2610号 税関長交渉結果 - j

発行:日本税関労働組合
横浜地区本部教宣部
横浜市中区海岸通り 1-1
℡045-201-9859
メール:
fcu-yokohama@mua.
biglobe.ne.jp
№2610 2014.12.25
yokohama
~第1回税関長交渉開催~
《大西税関長所信概要》
税関労組横浜地区本部は、平成26年12月9日、大西税関長
とは初めてとなる交渉を次の議題について実施しました。
この中で、転居を伴う配転については、職員への通知時期を前
倒しする余地があるか検討する旨の回答があり、組合として前進
が期待できる回答を当局より得ることができました。
本号では、この質疑も含め、交渉の概要をお知らせします。
議題1:昇任・昇格・昇給・勤勉手当及び配転の基準について
議題2:業務処理体制に係る諸問題について
①茨城空港増便に係る勤務体制 ②本牧埠頭出張所の勤
務体制 ③コンテナ検査センター再稼働 ④小名浜税関
支署の業務量増加
議題3:人員要求について
議題4:職場・生活環境の改善について
議題5:健康管理と安全対策について
《戸田執行委員長所信概要》
公務員に対する国民の目は厳しさを増す一方で、定員・予算の削減
といった動きに対して、抵抗しがたい状況の中、現場の第一線では、
税関職員として使命感を持って日々業務に精励している。
中でも、当組合員は、その職責だけではなく、組合活動を通じて、
横浜税関全体をより良い組織にしていくために、時間外においても努
力している。しかしながら、横浜地区本部では「組織率の低下」とい
う大きな問題を抱えている。この問題は組合執行部が改善して行かな
ければならないが、組合活動に対する当局の理解があってこそ、その
活動が成り立つ。
組合が掲げる、
「健康で明るく働きがいがある職場」を目指すこと
に、異論はないものと思う。その実現のために日々努力をしている
我々の要望・要求に対し、当局においても実現に向けた努力をして頂
くことが、その責
務であると考えて
いる。
現在、各職場の
現状は、休暇を取
る際に、人員が少
ない中で職員同士
が気を使っていて
「年休が取り難い
…」といった状況
にある。
「健康で明
るく働きがいがある職場」
「ゆとり、豊かさが実感できる生活」から
は、遠く懸け離れた現実が広がっている。
本日の交渉が当局にとっても我々にとっても、有益かつ有意義なも
のとなるよう、税関長の真摯な回答を期待する。
名古屋、大阪でも税関長をしており、横浜税関で3度目となるが、
従来から現場の職員が精励されていることにより税関業務が成り立
っていると考えている。従って、できるだけ多くの現場の職員の方々
とお話させていただくことが、極めて重要だと考えてきた。
このため、横浜税
関に着任して以来、
いろいろな職場の視
察や職員との懇談を
行ってきた。既に、
横浜税関の全ての支
署、
出張所を訪問し、
200名を超える職
員の方々と面談、懇
談させていただいた。
その懇談等を通じて、職員の皆さんが、士気を高く維持され、かつ、
責任感を持って一生懸命職務に取り組んでいる姿を拝見し、大変心強
く感じている。
また、税関労組の皆さんが、従来から横浜税関の定員拡大や職員の
処遇向上を重点課題として取り組んでいることは十分承知しており、
当局としても、必要な定員、予算の確保に、引き続き努力していきた
い。
現在、公務員に対して社会的に厳しい目が向けられており、当局と
しても必要な定員や予算の要求は行っていきたいと考えているが、非
常に厳しい財政状況であり、容易でないことは理解願いたい。
税関が様々な行政ニーズや諸課題に的確に対応していくためには、
健康管理と安全管理が重要だと認識しており、引き続き十分配慮して
いきたい。
最後に、着任の挨拶でも申し上げたとおり、職場における意思疎通
が極めて大切だと思っている。職員が持っている潜在的な力を発揮し
て、組織の力になるためには、職場の風通しが良いということが必須
条件であり、職員一人一人がやりがいを感じながら仕事に取り組み、
職場を明るく活気に満ちたものにしていくことが必要不可欠である。
