世界水素インフラプロジェクト総覧 世界水素インフラプロジェクト総覧 第 1 章 シナリオ分析 シナリオ分析・市場ポテンシャル 分析・市場ポテンシャル 1-2-2 燃料電池車・水素ステーション 燃料電池車・水素ステーション ・2030 年に FCV は年間 350 万台販売 燃料電池車(Fuel Cell Vehicle:FCV)は、航続距離がガソリン車に劣らず、かつ CO2 排出の ない自動車として期待が高い。米国カリフォルニア州で燃料電池バスを走らせたり、北九州では 水素ステーションを設置して FCV や燃料電池スクーターを走らせたり、FCV を試験的に導入する ケースが世界各地で見られる。 2015 年に各自動車メーカーが販売を開始し、いよいよ FCV が一般車として普及する。発売当初 は、自動車本体の価格が高いことと水素ステーションの数が少なく利便性が低いため普及は限定 的だが、2025 年頃から FCV の価格が 200 万~300 万円程度に下がり、本格的な普及期に入る。順 調に販売台数が増え、2030 年には世界全体で年間 350 万台が販売されるようになる(図 図 9) 。水素 ステーションも数が増えて利便性が高まり、FCV の価格が 200 万円程度まで下がることで、2040 年には 1500 万台、2050 年には 4800 万台まで販売が伸びる。 世界の FCV の市場規模は、2020 年に 1 兆 3000 億円しかないが、2030 年には 7 兆円まで拡大す る(図 図 10) 10 。その中心は欧州市場になる。2050 年にはさらに拡大して 100 兆円に迫る。その際に は、欧州だけでなく、北米、中国、インドが大きな市場に育っている。 (100万台) 60 50 その他 40 北米 欧州 30 インド 中国 20 日本 10 0 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 図 9 燃料電池車 BP クリーンテック研究所) 燃料電池車の販売台数(作成:日経 の販売台数 29 Copyright © 2013 Nikkei BP, Inc. All rights reserved
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