第4学年 社会科学習指導案 平成26年9月10日(水)5校時 板 橋 区 立 高 島 第 三 小 学 校 第 4 学 年 1 組 3 2 名 指 導 者 村 本 香 織 <板橋区社会科研究部 研究主題> よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培う社会科教育 ~子どもが意欲的に学習する指導法の在り方~ 1 2 3 小単元名 「郷土の発展につくす ~青山士と荒川~」 小単元の目標 ・荒川の改修や荒川放水路の工事に携わった青山士や人々について、地図やその他の資料を活用して 調べ、工事により地域の人々の生活が向上したことや、地域の人々の生活の向上に尽くした青山士 と人々の働きや苦心について考えることができる。 ・工事により洪水の被害が減り、現在も地域の人々は安心して生活していることを理解し、工事に携 わった先人に感謝の気持ちをもって適切に表現することができる。 小単元の評価規準 社会的事象への 関心・意欲・態度 社会的な 思考・判断・表現 ①川は洪水が起こり、多 ①荒川の改修や青山士 の働きについて、疑問 くの被害をもたらす や予想、学習計画を考 ことに関心をもって え、表現している。 いる。 ②2つの地図を比較し ②青山士の人物像につ いて、根拠をもとにし ながら荒川が現在の て考え、適切に表現し 川になるまでの出来 事を意欲的に予想し ている。 ている。 ③地域の人々の願いや 生活の向上と青山士 ③青山士の働きや苦心 や工事に携わった に関心をもち、意欲的 人々の働きや苦心と に調べている。 を関連付けて考え、適 切に表現している。 ④現在想定されている 洪水ついてに関心を もち、地域社会のより よい発展を考えよう としている。 観察・資料活用の技能 ①青山士と工事に携わ った人々の働きや苦 心について、地図やそ の他の資料から必要 な情報を集め、読み取 っている。 社会的事象についての 知識・理解 ①青山士と工事に携わ った人々の働きや苦 心を理解している。 ②荒川の改修や荒川放 水路の工事に携わっ た人々、家や寺を移転 したり、立ち退かなく ②調べて分かったこと を分かりやすくノー てはいけなかったり した人々のそれぞれ トにまとめている。 の気持ちを理解して いる。 ③地域の人々の生活の 変化や向上が青山士 と工事に携わった 人々の働きや苦心に よるものであること を理解している。 1 4 指導観 (1)単元観 ①「小学校学習指導要領解説 社会編」より 本小単元は、学習指導要領の第4学年の目標と内容を受けて設定した。 ≪目標≫ (2)地域の地理的環境、人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解でき るようにし、地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。 ≪内容≫ (5)地域の人々の生活について、次のことを見学、調査したり年表にまとめたりして調べ、人々 の生活の変化や人々の願い、地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考える ようにする。 ウ 地域の発展に尽くした先人の具体的事例 ○理解に関する目標にある「人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働き」とは、 地域の人々の生活の様子が大きく変化してきたことや地域の発展に尽くした先人の働きや苦心を理解 できるようにすることがねらいである。 ○態度に関する目標である「地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする」とは、 現在、及び過去の地域の人々の工夫や努力によって生み出された地域社会の特色やよさの理解に基づ いて、自分たちの住んでいる地域社会に対する誇りと愛情を育てることである。 ○地域の人々の生活とは、 自分たちの祖先や地域の発展に尽くした先人の働きの上に成り立っている地域の人々の生活の様子を 指している。ここでは、歴史的背景に目を向け、 「地域の人々の生活」の移り変わりについて学習する。 ○次のこととは、 「古くから残る暮らしにかかわる道具、それらを使っていたことの暮らしの様子」 「地域の人々が受け継 いできた文化財や年中行事」 「地域の発展に尽くした先人の具体的事例」の三つを指している。地域の 人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考える手掛かりとして、 「地域の発展に尽くした先人 の具体的事例」を調べる対象として挙げている。 ○「地域の発展に尽くした先人の具体的事例」とは、 ・開発、教育、文化、産業などの面で地域の発展に尽くした先人の具体的事例のいずれかを取り上げ、 地域の発展に対する先人の願いや工夫・努力、苦心、地域の人々の生活が向上したことなどを調べる ことである。 ・具体的な例 用水路を開く、藩校や私塾を設ける、新聞を発刊する、新たに産業を興すなど ・地域の発展に貢献してきた人々が、強い信念をもって情熱を傾け、よりよい生活を求めて努力したこ とや、これらの先人の働きや苦心によって地域の人々の生活が向上したことなどを取り上げることが 考えられる。 ○「見学、調査したり年表にまとめたりして調べ」とは、 調べたことを時間の経過に沿って整理し、今昔の違いや移り変わりの様子をまとめることが考えられ る。 ○「地域の人々の生活の向上に尽くした先人の働きや苦心を考えるようにする」とは、 開発、教育、文化、産業などの地域の発展に尽くした先人を取り上げ、それらの先人の働きや苦心が 地域の人々の生活の向上に大きな影響を及ぼしたことを具体的に考えることができるようにすること である。 2 ②単元について 本単元では、荒川の改修や荒川放水路の工事に携わった青山士と人々の働きや苦心について取り上げ る。本校から荒川は歩いて行ける距離にあり、河川敷を利用して野球やサッカーの練習をしている児童 も多い。そして戸田市にあるスーパーマーケットを利用している家庭も多く、荒川にかかっている笹目 橋を通るため、川幅の大きさを実際に知っている児童もいる。また「くらしをささえる水」を学習した 際に高三小の周辺地域は荒川の水を水道水として使用していることも分かった。それらの理由から本校 の児童にとって荒川は比較的身近に感じやすいことが分かり、本単元を設定した。 現在の荒川と約100年前の荒川では、川筋が異なる。昔、荒川は「荒ぶる川」と言われ、大雨によ り氾濫することが度々あり、洪水が多く起こっていた。とくに明治43年8月に起きた洪水は浸水家屋 約27万戸、被災人数約150万人にものぼり、大きな被害をもたらした。板橋区(赤塚、志村)にも 洪水の記録が残っており、町や村が浸水した。そこで明治政府は治水計画を立て、荒川の改修や荒川放 水路の工事を行い、現在の川筋に至ることになった。当時、内務省の技師であった青山士(1878~1963) が荒川の改修や荒川放水路の工事の最高責任者になった。青山士はパナマ運河建設工事に唯一の日本人 技師として参加し、世界最先端の土木技術を学んだ。パナマで学んだ経験をいかし、荒川の改修や荒川 放水路の工事を進めていった。荒川の改修や荒川放水路の工事は、約20年という月日の中で、関東大 震災や台風、大雨、地域住民の立ち退き反対などの様々な困難があった。しかし、そのようなことにも めげず、青山士と工事に携わった人々たちは様々な工夫や努力をし、苦心を重ね、荒川の改修や荒川放 水路の工事を成功させた。現在もその工事のおかけで荒川は洪水が減り、地域の人々の生活は向上した。 本単元は、荒川の改修や荒川放水路の工事に携わった青山士と人々の働きや苦心、その工事により地 域の人々の生活が向上したことについて、地図やその他の資料、ゲストティーチャー(荒川知水資料館 の方)の説明などをもとに調べる。