そのためにも、職員団体からの建設的な意見や労使のコミュニケーシ
ョンが重要であると考えている。本日の交渉の場が、建設的なものと
なるよう期待している。
議題1:昇任・昇格・昇給・勤勉手当及び配転の基準について
組合 (1)組合員の昇任・昇格・昇給発令及び勤勉手当について
①4原則(公平・公正性、納得性、客観性、透明性)に基づき、昇任・
昇格・昇給発令を行うこと
②勤勉手当の成績率は、4原則に基づき決定すること
③昇給に係るA・B区分の決定は職員割合一杯の発令を行うこと
④昇格は、在級期間表を基本とし、長期在級を解消すること
⑤昇任・昇格発令は入関年次・経験年数・技能資格等についても配慮
すること
当局 本年11月17日に、税関労組横浜地区本部から「昇任・昇格
1
要求者名簿」の提出があったことは承知している。
昇任、昇格は、法令等に基づき、勤務成績、能力、適性等を総合的
に判断し、機構及び定数の範囲内で適正に実施すべきもの。
勤勉手当の成績率及び昇給に係るA・B区分の決定については、勤
務成績等に基づいて適正に実施している。
組合「昇任・昇格要求者名簿」に掲載している当地区本部組合員か
ら昇任・昇格発令を行うよう強くお願いする。
ていることはよく承知しているが、行政職(二)
、海事職(二)の職
員の上位級への昇格は、個別に人事院の審査を受ける必要があり、経
験年数、定数枠のみで昇格はできない。これまでも処遇改善に鋭意努
力しており、引続き努力する。
組合 (5)配転、他関、外部機関への異動について
人事異動が「公務の要請」によるものであることは十分承知してい
るが、組合員が安心して業務に専念できるよう、配転や他関、外部機
関への異動に当たっては、次の要求事項の実現に向け最大限努力願
いたい。
①十分な身上把握に努め、希望実現を図ること。
②出向・住居の移転・遠距離通勤・単身赴任を伴う配転等につい
ては、きめ細かな身上把握、意向打診に努め、無理な配転は行わ
ないこと。また、1年で配転を行
う場合は、組合員が納得できるよ
う、管理者から十分な説明を行う
こと。
③遠隔地等での勤務は、本人が希
望する場合を除き2年を限度とす
ること。
④業務の安定性、継続性を確保す
るため、異動規模の縮小、現場重
視の配置を図ること。
⑤住居移転を伴う配転は、発令一
ヶ月前に内示すること。今後とも
内示時期を一日でも早めていただきたい。
当局 配転は、従来から身上把握の徹底を期するとともに、本人の希
望をできる限り尊重しているが、公務の要請に基づき、適材適所で行
うべきもの。全ての職員の希望を満足させることができない。
住居移転を伴う異動は、生活面で環境の変化が大きいため、きめ
細かい身上把握に努めたい。
遠隔地、他関勤務を本人が希望する場合を除き、2年以内という
ことについては、可能な限りそのように努めているが、公務の要請
もあり、必ずしもそうならない。
異動規模は、公務の要請に基づき適材適所の配置を実施するとと
もに、業務の安定性、継続性を維持する等の配慮をしている。
人事異動発令に係る内示時期は、できるだけ直近まで職員の身上
把握に努め、人事に反映させていくため限界がある。
なお、転居を伴う異動については、他関の例も踏まえつつ職員へ
の通知を非公式であるにしても前倒しする余地があるかどうかにつ
いて検討を行ってみたい。
組合 (2)中高年層組合員及び中堅層組合員の処遇改善について
①6級以上の級別定数枠の更なる拡大
②統括官全員を6級とし、長期に5級に据え置かれることがないよ
う努力すること
③Ⅱ種職は平成5年以前、Ⅲ種職は昭和62年以前に入関した上席
官に対する統括官発令
④Ⅱ種職は平成10年以前、Ⅲ種職
は平成5年以前入関者に対する上
席官発令
⑤4級昇格後、在級期間表の最短条
件での5級昇格発令
また、業務の主戦力を担っている
中堅層組合員の処遇改善を図るため、
次の事項についてお願いしたい
①3級及び4級定数枠の更なる拡大
②3級、4級昇格及び昇任での分断、
逆転発令を改め、入関年次等に配
慮した発令を基本とすること
当局 級別定数については、
関税局でも定数枠の確保に努力している。
