H27 全校朝会の話 No.15 さるかに合戦 ~昔話を読んでみよう~ 2015.10.19 校長 西谷 秀幸 先 週は 、 5~ 6年 生 の陸 上 記録 会 があ りま し た。 練 習よ り記 録 が出 せ なか った 人 もいれ ば 、 自分 の 最高 記録 を 出せ た 人も い ます 。大 事 なこ と は、 勝っ て も負 け ても 全力 で 取り組 む こと です。 陸 上記 録 会は 、2 年 に一 度 です か ら、 次回 は 、今 の 3~ 4年 生 が5 ~ 6年 生に な ったと き に 行 わ れ ま す 。 ま だ 先 の 話 で す が 、「 ス ポ ー ツ の 秋 」 で も あ り ま す か ら 、 1 日 1 時 間 は 外 で走 ったり 遊ん だりし てみ ましょ う。 ま た、 先 週は 1年 生 が挨 拶 運動 を がん ばり ま した 。 青門 では 、 通り か かっ た人 に も挨拶 を して います ね。 そうし たら、「(子供 たちの 元気 な挨拶 は) 朝から 元気 をもら いま した。 あ り が と う ご ざ い ま す 。」 と 声 を か け て い た だ き ま し た 。 こ れ は 、 校 長 先 生 が 板 八 小 に 来 て から 初めて のこ とです 。と ても嬉 しい ですね 。 挨拶 運動は 終わ りまし たが 、今週 も気 持ちの よい挨 拶を 続けて いき ましょ う。 さて、みな さんは「さ るかに 合戦」とい う話を 知っ ていま すか。 「 さる かにば なし 」とい う題 名にな って いるこ ともあ りま す。 カニがおにぎりを持って歩いていると、ずる賢いサルが「種を 植えれば柿がたくさんなって得をする」と言ったので、カニはお にぎりと柿の種を交換します。そしてカニは、一生懸命、水をや り、柿の木の世話をしました。しかし、やっと実がなったところ で 、 サル が その 実を 横 取り し 、カ ニ は青 い渋 柿 をぶ つ けら れて 死 んで し まう ので す 。そこ で 、カニ の子供 たち が「 蜂、栗 、臼」な どと 力を合 わせ てサル を懲ら しめ るとい う話 です。 この 話は、 「 仕返し をする 話」ですね 。しかし 、昔話 を研究 した人 によ ると、た だの「仕 返 しの 話」だ けで なく、 もっ と深い 意味 もある そうな ので す。 カニ は柿の 木に、い つも欠 かさ ず水を やっ たり、一生 懸命 肥料を やっ たりし て育 てます 。 し か し、 や っと 実を つ ける よ うに な った 時に 、 サル が 横か ら出 て きて 、 カニ がや っ た仕事 の 成 果 を 横 取 り し て し ま い ま す 。 サ ル の よ う に 、「 何 も し な い で い い と こ ろ だ け 横 取 り す る のは ダメだ よ」 という 話で もある のだ そうで す。 この 話には 、もの を作 り、育 てて きた人 たち の思い や願 いも込 めら れてい ます。昔話 は、 長 い 間人 々 に語 り継 が れて き た話 な ので 、そ の 時代 の 人た ちの い ろい ろ な思 いや 願 いが詰 ま って いるの です 。 そ こ で み な さ ん 、「 こ の 昔 話 に は 、 昔 の 人 の ど ん な 願 い が 込 め ら れ て い る の だ ろ う ? 」 そ ん な風 に 思っ て、 改 めて 昔 話を 読 んで みま せ んか 。 高学 年の 皆 さん も 、別 の角 度 から読 ん でみ ると今 まで と違っ た発 見があ りま すよ。 板 八小 で は、 今週 ま で「 読 書旬 間 」で す。 今 週も 1 冊で も多 く 本を 読 んで みま し ょう。 楽 しい 世界が 待っ ていま すよ 。 これで朝会の話を終わります。 (裏面に「先生方へ」があります) 〈先生方へ〉 先 週 は 、陸 上 記 録 会 、土 曜 授 業 、道 徳 公 開 な ど 、諸 行 事 を あ り が と う ご ざ い ま し た 。 職員朝会でもお伝えしましたが、先日、1年生と東門(青門)で挨拶運動をしてい た と こ ろ 、 通 り か か っ た 方 に 「( 子 供 た ち の 元 気 な 挨 拶 は ) 朝 か ら 元 気 を も ら い ま し た 。 あ り が と う ご ざ い ま し た 。」 と 声 を か け て い た だ き ま し た 。 こ れ は 、 私 が 着 任 し てきてから初めてのことです。今回の1年生の挨拶だけでなく、これまでの長きに渡 る子供たちの活動の成果の現れとも言えます。 また、確定はしていませんが、現段階では、新1年生が38名ということで、2学 級になる可能性があります。