2010 年 電子情報通信学会総合大会 C-2-125 理想的なソフトウェア無線に向けた OFDM 受信機の研究 Study of an OFDM Receivers for an Ideal Software Defined Radio 猪又稔 並木達也 Minoru Inomata Tatsuya Namiki 治田貴文 村口正弘 Takafumi Haruta Masahiro Muraguchi 東京理科大学 Tokyo University of Science 1 . はじめに RF サンプリングを行う理想的なソフトウェア無線の実 現のため、我々は RF 直交アンダーサンプリングを提案し ている。しかし本方式を OFDM 受信機に応用する場合に おいては、送信フィルタの影響下でも搬送波を正しい位置 でサンプリングするための周波数同期回路、シンボル同期 回路及び位相トラッキング回路の連携が必須である。本稿 は、本方式において必要となる周波数位相同期手法を提案 する。さらに、システム検証として OFDM 方式に対応し た受信機を FPGA を用いて試作し、良好な結果が得られた ので報告する。 図3 サンプリング周波数が高いとき 図 4 サンプリング周波数が低いとき (2)周波数微調整回路 2 .受信機の構成 提案する OFDM 受信機を図 1 に示す。 図 5 周波数微調整回路 プリアンブル部の繰り返し信号を用いて周波数の微調整を 行う。受信した Ich,Qch と 1 シンボル遅延させた信号の複 素共役とを乗算しアークタンジェントを取る。この信号を フィードバックすることで狭範囲の周波数引込みをする。 4.FPGA による実機検証 図 1 提案する OFDM 受信機の構成 RF 直交アンダーサンプリング fs=4fc/(4k+1)を用いると変 調波から直接 Ich,Qch の信号を得ることができる。OFDM 変調波からデータを取り出す際には周波数同期、シンボル 同期、位相トラッキングが必要となるが本報告では周波数 同期回路の説明をする。 搬送波周波数 fc=250[MHz]のとき、初期サンプリング周 波数 40.04[MHz](0.1%の周波数ずれ)として実機検証した。 図 6 に観測したコンステレーションを示す。 3.周波数同期回路 (1)周波数粗調整回路 図 6 再生された 16QAM コンステレーション 図 6 よりコンステレーションが理想点に引込めているこ とから正確な周波数 40[MHz]に引き込み、データ再生が正 しく行われたことがわかる。 5 .おわりに 図 2 周波数粗調整回路 周波数粗調整回路の①∼④における出力を図 3,4 に示す。 まず、受信信号とそれに対して位相差θをもった信号を S/H した後 2 値化する。この信号を D-FF に入力することで サンプリング周波数の高低を判別出来る。また、④の信号 は周波数差に比例しているため、これを積分器のクロック に用いることで周波数差に応じた出力を得られる。この積 分器出力をフィードバックさせることで広範囲の周波数引 込みを行う。 2010/3/16 〜 19 仙台市 本報告では、RF 直交アンダーサンプリングに適した周 波数位相同期手法を提案した。さらに、FPGA で実機検証 を行い実現可能であることを確認した。 参考文献 [1] IEEE 802.11-1999 : Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer specifications (PHY): Highspeed Physical Layer in the 5GHz Band 168 (エレクトロニクス講演論文集1) Copyright © 2010 IEICE
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