 子宮内膜症 人数1,809(あり134, なし1,675) オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 独立変数 オッズ比 P値 ストレス 2.324 0.001 3.790 1.425 年齢(実数) 0.970 0.041 0.999 0.942 出産経験 0.741 0.256 1.243 0.441 飲酒 1.428 0.053 2.050 0.995 喫煙 1.653 0.030 2.603 1.049 表4-3 子宮内膜症 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 1,833 0.436 女性の割合 10%未満 10%以上 1,808 0.380 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 1,847 0.611 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 1,854 0.054 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 1,833 0.974 腰掛け作業 1,828 0.219 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 1,847 0.863 作業の中断 できない できる 1,847 0.592 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 1,847 0.859 有機溶剤を取り扱う あり なし 1,847 0.494 細かい物の加工 あり なし 1,847 0.408 対面応対業務 あり なし 1,847 0.134 パソコン作業 あり なし 1,847 0.468 あり なし 1,847 0.783 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.636 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.657 大型機械を使用する作業 あり あり なし なし −28− 結果 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.101 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.629 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.140 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.986 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,802 0.687 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 1,802 0.799 ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 1,846 <0.001 ** 人数 P値 結果 普通 1,813 0.053 あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし A-2 生活状況 BMI やせ 妊娠経験 あり なし 1,845 0.030 * 出産経験 あり なし 1,836 0.005 ** 喫煙 あり なし、やめた 1,846 0.018 * 飲酒 あり なし 1,833 0.013 * 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 1,848 0.333 肥満 単回帰分析 年齢(実数値) [考 P値 結果 0.001 ** 察] 子宮内膜症は月経困難症、慢性骨盤痛、性交時痛、排便痛などの疼痛と妊孕性の低下を主徴とする 疾患である。激しい疼痛を主徴とすることから、特に女性労働者にとっては著しく QOL を損なうも のであり、社会的にも大きな経済的損失をもたらす。近年、本疾患に関する知識の普及、および超音 波検査や腹腔鏡など技術の進歩に伴って、子宮内膜症の受療率は増加し、平成 9 年の全国調査では 13 万人以上の女性が子宮内膜症として何らかの診療を受けていることが明らかとなった。その他の疫学 的データも考慮すると、現在本邦の女性における子宮内膜症の有病率は 5%前後ではないかと推察さ れている。 今回の調査では、必ずしも診療を受けていない女性労働者を対象としており、子宮内膜症と診断す る他覚所見を把握できないため、便宜上「月経時に強い痛みがある」すなわち月経困難症に加えて、 慢性骨盤痛、性交時痛、排便痛を訴えた者を子宮内膜症の疑いが強いと判断した。その結果、子宮内 膜症の疑いが強いと判断された者は全体の 7.1%であり、従来の推定に類似した頻度であった。 そこで、これらの子宮内膜症の疑いが強い女性について就業状況・生活状況の特徴を抽出すること によって、子宮内膜症を有する女性労働者のプロフィールを解析しようと試みた。その結果、子宮内 膜症症状の頻度は若年ほど高く、いずれも年齢と共に低下していること、さらに、子宮内膜症症状を −29− 有する女性は、ストレスを感じていることが多いこと、また、喫煙者が多いという特徴が浮き彫りに なった。この結果からは、ストレスや喫煙が子宮内膜症(症状)の原因となっているか、子宮内膜症 症状によってストレスに対する感受性が亢進し喫煙の習慣も増えるのか、あるいは高いストレス感受 性や喫煙嗜好性という元々の性格が子宮内膜症(症状)の発生に関連しているのか、等の因果関係は 不明である。しかし、いずれにせよ子宮内膜症(症状)を有する女性労働者、特に若い女性労働者が 多い職場ではストレスを低減することがこれらの女性の QOL を改善するために重要であると考えら れた。 また、子宮内膜症は放置すれば症状の悪化や妊孕性の低下のリスクがあるため、正確な診断と適切 な治療を必要とする疾患であるにもかかわらず、症状があっても産婦人科を受診した女性は 49.3%の みであったことから、子宮内膜症を疑わせる症状を有する場合に積極的に産婦人科を受診するように 勧めることのできる、職場の健康管理体制を整備することが必要であると考えられた。 −30− 5 月経前の症状 月経前に選択肢のような症状はあるかと尋ね、45 歳未満の者(1,623 人)の回答をみると 62.9 %が 選択肢のような症状があり、症状のうち「寝つきが悪い、怒りやすくイライラする」が 39.2 %、「頭 痛、めまい、吐き気があったり、疲れやすい」35.5 %、「くよくよしたり、憂鬱になる」20.9 %となっ ているが、症状のあるときの対応は、7割弱が特に何もしていない。 図5 月経前の症状(閉経及び 45 歳以上を除く) (M.A.) 637人 (%) (39.2) 40 576人 (35.5) 35 585人 (36.0) 30 25 339人 (20.9) 20 15 10 18人 (1.1) 5 0 イ寝 ラつ イき ラが す悪 るい 、 怒 り や す く た頭 り痛 、 疲、 め れま やい す、 い吐 き 気 が あ っ く よ く よ し た り 、 憂 鬱 に な る は月 な経 い前 に 上 記 の よ う な 症 状 無 回 答 図 5-2 症状時の対応(M.A.) (%) 80 704人 (69.0) 70 60 50 40 30 186人 20 (18.2) 60人 55人 34人 (5.9) (5.4)27人 7人 4人 1人(3.3) (2.6) (0.7) (0.4) (0.1) 10 0 −31− 市 販 薬 を 服 用 し た 先 輩 や 同 僚 に 相 談 し た 産 婦 人 科 を 受 診 し た 人 事 ・ 総 務 の 担 当 者 に 相 談 し た 産 業 医 等 健 康 管 理 部 門 に 相 談 し た 産 婦 人 科 以 外 を 受 診 し た 上 司 に 相 談 し た そ の 他 18人 (1.8) 特 に 何 も し な か っ た 無 回 答 年齢別に月経前症状についてみると、月経前に「症状はない」は、各年齢層で3割半ばから4割強 となっている。 「寝つきが悪い、怒りやすくイライラする」は、30 歳代4割強で多く、 「頭痛、めまい、 吐き気があったり、疲れやすい」は 20 歳代、30 歳代で3割半ばで多い。「くよくよしたり、憂鬱にな る」は、20 歳代で2割半ばとなっている。 図 5-3 (%) 50 40 年齢別月経前の症状(閉経を除く)(M.A.) 寝 つ き が 悪 い 、 怒 り や す く イ ラ イ ラ す る 37.8 く よ く よ し た り 、 憂 鬱 に な る 頭 痛 、 め ま い 、 吐 き 気 が あ っ た り 、 疲 れ や す い 月 経 前 に 上 記 の よ う な 症 状 は な い 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする くよくよしたり、 憂鬱になる 頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 月経前に上記のような症状はない 無回答は表記していない 43.8 41.3 39.9 24.0 37.9 36.4 34.7 35.6 30 40.6 35.4 35.3 32.6 37.5 33.9 30.4 26.9 19.5 20 16.3 12.5 10 0 25歳未満 225人 (100.0%) 25∼30歳未満 506人 (100.0%) 30∼35歳未満 380人 (100.0%) −32− 35∼40歳未満 288人 (100.0%) 40∼45歳未満 224人 (100.0%) 次に月経前の症状と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 なお、月経前の症状は閉経にしばしば関連することを考慮し、 「閉経」と答えた者および 45 歳以上を 解析対象者から除外した。 