「原点」を創る。 - リンクアンドモチベーション

リンクアンドモチ ベ ーション
Customers’
Voice
事
例
紹
介
Company Profile
リクルートグループの人材募集領域をを担う
「採用・
株式会社リクルートジョブズ
人事・組織」のプロフェッショナルカンパニー。情報
人事総務部 採用グループ
グループマネジャー 山口 東人 氏(左)
江口 真美 氏(右)
メディアを通じて、全国の企業・店舗と人を結びつ
※部署・役職は取材当時のものです。
正社員等、さまざまな働き方を応援しています。
誌、インターネットをはじめ、モバイルなど多様な
ける出会いの場を提供。アルバイト・パート・派遣・
記憶に残る場づくりで
新入社員の「原点」を創る。
毎年、同じプログラムで行われていた
リクルートジョブズの「入社前研修」。
採用人数も、人材要件も年によって異なるなか
ルーティン化したプログラムで、
新入社員に、本当に必要な研修になり得るのか――。
プロジェクトを根本から見直してから2年。
創り上げた「研修」がもたらした効果とは。
採用担当者のお二人にお話をうかがいました。
1
いる状況でした。課題をフラットに見直したい―
たって、手厚いサポートとパートナーとしての頼も
―。そう考えて、まずは「何を行うことが正解か」を
しさは重要なポイントでした。なかでも、その年の
議論するよりも、研修のノウハウをもつ企業を集
学生がもつ全体傾向や他社比較も踏まえながら、
めて、提案を受けることから始めました。
リクルートジョブズにカスタマイズした研修を提
2
ルーティン化した
入社前研修を
必要なものに
―貴社の「入社前研修」
を見直すことになった経緯
と、抱えていた課題について、お聞かせください。
案してくれたことが大きかったです。単純にパッ
ケージとして研修を売るのではなく、私たちの課
題や願望について自分のことのように考えてくれ
ていると感じました。
また、
「スタンスとマナー」というテーマで行わ
れる入社前研修において、コンテンツに大きな差
異はないと思っていましたが、エンターテインメン
ト性を持たせたコンテンツが面白いと感じまし
た。同じブロックを使った研修でも、
「ベロゴンを
目的を意識した
カスタマイズが
大きな決め手に
製作せよ」
といったネーミングだけで、楽しい気分
にさせられてしまいますよね。
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江口:毎年、新入社員フォローの一環として、3月に
ビジネスマンとしてのスタンス形 成 に注 力した
「入社前研修」を実施しています。
しかし、2年前ま
では、採用人数やパーソナリティ、人材要件が年に
―多くの提案から、
リンクアンドモチベーションの
よって異なるにもかかわらず、毎年、同じプログラ
研修を採用するわけですが、その決め手は何
ムの研修を行っている状況でした。私自身も入社
だったのでしょうか。
前に同じ研修を受けましたが、
「マナーに厳しい」
山口:リンクアンドモチベーションの研修を採用し
という印象だけで、何をやったかも覚えていない
たのは、私たちとともに歩み、考え、支えてくれる
状況でした。この内容で、その年の新入社員たち
パートナーにふさわしい、
「手厚さ」を感じたから
に 本当に必要なプログラム が届けられているの
です。
「 入社前に何を鍛えたいか」
という私たちの
だろうか、
と疑問を抱いていたんです。
願望を汲み、目的に合わせて講師はどんな人が適
山口:入社前の研修というのは「ビジネスマナーと
任か、人員体制はどの程度必要かといった部分を
スタンス」をつくることが命題ですが、目的や対象
明確にしていただけました。やや、人に拠った話
を意識することで、より良い研修をつくりたいと考
かもしれませんが、
「この人と仕事がしたい」と思
えました。コンテンツ自体も、ブロックをつかった
わせるものがありました。
エクササイズによる「報・連・相」の徹底、マナー講
江口:そうですね。私たちの課題であった「その年
山口:パートナーとしての「スピード感」がいいとこ
座という一般的なもの。ルーティン化してしまって
の 新 入 社員に必 要 なプログラム」を考えるにあ
ろだと感じました。納期やスケジューリングはもち
安心と信頼を
紡いでいく
スピードと解決力
―準備段階での所感をお聞かせください。
入社前研修概要
◆ 対象
29名(内定者)
◆ 実施期間
2012年3月
◆ 体制
リクルートジョブズ:2名 リンクアンドモチベーション:3名
◆ 手法
STEP 1
導入
STEP 2
STEP 3
STEP 4
STEP 5
【ケース】
【ケース】
【エクササイズ】
【レクチャー】
自己アピールを
しよう
幻の脚本を
完成させよ
怪獣型ロボットベロゴンを
製作せよ!
