もっといいクルマ 環境への取り組み TOPICS 究極のエコカーにいちばん近い燃料電池自動車(FCV)量産間近 水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)は、CO2を発生せず空気も汚さないので、将来の究極のエコカーに近い車だと言えます。 トヨタは 2015年に向けて燃料電池自動車(FCV)の量産計画を進めています。 この量産計画に合わせて、エネルギー供給側も主要都市圏で水素 ステーションの整備を進めています。 FCVは燃料電池で発電した電気を使ってモー ターを回すクルマです。燃料電池は水素と酸素 が水になる過程で発生するエネルギーを電気に 変える発電装置です。発電効率が高い上、CO 2 や排気ガスが発生しないのが特徴です。FCVで は高圧タンクに水素を充填し、燃料とします。EV が20∼30分の満充電での航続距離が100∼ 200kmなのに対し500km以上走れる上、充填 時間は3分ほどですみます。 性能が向上し、実用化が近づいたFCV 燃料電池バスの外部電源供給システムを開発 トヨタが、初めての燃料電池車FCHVを限定販売したのは2002 トヨタは、燃料電池バス (FCバス)が発電した電力を家電製品などに 年でした。2005年には国内初の型式認定を取得し、日米で計20 供給する外部電源供給システムを開発しました。燃料電池自動車で 台をリース販売。2008年には改良型FCHV-advを製品化し、100 は水素を電気エネルギーに変換するため、CO2を排出しない発電が 台以上をリース販売しています。 この改良型では水素貯蔵タンク 可能です。バス内に交流電力(AC100V、1.5kW) を出力するコンセ の最高圧力を35MPaから70MPaに高め、満充填での航続距離を ントを2箇所設置し、最大3kWの電力を100時間以上供給できます。 800km以上にしました。 これまで日米欧での走行実績は200万 また、建物の電気配線を通じて電力を供給するシステムの開発も kmを超えています。また、 トヨタのFCVでは、燃料電池の技術に 進め、最大9.8kWを連続約50時間供給する能力を目指しています。 蓄電池を組み合わせたハイブリッドシステムになっています。蓄電 池は急加速時の出力をサポートし、減速時の回生エネルギーを回 収し、燃費向上に貢献しています。 FCバスの外部電源供給およびV2Hシステムを使った電力供給のイメージ 「外部電源供給システム」 による電力供給 現在開発中の 「V2Hシステム」 による電力供給* FCバス 避難所 (学校体育館) 究極のエコカーに最も近いFCVはすでに身近なところまで来てい 系統電力 燃料電池 ます。性能が向上し、実用 インバーター 切換器 受電装置 化が近づいたFCVが間も 災害で系統電力が停止した時などには、 V2Hシステムより電力を供給 なく登場します。 * 「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」 の一環 として2013年度∼2014年度にかけて実証実験予定 東京都心∼羽田空港間のリムジンバスに 導入されているFCHV-BUS BMWグループとFCシステム開発の協業を正式契約 2013年1月、 トヨタはBMWグループと、燃料電池システムの共同 VOICE FCHV利用者の声(バス実証実験に参加したドライバー) 開発に関する契約を締結しました。契約では、2020年を目標に両社 ・発進加速性能と登坂性能が良く、扱いやすい。それに走りがとてもスムーズ の技術を持ち寄り、FCスタック・システムをはじめ、水素タンク、 ・音が静かで振動が少ないので、運転の疲労が少ない モーター、バッテリーなど基本システム全般の共同開発を行いま ・音が静かなため、歩行者や自転車が接近に気がつきにくい。 歩行者用に、小さな音のクラクションが欲しい ・油脂類の補給がなく点検が短時間で済む す。 また普及に必要なインフラ整備について、規格・基準の策定に 向け協力していきます。 Sustainability Report 2013 27
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