Internship interview #1 ※インタビュー記事の内容は、2010 年 4 月1日時点の情報となります。 ファンサービスは、 スポーツビジネスの 原点。 陳野 玲子 HDP インターンシップ 1 期生 2008 年 2 月 25 日∼ 5 月 25 日 サンノゼジャイアンツに派遣 アメリカ、マイナーリーグサンノゼジャイアンツで、HDP インターンシップ生として球団経営を 3ヶ月間体験。球団・スタッフがゲームの舞台裏でいかに観客を楽しませるかという事にアイ ディアを注ぎ、徹底したファンサービスを当たり前のように行っている姿に衝撃を受けた。 帰国後、この経験をもとに Jリーグの川崎フロンターレに正社員として就職。現在、球団グッズ 販売の仕事を中心にアメリカでの体験を日本のサッカーに活かそうと頑張っている。 きっかけはハンドボール 私が、スポーツビジネスをやりたいと思ったきっかけは高校生のときです。私は高校 3 年間、 ハンドボール部に所属していたんですが、そこに、社会人リーグのコーチの方が教えに来てく ださってたんです。 ご自身も選手をされている方なんですが、所属しているクラブチームが親会社から支援を断た れてしまったんですね。それで、そのクラブチームの選手たちが中心となって市民のチームを 作り、活躍するようになった現在までの様子を近くで見ることができたんです。 その頃を同じくして、 「スポーツビジネス」という言葉が耳に入ってくるようになりました。「ハ ンドボールのようなマイナースポーツを経営面から支え、助けたい」ということを最初は思っ ていました。 1 Internship interview #1 ※インタビュー記事の内容は、2010 年 4 月1日時点の情報となります。 そこからスポーツビジネスに興味が湧きました。それで、どこで勉強ができるだろうと調べて みたら、「アメリカが最先端だ」ということを知り、「スポーツビジネスをアメリカで勉強して みよう」とアメリカへ渡りました。オレゴン大学を選んだのは、大学院が「スポーツマーケティ ング」という分野で最近伸びてきていて、ナイキの創業者フィル・ナイトの母校ということも あり、ナイキと繋がりがあったりしていたからです。大学院の卒業生ネットワークが広がりつ つあるということと、大学院の教授達が 大学でも講義をしてくれる機会があるということが、 決め手になりました。トータルで 4 年勉強しました。 一番印象的だったのは、オレゴン大学と隣町の大学との試合の雰囲気ですね。私が住んでい た地域にはプロのスポーツチームがなかったんですが、フットボール・バスケットボール・バレー ボールなど、試合があるときは全米から卒業生が帰ってきて応援するという、大変な盛り上 がりでした。日本の高校野球のように盛り上がるんです。すごいパワーですよね。これが、スポー ツを支える原点だなと感じました。 これからもスポーツに関わる仕事がしたい インターンシップでは、ビジネスのアイディアや手法を学ぶことができましたが、何よりも試 合だけではなく会場の雰囲気全体を楽しむマイナーリーグの観客のたくさんの笑顔を見るこ とができました。友人や家族ぐるみで親しい人たちが楽しめる場を提供する、エンターテイ ンメントとしての球場の仕事を通して、スポーツが持つ人と人を結び繋げる力を身を持って体 験することができました。 ある日、観客のひとりに「あなた、この仕事大好きなんでしょうね。」と言われました。私は この言葉がたまらなくうれしくて、これからもスポーツに関わって働きたいと強く思いました。 けっして忘れられない大切な言葉です。 2 Internship interview #1 ※インタビュー記事の内容は、2010 年 4 月1日時点の情報となります。 帰国後は川崎フロンターレに就職 インターン終了後、スポーツに関わる仕事を粘り強 く探していたら、フロンターレが求人募集している ことを知り、就職することができました。現在、 川崎フロンターレのオフィシャルグッズショップ、 「アズーロ・ネロ」で働いています。ここには応援 グッズからユニフォームなど、たくさんのフロン ターレグッズが勢ぞろいしており、ファンのみなさんをお待ちしております。商品在庫管 理には自信があります!「在庫部長」というニックネームもいただきました(笑) 新人なので先輩から教わることばかりですが、ひとりでも多くのファンのみなさんにチームを 応援しに等々力にきていただけるよう、スポーツの楽しさと笑顔を広めていきたいです。 試合の時には、等々力競技場内のショップでも販売しています。毎回来るファンの方々と 顔なじみになるので、言葉をかけたりかけられたりするのも素敵な瞬間ですね。 サッカーを通じてスポーツビジネスを盛り上げたい インターンを始める前は、何かこの先使えるようなビジネスの手法やアイディアを盗むんだと 意気込んでいました。しかし、今振り返ってみてみると、もちろんそういうことも学んだとは 思うのですが、それよりも、スポーツが持っている力、人と人とを結ぶ、引き付ける、繋げ る力というものを改めて体感した時間だったように思います。アメリカでは、スポーツ観戦を 「家族向けのエンターテインメント」として売っている。家族はもちろんのこと、友達、会社 仲間などなどいろんな関係の人たちが集う機会を提供する役割を果たせていたと思います し、そういった観客のみなさんの笑顔をたくさん見ることができました。そして、スタッフと して働いた私にも、観客やチームスタッフのみなさん、地域の学校や団体の方たちなどと繋 がりをもたせてくれたのだと思います。 国や人種などバックグランドが違えども、スポーツというものを通せば繋がることができるこ とを身をもって体験しました。サッカーの人と人とを繋げる力、スタジアムが一体になる感じ は来て見なければわかりません。是非、スタジアムに足を運んでみてください。スポーツでし か体感できない醍醐味をこれからも広く伝えていきたいと思っています。 3
© Copyright 2024 Paperzz