早期乳がん治療において、タキソテール®ベースの化学療法レジメン は

2007 年 12 月 21 日
本資料は、サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)が12月13日(現地時間)に発表したプレスリリースを
日本語に翻訳・編集したものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については
両言語が優先します。http://www.sanofi-aventis.comをご参照ください。
早期乳がん治療において、タキソテール®ベースの化学療法レジメン
は、アントラサイクリン系薬剤ベースの標準化学療法レジメンと比較して、
生存期間が有意に改善
-2007年サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表された「US Oncology 9735 術後化学療法試験」の口
演により、タキソテール®とシクロホスファミドの併用療法は、アントラサイクリン系薬剤とシクロホスファミドの併
用療法と比較して生存期間が改善することが明らかに-
フランス パリ、2007年12月13日-第30回サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS:San Antonio Breast
Cancer Symposium)で本日発表された結果により、手術後の早期乳がん患者さんでは、タキソテール ®
(一般名:ドセタキセル)注とシクロホスファミドを併用する試験的化学療法レジメンにより、標準化学療法レジ
メンと比較して生存期間が有意に改善することが示されました。前回、追跡期間中央値5.5年に関して発表さ
れたものに対して、今回の口演では、追跡期間中央値7年の最新の結果が報告されました。この報告内容は、
本年SABCSに提出された抄録からさらに更新されています。
最新の解析によると、7年生存率は、タキソテール®とシクロホスファミドの併用群(TC)で87%、ドキソルビシン
とシクロホスファミドの併用群(AC)で82%であり、TC群のほうが統計的に高い値を示しました(ハザード比
(HR):0.69、[95%CI、0.50、0.97])。また、死亡リスク低下は31%であり、統計的に有意でした(p=0.032)。
7年無病生存率でも、TC群81%、AC群75%であり、TC群のほうが統計的に高い値を示しました(HR:0.74、
[95%CI、0.56、0.98])。TC群における再発リスクの低下は26%であり、統計的に有意でした(p=0.032)。高
齢者(65歳以上)においても無病生存率で31%の再発リスク低下が認められ、全体で確認された有効性と一
致しています。
US Oncology乳がん研究委員会のメディカル・ディレクター兼共同議長であり、この試験の統括医師であるス
テファン・ジョーンズ(Stephen Jones)医学博士は、アントラサイクリン系薬剤のドキソルビシンをシクロホスファ
ミドと併用するレジメンの開発に携わった人物であり、そのレジメンは、30年以上にわたり、乳がんの化学療
法の基礎となりました。
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ジョーンズ博士は、「試験的なタキソテール®併用療法レジメンにより、7年目にがんの(再発)兆候が見られな
い生存者の割合がアントラサイクリン系薬剤の併用療法レジメンと比較して有意に高まりました」と話していま
す。
US Oncology(USO)9735 術後化学療法試験のプロトコール
USO 9735 術後化学療法試験は、リンパ節転移陽性および陰性の早期乳がん患者さんにおける無病生存
期間を主要評価項目として実施されました。リンパ節転移陽性とは、がんが腋窩リンパ節に転移していること
を意味し、リンパ節転移陰性とは、リンパ節にがん細胞が検出されないことを意味します。副次評価項目には、
全生存期間と安全性が含まれます。本試験では、患者さんの年齢と腫瘍の生物学的特性に基づき、この治
療法の有効性と安全性に関する調査も行われました。
試験に参加した患者さんは全員、ステージI~IIIの浸潤性乳がんの手術を受けており、がんが胸部に認めら
れたか、もしくは隣接する腋窩リンパ節に転移していました。
1997年6月から1999年12月の期間にわたり、患者さん1,016人(48%はリンパ節転移陰性、16%は65歳以
上)を手術後、次の2群に分けました。AC群(標準用量のアントラサイクリン系薬剤ドキソルビシン 60 mg/m2
とシクロホスファミド600 mg/m2の併用療法群)(n=510)、またはTC群(タキソテール® 75 mg/m2とシクロホス
ファミド600 mg/m2の併用療法群)(n=506)のどちらかに無作為に分け、3週間毎に点滴静注で計4サイクル
投与しました。化学療法の完了後、指示がある場合には放射線治療を行いました。ホルモン受容体陽性の
