神田川 平成27年 10月 保護者号 村雲小学校 保護者向け 学力向上特集号 村雲っ子の学力向上に向けて ~全国学力・学習状況調査、市学力・生活習慣状況調査の結果から~ 平成27年4月21日、全国の小学6年生を対象に「全国学力・学習状況調査」、市内の小学 4・5年生を対象に「篠山市学力・生活習慣状況調査」が、実施されました。 その結果を、学校として分析し、まとめましたのでお知らせします。 今回の調査結果が、4~6年生の学力や生活習慣のすべてを表しているわけではありません。 しかし、1年生から積み上げてきた学力や生活習慣の一端を表していると言えます。学校として 分析した全体の傾向をもとに、今後の指導を全ての学年で改善していきます。 取組の状況を保護者の皆様にお知らせし、ご理解いただくとともに、子どもたちの力をどう伸 ばすか一緒に考える機会として、ご支援を賜りますようお願いいたします。 ○「書く」「体験」「姿勢」を大切に! 漢字や計算などの「知識・技能」は、「学力」の基礎・基本です。確実に身に付けさせるため には、徹底して反復練習をする必要があります。同時に、身の回りのことに興味関心を持ち、学 びに向かおうとする「関心・意欲・態度」を育まなければ、自ら進んで学ぶことは困難です。 「関心・意欲・態度」と「知識・技能」を両輪とすることで、考え、判断し、表現する力「思 考力・判断力・表現力」を育むことができます。 そして、これらを支えるのが好ましい「学習・生活習慣」と学級集団や家庭・地域での人間関 係の中で育まれる豊かな「心」です。 そう考えると、学力とは、「人間としての総合力」であることがわかります。 本校では、「学力(人間としての総合力)」を鍛えるために、次の3点に力を入れていきます。 「書く」ことは、様々な自分の考えをまとめ、整理し、表現することにつながります。 「体験」することで、五感をフルに生かしてものごとを把握し、生きた知識として理解できます。 「姿勢」とは、体幹を鍛え、背筋を伸ばすことはもちろん、学習・生活(食)習慣を整えることや学習 規律を徹底することなども含みます。自らを律しようとする力です。 ご家庭にあっては、お子さまの自己有用感(自分は大切に育ててもらっているという思い)を 育んでいただくとともに、別にお配りする「家庭学習の手引き」を参考に、好ましい生活(食) 習慣を育み、自ら学びに向かおうとする姿勢づくりを中心に学びを支えていただければ幸いです。 学校と家庭とで力を合わせて、子どもの「学力(人間としての総合力)」を育てましょう。 ○村雲っ子の学力の状況 「全国学力・学習状況調査」「篠山市学力・生活習慣状況調査」の学校全体の平均正答率と、 「全国平均正答率(全国調査)」、「目標値(市調査)」とを比較し、教科ごとに、「力がついてい るところ」と「努力が必要なところ」を示しました。併せて、学力の状況を踏まえ、今後「学校 として力を入れて取り組む内容」をお知らせします。 【国 語】 力がついて いるところ ◎漢字を読むこと・漢字を書くこと ◎説明する文章の書き方 ○物語や説明文の内容を読み取ること ○指示に基づいて、作文を書くこと ○話の中心に気をつけて、聞くこと ○修飾語や指示語の使い方等 努力が必要 なところ ▲主語と述語、ローマ字の決まり、国語辞典の使い方 ▲場面の移り変わりに注意して、文意を読み取ること ▲与えられた情報を読み取り、主旨を理解すること ▲段落の構成を考えて書くこと 学校で力を 入れて取り 組む内容 昨年度から、国語や様々な学習の中で、条件を付けながら短い文章を書く機 会を日常的に確保してきました。その成果として、「指示に基づいて、作文を 書く」力が付いてきています。 文章にまとめることは、学んだことを整理することであり、それによって生 きた知識として定着していきます。今後も引き続き、日記や100マス作文、 授業の振り返り作文などの場面で、条件を付けて書く活動に力を入れて取り組 んでいきます。また、その条件を守って書くことができているか振り返らせる 場面も取り入れていきます。 また、書く活動を始め、発表する際にも、主語や述語、修飾語を意識させる ようにします。主語や述語、修飾語を取り出して学ぶ機会を大切にすると同時 に、日常から教師が意識して使わせるよ うにします。 