当関としても、今後とも級別定数枠の拡大に努力していきたい。
昇任、昇格については、法令等に基づき、職員個々の勤務成績、
能力、適性等を総合的に判断して、機構・定数の範囲内で適正に実
施すべきものである。
組合 (3)青年層組合員及び女性組合員の処遇改善について
①2級昇格は、在級期間表の最短条件(Ⅱ種職は入関後3年、Ⅲ種職
は8年)で行い、新規役付昇任は、2級昇格後2年以内で行うこと。
②Ⅱ種職は入関後7年で、Ⅲ種職は12年で、3級昇格を行うこと。
また、女性職員が十分に能力を発揮するためには、男女間の格差
のない処遇、適材適所での登用が必要不可欠である一方、出産、育
児等各ライフステージに配慮した対応が必要であり、きめ細やかな
身上把握の徹底をお願いしたい。
当局 昇任、昇格は、法令等に基づき、職員個々の勤務成績、能力、
適性等を総合的に判断して実施すべきもの。入関後に一定年数を経過
したという理由のみで一律に実施することは難しい。
性別の如何にかかわらず、きめ細かい身上把握に努めていきたい。
組合 女性組合員が安心して働けるよう、セクハラ対策や次世代育成
支援策の充実、育児休業者の代替要員の確保等といった点についても
引き続きお願いする。
組合 (6)人事評価制度について
当局においても評価者研修等を実施していることは評価するが、
未だ十分な面談が行われていないといった声もあげられている。
評価者が適正な評価を実施できるよう、引き続き評価者研修を行
っていただくとともに、人材育成の観点から期末面談時のみではな
く、日々適切な指導・助言を行い、職員個々のレベルアップを通じ、
組織全体の底上げにつながるよう努めていただきたい。
当局 人事評価制度は、職員の協力により、円滑に実施されている。
人事評価制度は、評価者等と被評価者間のコミュニケーションを
通じて、組織内の意識の共有化や業務改善等につなげていくととも
に、個々の職員が、自らの強み・弱みを把握して自発的な能力開発
を行うこと等を促すなど、人材育成に資することが重要であると考
えている。
当関においては、評価者に対して評価能力向上研修の実施や、制
度官庁が実施する研修にも参加させている。さらに、被評価者に対
組合(4)技能職組合員<行(二)
、海(二)職>の処遇改善について
①技能職員の上位級発令に向け人事院との協議を積極的に実施する
こと。
②上位級定数枠一杯の発令に最大限の努力をすること。
③海(二)職組合員の船長・機関長について上位級発令を行うこ
と。
④海(二)職組合員の職務内容(甲板部、機関部)に係る身上把握
を引続き徹底するとともに、当人の希望を尊重すること。
当局 行政職(二)
、海事職(二)の職員の皆さんが、日夜努力され
2
しても研修を実施している。
今後も必要な研修を開催するなど、適切に対処していきたい。
かと危惧するところである。
当該本牧検査センターが、稼働停止となって6ヵ月が経過した現
在、再稼働に向けた進捗状況について伺いたい。
当局 本年3月から大型 X 線検査装置が1基体制となったことを受
け、検査業務のあり方について議論、検討し、職員に過度な負担とな
らないよう十分配慮を行ってきた。
当局としても、大型 X 線検査装置については、2基体制に戻す必
要があると考えており、早期に再稼働できるよう関税局に対し、必
要な予算措置をお願いしている。今後とも職員に過度な負担となら
ないよう十分留意していく。
議題2:業務処理体制に係る諸問題について
組合 (1)茨城空港の増便に係る勤務体制について
茨城空港の定期便が、本年10月31日から、金曜日、日曜日に、
18時30分到着便が増便となった。
安心・安全な社会の確保のためには、しっかりとした検査を行う
必要があり、適正な行政サービスの提供もまた重要である。
つくば出張所においては、鹿島税関支署、日立出張所の応援も得
ながら、ぎりぎりの体制で旅具検査等を行っていたが、鹿島税関支
署、日立出張所においても船舶の取締を行っており、他官署からの
応援体制も限界がある。
過去の税関長交渉においては、つくば出張所の要員確保、
全体的な
人員要求に対し、「茨城空港における行政需要等を注視しつつ、業
