アメリカのワーキングマザー 結婚・出産をしても第一線で活躍している女性も多く、男女ともに家庭や子供を持ちながら働くことが 普通になっており、先進的イメージの強いアメリカだが実は 1940 年のワーキングマザーは全体の 9%、1955 年でも 27%にすぎなかった。70 年代からは急増しようやく 86 年に 61%までに。ナーサリ ースクール又はベビーシッター等にお金と時間のやりくりが必要なアメリカのワーキングマザーにと って、日本と比べると周りの理解が得られやすく、融通も利く環境は強い味方になっている。 入学前の子供施設 アメリカには日本やヨーロッパにあるような公立もしくは私立の託児所や保育園が少ないのが特徴。 幼稚園にあたるキンダーガーテンに通うまで、子どもは ・ ナーサリースクール(日本でいう保育所)へ預ける ・ ベビーシッターに自宅でみてもらう の2種類が最も一般的。 ベビーシッターについては、虐待の問題もあるため面接などを重ね、相手の人柄を知った上でお願 いするか、知り合いに紹介してもらう等の方法がある。 http://www.workandfamily.jp/personal/world/ 地元の小学校(キンダーを含む)入学前の子供を持つ親にとってまず気になるのが日本で言うところ の「幼稚園」的存在、子供が異国の地で社会性を学んでくれる大切な場所でもある。学区が自動的 に決まっている小学校とは異なり、子供に合った施設を探し、申込みをせねばならない(これは日本 と一緒)。アメリカの幼児施設は ・ 全て私立 ・ 月謝は日本の3倍から5倍。 その代わり少人数制(平均10人~15人の園児に先生が2人つく)でしっかり見てくれる。 主な施設は大別するとプリスクール、ナーサリー、デイケアセンターが。 施設名 プリスクール 対象年齢 時間帯 3~5 歳 ほとんど午前中まで 3~5 歳程度 朝~夕方 備考 (日本の幼稚園に近い) ナーサリー (好きな時間 登園、帰 (日本の保育園に近い) 宅できる)まで預かり可。 ランチ・おやつ付 デイケアセンター 0~5 歳 (日本の託児所に近い) 朝6時~夕方6時等。 ランチ・おやつ付 夕方 6 時以降は当日朝 お昼寝有 に申し込めば別料金で evening care というもの が頼めるといった方法等 も。 ・・ですが、対象年齢や保育制度などは各施設によって様々なので、一概に分類することは難しいです。 http://www.geocities.jp/ito_ke_shokutaku/tomotips1.htm 事前準備 園を選ぶポイント ①自宅から施設までの距離(車での送り迎えになり送迎バスはない) ②保育時間(午前中のみか夕方までか) ③施設 全体やクラス、遊具、先生の雰囲気 ④空きがあるかどうか ⑤月謝 探し方 ・ 事前にアメリカの現地の人の口コミを参考にして日本から申し込んでおく (この時とりあえずは仕事場から近いという事で決めても ok。だめだったり安くていいところが 見つかればまた他に移るという風に気楽に考えてよいでしょう。場所によってはいっぱいで 一年以上待たなければならないケースもありかねるので事前に日本にいる時から書類を 取り寄せてファックス等で申し込むと比較的スムーズになるでしょう。アメリカでは「自治体 の認可」制度はなく自由なのでに引越して住所がなければだめという事はありません。) 事前に申し込みを済ませれば現地到着の翌日に預けることも可能に。 ・ 現地に来てから口コミやイエローページで探す。 ・ 実際、近くにあるものを見学して決める。 大抵は子供に合った場所を見つけるべく何校か見学をし、子供の感想も聞き入れながら決定する 場合が多いよう。その際空きがないと言われた場合はWating Listに名前を載せ、転出者を順 番に待つ事に。こればかりはタイミングで、見学に行ってすぐに「明日からでも入れます」という場 合も、半年以上待つ場合もある。 必要書類 (デイケアセンターの場合) ・ 医者の診断書 日本で作って(英文)持参。自筆サインが必要なので、原本が必要。 もしものためにコピーをとっておきましょう。 ・ 申込書 day-care に入る前に書く書類は膨大。項目には以下のようなものが。 