カイ二乗検定(表 5-2)では、月経前症状と対面応対業務、ストレス、年齢が統計学的に有意な関連 (P< 0.05)を認めた。 これらの 3 項目に有意な相関は認められなかったため、すべてを独立変数として多変量解析を行った。 その結果、対面業務の「ある」者では「ない」者に比べ、1.55 倍、ストレスを「とても感じる、感じる」 者は「何とも言えない∼まったく感じない」者に比べ、2.07 倍であったが、年齢は1歳上昇につきリス クが 2.8 %低くなっていた。 表5 月経前の症状 人数 1,593(あり1,013 なし580) 独立変数 オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 オッズ比 P値 対面応対業務 1.554 0.001 2.028 1.190 ストレス 2.071 0.000 2.593 1.654 年齢(実数) 0.972 0.001 0.989 0.956 表5-2 月経前の症状 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 1,585 0.817 女性の割合 10%未満 10%以上 1,561 0.092 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 1,601 0.844 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 1,605 0.444 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 1,589 0.987 腰掛け作業 1,586 0.358 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 1,598 1.000 作業の中断 できない できる 1,598 0.435 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 1,598 0.729 有機溶剤を取り扱う あり なし 1,598 0.888 細かい物の加工 あり なし 1,598 0.645 対面応対業務 あり なし 1,598 0.001 パソコン作業 あり なし 1,598 0.904 あり なし 1,598 0.575 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.506 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.473 大型機械を使用する作業 あり あり なし なし −33− 結果 ** 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.812 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.267 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.222 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.410 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 1,557 0.461 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 1,557 0.581 ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 1,600 <0.001 ** 人数 P値 結果 普通 1,577 0.064 あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし A-2 生活状況 BMI やせ 妊娠経験 あり なし 1,603 0.403 出産経験 あり なし 1,595 0.339 喫煙 あり なし、やめた 1,602 0.189 飲酒 あり なし 1,592 0.258 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 1,603 0.754 肥満 単回帰分析 年齢(実数値) [考 P値 結果 0.002 ** 察] このアンケートの中で、月経前の症状と更年期障害の症状との鑑別がなかなか難しかった。この調 査により、40 ∼ 45 歳未満の女性の 83%は月経が順調であったため、45 歳未満の者を対象と設定した。 上述した「寝つきが悪い、怒りやすくイライラする」、「頭痛、めまい、吐き気があったり、疲れやす い」、「くよくよしたり、憂鬱になる」の3症状についてはそれぞれ 40 ∼ 20%の出現率で、事前に想定 した数値の範囲内と考えられた。注目すべきは症状のあるときの対応の項目で、約7割が何もしてい ないとの結果であり、同様の症状を示す更年期障害(後述)では6割の女性が何らかの対応をしてい ることと比較し、顕著な差がみられている。この理由として、月経前症状は持続が短期間で間欠的 (月経前のみ)に出現すること、症状そのものが更年期症状よりも軽い(重症感がない)こと、そし てこの疾患(月経前緊張症)に関する情報や理解度が更年期障害に比べて乏しいことなどが考えられ る。月経前の症状と就業・生活状況との関連では、対面応対業務とストレスの感じやすさが、この症 状出現に影響するとの結果であった。この疾患では精神神経症状が重要な発症因子であることを考慮 すると、対面業務という持続する緊張感とストレスを感じやすいという性格因子が影響していると考 えられ、後述する更年期症状との共通点もみられる。年齢の上昇に伴って症状の出現頻度が減少する 理由として、年齢とともにストレスに対する反応性が鈍化し、またその対処法が改善すること、そし て卵巣機能特に黄体機能の年齢による低下が月経時ホルモンレベルとのギャップを減少させることな どが推測される。 −34− 6 更年期症状 更年期になると更年期症状としての症状があり、過去3年間のうちにしばしばあるかと更年期の症 状を選択肢にあげて尋ねた。45 歳以上(527 人)をみると、選択肢のような「症状はない」は 27.5 % で、7割強の者が症状がありとしている。症状のうち「顔がほてったり、汗をかきやすい」が一番多 く 41.7 %、次いで 26.8 %の「腰痛、関節痛」、26.6 %の「頭痛、めまい、吐き気があったり、疲れやす い」が続き、「寝つきが悪い、怒りやすくイライラする」が 20.9 %、「くよくよしたり、憂鬱になる」 18.8 %となっているが、更年期障害の疑いが強いと考えられる者の定義をここでは、これら症状が複 数であって、複数の症状のうち「頭痛、めまい、吐き気があったり、疲れやすい」+「腰痛、関節痛」 は除くこととした。これらをみると、更年期障害の疑いの強い者は、45 歳以上の女性労働者のうち、 34.2 %(180 人)である。年齢別に更年期障害の疑いが強い者をみると、55 歳以上 44.8 %、50 ∼ 55 歳 未満 37.7 %、45 ∼ 50 歳未満 25.0 %となっている。 図6 更年期の症状(45 歳未満は除く) (M.A.) (%) 50 220人 (41.7) 40 141人 (26.8) 30 140人 (26.6) 145人 (27.5) 110人 (20.9) 20 99人 (18.8) 22人 (4.2) 10 0 図 6-2 か顔 きが やほ すて いっ た り 、 汗 を 腰 痛 、 関 節 痛 あ頭 っ痛 た、 りめ 、ま 疲い れ、 や吐 すき い気 が イ怒寝 ラりつ イやき ラすが すく悪 る い 、 憂く 鬱よ にく なよ るし た り 、 症 状 は な い 年齢別更年期障害の疑いが強い者 (%) 50 44.8 40 30 37.7 25.0 20 10 0 45∼50歳未満 212人(100%) 50∼55歳未満 199人(100%) 55歳以上 116人(100%) −35− 無 回 答 表6 更年期の症状の有無(45 歳未満は除く) (人数、%) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする 13人(2.5) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+くよくよしたり、 憂鬱になる 10人(1.9) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 18人(3.4) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+腰痛、 関節痛 20人(3.8) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる 9人(1.7) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 3人(0.6) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+腰痛、 関節痛 2人(0.4) くよくよしたり、 憂鬱になる+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 6人(1.1) くよくよしたり、 憂鬱になる+腰痛、 関節痛 6人(1.1) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる 7人(1.3) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 10人(1.9) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+腰痛、 関節痛 6人(1.1) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+くよくよしたり、 憂鬱になる+腰痛、 関節痛 5人(0.9) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 