感動の風 平成27年5月 - 地域ケアホーム ありがとう

感動の風
平成 27 年 5 月
目 次
『入社3ヶ月』グループホーム 今川 裕加・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
『ご家族との面談』グループホーム 中藤 まゆみ・・・・・・・・・・・・・・・2
『入社して1ヶ月』グループホーム 福場 葉月・・・・・・・・・・・・・・・・3
『慣れ』グループホーム 松井 憲子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
『生きる』ありがとうデイサービス 鈴木 加奈・・・・・・・・・・・・・・・・5
『感謝』ミラクルデイサービス 藤谷 亜由美・・・・・・・・・・・・・・・・・6
『お声かけ』リハビリセンター 下野 洋子・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
『目標』リハビリセンター 瀬良 明子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
『日曜日』リハビリセンター 橋本 晋司・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
『10 年通って…』リハビリセンター 藤井 真弓・・・・・・・・・・・・・・・・9
『お風呂』リハビリセンター 東矢 麻理子・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
『知らぬ間に…』メディケアデイサービス 富貴子・・・・・・・・・・・・ 11
『できない?できる!』メディケアデイサービス 小谷 実希・・・・・・・・・ 12
『ミキサー食』メディケアデイサービス 東 杏奈・・・・・・・・・・・・・・ 13
『笑顔』総合訪問センター 坂居 倫代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
『F様』総合訪問センター 相良 明美・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
『不注意』総合訪問センター 櫻庭 郁枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
『予防事業で』総合訪問センター 野田 和美・・・・・・・・・・・・・・・・ 19
『ヘルニア』総合訪問センター 野田 小百合・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
『委員』総合訪問センター 三宅 咲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
『サ付き』総合訪問センター 矢野 弘恵・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
『ネガティブ・ポジティブ』総合訪問センター 山下 真由・・・・・・・・・・ 25
『Y様』総合訪問センター 渡邉 雅子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
『入社3ヶ月』
グループホーム 今川 裕加
入社して3ヶ月がたちました。
少しずつですが、介護ができるようになってきたと思います。
初めての食事介助を思いだすと、申し訳なく思います。何度も口
をあけて下さいとお願いをしていましたし、横目でチラチラと私の
ことを確認しながら食べて下さっていました。無理に口に入れてし
まうこともあったと思い出されます。
今は私のことを少しですが覚えて下さったのか、目でおいかけて
下さったり、食事介助に入ると、とても大きな口をあけ、笑顔を見
ることも増え、確認しながら食べることができるようになってきた
と思います。
認知症の方は、すぐに忘れてしまうと思っていましたが、毎日少
しでもコミュニケーションがとれ、喜んで頂けることを意識してい
ますが、よく「バカタレ、クソバカタレ。」と怒られていたので、
「そ
うなんです。私バカでこまってるんです。」と話をしていると、ある
日介助に入ると、「あんたはかしこい。かしこい。」と言って下さい
