糸状菌gDNA上の特定遺伝子コロニーダイレクトPCR検出/日本語

Application Note 2013〈01〉
お客様からの製品フィードバック
製 品 名 : KAPA3G
Plant PCRキット
メ ー カ ー 名 : KAPA BIOSYSTEMS 社
アプリケーション : 増幅が困難な糸状菌ゲノムDNA上の特定遺伝子の
コロニーダイレクトPCR検出
下記のデータは 福島大学大学院 共生システム理工学研究科 杉森研究室 平野佳孝様、准教授 杉森大助様のご厚意により掲載
させていただきました。
実験条件
糸状菌ゲノムDNA上の特定遺伝子について、糸状菌のコロニーダイレクトPCRでの検出を試みました。
■ PCR反応組成(50μl反応)
• KAPA Plant PCR buffer(1x)
• Forward Primer(0.3μM)
• Reverse Primer(0.3μM)
• KAPA3G Plant DNA Pol.(1U)
• DNA Template(≦10ng,or crude sample*)
• KAPA Plant PCR Enhancer(1x)
■ サイクルプログラム
• 95℃ 5min.
• 95℃ 20sec.
• 58℃ 15sec.
30サイクル
• 72℃ 30sec.
• 72℃ 30sec.
• 4℃
∞
*プレート上に生育した糸状菌コロニーを滅菌チップで採取し、PCR反応液に直接添加
結 果
M 1
2
3
M : マーカー
1 : 糸状菌コロニーサンプル
2 : ネガティブコントロール*
*糸状菌コロニーサンプル(センスプライマーのみ添加)
3 : ネガティブコントロール*
*糸状菌コロニーサンプル(アンチセンスプライマーのみ添加)
4 : ポジティブコントロール
(目的遺伝子が導入された精製プラスミドを鋳型として使用)
4
約800bp
以前、他社ポリメラーゼを用いて糸状菌菌糸からのダイレクトPCRを試
みましたが、その時は特異的な増幅は見られませんでした。
その 後、精製ゲノムに対して細かなP CR条 件(アニーリング温 度、ス
テップ 数、サイクル 数 )の 検 討 を 行ったことで、ようやく目的 バ ンド
(800 bp)の増幅に成功しました。
(データ未掲載)
今回、KAPA3G Plant PCRキットを用い、糸状菌コロニーからのダイ
レクトPCRで、特に条件の検討(グラジエントPCR等)を行うことなく
目的のバンドの増幅に成功しました(左の画像,レーン1)。
<お客様のコメント>
真核生物の遺伝子をターゲットにするのが初めてで、増幅しにくいゲノムでした。
また、ゲノムDNA精製等々の面で苦労していましたため、KAPA3G Plant PCRキットによるコロニーダイレクトPCR検出を試して
みました。
Enhancerを添加したために反応液組成を調製するのが多少面倒でしたが、クルードサンプルに対してもエラーを出さずに正確な
増幅が確認できました。
増幅配列をシーケンシングしたところ、配列のGC含量は52.2%と、そう高くない配列ではありましたが、配列中にはポリA配列を含
むイントロンも存在し、遺伝子が分断された状態でした。
このような複雑な配列でもKAPA3G Plant PCRキットによるダイレクトPCRで増幅できていたものと思われます。
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KAPA2013JAN7250