第14回パターン認識・メディア理解(PRMU)研究会 アルゴリズム

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1

ターゲットをロックオンせよ! ~移動物体の追跡~

2

第14回PRMUアルゴリズムコンテスト
 第14回パターン認識々メディア理解研究会
アルゴリズムコンテスト実行委員長
美濃 導彦(京都大学)
3

4

第14回PRMUアルゴリズムコンテスト
 電子情報通信学会パターン認識々メディア理解
(PRMU)研究専門委員会が主催
o 1997年から毎年開催〃今年が14回目
 パターン認識々メディア理解(PRMU)の
若手研究者の育成が目的
o 具体的な課題を解決することの楽しさや、
PRMU研究の面白さを体験してもらう
o アルゴリズムの完璧さよりも独自の着眼点や素朴な
アイディアを評価
5

第 1 回 ステレオグラムが見えるコンピュータアルゴリズムを作ってみませんか?

第 2 回 ウサギをさがせ!-パターン認識の基本問題にトライしませんか-

第 3 回 カメレオンはどこだ!

第 4 回 わたしは誰?

第 5 回 交通標識の認識

第 6 回 砂嵐から立体を見つけ出そう

第 7 回 そこにいるのは何人? -画像からの人物係数-

第 8 回 複数の写真からパノラマ写真を作ろう

第 9 回 侵入物を探せ

第10回 編集を賢くお手伝い!

第11回 ジグソーパズルを完成させよう!

第12回 騎士(ナイト)を数えナイト

第13回 クローンを探せ!
-テクスチャ画像の領域分割-
-顔画像からの個人識別-
-多眼ランダムドットステレオ-
-画像のモザイキング-
-物体領域抽出-
~映像のショット分割~
―マッチングによる画像復元―
―画像に含まれる特定物体の計数―
6

実行委員長
o 岩井 俊雄(大阪大学)
o 田中 宏(富士通研究所)
o 美濃 導彦(京都大学)

o 佐藤 洋一(東京大学)
実行委員
o 栄藤 稔(NTTドコモ)
o 出口 大輔(名古屋大学)
o 山口 修(東芝)
o 村瀬 洋(名古屋大学)
o 神原 誠之(奈良先端科学技術大学院
o 石井 育規(パナソニック株式会社)
大学)
o 佐藤 清秀(キヤノン株式会社)
o 玉木 徹(広島大学)
o 帆足 啓一郎(KDDI研究所)
o 山口 晃一郎(豊田中央研究所)
o 喜多 泰代(産業技術総合研究所)
o 清水 郁子(東京農工大学)
o 杉山 将(東京工業大学)
o 高橋 隆史(龍谷大学)
o 新田 直子(大阪大学)
o 羽下 哲司(三菱電機株式会社)
o 藤吉 弘亘(中部大学)

協力
o 道満 恵介(名古屋大学)
o 野田 雅文(名古屋大学)
o 内山 寛之(名古屋大学)
o 加藤 祐二(名古屋大学)
※ 審査員12名
7
 課題〆動画像中の移動物体の発見々追跡
入力動画
追跡結果
8

レベル1(CGで作成した動画)
o 追跡対象(1つ)の初期枠を与える
o オクルージョン無し

レベル2(実際の動画像)
o 追跡対象(1つ)の初期枠は与えない
o オクルージョン無し
o 見えの変化小

レベル3(実際の動画像)
o 追跡対象(1つ)の初期枠は与えない
o オクルージョン有り
o 見えの変化大
9
 CG動画+
初期枠有り + オクルージョン無し
10
 実動画
+ 初期枠無し + オクルージョン無し
11
 実動画
+ 初期枠無し + オクルージョン有り
12
 移動物体を発見々追跡する関数の実装
o 言語
• C言語(ANSI-C準拠)
• C++言語(ANSI/ISO C++準拠)
o 利用可能なライブラリ
• OpenCV 1.0
• STL(Standard Template Library)
• MIST(Media Integration Standard Toolkit)
 アルゴリズムの説明書(A4〃2
~ 4 ページ)
13
 プログラム一式
o Linux用プログラム(cygwin対応)
• C言語版
• C++言語版
o 文字コード
• SJIS〃EUC〃UTF8
 配布動画像
o 動き回る物体を撮影した動画像(101フレーム)
• フレームに分割したビットマップ形式
o 移動物体を囲む正解矩形データ
14
 Webサイト公開
o 2010年4月27日(火)
 応募開始
o 2010年5月31日(月)
 応募締切
o 2010年7月29日(木)
人(グループ)から
件の応募
15
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
第 ○ 回アルゴリズムコンテスト
12
13
14
16
※一人(グループ)で複数レベルに応募したものは別々にカウント
17
D2(1件)
D3(2件)
D1(1件)
高専5年(1件)
B2(3件)
高専専攻科1年(1件)
18
 客観評価
o 移動物体の追跡精度
• 出力矩形と正解矩形の重なり率の平均
o 処理時間
• 移動物体の追跡に要した時間の合計
 主観評価(10
段階)
o アルゴリズムの独自性〃アイディア
19