ました。私は本当に驚きました。私のことを少し覚えて下さってい
るのかな?何かつながるケアを感じ、私自身の心があたたまる一言
でした。
私は日々の暮らしにこのような体験をたくさん経験したいと思っ
ているので利用者様との係りを深められる介助ができたらと思いま
す。
1
『ご家族との面談』
グループホーム 中藤 まゆみ
色々な話をしながらケアプランの希望をお聞きしますと、特に具
体的なことがないと言われるので、「自宅に帰るのはどうですか?」
と尋ねると、目を紅くしながら、「亡くなった時に戻るしか考えてい
なかった。」と言われ、涙ぐまれました。
以前、入居していた施設で1度戻ったときに自宅から出ようとせ
ず、大変だったことがあったようで、それ以来考えたこともなかっ
たようでした。
今は、自宅に戻ってもどのように感じるかわかりませんし、自宅
から出ないこともないでしょう。でも、「お互い協力して秋に実現し
ましょう。そのために日々の生活で元気に実現するためにがんばり
ますから…。」と言うと、「お願いします。」と言われました。実現す
るためにも、スタッフと一緒にがんばらなくては…と痛感しました。
今年度のご家族との面談…利用者さんの事はもちろんですが、娘
さま、息子さまの思いや考えや仕事のことなど…色々と話して下さ
います。GHのことを信頼して下さり、私たちとの関係性もより良く
なり、今まで以上に話をして下さることに感謝です。
しっかりとスタッフに伝えていくことの重要性を感じながら面談
に奮闘中。
2
『入社して1ヶ月』
グループホーム 福場 葉月
5月に入って初めてお風呂介助しました。初めてだったのでお風
呂に入っているあいだ、なにもしゃべれず、体と髪を洗っていたら、
利用者さんに「気持ち良かったよ。ありがとう。」と言われました。
初めて言われたので、すごくうれしかったです。
3
『慣れ』
グループホーム 松井 憲子
認知症の症状が重度になっていく中で、グループホームでの生活
が難しくなり、入院のことについて話し合っていかないといけない
状況があります。(今回は)入院の話がなくなった時、ある新人のス
タッフが、「入院にならなくて良かった。」と優しい顔で喜んでいる
姿を見ながら、長く介護の仕事をしていても慣れてしまった環境に
いてはいけないんだなと気づく事が出来ました。
初めて働いた日の事を思い出していこうと思います。
4
『生きる』
ありがとうデイサービス 鈴木 加奈
利用者のAさん、会話をすると二言目には、「目がいけん。頭がい
けん。足がいけん。」、「もう死んだ方がええ。」と言われる。
Aさんは娘さんと二人暮らしであり、在宅アセスメントをして自
宅で洗濯物をとりこみ、たたんでいることがわかった。
デイサービスでは個別機能訓練で、自宅で洗濯物をとりこみ、運び、
たたみ続けるよう計画をたて、実行した。
あたり前に行っていた家事が娘さんにとって大変ありがたい事な
のだとAさんが気付いた時の笑顔が忘れられない。
Aさんは二言目に、「死んだ方がいい」と言われるが、娘さんの役
に立っている事を話すと、「ほんま生きとってもええんかの?」と喜
ばれる。
デイに来られ、家族の中で役割を持つ事が出来るようになったり、
楽しみを持って生活が出来るようにこれからも支援していきたいと
思います。
5
『感謝』
ミラクルデイサービス 藤谷 亜由美
ありがとうに入社して5ヶ月、いい施設で働かせてもらい感謝し
ています。
私も頑張ろうと思うのですが、意気込む時程、周囲が見えず失敗し、
反省する日々が続きます。
毎日自分への悔し涙が出そうですが、ミラクルのスタッフの皆さ
んのやる気や利用者思いの仕事ぶりに感動する日々で、私のネガティ
ブな気持ちを消してくれます。
ミラクルのスタッフの皆さん、本当にありがとうございます。
そして、Nさん。入社した時期がほとんど変わらないのに仕事に慣
れるのも早く、ご利用者からも人気で頼りにされています。
どうしたらNさんのように、どんな時も笑顔で明るくなれるのか
Nさんの食べている物を研究したりする毎日なのですが…。
Nさん、いつも気にかけてくれてありがとう。
年も下なのに頼りにしてごめんなさい。
これからも頑張りましょう。
6
『お声かけ』
リハビリセンター 下野 洋子
