遠野市観光マーケティング委員会報告書【概要版】

遠野市
観光マーケティング調査結果
「報告書」
遠野観光マーケティング委員会
平成27年1月
1
調査概要
・来訪者実態調査・満足度調査
調査方法
目
的
期
間
調査場所
サンプル数
調査票の留置きアンケート調査
来訪者の実態調査・満足度調査
平成26年 8月~9月
道の駅・観光施設・宿泊施設など市内23ヶ所
898サンプル (目標:1020サンプル・回収率88%)
・市場環境調査
調査方法
目
的
インターネット調査会社への委託調査
仙台市居住者を対象とした遠野に対する認知度・
来訪意向・イメージなどの調査
期
間 平成26年 11月
サンプル数 500サンプル(男女各250)
2
■1.来訪者実態調査「結果」
3
アンケート調査・回収実績
調査数
8月実績 割 の増減
(A)
合 比率
(B)
道の駅
観光施設
宿
178000 63%
93000
0.33
12000 4%
A×B
(A×B) 施設番
/200
号
0.4
71200
356
0.8
74400
372
5
60000
300
1
2
22
3
4
5
6
7
8
23
9
10
風の丘
宮守
サンQふる郷市場
遠野市立博物館
とおの物語の館
遠野ふるさと村
伝承園
千葉家
遠野駅・観光協会
まるきタクシー
あえりあ遠野
ホテルきくゆう
11
フォルクローロ遠野
25
0
0%
12
13
14
15
16
17
18
ホテル鍋城
旅館平澤屋
徳田屋旅館
民宿りんどう
民宿とおの
民宿わらべ
B&Bくら乃屋
20
20
20
20
20
10
20
17
20
2
40
19
10
20
85%
100%
10%
200%
95%
100%
100%
19
遠野ユースホステル
20
20
100%
20
たかむろ水光園
柏木平レイクリゾー
ト
30
11
37%
20
25
125%
21
合計
283000
1028
施設名称
アン
アン
アンケー アンケー
ケート ケート 施設別 分類別
ト回収目 ト回収目
実施状 回収実 達成率 達成率
標数
標数
況
績
280
301
108%
70 350
45 356
64% 102%
10
50
49
98%
50
61
122%
50
55
110%
50 370
61 288
122% 78%
50
28
56%
120
27
23%
7
50
45
90%
25
25
100%
1020
300
1020
898
254
898
88%
85%
88%
4
○居住地
宿泊客の居住地は、
【東北】 岩手・宮城で41%
・岩手県(盛岡市・北上市・釜石市・花巻市・大船渡市)
・宮城県(仙台市が中心)
岩手
東京
愛媛
千葉
埼玉
宮城宮城 神奈川
埼玉
千葉
岩手
東京
神奈川
北海道
大阪
青森
栃木
秋田
その他
【首都圏】東京・神奈川
・埼玉・千葉で43%
・東京都(世田谷区が最多)
・神奈川県(横浜市・川崎市)
愛媛
・埼玉県と千葉県では居住地の傾向なし
★近圏と首都圏で来訪者の8割以上を占める
★「近圏(岩手・宮城)」と「首都圏」の2地域がММAとなる
○男女比
男性48% 女性52%
・女性が多いのは大阪府(76%)
・男性が多いのは茨城県(67%)と北海道(64%)
5
○宿泊・日帰り別の来訪者居住地
宿泊客
埼玉県10%
神奈川県
岩手県39%
14%
日帰り客
東京都23%
東京・神奈川・
埼玉 各1%
岩手県
宮城県
宮城県14%
東京都
神奈川県
宮城県
11%
埼玉県
岩手県85%
宿泊客の53%が近圏
日帰客の96%が岩手・宮城
岩手県
宮城県
埼玉県
神奈川県
東京都
★宿泊も日帰りも多い近圏マーケットを重視する
6
○年齢
各年代層が幅広く来訪している
・60歳以上より20~40代が多い
・50代が最多で70代以上は比較的少ない
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
20歳未満
20代
30代
系列1
40代
50代
系列2
系列3
60代
70代以上
20歳未満 8%
20代 15%
30代 17%
40代 18%
50代 22%
60代 14%
70代
5%
30‐50代
約6割
○エリア別で最も多い来訪者の年齢層は、
【東北】 岩手県は40~50代、宮城県は20代
【首都圏】東京都・埼玉県は30代、神奈川県は50代
★20・30代のニーズ・満足度を把握し、リピート率をあげる
7
○交通手段
高速バス
4%
レンタカー
9%
貸切バス3%
路線バス1%
自家用車・レンタカーで
市内移動する層が7割
自家用車
60%
来訪者の約3割が、
遠野市内での
二次交通が必要
電車
23%
自家用車
電車
レンタカー
高速バス
貸切バス
路線バス
★来訪者の約3割に市内の移動支援サービスが必要
★特に電車での来訪者向けの移動サービスを開発する
8
○宿泊日数
○来訪目的
帰省
ビジネス 10%
7%
3泊以上
16%
2泊 20%
1泊 64%
1泊
2泊
観光 83%
3泊以上
○平成25年度
○観光消費額(市内)
・来訪客平均
9,869円
・宿泊客平均 13,328円
・日帰り
4,462円
1
2
3
市内観光消費額
・算式: 9,869円 × 1,796,773人
・算式:13,328円 ×
95,684人
観光消費額
177億円
宿泊客の観光消費額 12.7億円
(全体の7%)
9
○来訪回数
・リピーター比率は54%
・10回以上が2割 ※
※但し、ビジネス客・帰省客が17%
帰省・ビジネス客を差し引くと
リピーター比率は44%
観光目的の5回以上が12.5%
10回以上
21%
3~9回
初訪問46%
18% 2回目
15%
1回
2回
3~9回
10回
○エリア別リピーター率(上位5県)
【東北】 岩手県85% 宮城県57%
【首都圏】 東京都44% 神奈川県39% 埼玉県37%
★東北の近圏(岩手・宮城)のリピート率が高い
★このマーケットで遠野観光の基礎消費を支える方策が鍵
10
○遠野を訪ねようと思った「きっかけ」
第1位 カッパ・ザシキワラシに会いに
第2位 以前来て、良かった
17%
14%
第3位 前から一度来たかった
第4位 『遠野物語』を読んで
第5位 知人・友人のすすめ(口コミ)
11%
11%
8%
第6位 団体旅行の行程に含まれていた
第7位 旅行パンフレットを見て
第8位 雑誌・新聞を見て
4%
4%
4%
★河童や座敷童子に会いに来た人たちは、満足したのか?