朝の読書の時間や読み聞かせ、本の紹 介など、様々な方法で本に親しむ機会を 持っています。 1学期から「読書通帳」として、読ん だ本を「通帳」に書き込んでいく取組を 始めました。夏休みにも、たくさんの本 を読んだ子がいます。文字にふれ、自分 の想像をふくらませることは大切です。 ご家庭でもぜひ、親子で一緒に本にふれ る機会を持っていただければ幸いです。 読書通帳 【算 数】 力がついて いるところ ◎基本的な四則計算をすること ◎時刻と時間の関係 ○計算の決まり(加減算と乗除算、( )の混じった計算など) ○図形の基本的な考え方(四角形や直方体の定義) ○長さや重さの単位 努力が必要 なところ ▲計算結果が概ねどのような数値となるかイメージすること ▲計算の考え方や問題解決の方法を説明すること ▲複数の要因を考慮して問題を解決すること ▲算数の知識技能を生かし、身近な出来事について推察すること ▲グラフから読み取った数値をもとに、関連づけて考えること 学校で力を 入れて取り 組む内容 数値を当てはめて計算したりすること はよくできています。しかし、おおよそ の答え(近似値や測定結果)はこのぐら いだろうと予想することは苦手としてい る子がいます。これは、知識や技能が生 きて使えるものとして十分に定着してい ないことを示しています。 したがって、作業や体験を通して学ぶ 時間を十分確保することや、学んだこと を生かして、身の回りの課題を解決する ことに活用する機会を確保します。 また、スクリーン上で図形を変形させ た り す る こ と が で き るパ ソ コ ン ソ フ ト 「デジタル教科書」も導入しました。 「デ ジタル教科書」を使うことで、教科書に 沿いながら、子どものイメージに沿って 図形などを変形させることができます。 デジタル教科書を使った学習 やかんに何リットル入る? さらに、考え を論理的に説明 できるようにす るために、結論 の後に理由を話 す活動や、ノー トに考えを書い てまとめる活 動、複数の情報 から課題解決に 必要な情報を取 り出す学習を大 切にします。 図形など使う機会が少なくなりがちな内容を定着させるために、朝の学習タ イムで図形を取り扱ったプリント等にも積極的に取り組んできました。その成 果として、図形の基本的な特 徴などは、よく定着していま す。 今後も引き続き、図形など 使う機会が少なくなりがちな 内容についてふれる機会を増 やします。あわせて、算数コ ーナー「わくわく算数広場」 を設置して、算数的な内容に 日常的にふれる場所とします。 算数コーナー「わくわく算数広場」 【理 科】 力がついて いるところ ○実験・観察器具の使い方 ○定着している知識(植物の育ち、ものの重さ、月と星、水の三態等) ○身についている知識をもとに、筋道を立てて考えること 努力が必要 なところ ▲実験・観察器具の各部分の名称 ▲実験や観察の結果をもとに、筋道を立てて考えること ▲考察をすること 学校で力を 入れて取り 組む内容 実験・観察器具の使い方は、実際に使った経験から理解することができてい ます。しかしながら、実験・観察器具の各部分の名称等の用語は身についてい ないものもあります。 体験することで学んだことが生きた知識として定着するのですが、興味や関 心が薄い場合は、さらに知識を獲得することにつながっていきにくいと推察さ れます。 実験や観察などの体験活動を通して、興味関心を持たせる学習活動をこれか らも進めます。 予想を確かめるためになぜそのような実験をするのか、よく考えさせたうえ で実験に取り組ませることや、実験の結果を分析し、考察する機会を今後も引 き続き大切にします。そうすることが、筋道を立てて考え、自分の考えを相手 にわかりやすく表現する力を付けることにつながります。 また、実験や観察をする際の基本的な事項(日付を書く、実験の条件をそろ えるなど)を確実に意識させていくことが、論理的に筋道を立てて考えること の基礎となります。実験や観察の際に常に意識させます。
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