10人(1.9) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 3人(0.6) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる+腰痛、 関節痛 4人(0.8) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 4人(0.8) くよくよしたり、 憂鬱になる+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 2人(0.4) 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる 8人(1.5) +頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる+腰痛、 関節痛 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする 3人(0.6) 4人(0.8) +頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 顔がほてったり、 汗をかきやすい+くよくよしたり、 憂鬱になる+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる+頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 2人(0.4) 6人(1.1) +腰痛、 関節痛 顔がほてったり、 汗をかきやすい+寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする+くよくよしたり、 憂鬱になる 19人(3.6) +頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 小 計 180人(34.2) 頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい+腰痛、 関節痛 16人(3.0) 顔がほてったり、 汗をかきやすい 85人(16.1) 腰痛、 関節痛 32人(6.1) 頭痛、 めまい、 吐き気があったり、 疲れやすい 29人(5.5) 寝つきが悪い、 怒りやすくイライラする 9人(1.7) くよくよしたり、 憂鬱になる 9人(1.7) 小 計 症状はない 180人(34.2) 145人(27.5) 無回答 22人(4.2) 計 −36− 527人(100.0) 症状時の対応を見ると、「特に何もしなかった」は 41.7 %で、6割弱が何らかの対応をしている。 「産婦人科以外を受診した」18.9 %、「産婦人科を受診した」が 18.3 %でほぼ同程度、次いで「先輩や 同僚に相談した」が 14.4 %となっている。 図 6-3 更年期の症状時の対応 (%) 50 75人 (41.7) 40 30 20 10 0 34人 33人 (18.9) (18.3) 26人 (14.4) 19人 (10.6) 19人 (10.6) 8人 (4.4) 2人 0人 (1.1) (0.0) 産 婦 人 科 以 外 を 受 診 し た 産 婦 人 科 を 受 診 し た 先 輩 や 同 僚 に 相 談 し た 市 販 薬 を 服 用 し た 産 業 医 等 健 康 管 理 部 門 に 相 談 し た 人 事 ・ 総 務 の 担 当 者 に 相 談 し た 上 司 に 相 談 し た 3人 (1.7) そ の 他 特 に 何 も し な か っ た 無 回 答 −37− 次に更年期障害と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 なお、更年期障害は、一定の年齢未満では月経不順等との鑑別が困難であるため、45 歳未満を解析 対象者から除外した。 カイ二乗検定(表 6-3)では、更年期障害と仕事中の姿勢、対面応対業務が統計学的に有意な関連 (P<0.05)を認めた。 この 2 項目間に相関は認められなかったため、両者を独立変数に採用して多変量解析を行った。そ の結果、「対面応対業務」が「ある」者では「ない」者より 2.26 倍リスクが高かった。 表6-2 更年期障害 人数252(あり62, なし190) 独立変数 オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 オッズ比 P値 仕事中の姿勢 1.222 0.513 2.229 0.670 対面応対業務 2.257 0.013 4.288 1.188 表6-3 更年期障害 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 260 1.000 女性の割合 10%未満 10%以上 259 0.542 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 259 0.192 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 262 0.334 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 257 1.000 腰掛け作業 252 0.015 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 262 0.131 作業の中断 できない できる 262 0.836 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 262 1.000 有機溶剤を取り扱う あり なし 262 0.320 細かい物の加工 あり なし 262 0.297 対面応対業務 あり なし 262 0.035 パソコン作業 あり なし 262 0.476 なし 262 0.559 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 1.000 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 1.000 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 0.777 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 0.074 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 0.587 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 1.000 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 256 1.000 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 256 0.865 ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 259 0.079 大型機械を使用する作業 あり あり あり あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし なし なし −38− 結果 * * A-2 生活状況 人数 P値 普通 256 0.160 BMI やせ 妊娠経験 あり なし 261 0.773 出産経験 あり なし 259 1.000 喫煙 あり なし、やめた 261 0.120 飲酒 あり なし 259 0.640 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 262 1.000 肥満 結果 単回帰分析 P値 年齢(実数値) [考 結果 0.096 察] このアンケート調査では、典型的な5つの更年期症状の有無について質問したが、この回答の中か ら更年期障害をいかに定義するかが、重要でかつ難しい問題であった。これらの症状の中では血管運 動神経系症状としての、「顔のほてり、汗をかきやすい」と精神・神経系症状である「寝つきが悪い、 イライラする」、「くよくよしたり憂鬱になる」の3つを priority の高いものとして重視し、前述した ような定義で更年期障害の疑いの強い女性を抽出した。その結果、45 歳以上では 34.2%がこれに該当 し、他の報告や臨床経験から考慮するとこの出現率は妥当と判断される。症状発現時にはその6割の 女性が何らかの対応をしており、この数値は一般女性よりも高いと思われる。対応した内容を検討す ると、自分一人で判断するのではなく、産婦人科、内科などの医師を受診したり、先輩や同僚そして 会社の健康管理担当者などに相談する頻度が高いことなど、更年期障害に対応する意識が高く、また、 対応のための環境などが、女性労働者の場合のほうが働いていない女性よりも有利である印象を受け る。更年期障害と就業・生活状況との関連では、対面応対業務との関連性が強いことが興味深い。対 面応対という職業の内容とその職場環境による持続する緊張感が、更年期障害の出現に大きく影響し ていること、またこの職種では繊細で気配りのできる女性が選抜される傾向にあり、性格的な因子も 症状出現に関連しているものと推測される。 −39− 7 ピル服用の有無及び服用年数 これまでピルを服用したことの有無を尋ねると、5.6 %がピルを服用したことがあり、服用年数は1 ∼3年未満が 40.5 %、1年未満の服用が 26.4 %で、ピルの服用者の年齢を見ると一番多いのは 25 ∼ 29 歳で 24.0 %、次いで 35 ∼ 39 歳が 18.2 %となっている。 