講演資料 - 異種機能集積研究センター

農林水産分野におけるセンシング技術
及びデータの活用
平藤 雅之
(独)農業・食品産業技術総合研機構 北海道農業研究センター
筑波大学大学院・生命環境科学研究科
[Mips]
ムーアの法則
Quantum computer
1,000,000,000
Processing Speed
100,000,000
10,00,000
Core i7 990x (2011)
1,000,000
Core i7(2008)
100,000
Core 2 Quad (2006)
10,000
Pentium Ⅳ (2000)
Pentium III (1999)
Pentium II (1997)
Pentium-pro(1995)
1,000
100
Pentium(1993)
10
80486(1989)
80386(1985)
80286(1982)
1
0.1
1970
8086(1978)
1980
1990
2000
2010
2020
[Year]
D-Wave社の市販用量子コンピュータ
ICTとDNAシーケンサの加速度的変化
http://www.nature.com/news/2011/110726/full/475435a/box/1.html
ナノテクによるDNAの読み取り
A biological nanopore
in a lipid bilayer
A nanopore in
a solid state membrane
http://genengnews.com/gen-articles/direct-dna-sequencingusing-nanopore-sensors/4802/
USBメモリサイズのDNAシーケンサ
https://www.nanoporetech.com/
ICTとセンサを活用するスマート農業
1.
2.
3.
4.
5.
6.
多地点・高頻度のデータ収集
オープンデータの活用
データ統合によるビッグデータの構築
生産・経営の「見える化」
機械学習による予測・最適化
フェノミクスへの活用(品種改良の高速化・オン
デマンド化)
農業機械通信制御インターフェースの共通化規格
品種改良とフェノミクス
ナッツフレーバー
「インカのめざめ」
アントシアニン含量が多い
「シャドークイーン」
ジャガイモシストセンチュウ抵抗性の
「ノーザンルビー」
根中糖分が高く、褐斑病の発生が少ない
てんさい品種「アマホマレ」
ドイツの種苗会社
http://www.strube-international.net/seed_research/breeding/?n=511-515
形質情報(フェノタイプ)
の網羅的収集
植物個体の生長計測装置
温度-光合成速度の関係は複雑
1
0.8
正
規
化
光
合
成
速
度
0.6
0.4
0.2
0
10
15
20
25
気温 [℃]
30
35
40
植物個体の応答はカオス
入力:周期的 出力:不規則的
生態系は多数のカオスノードの集合体
光合成速度
CO2 濃度
相対湿度
気温
0
100
200
300
Time[hour]
400
500
モデリング
時系列データの収集がキーとなる
5
xi
0
Time
時間
カオス理論 (ターケンスの埋め込み定理)
観測可能な1変数の時系列データから全体システムを同定できる
植物個体は器官と共生微生物等の集合体
Environment
Fruit
Plant Microbiome
Leaves
Stem
Soil
Root
機械学習(GA)による数値モデルの未知パラメータ推定
大量のデータさえあれば精密なモデルを量産できる
カンショ(沖縄100号 四街道)の生育モデル
(1978-80の実測値を学習させ、1982を予測)
Leaf (g/m×m)
Stem(g/m×m)
9/28
10/12
10/12
9/14
8/31
8/17
9/28
Root(g/m×m)
8/3
7/20
60
50
40
30
20
10
0
7/6
10/12
9/28
9/14
8/31
8/17
8/3
7/20
80
60
40
20
0
7/6
予測値
実測値
Tuber(g/m×m)
9/14
10/12
9/28
9/14
8/31
8/17
8/3
7/20
7/6
0
8/31
10
8/17
20
8/3
30
7/20
60
50
40
30
20
10
0
7/6
40
フィールドでの情報収集
UAV(無人航空機)
RGB, NIR (Near Infra-Red), 熱画像
民生用のデジカメ(高解像度、安価)で撮影した例
搭載したデジタルカメラを下に向けて撮影
蒸散速度に関する形質情報を網羅的に収集(熱赤外画像)
1個体ごとの病害抵抗性形質を網羅的に収集 (RGB+IR)
植物個体群の3次元情報を網羅的に収集
センサネットワーク
フィールドサーバ
多数の機能をオールインワン化
 台風等に耐える耐候性
 気温,湿度,日射量,土壌水分,葉の濡
