平成 27 年 10 月 21 日 進 路 指 導 部 はじめに 先日、不思議な夢を見ました。小学校時に仲の良かった女の子の夢です。彼女とは高校まで一緒でしたが、尐 しずつ疎遠になりました。確か、音楽系の大学に進んだはずでしたが、その後はわかりません。夢に出てきた彼 女は、もうそれなりの年齢を重ねていました。でも、小さい頃の面影が残っており、すぐに彼女だとわかりまし た。彼女と話をしました。お互いにこれまで歩んできた人生のことを。 オーストリアの精神科医のフロイトは、人間の心の奥底にある無意識の領域を発見したことで知られています。 フロイトによれば夢は人間の願望を満たすためのものであり、わたしたちの見る夢はすべて何らかの意味のあるものだ としています。そして夢には願望がそのままの形で現れる場合と、潜在的な願望が形を変え歪曲されて現れる場合があ るとしています。果たして、私の見た夢はどのような意味をもっているのでしょうか。 でも、夢の間は本当に楽しい時間でした。どこかで彼女が幸せに過ごしていることを願っています。 「京都大学出前授業」について 以下のとおり、 「京都大学出前授業」を行います。 日 時 : 平成27年11月13日(金) 15:45~17:15(90分) 場 所 : 本校視聴覚教室 講 師 : 京都大学大学院 文学研究科 千々岩 眸 先生 内 容 : 「動物の心の世界をのぞいてみよう」 申込方法 : 進路指導室前に用意された申込用紙に必要事項を記入し、10月30日(金)までに、提出ボ ックスに投函(先着90名まで) 「2015/2016 東大・京大入試動向研究会」 (駿台予備学校)から 先日、 「2015/2016 東大・京大入試動向研究会」が行われました。2015 年度東大・京大入試受験者の成績開示デ ータ集計結果から以下のようなことが今後の指導ポイントとして説明されました。 〔東大成績開示〕 ● 基礎学力の定着が、東大受験の前提条件。センター試験は900点満点で800点が確実に取れる力が必 須。その力を持った生徒なら、万一センター試験で取りこぼしがあっても、2次試験で逆転できる可能性あ り。 ● 2次試験では、文科類で英語・国語・地歴の、理科類では英語・数学・理科の総合点に占めるウエイトが それぞれ大きい。現役生は、これら3教科の完成に力を注ぎたい。 ● 「英語」を安定的に得点できることが東大合格の絶対条件になりつつある。 「読解力」 ・ 「作文力」 ・ 「リス ニング力」をオールラウンドに問う出題に対応するため、大学が求める「基礎を重視し、幅広く様々な分野 を万遍なく学ぶ姿勢」と時間内に対処するスピードを身につけさせたい。 (文理とも60点以上が合格の足 掛かり) ● 「数学」は、2次試験の中で難易度の変化が激しい教科。合否を分ける教科であることに違いはないが、文 科類では総合点に占める割合が小さいのも事実。ここ3年の開示結果から、文科類ならまずは4割以上を目 安に、理三を除く理科類も120点満点中40点あれば合格者がいる圏内に入るので、ここを足掛かりに上 積みを図る意識を持たせたい。問題を深く考え抜いて本質を掴んだり、解答方針の見通しが立った問題を確 実に解ききる訓練を積み、質・量の両面で鍛錬を。 ● 「国語」は、特に文科類では合格者の総合点の中で見ても手を抜けない教科。120点満点中、50点以 上を足掛かりに60点以上を目標としたい。また、理科類でも80点満点中、35点未満では、合格が難し くなるので、35点以上(理三は40点以上)の得点力が東大チャレンジの目安。 ● 「地歴」は、得意であっても日本史・世界史・地理とも50点以上の高得点帯に入るのは難しい教科であ るが、得意科目から順に仕上げて、本番では落ち着いて解答を。何れの科目もまずは5割越えを最低限の目 標に。 ● 「理科」では、どの科目もまず4割以上を最低限の目標に過去問に取り組むこと(理三は除く) 。 「地歴」 ・ 「理科」ともに教科書の理解と正しい知識の習得を前提とし、過去問演習などを通して基礎知識を 結びつける思考力を養いたい。 〔京大成績開示〕 ● 京大入試は配点的に個別重視だが、本番の得点では総合人間を除く文系学部はセンター試験のウェイトが 大きい。 特に現役生はセンター試験で目標得点をまず突破させ、 勢いをつけて個別試験に臨ませるのが王道。 ● 総合人間(文系)はセンター試験の平均点の変動の影響が大きく、2013 年度入試のようにハイレベルな 入試になることがあるので出願時には注意が必要。 ● 「英語」は文系・理系とも模試との相関が強い。理系でも合格者の英語の得点力は年々向上しているので、 英語を早めに仕上げ、安定した得点源にできると有利。150点満点で文系・理系とも。まずは、80点以 上を確保したい。基本的な語彙力・構文把握力を前提に、京大特有の英文解釈や英作文に取り組むこと。 ● 「数学」は学部によって差はあるものの、文理ともに合格者・不合格者の差が大きい教科であり、難易度 変化が最も激しい教科。普段の演習から「論理的な作文」を意識して取り組み、難問より標準レベルの問題 を確実に完答できる力を養っておきたい。本番では難易変化に翻弄されないように、年度ごとのセットで過 去問にあたらせるなども有効。文系では誘導のない問題への備えも必要。 ● 「国語」は文系で4割以上、理系で3割以上から合格者が増加している。高得点を望めない教科ではある が、早期に完成させて、文系では5割以上を確実に狙いたい。現代文では、センター試験の各設問を記述と して考えるなど、記述解答の訓練を。 ● 「地歴」は模試結果との相関が強く見られる教科。本番で60%以上の得点を目指させたい。総合点に占 める割合は大きくないが、難易度変化が小さいため、確実な得点源にしておくことが重要。 ● 「理科」は夏の実戦模試から最も大きく伸ばせる教科。1科目ずつ確実に仕上げ、現段階では2科目でお よそ45%以上の得点力があれば、合格に手が届くところまで来ていると励ますことができる。現役生の理 科の伸びは今後まだまだ期待できるので、本番では60%の得点を目標に。また、2科目解答時の時間配分 も普段から意識させたい。 「学校と私(新聞記事から) 」 10月13日(火)の毎日新聞朝刊の記事に、大阪教育大学長の栗林澄夫先生の「学校と私」と題したインタ ビューがありました。 学校教育で最も鮮明に覚えているのは、小学3年から4年間担任だった九里ミヨシ先生のことです。1学級50 人もいて教員には大変な時代でしたが、個々の子どもの事情をよく把握し、その子に合った対応をしてくださる素 晴らしい先生でした。今でも年賀状で交流を続けています。 僕の母親は看護師をしていて、下校時には家にいないことが多かった。いわゆる「鍵っ子」です。四つ離れた姉 が夕食の用意をしてくれることもありました。先生はそんな僕を気にかけ、仕事帰りに迎えに行った自分の子ども を自転車に乗せたまま、よく家に立ち寄ってくれていました。 当時の僕はちょっとした問題児で、よく学校をサボって映画館に行っていました。しかも、先生に「母に用事を 言いつけられた」とウソを言って学校を休む許しを得ているから始末が悪い。同級生が授業を受けている間、母の 財布からくすねたお金で好きな映画を見て、そばかラーメンをすすって家に帰る。お決まりのコースでしたね。 九里先生はこの悪行を知っていたと思うんです。 僕は映画を見に行った後、 同級生に自慢話をしていましたから、 小耳に挟むことはあったはずです。でも、何も言わなかった。僕はガミガミ言われるとすねてしまうタイプで、学 校に行く気をなくしていたかもしれない。落ちこぼれずに中学校に無事に進むことができたのは、先生に寛容さの お陰だと思っています。 外国文学の魅力に初めて触れたもの、ちょうどこの時期。姉からコナン・ドイルの推理ものやオー・ヘンリーの 短編集を借りたのがきっかけです。中学時代はロシア文学に没頭し、中村白葉先生や米川正夫先生が訳したトルス トイとドストエフスキーを読破しました。将来は米川先生がいた早稲田大に進学し、本格的にロシア文学を学ぶつ もりでした。しかし、高校時代に父親が病気で倒れたため、地元の富山大に進みました。 自分の経験を顧みると、小学時代の先生の存在が大切だと感じます。小学校教員を多数輩出する大学のトップに 就いたのも、何かの縁かもしれません。子どもたちと正面から向き合える先生を育てていきたいと思います。 小学校教育は、人間が生きていく上での基礎的な力を育む大切な機会であると考えています。また、いろいろ な出会いがあり、その出会いがその後の人生に尐なからず影響を与えることがあります。 終わりに 朝夕と日中の寒暖の差が大きく感じる季節です。マスクを着用している人の姿をよく見かけます。くれぐれも ご自愛ください。 (文責:進路指導部 池本 邦彦)
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