A様は腰が痛く、前かがみで歩かれています。毎日の散歩を続け
るために、来所時は館内歩行をされる時には背すじを伸ばして、しっ
かり足を上げて歩く様にお声かけをしていました。腰痛が原因で気
分的に沈み気味になられていました。「歩く訓練をする気分にもなら
ない。」と話されました。姿勢が少しでも良くなって歩ける様になっ
ていただけたら気持ちが明るくなるのではないだろうかと考え、「腰
痛予防体操があるので行ってみませんか?」とお声かけすると、
「 やっ
てみようか。」と言われ、一緒に行いました。体操をするとA様はと
ても喜ばれました。自宅でも行えるとより良いと思い、A様用のプリ
ントを作成して、お渡ししました。
次の週に来られた時に、朝一番に両手を握って、「ありがとう。家
の者に見せたら、良い物を作ってもらって、家の者と一緒に体操し
てるんよ。」と笑顔を見せて下さいました。
家族の方からこんなに喜んで頂けて、感動しました。
7
『目標』
リハビリセンター 瀬良 明子
ニューステップをこいでいるご利用者が、1500 歩までを目標にこ
いでいた。
メニューカードを見ると、以前は 1000 歩を目標にされていた。
私が、「今まで 1000 歩だったのに、1500 歩にも増えたんですね。
すごいですね。」と伝えたら、とても嬉しそうな笑顔で喜ばれた。
Fさんは私が入社当時とても不慣れな介助だったので、不安そう
な表情をされていて、私自身もトイレ介助や移乗で呼ばれたら、緊
張していた。
何度か行っていくうちに、スムーズにトイレ介助ができ、Fさんも
ホッとした表情に変わり、
「 あ…あ…(ありがとう)」と言ってくださっ
た。
それからは、日常的な会話もできるようになったり、私が近くに
いたら介助が必要な時は頼ってもらえるようになった。
2ヶ月前の入社当時は、Fさんと親しそうに会話される先輩方を見
て、とても羨ましかったが、今は、少し仲間入りができたように感
じる。
Fさんに限らず、2ヶ月経った今、少しずつご利用者の事がわかり、
ご利用者からも、私の名札を見なくても遠くから、「瀬良さん」と呼
ばれると、うれしくなる。
私も早く全員の顔と名前が一致するように努めようと思う。
8
『日曜日』
リハビリセンター 橋本 晋司
今月、青葉台公園にてグランドゴルフ大会を開催しました。借り
るにあたって、馬場君と山西さんが休みの日曜日にも関わらず、地
域住民と一緒に公園清掃に参加しました。
ありがとう!
『10 年通って…』
リハビリセンター 藤井 真弓
ありがとうに通って 10 年のS様。両下肢に大きなバランスボール
を挟み、床にあお向けになり、上げ下げされました。
ありがとうに通って、初めて嬉しかったと言われました。
達成感でも感動を生むことができるんだな、と感動しました。
9
『お風呂』
リハビリセンター 東矢 麻理子
女性 Aさんです。Aさんは声が出にくく、会話が出来ません。そ
のため、ご本人の意思が伝わらないと怒ってしまい、手を振り払っ
たり、「もぉーいい。」と大きな声を出されます。
Aさんのお風呂介助では、なかなか私には気持ちが伝わらず、スムー
ズにいきませんでした。とても気弱になり、私を嫌っているのかと
も思ってしまいました。
そんな中、5回目のお風呂介助の日、先輩スタッフに相談すると、
「ご
本人様のお風呂の入り方や洗う順番があるんだよ。あなたはどう?」
と言われました。そしてもう1度しっかりAさんの順序を勉強させ
て頂きました。
家に帰り、自分がお風呂に入る時、自分にもゆずれない手順がある
事に気が付きました。もしこれが逆だったり、片手が使えなかった
りしたら、自分はどうするのか?お風呂だけでなく、トイレや食事
中など…しっかりご利用者の立場になって感じてみました。そして
もう 1 度、Aさんのお風呂介助をさせて頂く日が来ました。しっかり
Aさんを見て感じ、入浴をさせて頂きました。そんな私をAさんも
感じて下さり、「わはは。」と声を出して笑われました。
服を着て、荷物を持って、館内に出ると、私の手を両手で握り、「あ
りがとう。ありがとう。」と言って下さいました。
Aさんだけでなくご利用者に、安心して利用して頂き、自立してい
けるように頑張っていきます。
10
『知らぬ間に…』
メディケアデイサービス 富貴子
メディケアに異動して、2ヶ月が経とうとしています。