務に支障をきたすことのないよう、適切に対処していく」
「緊急性・
必要性が特に高い分野に重点
を置きつつ、各職場の業務量
等の実態を踏まえ、全体を通じ
た適正な人員配置に努めている」
旨の回答を得ている。
今回、業務量は確実に増加した。
これ以上つくば出張所職員に過度な負担を掛け、業務に支障をきた
さないよう、早急に必要な人員及び体制を確保し、当該業務量等に
応じた適正な人員配置となるようお願いする。
当局 茨城空港に増便があり、
つくば出張所の職員らが超勤等により
対応していることは承知している。
また、地方空港における取締りの重要性も十分認識している。茨
城空港については、必要に応じて、鹿島税関支署や日立出張所から
応援者を派遣するなど業務の適切な遂行に努めてきた。
今後、茨城空港の業務量等の推移を勘案しつつ、業務に支障を来
さないよう適切に対処していきたい。
組合 旅具検査は、デスクワークにおける事務の電子化や処理の簡
素化等で効率化を図るという性格のものではなく、本来マンパワーを必
要とするもの。良質な行政サービスと適正な水際取締りを実施するため、
充分な人員及び旅具検査体制の確保を重ねてお願いする。
組合 (4)小名浜税関支署の業務量の増加について
小名浜税関支署においては、当支署の業務のほか、相馬出張所へ
の張込等の応援、福島空港出張所への旅具通関応援等も行っている。
小名浜港に入港する外国貿易船の入港隻数は、ほぼ東日本大震災
前の入港隻数に回復してきており、取締りを実施すべき船舶も入港
している。しかし、特に1名体制となっている福島空港にチャータ
ー便が入港した場合は、3名以上の職員を応援として派遣すること
となり、小名浜港における船舶の取締りに十分な要員が確保できず、
また年次休暇も取得しにくい状況となっている。適正な業務遂行、
職員の健康管理等の面からも、必要な業務処理体制及び要員の確保
をお願いする。
当局 小名浜税関支署の職員の方々が出張所への応援等で日々苦労
していることは承知している。
厳しい定員事情の下、今後の行政需要等を注視しつつ、税関業務の
現状及び業務量の推移等を勘案しながら、適正な要員配置に努め、
職員にとって過度な負担とならないよう
適切に対処していきたい。
組合 社会悪の摘発が、我々税関職員に
求められる使命であるが、その使命を全う
するためには、個人の意識もさることなが
ら、やはり充分な人員の確保、検査機器、
体制の整備が必要である。厳しい定員、予算の下であることは十分理解
はするものの成果を求めるあまり、現場担当職員に過度な負担を与える
ことの無いよう、充分に配慮いただくようお願いする。
議題3:人員要求について
組合 (2)本牧埠頭出張所の人員体制について
南本牧埠頭MC-3号が今年度中に工事を終え、来年にも供用を
開始すると聞いている。本格稼働となった場合、輸出入貨物の増加
が予想されるところであり本牧埠頭出張所の増員を基本とした人員
体制の再考も必要と考えるが税関長のお考えを伺いたい。
当局 MC-3の稼働により、
本牧埠頭出張所の事務量に変化が生じる
可能性があることは承知しているが、厳しい定員事情の下、通関業務
量が増加しても、直ちに定員が増える状況にはない。
いずれにしても、引き続き横浜税
関全体の業務の現状及び本牧埠頭出
張所の業務量の推移等を勘案しなが
ら、業務に支障が生じないよう適切
に対処したい。
組合 (1)人員要求について
我々は今回の交渉に際して、各職場の事務量に見合う要員につい
て調査を行い「職場総要求書」として、11月17日、当局窓口に
提出した。
特に議題2で取りあげた、鹿島税関支署つくば出張所及び小名浜
税関支署への十分な人員の確保を要求する他、当該要求書に書かれ
た現場の真摯な声に誠意ある対応をお願いしたい。
また、次の官署についても、早急な人員の確保をお願いしたい。
小名浜税関支署:監視官1名
当局 本年11月17日に提出された「職場総要求書」については、
内容を拝見したが、
「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」
