中国中央病院 産婦人科病棟 2016 年 1 月号 VOL.213 新しい生命を迎える新年。皆様が元気に笑顔で過ごせますよう、心からお祈り申し上げます。 昨年は、皆様方に支えられ、約 500 件の分娩に立ち会わせていただきました。また助産外来も約 140 名の方にご利 用いただきました。これからもより一層、患者さま中心の人にやさしい良質の医療を提供できるよう努力を重ねて参 ります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 さて、1 月になり寒さも一層厳しくなっていますが、いかがお過ごしでしょうか? 妊娠中の身体づくりが元気な妊娠生活やお産、産後、育児に大きく影響します。お母さんが積極的にできることとし て体重のコントロールがあります。 「体重コントロール」についてお話していきたいと思います。 そこで今回は *妊娠中の体重増加の内訳 赤ちゃん:約 3kg、 体重コントロールが良好だと 胎盤・羊水:約 1kg、 こんないいことが...♡ 妊娠によって増えた血液・体液など:約 3kg *妊娠高血圧症候群、糖尿病など合併症のリスクが低くなる。 妊娠前の体重によって理想の体重増加は異なります。 *体重が負担になって、膝痛や腰痛になるのを防ぐ。 *みなさんは「BMI」という言葉をご存知ですか? 体格が人によって異なることから BMI を用いて理想体 重を求めます。 BMI の計算方法は母子手帳に記載されていますので参考 にして下さい。 体重コントロールのため には、どうしたらいい? の? *産道などに余分な脂肪がつかず、スムーズなお産につながる。 *代謝があがり、冷え予防になる。→むくみ予防 (結果的に産後のママの身体の回復も早くなる) →スムーズな母乳育児へ移行できる。 ◎妊娠中の理想的な体重増加は 妊娠 15 週(4 ヶ月)まで:0.5~1kg/月程度、 妊娠 28 週(8 か月)以降:0.5kg/週以下 を目安にしましょう☆ ☆生活習慣の改善:まずはご自分の生活を振り返ってみましょう。規則正しい生活ができていますか?妊娠中の体重コント ロールでは自分自身が意識することが大切!毎日体重測定を行い記録するようにしましょう。 ☆食生活の改善:体脂肪になりやすい糖質(スナック菓子や清涼飲料水など)・脂質(バター・脂身の多いお肉など)は 控えましょう。外食はなるべく控え、手作りの料理を心がけましょう。外食の場合は単品(丼ものなど) ではなく、野菜やおみそ汁もある定食の方がおすすめです。調理法も重要!油を使わない蒸し料理や煮 物などメニューを変えるだけでも摂取カロリーを抑えることができます。 またよく噛んで(一口に 30 回程度)ゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され、消化・吸収を助けま す。朝食をきちんととり、夕食時間を早める(就寝の 3 時間前までには済ませる)、間食を控えるなど、 食生活のリズムを整えましょう。 ☆代謝 UP の方法:エネルギー消費の多い筋肉を増やす必要があります。その筋肉は背中に一番多くあり、ゆっくり動かす タイプの運動で鍛えられています。背筋を伸ばすだけでも消費量は UP します。また、腹式呼吸を取り 入れながら、足を大きく開いて太ももをしっかり上げるウォーキングを行うとより一層効果的です。 腹式呼吸は、おなかに空気を取り込んで膨らますように、鼻から息を吸って、ゆっくりおなかから空気 押し出すように、口から息を吐く呼吸法です。 妊娠中は食欲も増し、体重管理も大変ですよね。しかし、健やかな赤ちゃんの成長と安全で自分らしいお産、産後の スムーズな身体の回復のため、できることから始めて継続できるように頑張りましょう。 丌安や分からないことなどあればいつでも相談室をご利用ください。 *母親学級のお知らせ:場所:講堂 AB 13:30~ 産婦人科外来に予約ノートを用意しています。予約なしの参加も可能です。 前期:1 月 6 日(水) 後期:1 月 13 日・27 日(水) 前期:2 月 3 日(水) 後期:2 月 10 日・24 日(水) お間違えのないようにお越しください。 編集担当:中村,上野
© Copyright 2024 Paperzz