★河童や座敷童子に会える仕掛けや仕組みを開発する
11
■2.来訪者満足度調査「結果」
12
○来訪者満足度(総合)
やや不満 どちらでもない
・不満1% 7%
やや満足
21%
大変満足
24%
満足 49%
大変満足+満足が73%
1
2
3
4
5
総合満足度
ランキング
第1位 景観・雰囲気
第2位 スタッフ対応
第3位 住民対応
第4位 観光文化施設
第5位 食事
第6位 情報・案内
第7位
第8位
第9位
買い物
宿泊施設
費用負担
来訪者満足は、必ずしも高いとはいえない
特に宿泊施設の満足度が低いことが課題
13
○満足度の順位
初回来訪者
リピーター(2~5回)
第1位 景観・雰囲気
第2位 観光・文化施設
第3位 スタッフ対応
第1位 景観・雰囲気
第2位 スタッフ対応
第3位 住民対応
第4位 住民対応
第5位 情報・案内
第6位 食事
第4位 観光文化施設
第5位 食事
第6位 情報・案内
第7位 宿泊施設
第8位 買い物
第9位 費用負担
第7位
第8位
第9位
買い物
費用負担
宿泊施設
14
■3.市場環境調査「結果」
15
○岩手県内の観光地認知度・来訪意向
認知度ランキング
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
盛岡市
平泉町
花巻市
遠野市
一関市
90.4%
85.0%
81.8%
74.5%
74.4%
来訪未経験者の
来訪意向
77%
来訪経験者の
再来訪意向
74%
16
○遠野のイメージ
あてはまる
あてはまらない
79.9
1.『遠野物語』の世界(n=373)
2.カッパやざしきわらしなどがいる不思議な世界
(n=373)
20.1
86.3
13.7
3.語り部の昔話を聞ける(n=373)
78.6
21.4
4.曲り家など日本の伝統的家屋がある(n=373)
78.8
21.2
81.0
5.日本の農村風景が今も残っている(n=373)
19.0
92.0
6.自然が豊かである(n=373)
8.0
59.0
7.宮沢賢治の銀河鉄道のイメージである(n=373)
41.0
38.1
8.SL銀河が運行している(n=373)
9.しし踊りや神楽など郷土芸能が盛んである
(n=373)
61.9
39.7
60.3
29.8
10.水木しげるの遠野物語の世界(n=373)
70.2
50.9
11.映画やドラマのロケ地になっている(n=373)
49.1
28.7
12.テレビコマーシャルでよく見る(n=373)
71.3
35.7
13.良くテレビで取り上げられている(n=373)
64.3
14.どぶろく特区で有名(n=373)
20.9
79.1
15.ジンギスカンが有名(n=373)
20.1
79.9
33.2
16.郷土食はひっつみ(n=373)
17.けいらん、かねなり、やきもちなど団子が多い
(n=373)
17.7
82.3
38.9
18.早池峰山がある(n=373)
19.馬の里で馬に乗れる(n=373)
66.8
19.0
61.1
81.0
17
○遠野市内「観光資源」の認知度
●2人に1人が知っている
第1位 カッパ淵
・・・・・・ 59.2%
●3人に1人が知っている
第2位 遠野ふるさと村
・・・・・・ 34.9%
第3位 南部曲り屋千葉家
・・・・・・ 32.7%
●4人に1人が知っている
第4位 語り部の「昔話」
・・・・・・ 26.0%
●5人に1人が知っている
第5位 遠野市立博物館
・・・・・・ 21.2%
第6位 伝承園
・・・・・・ 19.8%
第6位 風の丘
・・・・・・ 19.8%
第8位 『遠野物語』ゆかりの地めぐり ・・ 19.6%
第9位 遠野昔話の館
・・・・・・ 19.5%
第10位 めがね橋
・・・・・・ 19.3%
第11位 早池峰山・登山
・・・・・・ 17.7%
第12位 捕獲許可証など河童グッズ ・・・ 17.4%
18
○行ってみたいと思う遠野の「観光資源」
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第6位
第6位
第8位
第9位
第9位
第11位
第12位
第13位
第13位
カッパ淵
・・・・・・ 25.3%
遠野ふるさと村
・・・・・・ 15.8%
郷土料理を食べる
・・・・・・ 13.0%