STARの観点
担当者より
「自らを
アピールを通じてビジネス
ノンバーバルコミュニケー
ブロックを使った製作作業を通じて、
「S・T・A・R」の重
体感したSTARの観点をレ
高 め 続 ける 意 志 」
フィールドに身を置く覚悟
ションで伝わることの大き
要性を体感。
自ら発信すること、共同作業において必
クチャー。
理解を深める。
について説明
が必要なことを理解する。
さを体感したうえで通常の
要な他者の立場に立つこと、
走りながらも常に目的を
マナー
(敬語や電話応対な
考えることの重要性を学ぶ。
ど)
を学ぶ。
育成テーマ「自らを高め続ける意識」の醸成に必要な4つの心構え STAR
研修の目的:
「モードチェンジ」
と
「ビジネススタンスの強化」
●
●
ろん、当日の細かい手配も含めて、各論まできっち
学生から社会人へ意識転換を図り、入社後のスムーズなスタートダッシュを実現させる
ビジネスパーソンとして不可欠なマナーと4つの心構えを通して求められる
「基準」を理解し、
ビジネススタンスを確立・強化する
Say
伝わらなければ意味がない。報連相を怠らず、常に発信し続けろ!
Target 目的のない仕事はない。常に目的と優先順位を考えろ!
Action
立ち止まっている暇はない。悩む前にまずは一歩を踏み出せ!
Role play
仕事は一人ではできない。顧客・上司・同僚など他者の立場に立て!
り詰めてもらえました。常にリンクアンドモチベー
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ションから投げかけがあり、課題があればつぶし
ていくという流れで、仕事が進んでいった気がし
ます。そうした部分の安心感はとても大事なこと。
こちらが不安を感じ、指摘し続けるようではストレ
スにもなりますからね。
― 共に研修をつくりあげていく過程で、苦心した
点、配慮した点があればお聞かせください。
江口:全体的には良い評価をしていますが、1年目
はナビゲーターの言葉遣いや、立ち居振る舞いの
基準をどこに合わせるか、など改善すべき点も多
くありました。自社の風土を考慮することも大事で
すが、ビジネスに必要なスタンスやマナーの基準
はあくまで社会に求めなくてはいけません。主観
ではなく客観を重視すべきでした。そうした課題
す。
ブロックでベロゴンを作る段階では、研修感覚
を払拭できていないのですが、次第に厳しさを感
じるようになり、
この段階で壁にぶつかります。
「そ
のままでは社会人になれない」
といったナビゲー
ターの厳しい「喝」によって、社会人としての高い基
準を体感し、最終的に求人広告を制作するときに
は顔つきまで変わっていたことが印象的でした。私
社会のハードルを
高い基準で
意識してもらう
たちが育成方針に掲げていた「自らを高め続ける
意識」や、周りとの競争を意識することのエッセン
スがぎゅっと濃縮されたシーンだったと思います。
また、コンテンツそのものもそうですが、全体を
通して意味のある場になったというのが私の感想
を全てクリアしたことが、今年の研修につながって
です。
とくに1年目の課題であったナビゲーターの
いるのだと思います。
あり方ついては、参加者のアンケートを見ても満
山口:学ぶべきは、あくまでお客様に対してのマ
足度・印象度が高かったですね。新入社員からも
ナー。自社がこうだから、先輩がこうだからという
要素は切り離さなくてはいけない部分もありま
―今回の入社前研修で、印象に残った場面を教
えてください。
「常に自分たちのことを見てくれていた」
「問題が
あれば厳しく指導してくれる反面、ひとつ壁を乗り
す。1年目の課題を踏まえて、
じっくりミーティング
江口:コンテンツで切り分けるとすれば、
「 求人広
越えると、自分のことのように、喜んでくれた」と
を重ね、明確な解決策を提示してくれたことで、満
告制作」のエクササイズですね。新入社員たちは、
いった声が多く寄せられました。印象に残る研修
足度の高い研修が実現できたと考えています。
STEP 6
「たかが研修でしょ」
というトーンで集まってきま
STEP 7
STEP 8
になったことが、何よりも大きな成果です。
STEP 9
【エクササイズ】
【ワーク】
【ワーク】
【ワーク】
クリエイトモチベーションに
求人広告を提案せよ!
