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<ジェイムス・ヘッドフィールド風連続ダウンピッキングバッキングフレーズ攻略法>
・あなどるなかれダウンピッキング連続だからこそ難しい、その攻略法
メタリカの曲にはとにかく「全てダウンピッキングしないと弾けないリフ」が出てきます。「なんだ、アップピッキングがないから俺にもできそう」なーんて簡単に思っては
いけません。その難しさといったら最高級です。何しろまずテンポが200
近い曲ばかりなのですから。テンポ200で全部ダウンピッキングっていうことは空振りのアップピッキング
をしていると想定すると、ポール・ギルバート並みのピッキング技術がないと対応できません。メタリカのライブビデオやインタビューをチェックしましたが、リード・ギタリスト
のカーク・ハメットはこの「連続ダウン・ピッキング」をどうやら苦手としていると思われます。レコーディングでもバッキングギターは「ボーカル」のジェイムス・ヘッド
フィールドが担当しています。関連した話ですが、メガデスというバンドも似たような現象が起きていてバッキングギターはボーカルのデイブ・ムステインが担当していて、
リード・ギターのマーティー・フリードマンはミュートしたフレーズを苦手としているようです。(これはマーティーのピッキング・フォームによる所が大きいですが)
それだけこの「連続ダウンピッキング」というのは難しいのです。しかも、譜例の1小節目の4拍目に注目して下さい。なんと、たまに「オルタネイト・ピッキング」による
16分音符が出てきているではありませんか!このように連続のダウン・ピッキングフレーズの中に一瞬だけオルタネイトによる16分を入れるとフレーズにスピード感が生まれます。
これはリッチー・ブラックモアも得意としている技術ですが、ジェイムス・ヘッドフィールドのそれは殆ど常識外のスピードで畳み掛けるように襲い掛かってきます。
またジェイムスは意外と変拍子も多用します。このスピード感で曲によっては8分の7拍子で演奏したりする事もあります。そして最後の肝は「曲が結構長い事」です。
一曲と通してこのプレイを「持続し」、しかもジェイムス風を完全にものにするのであれば「歌いながら」このフレーズが弾けなければいけません。
僕も学生時代メタリカのコピーバンドをする時は必ず「リードギター」としてではなく、「ボーカリスト」としてライブ等をやりましたが、かなり難しいですよ!
・ヘヴィーメタル風のハーモニーについて
この曲はKey=Emですが、2小節目に着目して下さい。4弦3フレットの音はEmKeyの音ではありません。しかし、メタリカの曲には多くこの「F」の音がKey=Emで多用されます。
これは話が少し難しくなりますが、このリフはKey=Emではなく、Key=Cとして考えて「Eフリジアン・モード」で作ったバッキングであると考えるとつじつまが合うのですが
ジェイムスはそんな事は考えていないと思います。ヘヴィーメタル風のハーモニーが欲しい場合、手っ取り早い方法は「短2度」と「減5度」の音を多用すると良いと思います。
簡単に説明すると、「ド」と、「レ♭」の関係が短2度で、「ド」と「ソ♭」の関係が減5度です。それでもわからん!という方は1フレットの関係が短2度、6フレットの関係
が減5度になります。例えば、5弦3フレットと短2度の関係にある音は5弦4フレット、減5度の関係にある音は5弦9フレットです。簡単ですよね?
他にお奨めの方法は「分数コード」を使用することです。分数コードって何?っていう方はとりあえず6弦の開放弦をズンズン弾きながら1弦∼5弦でコードを動かして
リフを作ってみてください。勿論音色は歪んだギターでですよ!そうすればかなりメタル風な響きが得られると思います。この譜例では省略しましたが、本来2小節目の
3拍目、4拍目のコードネームは「FonE」または「F/E」というコードネームが適切だったと思います。こういうコードの事を分数コードと言います。
・ヘヴィーなリフを弾くときのピックの「弦に当てる角度」について
模範映像を見ていただければ解りますが、このフレーズを弾く時、僕はピックを少し「立てた感じ」にして弦に平行に当てないようにしています。通常のギターソロ
等ではダウン・ピッキングとアップピッキングの粒を揃える為にピックは弦に平行ぎみに当てたほうが良いサウンドが得られますが、ハードなバッキングをする時は
ピックを少し立てて当てると必然的にピックの「角」が弦に当たる形になり、「ジョリッ」としたサウンドが得られます。これがヘヴィ・メタル特有のエッジの効いた
サウンドを生み出すコツです。こういうバッキングは「全てダウンピッキングで」「ピックを少し立てて」弾くからエッジが出てくるのです。決してオルタネイトで演奏
してはいけませんよ!少なくとも若いうちは(笑)
・ジェイムス・ヘッドフィールド関連おすすめ曲
MASTEROFPUPPETS「MASTEROFPUPPETS」
アンド・ジャスティス・フォー・オール「ブラッケンド」
メタリカ(ブラック・アルバム)「スルー・ザ・ネヴァー」