予防接種や伝染病のレポート、アレルギー、その他身体障害 性質、どのように怒るか? 怒られたときの本人の反応 宗教上のタブー(アメリカではこれは大きいです) 好きな遊び、何をやらせたいか、どういう友達と遊ぶか 食事の好み 英語以外の言葉で普段よく口にする言葉(「トイレ」や「痛い」「お腹空いた」「いや」など) 家族の誕生日などのお祝いの日、養子かどうか、養子なら本人は知ってるか 親の婚姻状況。離婚再婚の説明。同居してない親との面会方法 家庭医(これはアメリカに到着して、決まってから出してもいいです) 保育者の代わりに迎えに行くことを許される人の列挙 写真を撮っていいか。ハイキングに出かけていいか。散歩はいいか。 赤ちゃんだったら、ミルクの銘柄、時間間隔、食事の指定、おむつの銘柄、 交換の間隔、交換時に使うパウダーの銘柄 等。 参考情報 子供は柔軟なので、どこに行ってもわりとすぐになじむ傾向にあるが年令、性格、先生との相性によ ってなかなか馴染めないお子さんもいる事は確か。馴染み易さは年齢によっても変わることがある。 2、3才以下からの場合 日本語も英語も関係なく、言葉でのコミュニケーションが問題とならない年令なら大丈夫のよう。 幼稚園くらいからの場合 大泣きしたり、行くのをいやがったりすることがあるよう。親に余裕があれば、暫くは子供に付き 添い通訳を兼ねてやり方を教えるということをするのがベスト。余裕がなくてもこんな方法が。 ・ 赤ん坊の頃から保育園に行くなどし集団保育になじんでおく ・ 一時預かり(ベビーシッター、学会にある一時預かりなど)にも慣れさせておく ・ 現地の子供に人気があるものに詳しい。今ならポケモン。 ( アメリカですぐ人気者になる子供さんも。) ・ トイレ、はい、いいえ、ご飯、おやつ等必要な言葉を理解させる。 ・ ビデオ。子供は言葉が分からなくても、いかにも好きそうなものは喜んで見る傾向。 ( 動物の名前やキーワードなどいつの間にか覚えるみたいです。子供の性格もあり、一番 よい方法は色々あると思いますが、出発前にあらかじめ少しやっておくと後で困らないの かもしれません。) 行事 (デイケアセンターの場合の例 ※日本と違う習慣には注意です。) パーティ 誰かの誕生日や最後の日(引越などで)にお昼かおやつの時に開かれる。普通は少し大変だが 当事者の親が全員分のケーキやクッキーなどを用意して、時間になったらみんなに出してもらう。 バースディパーティ 上記のものとは別に土曜日の午後などによくあり、子供を連れて出かける事がある。親同士も仲 良くなれる。自宅、サイエンスセンターや動物園などの施設(セットアップからイベントまでセット で)行われる。 バレンタイン クラスメート全員分のカードとお菓子を用意して互いに交換する。店で先生用とクラスメート用が セットになったバレンタインカードや、小分けのお菓子などが売っている。もちろん、日本製ポケモ ンデザインのカードなどは大人気。 保育内容に関して まず、豊富なパンフレットをもらえる。教育方針や先生との連絡の仕方、外部のアドバイス先のリ スト、病気に関するアドバイス、発育不安に対するアドバイスなどがのっている。また、毎月発行さ れるリーフは勉強になるものが載っている。(例えば失敗した時の叱り方、子供のよくする質問に はどうやって答えるか?性差別や人種差別をどのように教えるか。障碍児対策、障碍児への付き 合方をどのように教えるか) 先生への子供に関する直接のお願いごとは小さいことでも特定の用紙があるのでメモしクリップに はさんでおく。(口で伝えておくとなおよい。) 他にもっと深刻な問題がある場合(例えばあまり子供の目の前で相談したくないような、お友達と のこと、発達に関する疑問、離婚など家庭の問題)は時間を設定して電話で相談することも可能。 また、グループ全体の問題などは、別にスタッフ一同集めての会議も開催してくれる。 day-care が子供専門病院に属している場合、時々その病院では仕付けの問題、言葉の問題、 色々な病気、予防接種などセミナーがひらかれる。電話相談窓口も持っているところもあり、薬の こと、医者の選び方、病院での治療の疑問など、幅広く対応してくれる。 