そして調べたことについて児童が自分の考えを表現できるようにす る。また現在の荒川の様子にも触れ、地域の人々が荒川周辺で安心して暮らせていることに気付き、青 山士や工事に携わった人々へ感謝の気持ちをもたせるようにする。 しかし、荒川の改修や荒川放水路の工事により洪水が減った荒川も、近年の集中豪雨の増加、地盤沈 下、地表のコンクリート・アスファルト化等により、大規模な洪水が想定されるようになった。高島平 周辺も2m以上~5m未満の浸水が予測されている。そのこと知って自分たちには何ができるのかを考 えることで、よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培っていく。 (2)児童観 (省略) 3 地域の発展に尽くした先人の具体的事例 ウ ⑩ 人々の生活に大きな影響を及ぼした。 ⑪ ・地域の発展 ・生活向上 ・人口増加 ・洪水対策リテラシー 近年の集中豪雨の増加等により、荒川の洪水が想定さ ・被害想定・集中豪雨・地盤沈下 れるようになったことに関心をもち、自分たちにでき ・洪水ハザードマップ ることを考える。 ⑨ 荒川の改修 と荒川放水路の工事によ って荒川近郊に 住む人々も増え、生活が向上した。 ⑦⑧ 荒川の改修と荒川放水路の工事では、反対意見もあっ たが、多くの人々の協力もあった。人々の気持ちがそ ・立ち退き ・移転 ・コロ れぞれある中で工事が進められた。 ・旧岩淵水門(赤門) ・岩淵水門(青門) ・関東大震災 4 荒 川 の 改修 と 荒 川放 水 路の 工 事 は二 十 年 の月 日を費 ⑤⑥ ・洪水 にしようとする子ども やした。荒川放水路や岩淵水門の建設が工事の中心に なった。 ・浸水 ・洪水の特徴 ・川幅 ・青山士 ・荒川の工事の記念碑 ・荒川(荒ぶる川) ・最高責任者 ・荒川放水路 青 山 士 は 荒 川 の 改 修 と 荒 川 放 水 路 の 工 事 の 中 心 的 人 ・パナマ運河建設・岩淵水門 物で、様々な工夫・努力、苦心を重ねていた。 ④ 昔、荒川は「荒ぶる川」と言われ洪水が頻繁に起こっ ② ていた。洪水をふせぐために工事によって荒川の流れ は変わった。 洪水の起きやすい地形の特徴があり、川は、過去に何 ・明治43年の洪水の被害 用語 度も洪水を起こし人々を苦しませることがある。① 具体的知識 荒川の改修や荒川放水路の工事に携わった青山士と人々の工夫・努力や苦心が、 中心概念 調べ、人々の変化や人々の願い、地域の人々の生活に向上に尽くした先人の働き 学習指導要領 ~青山士と荒川~ 」 知識の構造図 「地域の発展につくす 5 内容(5) 地域の人々の生活について、次のことを見学、調査したり年表にまとめたりして や苦心を考えるようにする。 ウ 地域の発展に尽くした先人の具体的事例 育てたい 青山士らは様々な工夫・努力、苦心の中で荒川の改修や荒川放水路の工事を進め、そのおかげで荒 子どもの姿 川の洪水が減らすことができたことを理解する。そしてこれからもそのことを忘れずに荒川を大切 6 研究主題との関連 (1)研究主題について 研究主題の「よりよい社会の形成に参画する資質や能力の基礎を培う」に関して、学習指導要領解説 社会編第3・4学年の目標(2)には以下のように示されている。 地域の地理的環境、人々の生活の変化や地域の発展に尽くした先人の働きについて理解できるよう にし、地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする。 態度に関する目標である「地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする」とは、現在、及び過去 の地域の人々の工夫や努力によって生み出された地域社会の特色やよさの理解に基づいて、自分たちの 住んでいる地域社会に対する誇りと愛情を育てることである。 