各々のご利用者の把握もまだまだで、そのご利用者の状態も日によっ
て全く違います。
ある日の夕方、テーブルについて上肢手指の体操をしていた所、
集団の中で意外な方が遠い席から体操に参加されたのです。
その意外な方というのは、重度のSさんです。
Sさんの持っておられる残存機能を未熟な私が把握しきれていな
い為に意外性(感動)を感じたのだと思います。
「中・重度の方だから」と、知らぬ間に私の中に誤った先入観が芽
生え始めていた事に気付き、反省です。
その瞬間、その瞬間に目を見張り、ご利用者の「真の姿」を見抜
けるようクールな目とホットな心を忘れないようにしたいと思いま
す。
11
『できない?できる!』
メディケアデイサービス 小谷 実希
さんの発案で、プチマルシェに初めて参加させて頂きました。
きっかけは母の日に一輪のカーネーションを手作りした事でした。
女性のご利用者や男性ご利用者には奥様やご家族にプレゼントし
た結果、大変喜んでもらえて、
「もっといい物を目指して」と次はフェ
ルトで花作りをしました。
基本、廃材を利用してヤクルトの容器がマスキングテープを貼っ
てかわいい花瓶になったり、工夫を凝らして、「ああでもない。こう
でもない。」とみんなで試行錯誤をしながら、ご利用者には形どった
フェルトを切って頂き、わたを丸めて、棒にはテープを巻いてもらっ
たりと一生懸命丹精込めて作った、思いがつまった手作りの花には
感動でした。
プチマルシェに出店する時は嫁に出す様な気持ちで最後の思い出
にとキレイに飾って何枚も写真をとったり、花をみながらみんなで
話をしたりと楽しい時間を過ごしました。
そして当日は見事に全部売れずに残ったというオチでしたが、プ
チマルシェに参加させて頂けた事、次は何を売ろう、ご利用者にもっ
と参加して頂こうと課題もたくさんみえて得た物は多く、
「できない、
無理」を「できる」に変えて下さった
だメディケアのチャレンジは続きます。
12
さんに感謝しつつ、まだま
『ミキサー食』
メディケアデイサービス 東 杏奈
ミキサー食のAさんは、車イスをリクライニングさせ、摂取され
ています。
毎回リクライニングする前に、一品ずつ食事内容、ミキサーのか
かり具合をご自身で確認し、微調整をしています。
ある日、口あたりよく、すべての食事がうまくミキサーにかけられ、
調整の必要もなく、食事が開始できた日がありました。
その食後、「今日は全部食べやすかった。スムーズに食べれたよ。」
と喜んで声をかけて下さいました。
一品一品、食品の状態によってもミキサーのかかり具合が違った
り、水分量によってはシャバシャバになったり、なかなか統一する
ことができない日々。申し訳なく思うスタッフにご利用者から逆に
声をかけてもらい、スタッフもスムーズに食べてもらうために希望
の形状に近づける努力をし、皆で確認し合い、提供していく…。そ
んな日々に感動しながらも早く確実な提供をするためにどうするか
を考えなくてはと思う日々です。
13
『笑顔』
総合訪問センター 坂居 倫代
訪問看護で入らせて頂いているAさん、女性。
右額上部に肉腫があるため、あたると出血しやすい状態。
なるべくあたらないよう、左向きにさせようとまくらの右下にタ
オルを入れこんだり、三角スポンジを背中に入れこんだり、私もな
るべく左から声かけて顔がむくようにしてます。
右額上部にあるため、訪問入浴の方が来られても、頭部はまった
く手をつけないとの事。
ある日、肉腫の出血もおちつかれており、以前の出血のこびりつ
きが気になったので、頭の下に吸収パッドをひき、シャンプーをし
ました。
娘さん、「気にはなってたんだけど…。入浴の方も全くこわがって
さわらないので、洗ってもらえてうれしい。」と…。Aさんもニッコ
リ笑顔をみせて下さいました。
その場にいた3人…自然と笑顔になり、あたたかい気持ちになる
ことができました。又、やりがいを感じることができました。
14
『F様』
総合訪問センター 相良 明美
3年前にグラシアスが動きだしてすぐに入居頂いたご夫婦がおら
れます。
私にとっては、今までデイサービスに勤務だったため、朝来られて、
夕方送る…という生活だったのが、ほぼ 24 時間ご一緒する…という
生活が始まりました。
それから、今までは「介助」というものは、ほとんど経験もなく、