客観評価〆 7月29 日(木)~ 8月3日(火)
o 応募プログラムを実行し追跡精度と処理時間を計測
• サンプル動画5本 + 非公開の評価用動画2本

主観評価〆 8月3日(火)~ 8月17 日(火)
o 審査員による10 段階の主観評価 + コメント
• 応募アルゴリズムの説明書 + ソースコード
• 出力動画像 + 客観評価の結果

入賞者の選定〆 8月19 日(木)~ 8月24 日(火)
o 客観評価と主観評価の結果に基づき受賞アルゴリズム案を作成
o 審査員全員による議論を経て最終的な入賞者を決定
※応募者が特定できないよう匿名にて審査を実施
20
21
22
23
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0.001
高
精
度
レベル1
レベル2
レベル3
0.01
0.1
1
高速
10
100
1000
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25
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第14回PRMUアルゴリズムコンテスト
最優秀賞〆1名
優秀賞〆2名
入賞〆3名
審査員特別賞〆1名
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27
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第14回PRMUアルゴリズムコンテスト

丸山 拓馬(まるやま たくま)
o 電気通信大学 情報学専攻
柳井研究室 M1

応募レベル〆3
o 平均追跡精度〆50.574
o 平均処理時間〆2.293 秒

PSP-3000 シルバー
講評
o 背景差分やフレーム間差分を行わず〃注目フレームとは離れた
時刻(23フレーム後と46フレーム後)の数フレームとの差分
のANDに基づいて物体を検出している〄さらに〃上記の処理を
周波数空間で行うというひねりも加えられている〄理論的な裏
付けが不十分だが〃常套手段を用いずに個性を出すことに注力
した点を評価〄
o 結果はあまりよくないが、独自性(チャレンジ精神)を評価〄
28

29

第14回PRMUアルゴリズムコンテスト

糟谷 望(かすや のぞむ〃D2) 末次 祐樹(すえつぐ ゆうき〃M2)
水流 弘達(つる ひろよし〃M1) 君島 直城(きみしま なおき〃B4)
田邊 健(たなべ けん〃B4)
o 筑波大学大学院システム情報工学研究科
知能機能システム専攻 画像情報研究室
o 筑波大学第三学群工学システム学類
画像情報研究室

応募レベル〆2
o 平均追跡精度〆 86.604
o 平均処理時間〆 1.346 秒

講評
ネスカフェ バリスタ
コーヒーセット
o 閾値を適応的に決定したり〃2種類のノイズ除去法を組み合わせるなど〃
工夫が凝らされている〄そのため計算時間がかかってしまっているのは
仕方のないところであろうか〄
o 前景領域が欠けないような動的なしきい値設定とノイズ除去で工夫が見られ
る〄
30

高井 翔太(たかい しょうた)
o 立命館大学情報理工学部メディア情報学科
3次元ビジョン研究室 B4

応募レベル〆3
o 平均追跡精度〆85.263
o 平均処理時間〆 1.229 秒

講評
SONY ウォークマン
NW-A845
o 正規化距離による変動にロバストな方法を評価〄影出現の傾向
分析によるシーンに適した閾値を求めていることを評価〄
o テストデータを丹念に観察し〃影を取り除くための閾値を決定
するユニークなアルゴリズムを思い至った点を評価〄このデー
タ限定の手法かもしれないが〃理論的な考察も丁寧になされて
おり〃精度も上位に位置している〄
31

佐藤 竜太(さとう りゅうた〃M2) 剣持 星二(けんもつ せいじ〃M2)
長島 正典(ながしま まさのり〃M1) 王 ジン(おう じん〃M1)
柏熊 淳也(かしわくま じゅんや〃B4)
o 筑波大学大学院システム情報工学研究科
知能機能システム専攻画像情報研究室
o 筑波大学理工学群工学システム学類
画像情報研究室