(平成 26 年 7 月 25 日)の閣議決定を受け、国家公務員の定員につい
ては今まで以上に極めて厳しい状況にある。
当関としては、必要な人員の確保に努力するとともに、限られた
人員の下で的確に税関業務を運営するため、緊急性・必要性が高い
分野に重点を置きつつ、各職場の業務量等の実態を踏まえ、全体を
通じた適正な人員配置に努めている。
厳しい定員事情の下、特に要望のあった鹿島税関支署つくば出張
所及び小名浜税関支署も含め、税関業務の現状及び業務量の推移等
を勘案しながら、引き続き適正な人員配置に努めたい。
組合 (3)コンテナ検査センター(本牧)の再稼働について
MC-3号供用開始により輸出入貨物が増加した場合、同時に検
査対象貨物も増加すると考えるが、本牧の大型X線検査装置は、本
年2月に稼働を停止しているため、本関地区の商業貨物検査は処理
能力が低い大黒の大型X線検査装置に集約しており、今後、検査対
象貨物が増加した場合、職員に過度な負担が強いられるのではない
3
ていただき、新たな対策が必要な場合は、迅速に対応いただくよう
お願いする。
議題4:職場・生活環境の改善について
組合 (1)職場総要求書に基づく職場・生活環境の整備について
我々は今回の交渉に際して、各職場において環境改善が必要と思
われるものを調査し、
「職場総要求書」として、11月17日、当局
窓口に提出した。現場の真摯な声に誠意ある対応をお願いしたい。
当局 職員の健康管理については、
業務運営上の最重要課題であると
認識しており、各種の健康管理施策を実施するとともに、現場の管理
者に対しても、機会あるごとに、部下職員の心身にわたる健康管理に
最大限留意するよう指導している。
また、今事務年度から、診療所医師及び看護師による健康管理を
題材とした少人数のセミナーを、本関庁
舎近辺に勤務する職員の中から希望す
る者に対して実施している。
今後とも、厚生ニュースにより健康管
理に関する情報を随時提供し、職場内ミ
ーティング等で「心と体の健康づくり」
に活用できるようにするなど、職員の健
康管理に十分配慮していきたい。
メンタルヘルス対策についても、その
重要性は十分認識しており、より多くの
職員にメンタルヘルスに関する正しい
認識と対処方法の知識を深めていただくために、役職別に講演会を
開催しているほか、外部機関の研修等に職員を派遣している。また、
メンタルヘルスチェックシート(心の健康の自己チェックシート)
を Qweb に掲載し、日頃から職員自らが心の健康管理に役立てていく
ことができるように努めている。
その他、健康管理医・カウンセラーによる個別の相談や指導、全
職員を対象としたカウンセリングを実施している。
いずれにしても、小名浜税関支署を始め、当関職員のメンタル面
を含めた健康管理には十分留意していきたい。
当局 職場・生活環境に関しては、予算の範囲内で実施可能なものは
整備するよう、
あるいは実施可能かどうか具体的な検討をするよう関
係部署に指示した。
職場・生活環境の整備は、非常に重
要であると認識しており、厳しい財政
事情の下ではあるが、従来から皆さん
の要求も参考にしながら優先度の高い
ものについては整備してきている。
今後とも、皆さんの要望を踏まえな
がら予算の範囲内で最大限の努力を払
っていきたい。
組合 (2)寮・宿舎の確保について
寮・宿舎を取り巻く環境は、使用料の引き上げ、宿舎廃止等、従
来から厳しい情勢にある。その中で、昨年7月及び本年4月の人事
異動期には他関において、宿舎を希望したが入居できないといった
事例も発生した。当関においても同様の事例が発生するのではない
かと、職員は従来にも増して不安を感じている。
昨年1月に通知された各宿舎の退去
期限が近づくなかで、当該退去対象
組合員の宿舎再入居や、住居の変更
を伴う人事異動の際の宿舎入居に支
障が生じないよう、引き続き十分な
寮・宿舎の確保をお願いしたい。
組合 ③ハラスメント(セクハラ、パワハラ)対策
セクシャルハラスメント、パワーハラスメントは、職場環境の悪
化だけでなく、職員のメンタルヘルスにも悪影響を与えるため、そ
の対策は必要不可欠であると考えている。