図7 ピル服用の有無 図 7-2 服用年数 ある 121人(5.6) 無回答 14人(0.6) 無回答 15.7% 10年以上 5.0% 2,166人 100.0% これまでピルを服用 したことが 5∼10年未満 5.8% 121人 100.0% 1∼3年未満 40.5% 3∼5年未満 6.6% ない 2,031人(93.8) 図 7-3 1年未満 26.4% 年齢別ピルの服用 25歳未満 7人 (5.8) 25∼29歳 29人 (24.0) 30∼34歳 35∼39歳 22人 14人 (11.6) (18.2) 45∼49歳 40∼44歳 17人 (14.0) 14人 (11.6) 121人 (100.0%) 50∼54歳 12人 (9.9) 55歳以上 5人 (4.1) 無回答 1人 (0.8) −40− 8 更年期障害の治療と治療方法 更年期障害で治療を受けたことがあるかと尋ねたところ、女性労働者(45 歳以上)のうち 9.3 %が 更年期障害の治療を受けている。治療方法は、ホルモン補充療法、漢方療法とも 42.9 %、その他 22.4 %となっている。 図 8 更年期障害の治療の有無(45 歳未満は除く) 図 8-2 治療方法(M.A.) ある 49人(9.3) (%) 50 42.9 42.9 40 更年期障害の治療を 受けたことが 30 527人 100.0% 22.4 20 10 4.1 ない 468人(88.8) 0 −41− ホ ル モ ン 補 充 療 法 漢 方 療 法 そ の 他 無 回 答 9 膀胱炎症状及び貧血症状 膀胱炎症状及び貧血症状の有無について過去3年間に選択肢にあげる症状はしばしばあるかと尋ね たところ、「残尿感・排尿時痛などの膀胱炎症状」は 14.4 %、「動悸・息切れなどの貧血症状」は 16.3 %があるとしており、68.5 %が「膀胱炎症状や貧血症状はない」としている。 年齢別に「残尿感・排尿時痛などの膀胱炎症状」ありをみると、55 歳以上 18.1 %で一番多く、次い で 25 歳未満が 16.9 %となっている。「動悸・息切れなどの貧血症状」は 45 ∼ 50 歳未満が一番多く 22.6 %、次いで 40 ∼ 45 歳未満が 18.8 %と続いている。 図9 膀胱炎症状及び貧血症状の有無(M.A.) (%) 80 1,483人 (68.5) 70 60 50 40 30 20 353人 311人 (14.4) (16.3) 79人 (3.6) 10 0 図 9-2 の残 膀尿 胱感 炎・ 症排 状尿 時 痛 な ど 膀 胱 炎 症 状 や 貧 血 症 状 は な い 80 40 20 0 貧膀 血胱 症炎 状症 は状 なや い 無 回 答 年齢別膀胱炎症状及び貧血症状の有無(M.A.) (%) 100 60 貧動 血悸 症・ 状息 切 れ な ど の 残 尿 感 ・ 排 尿 時 痛 な ど の 膀 胱 炎 症 状 残尿感・排尿時痛などの膀胱炎症状 動悸・息切れなどの貧血症状 膀胱炎症状や貧血症状はない 無回答は表記していない 71.3 69.3 動 悸 ・ 息 切 れ な ど の 貧 血 症 状 16.9 16.9 25歳未満 225人(100.0%) 72.3 70.5 68.6 67.0 59.5 58.3 15.0 14.4 25∼30歳未満 506人(100.0%) 13.215.3 30∼35歳未満 380人(100.0%) 13.8 13.8 14.0 22.6 18.8 9.4 16.617.1 18.1 12.9 35∼40歳未満 40∼45歳未満 45∼50歳未満 50∼55歳未満 55歳以上 289人(100.0%) 229人(100.0%) 212人(100.0%) 199人(100.0%) 116人(100.0%) −42− これらの症状時の対応を年齢別にみると 35 歳未満までは4割半ばが「特に何もしなかった」として いるが、50 歳以上になると2割強となっている。対応で一番多いのが、「産婦人科以外を受診した」 で(33.4 %)どの年齢層も症状時の対応に「産婦人科以外を受診した」が一番多い。 図 9-3 年齢別膀胱炎症状及び貧血症状の症状時の対応(M.A.) 産婦人科を受診した (%) 産婦人科以外を受診した 50 48.0 市販薬を服用した 産業医等健康管理部門に相談した 44.8 人事・総務の担当者に相談した 先輩や同僚に相談した 上司に相談した 44.8 39.7 39.1 40 その他 特に何もしなかった 無回答は表記していない 35.6 33.6 31.3 33.3 28.8 30 33.3 33.3 28.1 26.5 25.0 23.8 21.2 20.6 20 17.2 16.4 13.7 11.9 10 0 7.5 9.0 6.0 6.0 10.2 25歳未満 67人 (100.0%) 2.2 2.2 5.8 5.8 5.9 5.9 5.9 5.9 3.9 0.7 25∼30歳未満 137人 (100.0%) 30∼35歳未満 102人 (100.0%) 12.7 9.4 8.2 8.0 4.5 3.0 12.3 15.2 14.1 8.3 7.8 5.0 3.3 3.3 1.7 1.6 1.61.6 2.7 35∼40歳未満 73人 (100.0%) 40∼45歳未満 64人 (100.0%) 12.1 12.1 45∼50歳未満 60人 (100.0%) 6.3 6.1 6.1 6.3 1.6 1.6 50∼55歳未満 63人 (100.0%) 55歳以上 33人 (100.0%) 次に膀胱炎症状、貧血症状と就業状況・生活状況の各項目との関連について統計解析を行った。 カイ二乗検定(表 9-2)では、膀胱炎症状と雇用形態、仕事中の姿勢、睡眠時間が統計学的に有意 な関連(P< 0.05)を認めた。 これらの 3 項目間に有意な相関を認められないため、全てを独立変数に採用して多変量解析を行っ た。その結果、睡眠時間が「6時間未満」は「6時間以上」の者に比べ 1.49 倍であったが、雇用形態 が「正社員」に比べて「正社員以外」では 48.0 %リスクが低かった。 表9 膀胱炎症状 人数2,037(あり305, なし1,732) オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 独立変数 オッズ比 P値 雇用形態 0.520 0.005 0.820 0.329 仕事中の姿勢 1.213 0.144 1.573 0.936 睡眠時間 1.485 0.002 1.897 1.163 −43− 表9-2 膀胱炎症状 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 2,064 0.654 女性の割合 10%未満 10%以上 2,038 0.938 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 2,079 0.112 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 2,086 0.042 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 2,063 0.772 腰掛け作業 2,051 0.011 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 2,080 0.713 作業の中断 できない できる 2,080 0.621 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 2,080 0.702 有機溶剤を取り扱う あり なし 2,080 0.211 細かい物の加工 あり なし 2,080 0.463 対面応対業務 あり なし 2,080 0.909 パソコン作業 あり なし 2,080 0.968 なし 2,080 0.662 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.574 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.925 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.823 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.978 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.244 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.691 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.750 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 2,029 0.373 ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 2,076 0.411 人数 P値 普通 2,042 0.334 大型機械を使用する作業 あり あり あり あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし なし なし A-2 生活状況 結果 * * 結果 BMI やせ 妊娠経験 あり なし 2,076 0.241 出産経験 あり なし 2,065 0.339 喫煙 あり なし、やめた 2,079 0.553 飲酒 あり なし 2,063 0.918 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 2,080 0.001 ** P値 結果 肥満 単回帰分析 年齢(実数値) 0.640 −44− カイ二乗検定(表 9-4)では、貧血症状と乾燥しすぎる、ストレス、年齢、BMI、妊娠経験、出産 経験が統計学的に有意な関連(P< 0.05)を認めた。 これらの 6 項目のうち妊娠経験、出産経験の間で強い相関が認められたため、妊娠経験を除いた項 目を独立変数に採用して多変量解析を行った。その結果、ストレスを「とても感じる、感じる」者は 「何とも言えない∼まったく感じない」者に比べ、1.53 倍、BMI が普通の者に対してそうでない者は、 1.48 倍、出産経験「あり」の者は「ない」者に比べ 1.45 倍となっていたが、乾燥しすぎると「不快に 感じない」者に比べ、「不快に感じる」者では 32.7 %リスクが低かった。 