荒川の改修や荒川放水路の工事に携わった青山士と人々の働きや苦心によって地域の人々が安心して 暮らせるようになったことを理解し、先人に感謝の気持ちをもつ。そこから先人たちがつくりだした荒 川を大切にする気持ちをもたせることができると考える。またこれからの洪水に備えて地域の人々を守 るために自分たちにできることを考えようとすることで「よりよい社会の形成に参画する資質や能力の 基礎を培う」ことができると考える。 (2)研究主題に迫るための手だて ①子どもが学びたくなる教材の開発 ・視覚的に分かりやすい模型の活用 流れる水のはたらきについては、5年生の理科で学習するため、子どもたちは洪水が起きやすい川の 特徴を想像しにくい。そこで、川幅が広く、流れがゆるやかな川と川幅が狭く、流れが急な川の模型を 用いて比較することで、洪水の起きる仕組みを視覚的に理解させる。 ・約100年前と現在の地域の地図を比較させる 荒川は約100年前と川筋が大きく異なる。その事実を教師から伝えるのではなく、現在の地図と比 較して、児童自身で気付くことで、なぜ大きく変化したのかという疑問をもち、意欲的に調べ学習に取 り組ませる。 ・身近な教材を取り上げる 荒川は本校から歩いて行ける距離にあり、この地域の水道水の元となっているのも荒川である。児童 にとって荒川は距離的、心理的にも身近な教材のため、関心を高めやすい。また「ふかめる」段階で、 洪水に対して自分たちは何ができるのかを考えることで地域に対する愛情を育てることもできる。 ②子どもの考える力を育てる学習過程 ・問題解決的な学習の流れと「ふかめる」段階の設定 「つかむ」 「調べる」 「まとめる」の問題解決的な学習を通して、青山士と工事に携わった人々につい ての働きや苦心について調べ、主体的に考えさせる。その後に「ふかめる」段階を設定し、視点を変え て現在想定されている洪水を調べさせ、そこから考えさせる活動により、今までの活動を振り返らせる と共に、自分が地域のためにできることやよりよい地域の在り方について考えさせる。 ③「調べる・考える・表現する」学習活動 ・調べるだけでなく、毎回自分の考えを表現する。 各時間で、本時のねらいについて自分の考えをまとめさせる時間をとる。最終的には、 「青山士は荒川 のこう水をふせぐためにどのような工事をしたのだろう」という学習問題に対して、既習事項をもとに 自分なりの考えを表現させる。 ④「社会的な思考・判断・表現」を見取る評価 ・より詳しく調べたことや考えたことを発表したり、ノートに書かせたりする。 発言の際に、「なぜ」 「どうして」と問い返し、ノートへの記述の際にも、理由や根拠をくわしく表現 できるように指導することで、児童の思考の流れを把握する。 5 7 小単元の指導計画(全11時間 学 習 過 程 時 ねらい 本時2/11) 児童の活動 (○主な学習活動・児童の反応、内容) 1 川の洪水で、昔 ○明治 43 年の洪水時の写真を見て、気付い たことを発表し合う。 の人々が苦しめ られてきたこと ・家が半分までしか見えてない。もしかして 本当は道路のところに水が来てしまってい や洪水のしくみ るんじゃないかな。 について関心を もつことができ ○洪水の被害について調べ、思ったことを発 表し合う。 る。 ・線路の土手に小屋を作って水がひくのをま ったとあるからにげる場所が本当にかぎら れていたんだな。 ○模型を用いて洪水の起きる仕組みを知る。 ・流れがくねくねしていて、川幅がせまい川 の方がこう水がおこりやすい。 2 本 時 荒川の流れの変 化に気付き、青 山士の働きや工 事の様子につい て疑問をもつ。 つ か む ○現在の荒川の映像や地図を見て、高三小の 位置を確認する。 ○約100年前の地図を見て、昔の高三小周 辺も洪水が起きたことを確認する。 ○約100年前の川から現在の川になるま での出来事を予想し、情報交換をする。 ○予想を全体で発表し合う。 ・人が工事をしたんじゃないかな。 ・洪水が多すぎて、それが原因で川の形が変 わったんじゃないかな。 ○荒川放水路完成記念碑の写真を見て気付 いたことを話し合う。 ・荒川の工事に加わった者たちによってって 書いてあるから荒川は人が工事をして変わ ったんだ。 ○青山士の簡単な紹介を聞き、意見を出し合 い、学習問題をつくる。 ★資料 ○支援 ◇評価 ★わたしたちの東京都(72ペ ージ)こう水のためにしずん だまち ★洪水被害の資料(大水が来 た!②) ★川幅が広く、流れが穏やかな 川の模型 ★川幅が狭く、流れが急な川の 模型 ○洪水の恐ろしさを写真、資 料、模型をもとに実感させ る。 ◇関心・意欲・態度① 【発言・ノート記述】 ★現在の荒川の映像 ★現在の荒川の地図 ★約100年前の荒川の地図 ★わたしたちの東京都(73ペ ージ)荒川の工事の記念碑 ○地図を比較する時間をしっ かり確保し、児童が自分の考 えをもてるようにする。 ◇関心・意欲・態度② 【発言・ノート記述】 ◇思考・判断・表現① 【発言・ノート記述】 青山士は荒川のこう水をふせぐためにどのような工事をしたのだろう 3 4 予想をもとに学 ○学習問題に対する予想を立てる。 習計画を立てる ・たくさんの人で機械を使い、土を掘って荒 ことができる。 川を変えたのではないだろうか。 ・青山士がいろいろな考えをもっていてみん なに提案しながら工事をした。 〇学習計画を立てる。 ・青山士 ・工事に使われた機械や道具 ・工事の流れ・工事をおこなった人々 ・工事が終わった後の事 について調べる。 荒川の改修や荒 ○工事の最高責任者の青山士について調べ、 川放水路の工事 発表し合う。 の最高責任者の ・青山士は、パナマ運河の工事に日本人たっ 青山士について た一人で参加をしていた。そこで学んだ技 6 ★現在の荒川の地図 ★約100年前の荒川の地図 ○大きな変化をとげた荒川を 人々はどんな方法で工事を 進めたか疑問をもたせなが ら予想させる。 ◇思考・判断・表現① 【ノート記述】 ★紙芝居(パナマ運河時代のこ と) ★青山士の写真 ★青山士に関する資料 調 べ る 5 6 7 8 術を荒川の工事で役立てた。 関心をもち、そ の時の働きや苦 ・荒川の工事の時は現場に出て働いていた。 心について考え ・荒川の工事が終わった後、工事で亡くなっ ることができ た人を想い、記念碑をたてた。 る。 ○青山士についてどんな人物だったか考え、 自分の考えをもつ。 努力家な人 理由 日本人が行ったことのないパナマ に一人で行って勉強をし続けたか ら。 荒川の工事の流 ○荒川放水路周辺の現在の地図と約100 れや様子につい 年前の地図を比べたり、現在の荒川下流域 て必要な資料を の川幅の映像を見たりして気付いたこと 使って意欲的に を発表し合う。 調べ、読み取る ・現在の地図にある大きい川が100年前の ことができる。 地図にはない。どういうことなんだろう。 ○荒川放水路、岩淵水門について資料を使っ て調べる。 (荒川放水路) ・今の隅田川は、昔は荒川であった。 ・トロッコ、蒸気掘削機、浚渫船などを使っ て土を掘り水路をつくっていた。 (岩淵水門) ・洪水の時には水門を閉じて放水路に流し東 京の下町を守った。 ・昔は旧岩淵水門が使われ、今は新しい岩淵 水門が使われている。 前時で調べたこ 〇調べた事柄について情報交換する。 とを情報交換し て、発表し合い、 〇学級全体に発表する。 青山士と工事に 携わった人々の ○自分の調べたことや友達の発表を聞いて、 働きや苦心を理 考えたことを発表する。 解するとともに ・100年も前のことなのに関東大震災でも ノートにまとめ 壊れない岩淵水門を作ったり、町があった ることができ ところに人の手や機械で川をつくったりし る。 て青山士や人々はいろいろ苦労したんだろ うな。本当にすごい。 荒川の改修や荒 川放水路の工事 に協力した人々 について調べ、 当時の人々の気 持ちに気付くこ とができる。 (年表、荒川わくわくブック) ○青山士の働きや苦心がなけ れば、荒川の工事を成し遂げ ることができなかったこと を気付かせる。 ◇関心・意欲・態度③ 【発言・ノート記述】 ◇思考・判断・表現② 【発言・ノート記述】 ★現在の荒川放水路周辺の地 図 ★約100年前の荒川放水路 周辺の地図 ★荒川下流域(葛西橋付近)の 映像 ★荒川放水路に関する資料 ★岩淵水門に関する資料 (わたしたちの東京都、荒川わ くわくブック、海をわたり夢 をかなえた土木技術者たち) ◇観察・資料活用① 【ノート記述】 ★荒川放水路に関する資料 ★岩淵水門に関する資料 (わたしたちの東京都、荒川わ くわくブック、海をわたり夢 をかなえた土木技術者たち) ○荒川放水路や岩淵水門は青 山士や工事に携わった人々 の働きや苦心のおかげで完 成したことをおさえる。 ◇知識・理解① 【発言・ノート記述】 ◇観察・資料活用② 【発言・ノート記述】 ○荒川の改修や荒川放水路の工事に携わる ★移転中の木下川薬師の地図 人々、そのために家や寺を移転したり、立 ★移転のための曳屋の写真 ち退かなくてはいけなかったりする人々 ★荒川改修中の地域住民の記 のそれぞれ気持ちを考え、討論会をする。 録 (荒川の改修や荒川放水路の工事に携わる ★工事中の写真 人々) ○様々な人々の思いが入り混 ・洪水がなくなるように早く工事を進めない じって工事が進んでいった とまた被害が大きくなってしまう。 ことを気付かせる。 (家や寺を移転したり、立ち退かなくてはい ◇知識・理解② けなかったりする人々) 【発言・ノート】 ・先祖代々受け継いできたお寺なのにいくら 7 9 荒川の改修や荒 川放水路の工事 によって人々の 生活が向上した ことを理解し、 学習問題の答え を考えることが できる。 ま 10 と め る これまでの学習 から荒川の改修 や荒川放水路の 工事に携わった 青山士や人々に 感謝の気持ちを もつことができ る。 11 現在、荒川では 洪水が想定され ていることに関 心をもつことが できる。 ふ か め る 国の命令でも動かすわけにはいかないな。 ・それぞれの気持ちも分かるな。それぞれ気 持ちが違ったのに工事を進めるって大変だ な。 ○荒川の工事が終わってからの人々の生活 の様子について調べる。 ・荒川放水路ができたことによって、人々は 安心して生活したり、商売をしたりして地 域を発展させていったりしたんだ。 〇学習問題の答えを考える。 ・青山士はパナマで学んだ事をいかして、荒 川の工事の最高責任者として働いた。工事 は人々が協力しながら馬や機械を使って荒 川放水路や岩淵水門を作った。板橋区の方 はゆるやか流れになるようになった。荒川 の工事の後は洪水の被害が減り、人々が安 心して生活できるようになった。 ○青山士や工事に協力した人々に手紙を書 く。 (青山士) ・荒川の工事の責任者をしてくれてありがと うございました。おかげで今も洪水の心配 をせずにくらすことができます。青山さん はパナマで日本人たった一人でがんばった ことがあってすごいですね。苦労したんだ と思います。これからも青山さんがつくっ てくれた荒川を大切にしたいと思います。 (家や寺を立ち退いてくれた人) ・たくさんなやんだと思うけどあの時にお寺 をいどうしてくれてありがとうございま す。私たちは荒川の水を水道水として飲ん でいます。たくさんの人の苦労を考えなが ら大切に使いたいと思います。 ○ゲストティーチャー(荒川知水資料館)か ら高三小周辺で起こりうる洪水の話を聞 く。 ○洪水の話を聞いて自分たちにできること を話し合う。 ・洪水が起きた時に何をしなくてはいけない のかお家の人に知らせよう。 ・洪水ハザードマップを見えるところに貼っ ておこう。 ・大雨が降った時には川の近くには行かない ようにしよう。 8 ★荒川改修前後の人口のグラ フ ★DVD 荒川とともに ○青山士や当時の人々の協力 があって荒川の工事が成功 したことをおさえ、感謝の気 持ちがもてるようにする。 ◇思考・判断・表現③ 【発言・ノート記述】 ◇知識・理解③ 【発言・ノート記述】 ★青山士の写真 ★現在の荒川の写真 ○前時までを振り返り、いろい ろな人々の苦心や努力があ ったために、今安心して暮ら していけることを想起させ る。 ◇思考・判断・表現③ 【手紙】 ★洪水ハザードマップ ★洪水時の高島平駅周辺の被 害想定 ○これから起こりうる洪水に ついて自分なりに考えられ るようにする。 ◇関心・意欲・態度④ 【発言・ノート記述】 つ か む 8 本時の指導(2/11) (1)本時のねらい 荒川の流れの変化に気付き、青山士の働きや工事の様子について疑問をもつことができる。 (2)本時の展開 〇主な学習活動 T教師の発問 C予想される児童の反応 ★資料 ○支援 ◇評価【評価方法】 ①現在の荒川の映像と地図を見る。 ★現在の荒川の地図 ★現在の荒川の映像 〇高三小の位置を確認し、自分たちの 住む地域の地図だということをお さえる。 ②約100年前の地図を見て、昔の高三小周辺も洪水が起きたことを確 ★約100年前の荒川の地図 認する。 〇前時の模型を思い出させ、川幅が狭 T:もうひとつ資料を見せます。実はこの地図は今から100年前の く、流れが急な100年前の荒川 地図で、先ほどの今の地図と全く同じ場所を表していています。 は、洪水が起きやすい形をしている 昔と今の荒川を比べて気付いたことはありますか。 ことに気付かせる。 C:今の地図とは違い、昔の荒川は川幅がとてもせまく、くねくねし ているから洪水が起きやすいんじゃないかな。 C:今の荒川はこう水が起きにくい川に変化している。 〇「わたしたちの舟渡」に記載されて T:みんなの言うとおり、昔の荒川は、 「荒ぶる川」と言われ、この いる明治43年の洪水の被害を説 地域でも洪水の被害が多くありました。 明する。 100年前から今の荒川になるまで何があったんだろう。 ○地図を比較する時間をしっかり確 保し、児童が自分の考えをもてるよ に書いて、情報交換をする。 うにする。 ④予想を全体で発表し合う。 ◇関心・意欲・態度② T:100年前から今の荒川になるまで何があったか、予想したこと 【発言・ノート記述】 を教えてください。 2つの地図を比較しながら荒川が現 C:長い年月がたっているので、自然とけずれて今の川の形になった。 在の川になるまでの出来事を意欲的 C:洪水が多すぎて、それが原因で川の形が変わった。 に予想している。 C:川の水が一度に大量にきてしまったため川の形が変わった。 C:人が洪水にならないように工事をした。 ⑤荒川放水路完成記念碑の写真を見て気付いたことを話し合う。 ★わたしたちの東京都(73ページ) T:この資料を見てください。何か気付いたことはありますか。 荒川の工事の記念碑 C:荒川の工事に加わった者たちによってって書いてあるから荒川は 〇石碑に書いてあることに注目させ、 人が工事をして変わったんだ。 人が工事をして荒川の流れを変え T:工事と聞いてどんな様子を想像しますか。 たことに気付かせる。 C:機械を使って道路をつくっている。 T:約100年前も今と同じような工事だったのでしょうか。工事の ★青山士の写真 責任者は青山士さんという人です。 ⑥疑問に思ったことを出し合い、学習問題をつくる。 ◇思考・判断・表現① T:青山士さんに聞いてみたいことをノートに書いて発表しましょ 【発言・ノート記述】 う。 荒川の改修や青山士の働きについて、 C:青山士さんはどんな工事をして川の流れをどうやって変えたのだ 疑問に思ったことを適切に表現して ろう。 いる。 T:何のために青山士さんは川の流れを変えたのか考えて学習問題に してみましょう。 ③約100年前の川から現在の川になるまでの出来事を予想し、ノート 調 べ る ま と め る 青山士は荒川のこう水をふせぐためにどのような工事をしたのだろう 9
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