これらのハラスメントに関しては、各相談員の設置や新規管理者
に対する研修の実施等、当局にあっては一定の努力はなされている。
しかし、
ハラスメントは本人が自覚していない自然の行為により生
じている場合も多く、また職場の人間関係、上下関係に密接する問
題であることから、表面化もしにくい。引続き研修等の実施をお願
いするとともに、当該研修について
は新規管理者だけでなく、若手職員
から幹部職員まで、より幅広い職
員を対象とし、各ハラスメントに
対する再認識や意識の向上を図っ
ていただきたい。
当局 「国家公務員宿舎の削減計画」が決定される等、宿舎を取り巻
く環境は、大変厳しい状況にあるが、今後とも、可能な限り必要な宿
舎の確保に努めてまいりたい。
また、宿舎については、皆さんの関心が高い事項でもあるので、可
能な限り情報提供等を行ってまいりたい。
議題5:健康管理と安全対策について
組合 (1)健康管理対策について
①身体の健康管理について
基本的に健康管理は自己管理であることを否定はしないが、組織
としても職員に対して精一杯の努力を払うべき問題と考える。財政
事情が厳しい事は承知しているが、引き続き健康管理施策の充実を
お願いしたい。
② 心の健康管理について
巡回カウンセリングの充実等当局の努力は評価するが、メンタル
疾患を理由とする長期療養者が後を絶たない。
メンタル疾患の予防は、個人へのカウンセリングはもとより、発
生しない職場環境づくりが極めて重要だと考えるが、当局として、
この点についてどのような対策を講じているのか伺うとともに、引
続き各種カウンセリングや講演会等のメンタルヘルス対策の推進を
お願いしたい。
また、小名浜税関支署管内職員は、被災地域での勤務であり、原
発の心配など身体や心の健康管理に留意する官署である。
現状としては、小名浜税関支署管内で計測される放射線量は健康
に影響をおよぼすものではないが、今後ともメンタル面も含めた健
康管理対策を継続していただくとともに、職員の声に十分耳を傾け
当局 両ハラスメントとも、その防止対策は、重要課題であると認識
している。一般監察での注意喚起、各種管理者研修等での講義や外部
講師による講習会を実施しているほか、
人事院が主催する研修会にも
職員を派遣している。
当関では、職場でのいじめ、嫌がらせなどを含む、悩み事全般の
相談について、各部署所の総務・管理課長等が相談窓口となってい
るので、何かあれば早く相談していただきたい。特に、セクハラの
相談体制については、各部署所に相談員を配置し、気軽に相談でき
る体制を取っている。
Qweb では、これらの相談窓口の周知を図っているほか、
「セクシュ
アル・ハラスメントのない職場にするために」や「
「パワー・ハラス
メント」を起こさないために注意すべき言動例」などの資料を掲載
4
し注意喚起している。
いずれのハラスメントについても職員の認識を高め、未然防止を
図ることが重要であり、皆さんからの意見も参考に、今後ともハラ
スメントのない職場環境の整備に努めたい。
組合 (2)安全対策について
安全対策については、当局の努力は評価しているが、もうこれ以上
行う必要が無いという性格のものではない。今後も引続き、更なる
安全対策の徹底
をお願いしたい。
ける官用車による移動については、実質的に拘束されているにも関
わらず超過勤務手当の対象とされていない。
このような負担を解消すべく、税関労組としても、本年 10 月 16
日、人事院に対して「週休日の振替について、本人の希望により、
二の半日割振りを一日の振替が可能となるよう制度を改善するこ
と」及び「超過勤務手当の対象となっていない取締り等の要請に基
づく、実質拘束時間を超過勤務手当の対象とすること」を要請した
ところである。
このような現場の実態を踏まえ、制度の見直しを関係機関に働き
かけるとともに、地方官署等で勤務する職員の適正な人員配置等、
十分な配慮をお願いしたい。
当局 安全対策
として、安否通
報訓練、交通安
全講習会の実施
及び各種管理者
研修での講義等
を行い、当関に
おいて発生した事故について、
事故検証シートを作成し注意喚起する
