朝会の話 さるかに合戦 251021 村松 わたしは、今年の4月、最初の朝会で「桃太郎と3つの力」という話をしました。みな さん、覚えていますか。 このような昔話は、長い間人々に語り継がれてきた話なので、その時代の人々の願いや 思いが込められています。 さて、みなさんは「さるかに合戦」という話を知 っていますか。カニが一生懸命柿の木の世話をしま す。やっと実がなったところで、サルがその実を横 取りして、カニにまだ青い渋柿をぶつけて大けがを させます。それを知った「蜂、栗、臼」などが力を 合わせてサルを懲らしめるという話です。 この話は、「敵討ち」の話、仕返しの話と思うでしょうが、本当はちがうのです。 昔話を研究した人によると、仕返しの話というよりももっと深い心、意味があるという のです。 それは、カニが柿の木に、いつも欠かさず水をやったり、一生懸命肥料をやったりして 育てます。やっと実をつけるようになったその時に、サルが横から出てきて、カニがやっ た仕事の成果を横取りしてしまいます。サルのように、何もしないでいいところだけ「横 取りするのはダメだよ」という話なのです。 またこの話には、ものを作り育ててきた人たちの思いや願いが込められているのですね。 そこでみなさん、「昔話には、昔の人のどんな願いが込められているのだろう?」そう 思って昔話を読んでみませんか。今までとちがった発見があると思いますよ。 季節は、読書の秋です。11月は十四小の読書月間も始まります。是非、一冊でも多く 本を読んでみませんか。楽しい世界が待っていますよ。 これで朝会の話を終わります。 <裏面に「先生方へ」があります> <先生方へ> 運動会も無事終わり、教室での学習に集中できる時期です。ただ、学校公開週間も来週 にせまり、また学習発表会まであと1ヶ月だと思うと、少々気が重くなるのも事実ですね。 ただ、お互いの仕事分担をはっきりさせて、分担された仕事をしっかりとやりきるように すれば、うまく進んでいきます。自分の仕事を先延ばしにせず、期限までにきちんとやり きる、これを心がけると精神的にすごく楽になります。実行してみてください。 さて、11月からの読書月間にちなんで、4月の桃太郎に続いて、「さるかに合戦」を とりあげました。これは仕返しの話と思われていますが、本当は違うようです。人の成果 を横取りしない、おいしいところだけを持っていかない、そんな意味合いがあるようです。 子供たちの実態に合わせてご指導ください。 読書離れが進んでいるようです。子供たちだけでなく、大人も例外ではありませんね。 ただ、おもしろい本に出会った、自分の趣味にあう本をみつけたなど、ちょっとしたきっ かけで読書好きになることがよくあります。ですから、子供たちに読書の楽しさを折りに ふれて知らせていただければと思います。 読書は、心を豊かにします。知識を広げます。想像力を高めます。物語でも、ノンフィ クションでも何でもいいので、とにかく本を読む子を育てたいですね。 私の経験では、本の読み聞かせは効果があります。国語の授業の終わり5分などで、読 み聞かせを続けるのもいいと思います。是非クラスごとに何らかの取組をしてみてくださ い。よろしくお願いいたします。 <参 考:ウィキペディアから> 近代日本を代表する小説家である芥川龍之介は蟹達が、親の敵の猿を討った後、逮捕さ れて死刑に処せられるという短編小説を書いている(題名は『猿蟹合戦』となっている)。 また、1887年に教科書に掲載された『さるかに合戦』にはクリではなく卵が登場、 爆発することでサルを攻撃している。また、牛糞の代わりに昆布が仲間に加わってサルを 滑って転ばせる役割を果たしている。 地域によってタイトルや登場キャラクター、細部の内容などは違った部分は持ちつつも 似たような話が各地に伝わっており、たとえば関西地域では油などが登場するバージョン の昔話も存在する。
© Copyright 2024 Paperzz