表9-3 貧血症状 人数1,959(あり333, なし1,626) 独立変数 オッズ比の95%信頼区間 上限 下限 オッズ比 P値 乾燥しすぎる 0.673 0.019 0.937 0.484 ストレス 1.532 0.003 2.034 1.154 BMI 1.484 0.003 1.928 1.143 出産経験 1.448 0.003 1.844 1.137 表9-4 貧血症状 *P<0.05、**P<0.01 A-1 就業状況 人数 P値 事業所規模 50人未満 50人以上 2,064 0.178 女性の割合 10%未満 10%以上 2,038 0.663 勤務時間(出社∼退社) 1日9時間超 1日9時間以下 2,079 0.885 雇用形態 パートタイム 派遣社員 その他 労働者 正社員 2,086 0.994 勤務形態 早朝・深夜あり 日中のみ 2,063 0.672 腰掛け作業 2,051 0.319 仕事の姿勢 前屈姿勢 腰掛けたり その他 立ち作業 作業 反復する作業 重たい物の運搬 あり なし 2,080 0.106 作業の中断 できない できる 2,080 0.507 動揺、振動、衝撃作業 あり なし 2,080 0.970 有機溶剤を取り扱う あり なし 2,080 0.084 細かい物の加工 あり なし 2,080 0.635 対面応対業務 あり なし 2,080 0.111 パソコン作業 あり なし 2,080 0.514 なし 2,080 0.929 音がうるさい (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.641 粉塵が多い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.756 高温多湿 (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.287 低温すぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.169 乾燥しすぎる (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.037 換気がよくない (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.968 足場が悪い (不快に感じることが) (不快に感じることが) 2,029 0.421 たばこの臭い (不快に感じることが) (不快に感じることが) なし 2,029 0.981 ストレス とても感じる 感じる 何とも言えない あまり感じない 全く感じない 2,076 0.002 大型機械を使用する作業 あり あり あり あり あり あり あり あり あり なし なし なし なし なし なし なし −45− 結果 * ** A-2 生活状況 人数 P値 結果 普通 2,042 0.011 * BMI やせ 妊娠経験 あり なし 2,076 0.010 * 出産経験 あり なし 2,065 0.011 * 喫煙 あり なし、やめた 2,079 0.303 飲酒 あり なし 2,063 0.289 睡眠時間 6時間未満 6時間以上 2,080 0.085 肥満 単回帰分析 P値 年齢(実数値) [考 結果 0.077 察] 一般に膀胱炎症状や貧血症状は女性によく自覚されると言われているものであるが、各年齢におい てほぼ同程度の症状発現の頻度であり、月経障害や更年期症状などの婦人科疾患ほどに、ライフサイ クルにおいて問題となるものではないようである。むしろ、個人差がもともとあると思われる。 膀胱炎は、解剖学的な特徴からも女性に多い疾患であり、尿意を我慢しすぎないことや水分摂取を 怠らないことなどが発症予防に役立つとされている。そのことから、就業と生活状況においては、作 業の拘束性や勤務時間の長さ、作業環境などの影響を受けやすいと考えられるが、今回のアンケート 調査では、そのことに言及するだけの調査デザインに至っておらず、さらに検討が必要と思われた。 しかし、「正社員」がそれ以外の雇用形態の人より、また「6時間未満」という睡眠が不足しがちな 人などが症状を自覚しやすいことから、就業や残業の時間の拘束性や勤務の負担感、疲労回復に必要 な生活時間が得られにくいなど、ある状況下で起こしやすい可能性については示唆される。 貧血症状としては、動悸や息切れといった設問であるため、40 ∼ 50 歳代の更年期症状を自覚する 年代にやや多かったようである。症状発現時は産婦人科以外を受診することが多いと回答しているが、 更年期年代の受療行動として産婦人科の果たす役割は大きく、職場の健康相談においても意識してい くのがよいと思われる。今回、職場の状況などでは「ストレスを感じる」者が貧血を自覚しやすかっ たり「乾燥しすぎると不快に感じる」者が貧血症状を自覚しにくかったりしているが、貧血の原因な のか結果なのかあるいは対処行動による違いの結果なのか原因なのか、など判断は難しかった。 −46− −47− 0 20 40 60 (%) 月 経 不 順 26.2 43.1 月 経 痛 月 経 不 順 21.5 25 ∼ 30 歳 未 満 膀 胱 貧 炎 子 症 血 宮 状 症 内 15.0 状 14.4 膜 症 8.5 月 経 不 順 17.4 月 経 痛 33.2 30 ∼ 35 歳 未 満 膀 貧 胱 血 炎 症 子 症 状 宮 状 15.3 内 膜 13.2 症 7.6 35 ∼ 40 歳 未 満 月 経 膀 痛 胱 貧 月 炎 血 21.2 経 子 症 症 不 宮 状 状 順 内 膜 13.813.8 12.8 症 8.0 (注)女性労働者は年齢について無回答を除く2,156人 (注)月経痛、子宮内膜症は閉経を除く女性労働者 (注)月経痛は「かなりひどい(薬を服用しても会社を休むほど)」+「ひどい(薬を服用すれば仕事ができる程度)」 (注)子宮内膜症は「月経時に強い痛みがある+α」 25 歳 未 満 膀 胱 貧 炎 血 子 症 症 宮 状 状 内 16.916.9 膜 症 9.8 月 経 痛 38.2 40 ∼ 45 歳 未 満 貧 膀 血 月 胱 症 月 炎 状 経 経 症 18.8 不 痛 順 16.1 子 状 宮 14.0 14.0 内 膜 症 4.9 月 経 不 順 17.5 月 経 痛 11.0 45 ∼ 50 歳 未 満 子 宮 内 膜 症 3.2 膀 胱 炎 症 状 9.4 貧 血 症 状 22.6 図10 年齢別 月経不順、月経痛、子宮内膜症、膀胱炎症状、貧血症状がある女性労働者の割合 50 ∼ 55 歳 未 満 月 経 不 順 15.6 月 経 子 痛 宮 8.0 内 膜 症 1.3 膀胱炎症状 貧血症状 子宮内膜症 月経痛 月経不順 膀 胱 貧 炎 血 症 症 状 状 16.6 17.1 55 歳 以 上 膀 胱 炎 症 貧 状 血 18.1 症 状 12.9 −48− 0 10 20 30 40 50 60 70 25 歳 未 満 64.0 25 ∼ 30 歳 未 満 66.2 30 ∼ 35 歳 未 満 63.9 (注)月経前の症状は閉経を除く女性労働者 (%) 80 35 ∼ 40 歳 未 満 62.2 40 ∼ 45 歳 未 満 53.1 45 ∼ 50 歳 未 満 25.0 50 ∼ 55 歳 未 満 37.7 55 歳 以 上 44.8 図10 - 2 年齢別 月経前の症状がある及び更年期障害の疑いの強い女性労働者の割合 更年期障害の疑いが強い 月経前の症状 11 関心のある病気・症状 関心のある病気・症状は、「乳がん」が一番多く 41.3 %、次いで「子宮頸部・体部がん」39.5 %でが んについて関心が高く、 「子宮筋腫」33.7 %、 「更年期障害」29.3 %、 「子宮内膜症」20.8 %と続いている。 表11 関心のある病気・症状(M.A.) (人数、 %) 2,166(100.0) 計 が ん 月 経 良 性 腫 瘍 ・ 炎 症 性 感 染 症 子宮・頸部がん 856(39.5) 卵巣がん 389(18.0) 乳がん 895(41.3) 月経痛・月経困難症 277(12.8) 月経不順 207(9.6) 不正性器出血 67(3.1) 月経前症候群・月経前緊張症 154(7.1) 子宮筋腫 729(33.7) 子宮内膜症 450(20.8) 子宮腟部びらん 36(1.7) 卵巣のう腫 100(4.6) 付属器炎(卵巣・卵管の炎症) 28(1.3) 外陰炎・腟炎 83(3.8) クラミジア 40(1.8) トリコモナス 12(0.6) エイズ 87(4.0) その他の性感染症 31(1.4) 障更 ほてり・発汗・憂鬱・イライラ等 年 害期 妊 娠 635(29.3) 不妊症 296(13.7) 避妊希望 34(1.6) おりものが多い、色が黄色い そ の 他 299(13.8) 乳がん以外の乳房に関すること 59(2.7) その他 43(2.0) 無回答 −49− 149(6.9) 12 身体と心の悩みや、健康管理に関して会社、地方公共団体、国への要望等 身体と心の悩みや、健康管理に関して会社、地方公共団体、国への要望等について 668 人(複数回 答)から回答が寄せられた。主な内容は下記の通りである。 生理休暇について 「生理休暇が定められてはいるものの、現実にはとる事ができない。上司(男性)に言うこともは ばかられるし、誰もその休暇を取らないため、あってもないものと同じ。社会人のマナーとして、薬 を服用してまで痛みを我慢し働くことが常識となっている。こんな建前ばかりの決まり事なら必要な いし、もっと女性の身体を考えたルールを作ってほしいものだと思う」等生理休暇のとりにくさ、生 理休暇を取りやすい環境を望む回答が 80 件あった。 作業環境について(たばこ、エアコン、休憩室、パソコン他) たばこ 26 件、エアコン 24 件、休憩室 10 件、パソコン等 13 件計 73 件が寄せられた。 「私の会社は上司が勤務中にたばこをすっていて、すごく嫌だが、言えずにいる。回りの女性は妊 娠している者もいるのに、たばこの煙がすごくてとても困っている。私は今は妊娠していないが、も し、妊娠したら、こんな煙がある部屋ではいることができないのでやめると思う。