こんな授業も‥ Field trip 時々20人で車に乗って、サイエンスセンター、農場、動物園にでかける。いつ行かせるかは 2週間ほど前から壁に貼ってある紙にサインアップする。day-care には週に3回しか来ないと かいろんな子供がいるので、3日ほど日があって、好きな日に行かせる。 Gym (任意、別料金) 子供専門の体操の先生が来て教えてくれる。週2回。 コンピューター教室(別料金) キンダーガーテン Kindergarten は幼稚園とよく訳されるが、日本の幼稚園とは異なる。日本では幼稚園は文部省、保 育園は厚生省と管轄も違い(特に日本は縦割り行政が強い)、お勉強する幼稚園に対して、親が面 倒みてくれない子供(保育にかける子供とはそういう意味なのでしょう)を福祉として預かる保育園 というイメージになっているがアメリカの場合は福祉としての認可保育園制度はないが(少数、福祉 としての day-care も。教会がやってるものも福祉の側面が強いです)、一般の day-care はたくさん あり、preschool、early-preschool といった側面も強く、そこには働いている母親の子供はもちろん、 ボランティアの間子供を預けるお母さんや full-time お母さんの子供も来ている。 日本で言う年中さん、年少さん “preschool” (day-care が担当、日本で言う幼稚園に近い preschool もあり、お昼すぎには終わるというものも) 日本で言う年長さん “kindergarten” (州によっては制度が違うが、多くの州では義務教育となっている。) 8月最終週からはいわゆる小学校が始まり、Grade 1(1年生)に。州によっては始める時期が違っ たり、どこからが義務教育かも違う。また、8月生れはどっちの学年に入るかなどの、区切りも違っ てくる。州が違えば国が違うと思ってもいいでしょう。 Kindergarten はどこに行かせるかは day‐care と比べると比較的頭の痛いこと。 kindergarten は州によっては ・ 小学校に付属するもの ・ day-care に付属するもの の 2 種類が。 :比較的よい 小学校に付属するもの 時間帯 Day-care に付属するもの 短い。お昼まで(午後からは学童に切り替わり夕方まで預 長い かってもらえるところもある。働いている人には安心。ちな (基本時間帯以降は evening care という別 みに、アメリカの学童は基本的に小学校の中にあって、学 料金で預かってもらうことが可能) 童に行くために子供たちだけで歩いていくというような危険 なことは皆無。) 土曜日 :比較的好ましくない 無 有 開校 費用 安い。基本的には無料で、学童代のみ 大学関係者は社員割引があるが小学校付 属と比べると高い。週に140ドル。 小学校 小学校に進学したら、お友達がいっしょ。 進学時 指導状況 長期休み する形になるので、比較的なじみにくい。 学童の時間は自由に遊んだり、自分で勉強したりで、日本 午前中だけでなく、午後のメニューもあり、 の学童に似ていて、保育園のように先生が指導してくれると 全体として良く内容もいい。費用が高いだ いう感じではなく、ほったらかしの印象を受ける。小学生にな けに学位をもった先生や、教育経験何年 ればいいが、お子さまの発達状況による。 以上の経歴を持った先生がいる。 summer camp など他の預かり場所を探さなくてはいけない。 kindergarten のプログラムはないが、保育 期間 その他 すでに1年間いっしょに学んだ集団に転入 はある。 義務教育だからかならず入れる。日本から行く場合、入れる 基本的に私立なので、職場の近くにいい かどうかを心配しなくていいし、予約も必要ない。 day-care があれば便利。特に大学や研究 これは小学校にいく子供を持つ母になれば同じことが言える 所の中にある施設だとお迎えに行く時間が ので、1年間の違いですが、PD で短期契約だとこの1年は 少なくてすむ。 大きい。ちなみに、私立小学校の付属だと高いがとてもユニ ークなカリキュラムを持つところがとてもいい。 公立小学校の場合、自分の住む教育区の学校になる。