ジンギスカンを食べる
・・・・・・ 11.8%
遠野「風の丘」
・・・・・・ 11.0%
南部曲り屋千葉家
・・・・・・ 10.6%
SL銀河をみる
・・・・・・ 10.6%
遠野市立博物館
・・・・・・ 8.8%
とおの物語の館
・・・・・・ 8.6%
遠野納涼花火まつり
・・・・・・ 8.6%
『遠野物語』ゆかりの地めぐり ・・・・ 8.0%
伝承園
・・・・・ 7.2%
語り部の昔話
・・・・・ 7.0%
野菜や魚など新鮮な食材を買う ・・ 7.0%
19
○観光資源の認知度と来訪意向の相関
高 認
知
度
×
河童の かっぱ淵
世界観
景観と雰囲気
×千葉家
×ふるさと村
低
来訪意向(要因)
高
×語り部「昔話」
×市立博物館
×伝承園 ×風の丘
『食』(買物含む)が
来訪意向の高い要因に
食
×ジンギスカン
×郷土料理
低
20
調査データから検討すべきこと
A:来訪者の
実像を知る
B:来訪者の
満足度を知る
C:未来訪者の
ニーズを知る
A①全体の観光戦略を立案する
A②顧客の細分化を図り顧客カテゴリー
毎に打つべき手(事業)を立案する
B①顧客満足の源泉を磨く
B②顧客不満足点を改善する
C①新たな顧客を探す
C②地域のどの価値をどう高めるかを
決める
21
A①
観光戦略の立案
A②
来訪者の細部化
単価 × 人数 = 観光消費額
どの数字をどう向上させるか
優先順位と資源配分 議論が必要
年代層・性別・居住地・嗜好・来訪形態
★注目★ 近圏マーケット/20・30代
B①
来訪者満足の源泉
景観と雰囲気 おもてなし(人)
B②
不満足点の改善
重要:食・買物・宿の魅力(品質)向上
C①
新たな顧客の創造
例:近圏(岩手・宮城)×20~30代
C②
地域の価値を高める
景観・雰囲気の質的向上
河童・座敷童子に会える新コンテンツ
22
平成27年度以降の取り組みの必要性
• 課題の「見える化」に一歩近づいた。この動きを止めないために行うべきこと
• ターゲットを的確にとらえた事業の実施
• 事業者自らがデータを活用した誘客に取り
組む姿勢へ移行「待ち」の営業から「呼び込
む」営業体制へ成長が必要
• 宿泊施設・観光施設・市民の連携をサポート
する機能検討やコーディネーターなど人材の
育成が必要
23
ターゲットを的確にとらえた事業の実施
• マーケティングデータの活用方法として、例えば広告宣伝の
手法を考えると、マーケティングデータをより詳しく分析する
ことで、観光プロモーションの範囲や手法など実施方法が変
化する可能性がある。
• 顧客のニーズは変化しやすい。変化に柔軟に対応できる仕
組みづくりを考えるためにも定期的な評価ができるマーケテ
ィングデータは必要である。
• 予算の削減や人材不足等の課題がある。今後最少投資で
最大の効果が得られるようマーケティングは必要。
• PDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルを回すためにも
、マーケティングは重要である。
24
「待ち」の営業から「呼びこむ」営業へ
• マーケティングデータから多様なニーズがあることを把握する
ことができた。行政だけに頼った営業体制では、個々の事
業者の収入増加にはつながらない。
• 自らが積極的に販路拡大をするための支援策等を活用し、
民間も積極的に誘客しなければ、どんどん取り残されていく
。
•
(小規模事業者持続化補助金、いわて希望ファンドなど)
• 観光施設・宿泊施設・市民グループのそれぞれの得意分野
を活かした活発な活動が遠野の観光まちづくりの実現につ
ながる。
25
連携をサポートする機能コーディネーターとなる人材の育成
• 観光施設・宿泊施設・市民グループ等の活動を支援しなが
ら、遠野の観光をトータルコーディネートする機能を持たなけ
れば、観光産業は成り立たない。そのため連携をサポートす
る機能を持つことやコーディネーターとして専門知識を有す
る人材を複数人育成する必要があるのではないか。
• こうした機能(又はコーディネーター)は、広告宣伝活動・観
光客誘致・ツアー企画・顧客満足度の向上・経済波及効果
等を考えながら、遠野市の観光推進を図る役割を担う。
26
遠野市の観光産業を盛り上げるため、
行政、市民、民間企業、団体が一体
となった取り組みを一緒に考えましょう
27