機会もなかったので、全ての介助にかかわる事になり、毎日が緊張
と不安と、しかしそれをみせないように笑顔の毎日が始まりました。
奥様は全介助であったため、体位変換から座位保持、食事介助など、
全てに渡り勉強させて頂きました。それと、ご主人がいつも「えー
顔しとる。」「よっしゃー。」と声をいつもかけてくださって、いつも
勇気と元気を頂いておりました。
最愛の奥様が昨年の9月に亡くなり、悲しい悲しい姿もかくす事
なく、見せてくださり、大きな声で泣かれる姿が今も忘れられない
です。毎日食事のあと居室に戻られたら奥様に話しかけ、ニコッ…
とする姿。宿直をしていると、コールを鳴らされ、どうしたのかと
お聞きすると、「ん?今目が覚めたんじゃっ。ちーっと淋しかったん
じゃ♪」っと「声聞いたら安心した。又、ねるぞ。」と言って下さる声…。
いつも「頑張らにゃーいけん!」って言っておられたなあ…。と
くに、宿直をしているとふっ…っとしている時によく思い出します。
ご主人が亡くなられる時はただただ、ありがとうをたくさんたく
さんお伝えしたくて。何度肺炎になられても又食事が出来
るまで頑張ってくださって…。
15
人って、こんなに頑張れる力を持っているんだ…とか、まだまだ
たくさん教えて頂きました。私は、このご夫婦とかかわる事が出来
た事にとても感謝をしています。
きっと出会っていなければ、人間の深さや広さ、介助に対しても
深さを知る事はまだなかったかもしれないです。
残して頂いたものを大切にし、精一杯やって参ります。
F様、ありがとうございました。
16
『不注意』
総合訪問センター 櫻庭 郁枝
私と同い年の入居者様がいます。
少しずつ病気が進んでいて、いろいろな事が大変になっておられ
る方です。
その日は決められた曜日の洗濯の日で、お食事中声をかけてカギ
を預かり居室に入りました。印鑑をいただくことになっているので、
朱肉を出してふたをはずした時、うっかりベッドの白いマットに落
としてしまいました。
マットの足元にうっすら朱色の丸がついてしまって、この方が非
常にこだわりを持って整えておられる空間なのにどうしようかと思
いました。
朱色の丸は、言われなければ気づかないような薄いものではあり
ましたが、私の不注意からしてしまった事だし、なかったことにし
て黙っておくのはやはり絶対にだめだと思い、どのように怒られて
も謝ろうと思いました。
食事が済まれるのを待ち、食事介助だったリーダーに先に話をき
いてもらい、居室に戻られた頃伺いました。
すると、私が話をするより先にニコニコ笑って、
「 ええよ∼。」と言っ
て下さって、リーダーも、「今いっしょにさがして見たところよ。」
と言われ、「正直に話してくれたし、櫻庭さん好きだからええよ∼。」
と許して下さいました。
日頃うまく介助もできておらず、申し訳ない気持ちもあったのに、
このように声をかけていただけて、本当に話をして謝ってよかった
と思いました。
17
もし許していただけないほど怒られたとしても、やはり黙って隠して
おくよりはよかったと感じたと思います。
私の職場が入居者様それぞれの大切な生活の場であることを忘れず、
誠意を持って仕事に取り組まなければと感じました。
18
『予防事業で』
総合訪問センター 野田 和美
5月より短期集中介護予防事業に参加しています。ご利用者がい
つまでも元気で生活するために私たちは何ができるか…と考えなが
ら講義や体操を組み、「来てよかった!」「楽しかった !!」と思って
いただけるようがんばっています。
デイと同じように初めに計画書を作成し、目標を設定します。今
までは評価とききとりを行いスタッフが考えて作成していましたが、
「自分のことを考える」「自分の目標を自分でみいだす」ために「夢
実現計画書」をみなさんに記入していただくことにしました。まず「好
きなこと、したいこと、行きたいところ」などを記入していただき、
夢をいつ、どこで、誰と、何を、どうしたいか、なるべく具体的に、
そして達成予定の月日も記入してもらいます。次に「実現するため
に必要だと思うこと」を考えていただきました。時間がとれなかっ
たので、「次回までに記入して来て下さい」と宿題のように持ち帰っ
ていただいたのですが…。次週回収すると、みなさん本当にすごい !!!