メッセージカード
鏡に映った自分
タイムカプセル
(強み・弱みの把握)
(決意表明)
企業に対して
「求人広告」を提案し、制作するまでを
同じグループのメンバーに
メンバーからのメッセージ
今後の目標を設定し、半年後の自分に宛てた手紙を
ロールプレイ。
企業にアプローチする際に基本的なマ
向 け て、気 づ い た ことを
カードを通じて、自分自身
書く。
内定期間のまとめ資料を配布し、決意表明を記
ナー及びSTARの観点を実践する中で、
その重要性と
メッセージカードに記す。
の価値観や強み・弱みをグ
載し各自が発表。決意表明の発表シーンはビデオに
ループで共有する。多様な
収めておく。
「基準」
を理解する。
価値観の存在を認識する。
山口:今年の育成方針である「自らを高め続ける
意識」から考えると、
「求人広告制作」における合
格ラインを高めに設定したことが成功のポイント
でした。簡単にクリアされてしまうと意味がありま
せんから(笑)。この観点を満たしていない場合
は、提案をつき返すといったように、合格ラインに
ついて綿密な打ち合わせを行ったのです。講師の
方を含めたすべてのスタッフが、それを共有して
おいたことで、新入社員たちに高い基準で「社会
いのですが、
「入社前の研修と比べたらまだまだ
るかが重要だと考えています。年末に再度、能力
人・ビジネスのハードル」を意識してもらうことが
です」
「今の姿を研修のナビゲーターに見られた
開発系の研修が予定されていますが、その間にも
できたと思います。
ら、笑われてしまう」
といったように、何かと入社前
う一度、何かしらの場をつくることも検討中です。
研修の話題になります。なかには研修で配布した
―入社前研修を総括していただけますか。また、
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印象的な研修が
内定者たちの
“原点”
となる
メッセージカードを見て、自分を見つめ直してい
今後の展望などもお聞かせください。
る社員もいるようです。ビジネスパーソンとしての
江口:参加者の顔つきが変わっていく様子を目の
スタンスは1日や2日で完成するものではありま
当たりにすることができましたし、重要な気づき
せん。今回の研修が、意識し続けることに結びつ
がたくさん生まれる場になりました。私たちにとっ
き、ビジネスパーソンの変革を促してくれると確信
ても、楽しみながら学べるすばらしい機会だった
しています。そういう意味で良いきっかけをつくる
と思います。
ことができました。
山口:入社してから半年間の立ち上がりを見てあ
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げること。そして軌道に乗せてあげること。それが
私たちの仕事です。現在はその半ばですが、新入
社員たちも徐々に仕事ができるようになると、商
談や資料づくり、原稿の作成などさまざまな業務
に携わるようになります。その中で重要になってく
るのがタイムマネジメント。そうしたスキル装着
に寄与するエッセンスが、
「 入社前研修」にあって
もいいと思っています。
こうした私たちの宿題に対
―研修内容を変えたことで、
どのような効果が現
れたのでしょうか? 山口:今年の研修を受けた社員は、まだ働き始め
たばかり。ビジネスとしての成果に直結している
かどうかは、正確に分析できない部分があります。
して、真摯に向き合ってくれるパートナーであるこ
現場との接続を
見据えて
新たな挑戦を
と。それがリンクアンドモチベーションの魅力だと
思っています。今後も、多くの気づきを与えてくれ
ることを期待しています。
ですが、強化を図りたかったビジネスマナーにつ
Motivation
Summit
Report
いては、一定の効果が得られたと自負しています。
かつては、各部署の上長からマナーに関するク
レームが多く寄せられたものでしたが、今回はそ
―入社前研修のその後についてお聞かせください。
うした声もほとんどありませんでした。
山口:入社前研修、入社後のスキル装着研修を経
江口:
「ビジネススタンスの強化」
「社会人としての
て、入社3か月が経過しました。現在はフォロー目
意識転換」
という点では、
これまでの研修とは大き
的の面談が終了したところです。学んだことが成果
な違いが生まれています。それは、今回の研修が
として表れるには時間がかかりますが、入社前研
新入社員たちの「原点」
として、強い印象を残した
修を基礎として、スキル面の向上につなげていく
ことです。今でも、新入社員たちと接する機会が多
ことが命題です。そのためには、現場とどう接続す
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