仕事や人間関係は とてもいい環境でやめたくはないが、たばこの煙がすごく嫌だ」、「事務所内は禁煙にしてほしい」等 迷惑や禁煙を求める声等。 エアコンについては、「社内の冷房が強すぎて寒いので、もう少し女性のことを考えてほしい」等 冷・暖房の調節についてだが、主に、冷房についてが多い。 休憩室の設置や、「パソコンを使用する時間が長いからか、視力の低下が気になる」等パソコンに 対する不安等。 均等やセクハラについて 「私たちの会社は製造業のため男性が多く、女性は少ないためサブ的な仕事が多く、たとえ主的な 仕事をしても評価が低い。まだまだ男尊女卑的なところが多く、男女雇用機会均等法ができていても さっぱりである。上司から偏見を変えてもらいたい」や、「セクハラについて男性は、もっとこのこ とについて自覚してほしい。社内でも一部問題になり、取り上げられたが、当の本人たちはそんなつ もりはないのにといいわけがましいことしか言わない。不快に感じることが多々あってストレスの一 因になっている」等、均等やセクハラについて 29 件。 残業、有給休暇等勤務時間について 「体の調子が悪くても仕事が忙しくてなかなか有休で休めない。もっと有休を使いやすくするよう にしてほしい」、「時間外労働等サービス残業をしなくてはならない量が増えている実態。正常な家庭 環境が保ちにくくなっている等が見られる。時間外勤務についてもっと大きく配慮してほしい」等 42 件。 −50− 自己の健康状況、職場環境(女性特有な病気等についてへの理解等)について 「仕事を休むほどではないが朝起きると頭痛や肩こりがして、気分が悪くまるで半病人だが午前中 は我慢をしていると午後には症状がとれている。このようなときは生理前が多く、今は生理がなくな り半年くらいだが、最近このような症状はなくなっているが、最近は汗かきになって困っている」等、 自己の健康状況について(14 件)あり、「女性が多い職場であるので、女性特有の症状を多くの人が 抱えている。幸い診療所があるので相談できるが、やはり、職場でも男性がもっと女性の身体の症状 に理解を示してほしいと思う」等、職場環境状況や働きやすい環境を望む意見等 65 件あった。 男性の家事参加等 「男性と女性の待遇の差はあっても、働く環境の差はほとんどないと思う。そこに家庭のことが加 わるので女性の負担が大きくなる。男性の家庭(家事・子育て等)への非協力的な考え方が女性を悩 ませている一番の原因だと思う」等男性(夫)の家庭への協力を求める等の意見も少なからずある。 (12 件) 相談窓口の設置について 上記のような様々なストレスに対して、職場に(35 件)、あるいは、地域に(31 件)相談窓口をも うけてほしい、又、女性特有な症状は男性には言いにくいので、対応者は女性にしてほしいとの意見 も多い。計 66 件 「女性特有の病気は、上司が主に男性であるので相談しにくい。専門の窓口があればよいと思う」 「あまりにも月経痛がひどいため、最近初めて産婦人科を受診した。大変な勇気を必要としたがやは り行って良かったという思いが強い。結果は子宮内膜症、とにかくこの病気が増えていること。そし て月経痛や月経前症候群に大変多くの女性が苦しめられているので、気軽に(電話相談:専門医等) 相談できる公共の場を設けてほしい」等。 情報提供 相談窓口の設置を望む一方、「気軽に相談できる病院や窓口がどこにどのくらい存在するのかわか りやすく公表してほしい」等その周知を望む声や、「まだまだわからないことが多くあるので冊子等 で、様々な病気等について正しい情報を公表してほしい」等今回のアンケートの目的(女性特有な健 康問題の資料作成)に対する期待も大きい。44 件 婦人科検診等 「婦人科検診を受けるきっかけがなかなかないので会社の健康診断に組み込んでほしい」等通常の 健康診断に婦人科検診もという声や婦人科検診の年齢を下げてほしい等健康診断や婦人科検診に対し て多くの意見が寄せられた。(111 件) 医療機関への要望 婦人科検診に関連して「産婦人科医にもっと女性が増えてほしい。平日の夜遅くまでやっている病 院が増えてほしい」等女医が増えてほしいことや仕事を休まなくてすむ時間帯や休日を望む等医療機 −51− 関への要望も多くあった。38 件 不妊治療 「不妊治療の社会保険の適応を実現してほしい」等不妊治療についての意見も 12 件あった。 妊娠・出産・子育て(両立)について 「妊娠初期はつわりもきつく、体調管理が大切な時期なので、そういった時期に休暇が取れると良 い」等妊娠に関すること(17 件)、「出産後に社会復帰できるような環境をもっとつくってほしい」等 出産直後に関すること(20 件)、「育児休暇を当たり前に取れるシステムを作ってほしい」「女性が仕 事を安心して続けられるように、子どもを預ける機関(保育園等)の充実を図ってほしい」等、仕事 と育児の両立に関すること 66 件、計 103 件もの多くの意見が寄せられた。 その他 医療費や税金に関することや現在の社会状況、景気や老後の不安等に関すること等様々な意見が寄 せられた。(55 件) −52− 調 査 結 果 の 概 要 (産業保健スタッフの結果の概要) 1 集計産業保健スタッフの属性 性別、職種、産業、事業所規模、女性労働者比率 回答を寄せた産業保健スタッフの性別を見ると、女性が 69.5 %、男性 27.9 %と圧倒的に女性である。 職種は、保健師 13.1 %、産業医 10.0 %、看護師 8.5 %で、その他が 61.8 %と一番多い。勤務先の状況 を見ると、産業別には、製造業が 33.9 %で一番多く次いで卸売・小売業 16.8 %、サービス業 15.7 %と なっている。事業所規模別では、一番多いのは 300 ∼ 499 人規模で 26.2 %、100 人以上規模で 78.6 %を 占めている。事業所の女性労働者比率を見ると 50 %以上が最も多く 37.3 %、次いで 30 ∼ 50 %未満が 35.0 %で、女性比率が 30 %以上の事業所は 72.3 %となっている。 表1 集計産業保健スタッフの属性(人数、%) 性別 351 (100.0) 事業所規模 351 (100.0) 男 98 (27.9) 50人未満 40 (11.4) 女 244 (69.5) 50∼99人 28 (8.0) 無回答 9 (2.6) 100∼299人 70 (19.9) 職種別 351 (100.0) 300∼499人 92 (26.2) 産業医 35 (10.0) 500∼999人 49 (14.0) 看護師 30 (8.5) 1,000人以上 65 (18.5) 保健師 46 (13.1) 無回答 その他 217 (61.8) 無回答 23 (6.6) 産業別 女性労働者比率 7 (2.0) 351 (100.0) 10%未満 20 (5.7) 351 (100.0) 10∼30%未満 62 (17.7) 建設業 2 (0.6) 30∼50%未満 123 (35.0) 製造業 119 (33.9) 50%以上 131 (37.3) 電気・ガス・熱供給・水道業 7 (2.0) 情報通信業 8 (2.3) 運輸業 1 (0.3) 無回答 卸売・小売業 59 (16.8) 金融・保険業 22 (6.3) 不動産業 3 (0.9) 飲食店・宿泊業 7 (2.0) 医療・福祉 36 (10.3) 教育学習支援業 7 (2.0) 複合サービス業 20 (5.7) サービス業 55 (15.7) その他 4 (1.1) 無回答 1 (0.3) −53− 15 (4.3) 2 女性労働者から女性特有な疾患・症状等について相談の有無、対応に困難を感じた ことの有無 月経不順、月経痛、月経困難症、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害等の疾患・症状等で女性労働 者から相談を受けたことがあるかと尋ねたところ、相談を受けたことが「ある」産業保健スタッフは 43.9 %、「ない」55.8 %であった。相談を受けたことがある者の性別を見ると、女性 81.2 %、男性 14.9 %である。職種を見ると、産業医の 74.3 %が、看護師 90.0 %、保健師は全ての者が相談を受けて いるが、その他は 21.2 %にとどまっている。事業所規模別に見ると、100 人未満では2割半ば、100 ∼ 999 人は 4 割、1,000 人以上は7割を超えている。 図2 女性労働者からの相談の有無 無回答 1人 0.3% ある 154人 43.9% ●男女別 無回答 6人 3.1% 351人 100.0% 男性 23人 14.9% 154人 100.0% 女性 125人 81.2% ない 196人 55.8% 図2-2 職種別女性労働者からの相談の有無 ある ない 産業医 35人 (100.0%) 26人 (74.3) 9人(25.7) 看護師 30人 (100.0%) 27人 (90.0) 3人(10.0) 保健師 46人 (100.0%) 46人 (100.0) 0人(0) その他 217人 (100.0%) 46人 (21.2) 171人(78.8) 0 20 40 60 −54− 80 100( %) 図 2-3 事業所規模別女性労働者からの相談の有無 ある ない 10人 (25.0) 無回答 30人(75.0) 0人(0) 8人 (28.6) 50∼99人 28人 (100.0%) 19人(67.9) 1人(3.5) 30人 (42.9) 100∼299人 70人 (100.0%) 40人(57.1) 0人(0) 32人 (34.8) 300∼499人 92人 (100.0%) 60人(65.2) 0人(0) 23人 (46.9) 500∼999人 49人 (100.0%) 26人(53.1) 0人(0) 50人未満 40人 (100.0%) 17人(26.2) (73.8) 1,000人以上 48人 65人 (100.0%) 0 20 40 60 0人(0) 100( %) 80 更に相談を受けたことのある者に相談を受けたときに対応等に困難を感じたことがあるかと尋ねた ところ「ある」は 50.6 %で、「ない」は 48.7 %であったが、対応に困難を感じたことの「ある」者の 性別を見ると、男性では相談を受けて 60.9 %で、女性 48.8 %が困難に感じたことがあるとしている。 