「亡き主人との思い出の京都で思い出をたどってお寺巡りをしたい」、
「フィリピンの孫の所に息子と一度会いに行きたい」、「妻に感謝の気
持ちを込めて旅行に行きたい」、「娘の家の庭にお花をたくさん植え、
いやしてあげたい」etc…
すばらしい目標がたくさん !!! どれもご利用者の心がそえられたス
テキなものばかりでした。そのために必要なことも、「体力をつける
ためにまずは1区画から散歩をして2区画、3区画とのばし、30 分
くらいは歩きつづけられるようになる」や「体操を続ける」など…
あまりに感動したのでうれしくて、急きょみなさんに発表していた
だきました。自分の夢を語るみなさんの表情は少し照れくさそうで
19
したが、キラキラ輝いていて、美しかったです。改めて「元気でい
ること」ってこういうことなんだなぁと感じ、ご利用者に教えてい
ただきました。そして、デイや訪問で関わっているご利用者のキラ
キラ輝いた美しい表情が見たい !! と思いました。そのためにどうし
たらいいかを考えてご利用者と関わっていきたいと思います。
20
『ヘルニア』
総合訪問センター 野田 小百合
私事ですが、ヘルニアは治りましたが、再発防止の為どんな体操
がいいのかわからずにいたら、野田和美さんが「インナーマッスル
を鍛えるのがいいよ。」とわかりやすい本まで貸して下さいました。
矢野さんにしろ、和美さんにしろ、すぐにわかりやすく説明して
くれるので、とてもありがたいです。病院では医師もリハビリ担当
職も何も教えてくれませんでした。
ずっと本を借りっぱなしも申し訳ないので自分でも似た本を購入
し、実践しています。
その購入した本の作者が書いていた言葉が素敵だったので、ここ
で紹介します。(GETTAMAN)
ホノルルマラソンに参加した際、もともとトライアスロンをされ
ていた方で、パーティーの席上で、「どうせならジャパニーズスタイ
ルで走って。」と外国人ランナーに言われ引き受けたところ、マラソ
ン当日羽織袴に下駄をプレゼントされたそうです。「えーこれで走る
の?」と思いながらもその格好で走ったそうです。「ホントに痛くて
途中で棄権しようと思ったが、走っているとどのランナーも道をあ
けてくれる。下駄の音にびっくりし、クレイジーと言いながらも途
中しゃがんで走れなくなっていた人まで、下駄はいて血だらけでも
走っている自分の姿を見ると自分も頑張ろうと立ち上がり、また走
り出してくれるんです」との事。「こういう方々に対して元気を与え
ることが出来るのは素晴らしいことだな」と考え、その後毎年羽織
袴に下駄で走っているそうです。どんなに自分がつらくても、まわ
りを元気づけられるならと毎年参加されるその姿勢に感動しました。
21
私も「あなたが来てくれるとちょっと元気になるわ」と思ってもら
えるよう、誠心誠意対応していこうと思いました。
22
『委員』
総合訪問センター 三宅 咲
訪問センターで今年から委員をつくり活動をしていくことになり、
QOL委員というものになりました。さまざまなイベントを開催し
たりしてご利用者に参加してもらい、よりよい生活のために計画を
立てています。5月は「ランチ会」と名し、グラシアス・アネック
スに入居されている皆様とテラスでお弁当を食べようと計画しまし
た。
デイがある方も休んで参加OKという形をとりました。ほとんど
の方がランチ会に参加したいといってくださり、30 名ほど集まりま
した。
委員のスタッフもなかなか時間があわず、ランチ会ギリギリにし
か内容や担当も決まらず、スタッフには迷惑をかけました。それで
も休みの方も出てきて協力してくれたりとスタッフ全員が助けてく
れました。そんな協力もありご利用者の皆さんにとても喜んでもら
い、涙を流される方も見え、心があたたかくなりました。普段出て
こられない方も外に出ての参加もあったりと、とても良い思い出に
なりました。
これから6月、7月と年間通してイベントを考えていく予定です。
ご利用者の喜んでいる顔がみれるよう、私もやってよかったと思
えるようなものをつくっていきたいと思います。
23
『サ付き』
総合訪問センター 矢野 弘恵
転倒、骨折でK病院に入院したTさん…。
入居中も咳込みやゼーゼーが食事時あった。
近医でゼーゼーを診てもらうも「大丈夫です。」と Dr.
