高級不動産を購入

著しい経済発展に伴い、世界中の関心が
集まっている中国。社会主義の国ですが、
改革の進行に伴い建物の個人所有が認めら
れるようになり、外国人が中国の物件を投
資用に購入する例も少なくありません。
そこで今回は、日本人が大連で住宅を購
入するにあたっての中国サイドでの手順や
注意点をレポートいたします。
で
の 不動産
1.住宅に関する中国の政策
1999年までの中国の住宅は、原則として国、若しくは会社が建設し従業員に割り
当てるもので所有権がありませんでした。それが政策転換によって、住宅は自分自身
で調達するものに変わり、売買も活発に行われるようになってきました。昨年は、住
宅を投機目的で買う人が増え価格が高騰したため、政府は過熱を抑えようと短期売買
や銀行融資に制限をかける事態にまでなりました。それでも大連の住宅価格は、夏と
秋の住宅販売会での平均販売価格で比較して15.8%上昇しています。
大連
投資
2.物件購入について
物件の選定については、日本とほとんど変わりません。仲介業者などを通じて物件
に目星を付け、現地確認を行った後、契約を締結します。しかしながら日本とは違う
国ですから、日本の感覚で考えていると問題が起こりがちです。よくあるトラブルと
法律上の注意点をいくつかあげておきます。
3.よくあるトラブル
①詐欺に会う
所有者でもない人が自分のもののように見せかけ、販売代金を受け取る詐欺の
話はよく聞かれます。中には販売会社の担当と役所の担当が手を組んで権利証ま
で発行して騙す場合もあるので、かなり手が込んでいます。仲介業者にしても
様々ですので、信用できるまで内容を確認するようにしましょう。
②建物が完成しない
ここ大連では、建設途中で資金繰りがショートし、工事がストップしている例
が多々あります。建設資金を販売代金に頼っていることも多いので、販売が順調
にいかないと途中から工事代金を払えなくなるのです。そうなると購入代金は支
払ったものの入居できないことになりかねません。開発業者の現地の評判等は聞
いておいたほうがよいと思います。
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③暖房が供給されない
大連のマンションの暖房設備
は、一般的に全館暖房になって
います。全館暖房は水道管の凍
結を防ぐ点ではよいのですが、
ある程度の入居者が入らないと
暖房供給会社の採算が合わず、
供給会社が暖房の供給を始めな
いということがあるので、販売
状況にも注意が必要です。
④契約書の中身が実態と違う
中国の権利証(右の物件内容表示には土地使用期間の
中古物件の例ですが、売主の
記入欄があるが未記入のものが多い)
売却代金にかかる税金を安く抑
えるために、売主や仲介業者から売買契約書の金額を実際の金額より低く記入す
るように要求されることがあります。契約書の金額は人民元への両替金額や売却
時の利益算定の根拠となるものですから、言われるままにしていると、必要額よ
り少なくしか両替できなかったり、売却時の譲渡益が実際より多く計算され、税
金を多く支払わなければならなかったりします。
⑤内装工事にはマンション管理会社の許可がいる場合がある
中国のほとんどの新築マンションは、内装工事が施されていない状態で販売さ
れます。そのため、内装工事は自分で手配する必要がありますが、この際、部屋
の間取りや暖房施設の配置を換えるならば、管理組合の許可が必要となります。
中古で購入する際も、過去の内装工事が許可を取って行われているか確認してお
かないと、無許可が発覚した際に責任が自分にふりかかる場合があります。
4.法律上の注意点
ここで注意したいのは、人民元についての規制です。購入代金は一般的に日本から
円で送金し、現地で人民元に両替して支払います。この両替の際、売買契約書による
資金使途の確認、さらに通常は外貨管理局の許可が必要になります。もし正規の手続
を経ずに両替した資金で支払いを行えば、後日物件を売却することになった場合に、
売却代金
(人民元)
を円に両替して日本へ送り返せない事態が発生しますので注意が必
要です。
5.マンションの敷地について
中国の土地は国有ですから、マンション購入といっても敷地となる土地については
使用権が与えられているかたちとなります。一般的には住宅の場合は70年の契約
(商業施設は40年)です。これは建物が建設されたときから計算されますので、中古
の場合は既に使用された年数は引かれます。期間満了後については、まだ実際の事例
が発生していないので確かではありませんが、いくらかの使用料を支払い、更新され
るとの予想が一般的です。
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6.大連の人気地区
市内で最も住宅価格が高いのは、市南西部にある星海広場の辺りです。ここは、こ
れから開発が進むとされている旅順への通り道でもあり、海が近く景色も綺麗なため
高級マンションが立ち並んでいます。また、大型商業施設が集中する沙河口区は、今
もっとも賑やかな地域であり、その他、小中学校の教育水準が高い地区も人気があり
ます。市東部の中山区も現在はオフィスビルが立ち並んでいますが、近い将来、大連
港が郊外に移転する計画があるので、その後の再開発の動向次第では、更に賑やかに
なるかも知れません。
また、大連市自体、東北3省の玄関口として経済が発展しており、気候も内陸に比
べると過ごしやすいため、中国内でも大連に住みたいという人は多く
(2005年中国ベ
スト商業都市第4位)
、郊外も物色の対象になりつつあります。
7.最後に
まだまだ熱い不動産市場ですが、昨年までの強気一辺倒とは違い、一部には高値警
戒感が出てきています。大連市内の新築マンション販売価格は平均60万元
(約850万
円)
以上と平均年収の約28倍になり、住むにしろ投資するにしろ庶民にはなかなか手
の届くものではなくなりました。また、住宅販売価格の上昇に比べると家賃の上昇率
は低く、賃貸での投資資金回収が困難となっていることを考えると実体以上の価格に
なっているといえます。
ただ、バブルとしてはじけるかというとそうとも断言はできません。高成長が続く
中国では、富裕層が大きな力を持っています。この富裕層の購買力増加と都市部への
人口流入による需要増を考えると、このまま価格上昇が続くシナリオも考えられます。
これからの不動産投資には、今まで以上の市場動向の観察と、場所や物件に対する慎
重な選択が必要と思われます。
最近建設されたマンション群
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