鳥羽小だより

学校教育目標
平成27年1月29日
◆ 自分の良さに気づき向上心を持って生きる児童の育成
・自分から進んで学ぶ子・自分も友だちも大切にする子・丈夫な体づくりに取り組む子
鳥羽小だより
鳥羽小学校校長室より
3学期の始業式は職員児童ともに全員が元気で顔を合わせることができて、いいスタート
を切ることが出来ました。校長の私としてはこの上なく嬉しいことです。
インフルエンザ警報が発令され、本校児童にもじわりじわりと流行の波が押し寄せつつあ
りましたが、いろいろな予防策の効果か、今のところ蔓延するようなことには至っていませ
ん。学習発表会も少し欠席者はありましたが、なんとか終えることが出来ました。
正月には少し雪が積もりましたが、その後あまり積もる気配がなく、私たち大人にとって
は交通に支障がなくてありがたいのですが、子ども達には雪の中で遊ばせてあげたいと思う
と複雑な気持ちになっています。
さて我が家では今、兄弟の中で少し歳の離れた三男が大学受験です。その様子を見ながら
今回は自分の学生時代を思い浮かべて、最近思うことを少し綴ってみたいと思います。
私が大学受験をしたのは今から40年ほども前のことなので、時代錯誤も甚だしいといわ
れそうですが、そのころの受験生は今とは随分様子が違っていました。当時私もいくつかの
大学を受験し(ちなみにほとんど落とされました)
、今日は東京、明日は大阪と新幹線で東西
を奔走している私のことを見た叔父が「芸能人みたいな生活やな。
」と笑っていたのを思い出
します。しかし、当時のほとんどの受験生は、どこの大学の受験に行くのにも親について来
てもらうようなことはなかったように思います。そして、今では考えられないかもしれませ
んが、大学が斡旋してくれた宿は5~6人の相部屋でした。部屋では初めて会った者達ばか
りにもかかわらず、何故か話が盛り上がって翌日の試験はそっちのけで花札などをやって遊
んだこともありました。大学入学後も、あまり知り合いのいない者達ばかりだったのでしば
らくはその人達と下宿をよく行き来したりしたものでした。
こんな例一つ取ってみても、子ども達を取り巻く環境は昔とは随分変化していることを感
じます。だからと言って今私の子どもを一人で受験に行かせようとしても、本人はもちろん、
家族の誰もが受け入れてくれないことはわかっているのでそんなことを言い出す気にもなり
ません。(「時代が違う」と一言で一蹴されてしまいそうです。)
また、自分たちが子どもの頃の遊びを振り返ってみても今のそれとは随分違います。私た
ちが子どもの頃には冬になって雪がつもると嬉しくてわくわくすることがありました。雪遊
びも楽しかったのですが、もっと楽しみにしていたことがありました。それは野鳥を捕まえ
ることです。私が今も野鳥に関心を持っていることはご存じの方も多いので、私だけがちょ
っと変わった子どもだったのだろうと思われるかもしれませんが、決して私だけが特別な存
在だった訳ではなかったように思います。当時の私たちの冬の遊びの一つとして、野鳥を捕
まえることは普通のことでしたし、ちまたでは罠で野鳥を捕まえて、焼いて食べることを楽
しみにしている人はけっこうおられました。中学生や高校生は冬になると獲った獲物の自慢
をし合うこともしばしばありました。そんな先輩の話を聞きながら密かに自分もやってみた
いと思うのでした。当時は野山に野鳥がたくさんいて、鳥獣保護法についてとやかく言われ
るようなこともなかったので、みんなかってに捕まえていたように思います。
私は山のなかに大人の人が仕掛けたくぐつとよばれる鳥を捕獲する罠を見つけて、見よう
見まねで作ってみました。しかし、実際に野鳥がかかるような罠にするのはなかなか大変で
何度も試行錯誤しながら何とか実用になるような物を作ることが出来ました。そのくぐつに
獲物がかかったときの興奮は今も忘れられません。となりのトトロの映画監督の宮崎駿さん
の言い方を借りれば、『子どもの頃に初めてカブトムシを捕まえたときのひざがガクガクす
るほどの感動』を味わいました。
レンガを使った仕掛けでスズメを捕まえる方法を教えてもらってからは、その仕掛けでた
くさんのスズメを捕まえました。それらは殺して食べるために捕まえたのではなくて、捕ま
えることそのものが楽しみでした。何日も雪が降り続くと鳥たちは、食べ物がないので家の
周りに米つぶをまくと、たくさん集まって来ました。雪が降り積もった日に、朝仕掛けてお
いたレンガの仕掛けにスズメがかかっているのを楽しみにしながら、わくわくした気持ちで
学校から帰ってきたことを思い出します。児童の皆さんのおじいさん達の世代なら同じよう
な感動を味わってこられた方がおられるのではないでしょうか。捕まえた何十羽ものスズメ
を空き部屋に放し飼いにして飼って楽しんだこともありました。その他にも針金を輪にした
罠でウサギを捕らえることも流行っていました。
昔はこんな自然体験の中から子ども達は多くのことを学んでいたのだと思います。そんな
時代とくらべると、今の子ども達を取り巻く環境は昔とは比べものにならないくらいに便利
なりましたし、遊びの形態もすっかり変わってしまいました。もちろん、今の子ども達は昔
の子ども達の出来なかった体験から学んでいることも多いと思います。
鳥羽小学校の子ども達はとても素直で何事にも一生懸命に取り組む姿勢が育っていて、見
ていてもとても気持ちがいいです。むしろ素直で純粋過ぎるのが心配なくらいです。先日も、
給食が終わって食器を片付けていると、高学年の男の子が『先生どうぞ』と片付けるのを先
に譲ってくれるのです。これはほんの一つの例ですが、鳥羽小の子ども達とかかわっている
とよくそういう気持ちにさせてもらえることがあります。しかし、世の中の価値観が多様化
して、いろいろな考え方の人たちが増えてきています。そんな中で様々な価値観がぶつかり
合い、摩擦も起こりがちになって来ています。今後、いろんな出来事に出会うであろう鳥羽
小の子ども達にはどんな場面に出会ってもくじけることなく、自分に自信を持って、たくま
しく立ち向かって行ってほしいと願っています。そういうことを思うとき、
『子どもがかわい
そうだから』、『危険だから』と子ども達の経験の機会を奪うようなことはなるべくすべきで
ないと私は考えています。
うまく書けないので結局何が言いたいのか私の意図するところがうまく伝わらないかも知
れませんが、一言で言えば子ども達にはなるべくいろんな経験をさせてたくましい子に育て
たいということです。
12月に行った学校評価アンケートの中にこの学校だよりを読むのを楽しみにしている、
と書いてくださった方がありました。そんな方はあまり多くはないと思いますが、嬉しいお
言葉です。共感してくださることばかりではないと思います。ご批判があればそれもお聞か
せいただきたいです。相互の意見交換の場になればとも思います。
毎回のことですが、ここまでつきあってくださいました皆様方には感謝いたします。ご意
見ご感想などもいただけるとありがたいです。
日々の子ども達の様子は以下のホームページの『鳥羽っ子日記』からどうぞ。
昨年度からの学校だよりも掲載しています。
(綴っていただかなくても見られます。誰も綴らない??)
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