そんなTさん… Ope 後… 案の定、誤嚥性肺炎をくり返し、結果、
胃ろう造設…。。。
K病院の主治医は、サ付なんか帰る対象じゃぁない!と
グラシアスに帰りたがられてるTさんの思いは はねのける!
私からみれば、なぜそこまでサ付をダメと言い続けるのか
わからなかった…。
そんなTさんもK病院からTK病院へ転院。
間なしにTK病院の主治医より連絡あり…
「ありがとうのグラシアスなら、十分対応できるよね。」と
ふつうに打診してくださった。
即答 「はい、もちろん。」と。
そのTさんが退院して居室に戻られての第一声。
「あー。なつかしいにおいがする。」と。
その言葉をきいて、戻ってくるまでにいろいろあったけど
本当に戻れてよかった!と、心から嬉しく思った。
24
『ネガティブ・ポジティブ』
総合訪問センター 山下 真由
いいねでは、ご利用者様に青い File を持参してもらっています。
そこには、いいねでどのように過ごしておられたのか、訪問稼働
中のこと、その方に関する情報がつまっています。
その他にも、ご家族のメッセージが書かれていることもあります。
ご自宅でどのように過ごしているのか、何か変わったことがなかっ
たか、その気付きを記入して下さいます。
S様のご家族は、S様が「
徊をしたり、たくさん厚着をして何度
も着替えをしてた。」と記入されていました。
箇条書きにしてある文章を見て、ご家族は大変だな。
私は率直にそう思いました。
最後まで読み進めると、スタッフのコメントが書いてありました。
「Sさん、たくさんお洋服をもってるんですね !! うらやましいです♥」
私の中には全くなかった考え方に、とても衝撃を受けました。
暗い気持ちが一気に晴れやかになりました。
ご家族さんも同じように思ったかどうかは分かりません。
しかし、どんなネガティブに見える事柄も必ずポジティブに見え
る側面があるのだと気付かされました。
25
『Y様』
総合訪問センター 渡邉 雅子
Y様の訪問は3ヶ月振りでした。事前に以前の記録にも目を通し、
不安な部分をスタッフのMさんにアドバイスしてもらいました。
深呼吸をし、落ち着いてと心の中で言い、訪問に入りました。
「こんにちは!これからお下の交換をさせて頂きます。」と挨拶す
ると、Y様は目を合わせて下さり、こくんとうなずかれました。
カーテンを閉め、
「ベッドを上げます」と告げ、バイタルチェック、
陰洗、パット交換をしました。記録にしっかり柵を握って下さって
いるとあったので、私も同じ様にお願いすると、右、左ともに柵を握っ
て頂き、パット交換がスムーズに出来ました。
そのことをY様にお伝えすると、何か言われたような気がしたの
ですが、そのまま気にも止めずに、カーテンを開け、Y様に「今日は
ありがとうございました。又、来させて下さい。」と伝えると、はっ
きりと「ありがとう。」と声を発して下さいました。Y様の言葉を聞
いたのは初めてだったので思わず握手をしてしまいました。
今まで話しかけても私の顔をじっと見ているだけでしたのでとて
も嬉しかったです。
残念ながら、あれから一度も「ありがとう」は聞けていません。
何がY様の心を動かせたのか…
一生懸命さ、声のトーン、話す速さ、オムツ交換の時間、体転の
心地良さ、パジャマのしわ、居室の温度 etc
26
その時の状況を思い出しながら、Y様からの言葉が聞けるよう、頑
張りたいと思います。
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