職種別に見ると、その他の 54.3 %が、産業医の 53.8 %が、保健師の 52.2 %が困難に感じたことがある としているが、看護師は 37.0 %となっている。 図 2-5 男女別女性労働者の相談の対応に困難を感じた 図 2-4 女性労働者の相談の対応に困難を感 ことの有無 じたことの有無 無回答 1人 0.6% ある 78人 50.6% 154人 100.0% ある ない 男性 23人 (100.0%) 14人 (60.9) 9人(39.1) 女性 125人 (100.0%) 61人 (48.8) 63人(50.4) 0 20 40 60 ない 75人 48.7% 図 2-6 職種別女性労働者の相談の対応に困難を感じたことの有無 ある ない 無回答 産業医 26人 (100.0%) 14人 (53.8) 12人(46.2) 0人(0) 看護師 27人 (100.0%) 10人 (37.0) 17人(63.0) 0人(0) 保健師 46人 (100.0%) 24人 (52.2) 22人(47.8) 0人(0) その他 46人 (100.0%) 25人 (54.3) 20人(43.5) 1人(2.2) 0 20 40 60 −55− 80 100( %) 80 無回答 1人(0.8) 100( %) 3 事業所内(女性労働者を含む)から産婦人科系疾患・症状について相談の有無、対 応に困難を感じたことの有無、相談の疾患・症状名 前頁 2 と同じ質問を女性労働者に限らず女性労働者を含む事業所内から相談を受けたことがあるか と尋ねたところ、相談を受けたことが「ある」は 43.9 %、 「ない」55.8 %であった。相談を受けた者の うち相談を受けたときに対応等に困難を感じたことが「ある」者は 46.1 %で、「ない」は 46.8 %であ った。 更に、受けた相談の疾患・症状名を尋ねると「月経痛・月経困難症」が一番多く 66.2 %、次いで更 年期障害の「ほてり・発汗・憂鬱・イライラ等」51.3 %、「月経不順」「子宮筋腫」47.4 %であった。 なお、「その他」(4.5 %)の具体的内容は、妊娠中の職員への業務上の配慮、切迫流早産、月経調整、 ピルの使用、人工妊娠中絶、貧血、乳がん検診、婦人科検診の結果についてであった。 表3 相談を受けた疾患・症状(M.A.) (人数、 %) 154(100.0) 計 子宮・頸部がん が ん 22(14.3) 卵巣がん 6(3.9) 乳がん 40(26.0) 月経痛・月経困難症 月 経 良 性 腫 瘍 ・ 炎 症 性 感 染 症 102(66.2) 月経不順 73(47.4) 不正性器出血 43(27.9) 月経前症候群・月経前緊張症 37(24.0) 子宮筋腫 73(47.4) 子宮内膜症 43(27.9) 子宮腟部びらん 3(1.9) 卵巣のう腫 14(9.1) 付属器炎(卵巣・卵管の炎症) 1(0.6) 外陰炎・腟炎 3(1.9) クラミジア 5(3.2) トリコモナス 2(1.3) エイズ 0 その他の性感染症 4(2.6) 障更 ほてり・発汗・憂鬱・イライラ等 年 害期 妊 娠 そ の 他 79(51.3) 不妊症 31(20.1) 避妊希望 3(1.9) おりものが多い、色が黄色い 12(7.8) 乳がん以外の乳房に関すること 12(7.8) その他 7(4.5) 無回答 −56− 3(1.9) 4 相談に対して困難に感じたことの内容 産婦人科系の疾患・症状についての相談を受けて困難に感じたことがある者に困難に感じた内容に ついて尋ねたところ、82 人(複数回答)から回答が寄せられた。主な内容は以下の通りである。 知識不足等で適切な助言ができない、聞き取りの難しさ 「婦人科的な知識が少ないために業務上のアドバイスが難しかった」(産業医) 「月経痛の相談が多いが、具体的なアドバイスができない」(保健師) 「月経前症候群の症状が出現する時期が不安定で、職場もどうしていいかわからないという場合の 対応。月経に伴う精神症状について、婦人科を受診させるべきか精神科を勧めるべきか迷うときがあ る」(保健師) 「身体的苦痛や病気に対する不安や恐怖、社会的、経済的な悩みも伴うため精神的状態を十分理解 できず機転の効いたとっさの判断ができかねる」(看護師) 「自分も女性であり、看護学生時代婦人科もきちんと学んできたものの、ケースそれぞれに合った 指導の際、自分の知識の不足を感じる。一般の人向けの健康情報が多々でており、かなり民間療法的 なことについての質問もでたりしてまごまごした」(看護師) 「私は人事課の専任者であるという立場から就業上に関連して相談されることがあり、男性であり、 不明な点も多く苦慮することが多々ある」(その他) 等、知識不足で適切なアドバイスができないことや、 「自分が男性であり性的な内容を聞くことに遠慮心が働いてしまう」(産業医) 「プライバシー的な面が強いため内容把握に限度があった」「子宮筋腫の手術時、独身であったため 説得するのに困った。癌手術後の精神的フォロー」(看護師) 等、聞き取りや説得の難しさ等。 産業医、保健師、看護師、その他、それぞれの職種で、聞き取りの難しさを含め知識不足等で適切 な助言ができないことが多く(44 件)寄せられた。 医療機関情報の不足等医療機関に関すること 女性特有な疾患・症状に対する知識の情報不足に加え、紹介する医療機関の情報不足についても多 く(17 件)寄せられた。主な回答は以下の通りである。 「更年期障害等近くの専門医を紹介しても著しく改善することは稀。また病院に行っても良くなら ないため、もっと良いところを紹介してほしいと頼まれるが、紹介先がない。相談者の訴えに医療水 準(医師のレベル)が応え切れていない」(産業医) 「PMS 随伴症状である気分の落ち込みへの対応を医療機関へつなげるか迷った。また、適切に対処 できる医療機関(産婦人科)の情報が少ない。精神科へ回されてしまわないか心配したことがある」 「相談者を医療機関につなげるとき、対応を安心して紹介できるだけの医療機関情報がない」 (保健師) 「更年期症状と思われる症状の場合、症状に応じてまず内科受診から勧めた方がよいのか産婦人科 の方がよいのか悩むことがある。また産婦人科でも婦人科的疾患を主に診察していただける病院が少 ないと思われるので受診を勧めにくい」(看護師) −57− 産婦人科を受診したがらない、薬を服用したがらない時の対応 相談者が産婦人科の受診や薬の服用等助言に応じない例(7件) 「婦人科受診の抵抗が強く、不安を抱え続ける人が多い。不正性器出血や生理不順では未婚女性が 多いため、まず基礎体温をとってもらうよう話をして気長に受診を勧める。略。一通り説明して最後 に「大丈夫ですよね、癌とかじゃないですよね」(それが確定できないから受診を勧める)と言われ ると何とも言えない気持ちになる。」(産業医) 「勤務(うわさ)を気にして、受診をためらう者へのアプローチの方法」、「薬を飲みたがらない女 子社員の場合疼痛のコントロールが困難」(保健師) 「独身女性は婦人科受診に抵抗があるため、医療機関につなぐのが困難に感じる」(その他)等 就業配慮について、職場の理解不足等 「業務負荷軽減についての具体的アドバイスが難しい。職場上司への理解を促すことが難しいこと があった。」(産業医) 「毎月、月経痛の強い女子社員からの相談で、生理痛のため休暇を取ることを職場の人が理解して くれないため、精神的ストレスが強く、対応に困ったことがあった。職場の責任者に就業規則にきち んと定められた2日間の有休が取れることなどを説明し理解してもらった。」(保健師) 「症状を伴い相談を受けたとき、勤務可能か判断に迷う」(看護師) 「過重労働によって月経不順になったという主張であったが、長期にわたる過重労働は認められず、 時間外勤務と病気との関連性がどのように立証されるか判断に迷った」(その他) 等、女性特有な疾患・症状に対する職場の理解不足等を感じながら、就業配慮について悩んでいる 等 17 件 相談環境の不備 職場の理解不足に加え物理的な相談環境についても、言及があった。(6件) 「職場内の電話相談の場合、具体的内容が周囲に漏れる心配。時間内の長電話になることが多い。」 (保健師) 「男性もいるのでわからないように相談に乗るよう心がけているが、難しい部分がある(休憩室も ないので)」(その他) 不妊治療について 「不妊治療の苦痛と精神的ダメージへの支援が難しい」(保健師)等、不妊治療についても3件あっ た。 5 産婦人科系疾患・症状の対策について社員教育等していること 産婦人科系疾患・症状の対策について、社員教育等していることがあれば、その内容について尋ね たところ 69 人から回答があった。個別相談等の実施や乳がん等の検診の勧め等にとどまり社員教育等 −58− 特別に実施していないという回答の方が多かったが、次のような回答もあった。 「女性のための健康教室、乳がん自己検診法、女性特有な疾患について集団教育、集団教育の前後 に個別相談」 「入社時の健康管理教育の中で性感染症について行っている」 「女性の身体について、月経前緊張症、月経不順、子宮癌、検診、基礎体温のつけ方についても教 育した」等。 6 子宮がん・乳がん検診の実施 子宮がん・乳がん検診の実施について尋ねたところ、健康保険組合の費用負担で希望者全員に実施 している 30.5 %、会社の費用負担で希望者全員に実施している 17.9 %、併せて 48.4 %で健保組合、会 社の費用負担で実施している。 表4 事業所規模別子宮がん・乳がん検診の実施(M.A.) 