いい いっぱいで入れないことも。 教育区に住むには家賃も高く、必ずしも職場の近くとは限ら ない。職場から遠いとお迎えに時間がかかる。悪い教育区 は学校がそれなり。このため住所を決める時も慎重に。道 路ひとつ違っても越境はほとんどの場合許されないので、事 前の調査が必要不可欠。 これをどう評価するか個人しだいです。 子供がアレルギーでより安心な day-care 付属を選ぶ方も。 先生 ・ early school education などの教育を受けている。 ・ 2人の先生でおよそ子供20人を担当。 ・ 男性の先生も。 教育 ・ 教科書もなく(小学校もそうらしい)、先生の作るプリントや簡単な本を使う。 ・ 遠足(field trip)やゲストをよんでしゃべってもらうための活動費が年間$20 別にかかったりも。 ・ アメリカの教育ソフトは楽しいものが多くて、家庭でも購入されることをお勧めする。 算数(グラフの概念、パターンの概念、比較の概念など) アメリカの算数は遅いと言われており、実際に九九を習うのは3年生だが、足し算や引き算は 幼稚園に相当する kinder から習う。 理科 人体、恐竜、熱帯雨林、水(個体液体気体)、天気天候、等色々なテーマで勉強する。 社会 まずは、みんなはどこから来たアメリカ人かということを勉強する。それぞれが「日本」「中国」 「インド」「カナダ」「ドイツ」「オーストラリア」と出身国や親の出身国を言い、その国がどこにある のか地球儀で調べたり、どんな言葉、どんな気候なのかをグループで調べていく。 保健/防犯についての授業も。 様々な疾患を持つ子供のための講演も。疾患のある子供には塗り絵や簡単なクイズつきの教 育教材が配られて、家で親といっしょに塗り絵やクイズをしながら、生活の注意や発作の時の 対応などを勉強するよう指導される。特別講議もあり、アレルギー協会や喘息学会からの派遣 の人(ボランティアやスポンサーがついていたり、募金による活動資金で動いている団体)が来 て、クラスの皆にもこれはどういう病気で、どういうことに気をつけたら良いかということも公演し てくれる。主治医をとおして子供病院に情報がいって、こういう教育がなされる。アメリカの主治 医制度の良い面である。 サマースクール アメリカの夏休みは3ヶ月と長い。この間、公立の kinder や学校はありません。 1. day-care day-care によっては夏休みの間、kinder を卒業した子供達のためにサマースクールが開かれ る。grade1ー3の子供達が夏の間、通うことができて、様々な遊びやプロジェクトで楽しめる。午 前中、他の団体から迎えが来て、スポーツキャンプを行う選択肢も。これに申し込んでおけば、 今週は野球、次はサッカー、その次はバスケットボールとスポーツがたくさん楽しめる。 2. サマーキャンプ 日本でも最近はサマーキャンプがあるが、アメリカでは、両親共に働いている家庭はもちろん、 そうでない家庭でも子供をサマーキャンプにいかせることが多い。キャンプといっても山にテン トを持っていくようなものとは限らず毎日通ったり、泊りがけで色々なアクティビティに触れるも のが多い。 公営の博物館や動物園、植物園、YMCA、スポーツ団体、美術団体などの営業するサマーキャ ンプが各地で開催される。スポーツ、芸術、科学など目的別にキャンプが開催される。1週間単 位のものがほとんど。また、day-care の中には、昨年いた子供を夏のあいだ預かってくれると いう形でサマーキャンプを行っているところも。 人気のキャンプは早めに申し込まないとすぐに一杯に。できたら2月、遅くて4月には行動を開 始した方がよい。選ぶときは口コミでの情報収集が役立つ。キャンセルもけっこう出るので、諦 めずに waiting list に載せてもらう事できる。その団体の会員だと優先順位が高かったり、会費 が安かったりする。もちろん、ほとんどのサマーキャンプでは、別料金(週に100ドルくらい)を 払えば、夕方6時頃まで子供を預かってくれるので、仕事をしている親も通わせることがで きる。
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