応募レベル〆3
o 平均追跡精度〆86.602
o 平均処理時間〆2.599 秒

DSi ホワイト
講評
o 2段階の閾値を用いて背景画像との差が中程度な領域を得て〃その中から
「手前側のかたまりの領域」は影であるとして除去するという手法の大胆さ
を評価〄
o プロジェクションを使った領域の決定と影の除去により〃精度をうまく向上
させている〄
32

33

第14回PRMUアルゴリズムコンテスト

山下 真吾(やました しんご〃M2)
藤 賢一朗(ふじ けんいちろう〃M1)
Panasonic DMC-TZ10
(超解像+GPS)
o 宮崎大学大学院工学研究科電気電子工学専攻
集積技術研究室

応募レベル〆2
o 平均追跡精度〆 90.578
o 平均処理時間〆 0.119 秒

講評
o 背景差分にエッジ検出を組み合わせることでノイズを減らす
工夫は妥当である〄基準フレームの選択に工夫があると良い〄
高速化のために探索範囲を考慮している点も良い〄
o 影の検出も考慮しているがアドホックな処理のようである〄
34

斎藤 正孝(さいとう まさたか)
秋月 秀一(あきづき しゅういち)
岡 明也(おか あきや)
柴田 悠太郎(しばた ゆうたろう)
SANYO Xacti CG100
o 中京大学情報理工学部機械情報工学科 知的センシング研究室 B3

応募レベル〆1
o 平均追跡精度〆83.727
o 平均処理時間〆0.008 秒

講評
o テンプレートマッチングによる手法であり〃テンプレートの矩形領域中で
マッチングに使う点を極力少なくする工夫〃RGBのプレーンのうち最も有効
なものを選択する工夫〃探索範囲の制限を行う工夫〃累積残差が大きくなっ
た時点で計算を中断する処理をさらに効率よく行うために探索領域内の移動
方向まで考慮する工夫が見られる〄
o 結果としてテンプレートの矩形領域中で実際の移動領域が端に偏ったタイプ
の画像では精度が低いという問題も出たが〃それでも処理時間は最も短い〄
35

36

第14回PRMUアルゴリズムコンテスト

梅田 一彰(うめだ かずあき)
o 岡山県立大学情報系工学研究科
人間情報システム工学専攻
応用電子工学研究室 M1

応募レベル〆3
o 平均追跡精度〆86.834
o 平均処理時間〆0.009 秒

Apple iPad 16G WiFi
講評
o フレーム間差分に基づく手法に〃検出漏れを回避するための閾
値の動的変更の工夫〃凸型移動のときの領域削減の工夫〃高速
化のための細やかな探索範囲決定アルゴリズム〃などが各所に
組み込まれており〃オリジナリティにあふれる手法である〄
o 精度々処理時間ともに1位で文句のつけようがない。
37
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38
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第14回PRMUアルゴリズムコンテスト

審査員特別賞
o 丸山 拓馬「周波数情報を用いた物体追跡」

入賞
o 末次 祐樹「画像間の差分とエッジ情報を用いた動物体追跡」
o 高井 翔太「照明変化と影にロバストな移動物体検出」
o 佐藤 竜太「背景モデル生成によるトラッキングと影の除去による精度向上」

優秀賞
o 山下 真吾「差分とエッジによる特徴量と影を考慮した
移動物体追跡アルゴリズム」
o 斎藤 正孝「必要最小限の画素だけを用いた超高速トラッキング
~極限までデータ削減を図った地球に優しい
省エネ型物体追跡アルゴリズム~」

最優秀賞
o 梅田 一彰「フレーム間差分重ね合わせによる効率的な移動物体追跡」
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第14回PRMUアルゴリズムコンテスト
 時空間MRFモデルによる
トラッキング -ITSへの応用-
o 講師〆上條 俊介(東京大学)
• 1992年3月
• 東京大学大学院理学系研究科修士課程々物理学専攻終了
• 1992年4月
• 富士通株式会社入社〃組込み用プロセッサの開発に従事
• 1998年4月~2001年3月
• 東京大学大学院光学系研究科博士課程々情報工学専攻
博士(工学)
• 2001年4月
• 東京大学生産技術研究所着任〃現在准教授
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