れ,紫外線, CO2 ,害虫カウンタ等多
数のセンサ
 ネットワークカメラ
 外部機器を遠隔制御
 無線LANでインターネットに接続(通信
可能距離は数100m~数10km)
 無線中継機能
 周囲ではインターネットが利用可能(フ
リースポット化)
害虫のモニタリング
Field Server
RS-232C
Pulse Counter
Coil
Electric Insect
Killer
Pheromone
画像による害虫のカウント
Insects
(Hemiptera:Alydidae)
生物・農業・環境の複雑性 → センサ、設置場所、使用目的の違いでカスタマイズ
どうすれば様々な機能を持つセンサ
ノードを多数設置できるだろうか?
パーソナルファブリケーション
ものづくり革命 (ICT+Fab)
レーザーカッター
Linux
Hadoop
子供向けに開発された
マイコン基板Arduino
3Dプリンタ
オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ハードウェア
簡便な自動工作機械
Open-FS (Open Field Server)
Wi-Fi/3G/4G(LTE)
LED garden light with IR sensor
Sonar
GPS module
Arduino on Mother board
Solar panel
Photo sensors
Soil temperature sensor
Inside temperature sensor
Soil temperature sensor
Soil moisture sensor
Battery
Tweeting data
消散係数(LAIの逆数)の測定
最上部と最下部で光強度を測定
12:30のデータのみを使った場合
安価(100USD)な超音波ソナーの評価
HRXL-MaxSonar MB7366
測定範囲:30cm-10m,精度:1mm (デジタル出力)、10mm (電圧出力)
http://www.maxbotix.com/documents/HRXL-MaxSonar-WR_Datasheet.pdf
Open-FSに超音波ソナーを搭載し水位測定の評価実験
積雪深測定による超音波ソナーの評価(LTEで接続)
異常値をソフトウェアで除去すると積雪深が測定できた
2014.3.17
hours
2013.11.01
Nov.
Dec.
Jan.
Feb.
Mar.
草丈の測定
微小形質情報の収集
3Dプリンタで作った顕微鏡ホルダー
撮影例
ハイパースペクトルカメラとMEMS分光センサ
ビッグデータをつくる
商用の農業ソフト(富士通)
apras(農研機構)
CLOP:アプリケーション層(API)での統合
CLOP (CLoud Open Platform)
規範と具体的技術(フレームワーク,サービス)の
集合体
機械学習によるリコメンデーション・サービス
Personal PC Cluster
Open Data
Big data
DB
DB
DB
DB
Machine Learning
SNS
Farm work logs
Fertilizer
Chemical
Yield
Images
Plant growth
Disease
Soil moisture
Soil temperature
LAI
Height
Optimization of farming
On-demand breeding
Consumers’ comments
軽油価格の予測例
過去の軽油価格の時系列データから予測
軽油の実価格
過去の軽油価格と日経平均の
時系列データから予測
肥料価格の予測結果を自動Tweetするサービス
肥料価格、為替レート、日経平均等の過去の時系列データから未来の肥
料価格を予測。
農林水産業のイノベーション
1. スマート農業+フェノミクスの相乗効果
2. ビッグデータの活用




農業技術・経営の見える化
機械学習による網羅的予測
農業生産・経営の最適化
大規模農業の支援
3. フィールドフェノミクスによるイノベーション



品種開発の高速化
高付加価値な種苗産業の創出
6次産業化のイノベーション
農学・生物学においてまだ分からないこと
1. 雑種強勢のメカニズム
2. 進化
「生物に学ぶ」
生物の進化はあまりに早すぎる。
量子コンピュータとして説明できないだろうか?
進化の量子論
ストレス(ノイズ)が大きいとコピーエラーが増える
→ 最小ストレス状態の存在確率が最大になる
Stress
M. Hirafuji, S. Hagan, A global optimization algorithm based on the process of evolution in complex biological systems,
Computers And Electronics In Agriculture (29)1-2, pp. 125-134, 2000