会社の費用負担で 希望者全員に実施 している 計 (人数、%) 健康保険組合の費 個人の負担である 実施してい 用負担で希望者全 が、出勤扱いで実 ない 員に実施している 施している 無回答 138(39.3) 21(6.0) 6(15.0) 18(45.0) 1(2.5) 5(17.9) 2(7.1) 14(50.0) 2(7.1) 16 (22.9) 15(21.4) 13(18.6) 25(35.7) 5(7.1) 92(100.0) 18 (19.6) 28(30.4) 8(8.7) 35(38.0) 5(5.4) 500∼999人 49(100.0) 9 (18.4) 18(36.7) 2(4.1) 18(36.7) 4(8.2) 1,000人以上 65(100.0) 7 (10.8) 32(49.2) 2(3.1) 24(36.9) 2(3.1) 4(57.1) 2(28.6) 351(100.0) 63 (17.9) 107(30.5) 50人未満 40(100.0) 8 (20.0) 8(20.0) 50∼99人 28(100.0) 5 (17.9) 100∼299人 70(100.0) 300∼499人 計 無回答 7 7(100.0) − 1(14.3) 33(9.4) − 子宮がん・乳がん検診の受診率 女性労働者の子宮がん・乳がん検診受診について、全女性労働者のおよその受診割合を尋ねたとこ ろ子宮がん検診では、受診率 10 %未満が一番多く 50.1 %、乳がん検診についても受診率は 10 %未満 が 51.6 %となっている。 表5 子宮がん・乳がん検診の受診率 10%未満 (人数、%) 10∼30%未満 30∼50%未満 50∼70%未満 70%以上 無回答 子宮がん 351(100.0) 176(50.1) 68(19.4) 23(6.6) 22(6.3) 16(4.6) 46 (13.1) 乳がん 351(100.0) 181(51.6) 53(15.1) 19(5.4) 21(6.0) 20(5.7) 57 (16.2) −59− 8 働く女性の健康管理をしていく上で会社、地方公共団体、国等への要望等 働く女性の健康管理をしていく上で会社、地方公共団体、国等への要望等を自由に記入してもらっ たところ、131人から要望等が寄せられた。主な要望等は以下の通りである。 検診について 検診については、費用負担金を無料や軽減、受診しやすい環境の整備、検診の内容の充実等多くの 要望が寄せられた。(40件)主な意見は以下の通りである。 「子宮がん、乳がん検診は30歳を過ぎたら無料で受診できるようになったらよい」 「市町村実施の乳がん検診は触診・視診のみであるが、画像診断(マンモグラフィー、エコー等) を取り入れてほしい」等。 広報や相談窓口の設置について 検診の推奨を含め女性特有な健康問題に関して、企業、地域、女性自身を含む社会全般に理解が深 まるよう広く情報提供や広報活動を行ったり、個別に相談できるよう相談窓口の設置を望む声も多い。 (27件)主な意見は以下の通りである。 「プライベートなことも多いので早期発見につながるパンフレットみたいなものがあればありがた い」 「子育てや生理など女性特有な問題でまだまだ女性に負担が多く、会社も休みにくい。もう少し母 性保護のキャンペーンを大胆かつ継続的に行ってほしい。また、会社へのサポートもほしい」 「もっと気軽に相談できる窓口や担当者の教育のためのセミナー等を開いてほしい」等。 医療機関について 「病院、医院の診療時間の延長。土日診療拡充の推進」 「産婦人科のドクターにも産業保健的視点を持ち患者へアドバイスできるよう、産婦人科医への教 育を促進してほしい」 「近隣の市町村に女性専用外来が開設され喜んでいる。こういった動きがもっと広がり、もっと利 用しやすくなればと思う」 等医療機関についての声(7件) 働きやすい環境整備 「男女平等が叫ばれる中、女性が同じように男性と仕事をしていく上で女性特有の生理的なものへ の理解が希薄になってきているように思われる。女性も無理をして働かざるを得なくなっている。本 当の男女平等はお互いの性の違いを理解し、配慮されて確立されるものと考える。生理休暇などの積 極的活用など会社として働きかける必要を感じる」 「会社の考え方が重要と考える。但し、女性自身の自立、ルールや制度に依存しない態度、そのあ り方が問題のように思う」 「会社は利益を出さねばならないところだ。そこに福利厚生をあらかた押しつけるのは何かおかし −60− いと思う。略。利益を出すことが仕事である企業にとり、人間は戦力、働けない期間がある人間(男 女を問わず)の評価が低くなるのは当然だと思う。女性の健康管理(特に母性の健康管理)について、 会社ではなく財源を考えない限り、いかに母性保護や権利を作ってもうまく作動しないだろうし、職 場に気兼ねしながら休むことになる」 等働きやすい環境整備を求める様々な意見があった。 (26件) 仕事と出産・育児等の両立について 働きながら出産・育児等のしやすい環境を求める声が多くあった。(23 件)主な意見は以下の通り である。 「育休を男女ともに義務づけてほしい(昇進の遅れ等の理由で男性が取れていない)男性の育児参 加を義務づけない限り女性の家事育児負担が軽減できない。女性の育児負担からメンタルヘルス不全 におちいるケース、不定愁訴として職場では相手にされず退職していくケースがある」 「幼少時期の保育機構の更なる充実を。病児保育、延長保育等。また、小学校、保育園の遠足、参 観等が平日にあるため、仕事を休まざるを得ない。あるいは参加できないことがあり、働く父母がい ることを各種の角度で連携して考えていただきたい」 「男女雇用機会均等法が施行され、長引く不況も影響してか、女性は職場で家庭で役割としての自 分を非常に意識し期待に添うべく 120 %の努力をする生活をしている。その陰で一番軽視されている のが、自分自身の健康である。既婚者は子どもと十分接しられないことが切ないと言う。40 代以降の 女性は夫も責任ある立場で頼ることもできず、老人問題(介護)と更年期障害が一緒となっていろん な問題を再調整する時期といえる。若い女性にあっては、痩せ願望が強く誤ったダイエットや喫煙で の健康への影響が一部だが危惧される。生理不順の相談件数は多くあるが、なかなか基礎体温の記入 が難しいこと、産婦人科に女医が少ないことは受診の妨げになっている。結婚しても子供を産んでも 年をとっても健康で働ける職場環境を」等。 その他 「有害物質に対する健康影響について、性別による違いを研究し、現場にフィードバックできるよ うな研究をより一層促進してほしい」「不妊治療の費用軽減対策」等様々な意見(8件)が寄せられ た。 [考 察 − 産業保健スタッフ調査結果の概括] 有効回答率は23.9%と低かった。 1. 属性から 回答を寄せた産業保健スタッフの所属する事業所の 72.3 %は、女性労働者比率が 30%以上を占めて おり、今回の調査の目的にかなっていると思われる。 女性特有の健康問題について、女性労働者は、性別にみると女性スタッフに、また職種別にみると 医療専門職に相談が多くされていた。事業所規模別にみると、1,000 人以上の規模の事業所では 73.8 % −61− が相談されており、全体として事業所の規模が小さくなるほど相談割合が減少している。これは、事 業所規模が小さくなると医療専門職が雇用されていないことがあり、相談者が相談したくても出来な い状況や顔見知りが多くなり相談内容を考え遠慮してしまうこともあることがうかがえる。相談され にくい状況がみられる小規模事業所では、女性労働者自身への情報提供も考慮すべきと思われる。 2. 対応について 女性労働者からの相談の対応に困難を感じている産業保健スタッフが約半数いることは、緊急に何 らかの対策が必要であることを意味している。 3. 相談された疾患名 女性労働者からの相談内容をみると月経(月経痛・月経困難症、月経不順、不正性器出血、月経前 症候群・月経前緊張症)、更年期障害に関する相談がとくに多かった。子宮筋腫、子宮内膜症、不妊 症についても相談が多くみられた。がんについては、乳がんについて相談が多く、関心が高いことを うかがわせる。 4. 相談に対して困難に感じたことの内容 産業保健スタッフの半数は女性労働者からの相談の対応に困難を感じており、その理由として産業 保健スタッフ自身の知識や情報の不足などを挙げている。相談後は必要に応じて適切な医療機関へ紹 介されるべきであるが、精神的、身体的な事柄で、特定の疾患を想定するような根拠に乏しい訴えも あり、受け取るスタッフにとって判断に迷うことが多いのではないかと考えられる。また、産業保健 スタッフには、病気や症状そのものに対する情報提供や適切な措置などに加えて、就業上の配慮や職 場の理解を促すなど職場の環境整備などの対応も要求されている。女性特有の症状を理由に、業務内 容を変更したり、休ませたりするなどの対応に苦慮することが多いのではないかと考えられる。産業 保健スタッフに対して、産業保健の視点に立った、女性特有の健康問題について知識や情報の提供が 望まれる。 また、相談に対する対応が困難であった例として、女性労働者自身が紹介しても受診したがらない、 服薬したがらないなどの例が数件みられた。これらの例においては、自分のからだや保健医療につい て女性労働者自身の認識が低いように感じられる。自分のからだをよく観察し、的確に判断しておけ ば、職場でさまざまな症状について困難を生じたとき、上司や産業保健スタッフにも解決しやすい情 報を提供することができると考えられる。学校からの教育を含め、産業保健の中で女性のからだ、特 有の健康問題について健康教育などによる全体的な認識の嵩上げの必要性が考えられた。 現状では、女性労働者にとって、女性特有の健康問題については職場において相談しにくい事柄で あり、プライバシーが守れて相談しやすい情報伝達手段、例えば電子メールなどの活用も有効と考え られる。 5. 産婦人科疾患・症状の対策についての社員教育 特別に実施していないという回答が多かった。 −62− 6. 子宮がん、乳がん検診の実施 子宮がん、乳がん検診については、48.4 %で健保組合、事業所の費用負担で実施されている。その 反面、約 40 %が実施されていない。受診率については、一般にがん検診の対象年齢が制限されている が、ここでは、全年齢の女性を対象として受診率を出しているため値が低くなっている。 7. 産業保健スタッフからの要望 女性特有な健康問題に関して、がん検診も含め、企業、地域、女性自身を含む社会全般に理解が深 まるように広く情報提供や広報活動を行ったり、個別に相談できるような相談窓口の設置などを望む 声が多かった。また、紹介先の医療機関についての情報提供の要望もみられた。さらに、働きながら 出産や育児などのしやすい環境など、女性にとって働きやすい環境整備が要望されていた。 −63−
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