とともに、Qweb に事故事例集等を掲載している。
毎月15日の「税関安全の日」には全職員に「ヒヤリハット」の
事例等を紹介するとともに、毎週、全職員に職員が起こした事故件
数の累計等を示した「目指せ事故ゼロ 先週の事故発生状況」を周
知して注意喚起を図ってきた。
今後とも引き続き必要な対策を実施し、安全管理の徹底を図って
いくこととしたい。
組合 特に、
これまでの交渉で取り上げた大黒埠頭内におけるドリフ
ト族については、関係機関に対する当局の働き掛けにより、様々な対
策がとられてはいるが、未だドリフト族は出没しており、当直勤務者
の業務及び仮眠への影響が続いている。
朝から深夜まで取締業務を行
い、僅かながらでも取れる仮眠は、とても貴重な時間であるが、その
仮眠さえも妨害される事は、
肉体的にも精神的にも非常につらいもの
である。
関係機関への働きかけ等ドリフト族への対策についてもよろ
しくお願いしたい。
(3)休暇制度関係について
夏季休暇を5日間とすること。
当局 皆さんからの強い要望として承っておく。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆以上が、今期第1回目の税関長交渉の概要となります。全体的な
回答としては、ほぼ変わりありませんが、転居を伴う異動に関して
は、非常に大きな成果が得られたものと考えます。もちろん、
「内示
時期を前倒しする」のではなく、
「職員への通知を前倒しする余地が
あるか検討する」という回答に留まっており、今後の動向を注視し
ていく必要がありますが、これまでより前向きな回答であり、評価
できるものです。
言ってもムダだ、ではなく、粘り強く言い続けることが大切だと
いうことが、改めて認識されました。
最後になりましたが、交渉に臨む執行役員を送り出していただい
た職場の皆さん、年末の忙しい時期にも関わらず、誠にありがとう
ございました。
要望事項
(1)税関職員の給与改善について
次の4点について、関係機関への働きかけをお願いしたい
・犯則取締等手当て支給について、財政事犯への適用拡大を図って
いただきたい
・海事職への調整額支給を図っていただきたい
・航海日当、食卓料の単価引き上げのための旅費規則の改善を図っ
ていただきたい
・仙台塩釜支署塩釜事務所勤務職員に対して、支署勤務職員と同等
の地域手当を、仙台麻薬探知犬事務所勤務職員に対して、仙台空港
支署勤務職員と同等の地域手当の支給を図っていただきたい。
塩釜事務所職員は、同じ支署職員であり、かつ、生活圏も同じで
あり、また、仙台麻犬の主な勤務場所は仙台空港であり、かつ、仙
台空港支署職員と生活圏が同じであるにも関わらず、制度として地
域手当の支給に差異が付けられている。
日本税関労働組合横浜地区本部
執行委員長
戸田秀久
ドリフト族が消えた!!
交渉時にはまだ確認できていませんでしたが、大黒埠頭出張所前
の路上に出没していたドリフト族。警察当局が、常連のドリフト族
数名を逮捕するなど、厳正な取締りを行ったところ、とうとうドリ
フト族が大黒埠頭から消えたとの報告を受けました。
こちらもまた、税関長交渉で訴え続けた成果であり、また当局も
警察をはじめとする関係機関に幾度となく働き掛けを行ってくれた
こと等による結果です。
物理的な要因による排除ではないので、ほとぼりが冷めたころ、
再び出没し始めることも考えられますので、今後も注視していきた
いと思います。
いずれにせよ、事故の恐れや、貴重な仮眠時間が妨害されなくなっ
たことは、とにかく喜ばしい限りです。対応いただいた当局の皆さ
ん、本当にありがとうございました!!
(2)週休日及び勤務時間外における地方官署等の業務実態に
ついて
平成21年に勤務時間が7時間45分に
短縮されて以降、4時間の勤務時間の割振り
変更2回を同一日に充てることができなく
なり、特に地方官署等の小規模官署において
は、職員の週休日を確保しにくい状況となっ
ている。さらに、週休日及び勤務時間外にお
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