これも子供たちと教職員の皆さんの努力の賜です。 今 週 は 教 育 実 習 の 最 終 週 で も あ り ま す 。未 来 の 教 員 を 私 た ち が 育 て て い き ま し ょ う 。 よろしくお願いします。 さて、先週からの読書旬間にちなみ、今回は昔話の「さるかに合戦」を取り上げま し た 。こ れ は 、因 果 応 報 、仕 返 し の 話 と 思 わ れ て い ま す が 、違 う 意 味 も あ る よ う で す 。 「 人 の 成 果 を 横 取 り し な い 」「 お い し い と こ ろ だ け を 持 っ て い か な い 」 そ ん な 意 味 合 いがあるのです。子供たちの実態に合わせてご指導ください。 読書離れが進んでいると言われていますが、子供たちだけでなく、大人も例外では ありません。しかし、面白い本に出会ったり、趣味合う本を見付けたりするなど、ち ょっとしたきっかけで読書好きになることがあります。ですから、私たち大人が子供 たちに読書の楽しさを機会があるごとに知らせていただければと思います。読書は、 心を豊かにします。知識を広げます。想像力を高めます。物語でも、ノンフィクショ ンでも何でもいいので、とにかく本を読む子を育てたいですね。 なお、本の「読み聞かせ」は様々な効果があります。国語の授業の初めや終わりの 5 分 、 授 業 の 隙 間 の 時 間 な ど に 、「 読 み 聞 か せ 」 を 続 け る の も い い と 思 い ま す 。 す で に 実 践 さ れ て い る 先 生 も い ま す が 、中 休 み や 昼 休 み 終 了 後 、早 く 戻 っ て き た 児 童 に「 読 み 聞 か せ 」 を す る こ と で 、 子 供 が 次 の 学 習 に 集 中 し て 取 り 組 め る と と も に 、「 早 く 戻 っ て く る と 得 を す る 」 と い う 意 識 を も た せ る こ と が で き ま す 。「 読 み 聞 か せ 」 は 、 低 学年だけでなく、高学年においても有効です。 ぜひ、クラスごとに何らかの取組をしてみてください。よろしくお願いします。 【資料1】 さるかに合戦について 近 代 日 本 を 代 表 す る 小 説 家 で あ る 芥 川 龍 之 介 は 、蟹 達 が 親 の 敵 の 猿 を 討 っ た 後 、 逮 捕 さ れ て 死 刑 に 処 せ ら れ る と い う 短 編 小 説 を 書 い て い る( 題 名 は「 猿 蟹 合 戦 」)。 また、1887年に教科書に掲載された「さるかに合戦」には栗ではなく卵が登 場、爆発することで猿を攻撃している。また、牛糞の代わりに昆布が仲間に加わ って猿を滑って転ばせる役割を果たしている。 地域によってタイトルや登場キャラクター、細部の内容などは違った部分は持 ちつつも似たような話が各地に伝わっており、たとえば関西地域では油などが登 場するバージョンの昔話も存在する。 【資料2】 あらすじ(地方により諸説あり) 蟹がおにぎりを持って歩いていると、ずる賢い猿が拾った柿の種と交換しよう と言ってきた。蟹は最初は嫌がったが、種を植えれば成長して柿がたくさんなっ てずっと得すると猿が言ったので蟹はおにぎりとその柿の種を交換した。 蟹はさっそく家に帰って「早く芽をだせ柿の種、出さなきゃ鋏で…」と歌いな がらその種を植えると一気に成長して柿がたくさんなった。そこへ猿がやって来 て柿が取れない蟹の代わりに自分が取ってあげようと木に登ったが、ずる賢い猿 は自分が食べるだけで蟹には全然やらない。蟹が早くくれと言うと猿は青くて硬 い柿の実を蟹に投げつけ、蟹はそのショックで子供を産むと死んでしまった。 その子供の蟹達は親の敵を討とうと、栗と臼と蜂と牛糞と共に敵討ちの算段を する。栗は囲炉裏の中に隠れ、蜂は水桶の中に隠れ、牛糞は土間に隠れ、臼は屋 根に隠れた。そして猿が家に戻って来て囲炉裏で身体を暖めようとすると栗が体 当 た り を し て 猿 は 火 傷 を 負 い 、急 い で 水 で 冷 や そ う と 水 桶 に 近 づ く と 蜂 に 刺 さ れ 、 吃驚して家から逃げようとして牛糞に滑り転倒、屋根から臼が落ちてきて猿は潰 れて死に、見事子供の蟹達は親の敵を討った。 なお、昭和末期以降は蟹や猿は怪我をする程度で、猿は反省して平和にくらす と改作されたものが多く出回る。これは「敵討ちは残酷で子供の教育上問題があ る」という意見のためである。しかし、本来の内容を復活させるべきという声も 多く上がっている。タイトルが「さるかに話」などといったものに変更されてい る場合や牛糞が登場しない場合もある。
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