患者さんについては、ホルモン療法(タモキシフェン)も行いました。
TC群では、88例の死亡もしくは再発などの無病生存期間イベント(17%)と58例の死亡(12%)が確認されま
した。AC群では、118例の無病生存期間ベント(23%)と84例の死亡(17%)が確認されました。探索的解析
では、年齢、ホルモンの状態、Her2受容体の状態にかかわらず、TC群が優れていました。グレード3~4の好
中球減少症は、TC群では65歳未満の患者さんの60%、65歳以上の患者さんの52%に見られ、AC群では
それぞれ54%、59%に見られました。グレード3~4の発熱性好中球減少症の発症率は、65歳未満の患者さ
んではTC群で4.4%、AC群で2.3%であったのに対し、高齢の患者さんではそれぞれ7.7%、3.7%に上昇し
ました。グレード3~4の悪心は、TC群では65歳未満2%、65歳以上3%、AC群では65歳未満7%、65歳以
上5%となり、どちらの年齢層でもTC群のほうが低い数値を示しました。65歳未満および65歳以上の患者群
において報告されたその他のグレード3~4の有害事象は、TC群では、グレード3~4の発熱がそれぞれ4%
と6%、グレード3~4の感染症がそれぞれ7%と6%となっていますが、AC群では、グレード3~4の発熱がそ
れぞれ3%と4%、グレード3~4の感染症がそれぞれ10%と2%となっています。
乳がん:女性に発症する最も一般的ながん
乳がんは、全世界にわたり、女性において最も罹患率の高いがんです。2007年度末までに、17万8,000人
以上の米国人女性が浸潤性乳がんに罹患しているという診断を受ける見通しです。2006年に、EUでは42万
9,900人以上が新たに乳がんと診断されました。最大のリスク因子は年齢であり、70歳以上の女性の26人に
1人が一生のうちに乳がんを発症しています。
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米国では、乳がんは女性のがん死因の第3位に位置します。今年、米国において乳がんで死亡する女性は
4万人を超えると予測され、その半数以上が65歳以上となっています。EUでは、乳がんは女性のがん死因の
第1位で、2006年に乳がんで死亡した人は推定13万2,000人でした。
US Oncology, Inc.について
米テキサス州ヒューストンに本社を置くUS Oncology, Inc.は、米国最大のがん治療・研究ネットワークです。
US Oncology, Inc.は、全米の提携がん治療施設に対し、各施設が最先端の治療とテクノロジーを提供する
能力の拡充、地域社会に根差した総合がん治療センターの設立、治療薬管理プログラムの向上の推進、が
ん関連の多くの新臨床研究への参加などに対し、幅広いサービスとサポートを提供しています。またUS
Oncology, Inc.は、医薬品メーカーに対し、製品の流通や、データの報告・解析などの情報サービスを含め、
さまざまなサービスを提供しています。
昨四半期の収益報告書によると、US Oncology, Inc.は、39州の放射線オンコロジー施設91カ所を含め、
443拠点に勤務する医師1,164人と提携しています。
US Oncology Research Networkについて
US Oncology Research Networkは、地域社会に根差し、すべての相のがん臨床試験を専門に取り扱う研
究運営組織です。同研究ネットワークは現在、患者登録に積極的な医師500人と77カ所の研究施設の協力
を得て、60件以上の公開臨床試験に携わっています。同ネットワークは、米食品医薬品局(FDA)から承認を
受けた最新の抗がん剤30品目のうち、24品目の開発に貢献しました。1993年以来、US Oncologyネットワー
クによって管理された臨床試験に3万2,000人以上の患者さんが参加しています。詳細については、同社
Webサイト(www.usoncology.com)の「Our Services」の「Research」セクションをご覧ください。
タキソテール ® について
タキソテール ® は現在、欧米では下記の5つのがんにおいて承認されています。日本では、乳がん、非
小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がんの7つのがんにおいて承認さ
れており、現在前立腺がんにおける追加適応を申請中です。
乳がん
タキソテール ® は、前治療の化学療法が奏効しなかった局所進行または転移性乳がんの治療薬として、
欧米で承認されています。また、前治療を受けた患者におけるドキソルビシンとの併用、およびアントラ
サイクリン系薬剤を含む化学療法が奏効しなかった場合のカペシタビンとの併用療法として、ヨーロッパ
で承認されています。欧米では、手術可能なリンパ節転移陽性乳がんの術後補助療法として、ドキソル
ビシンおよびシクロホスファミドとの併用(TACレジメン)が承認されています。また、ヨーロッパでは、
HER2陽性転移性乳がんの治療として、トラスツズマブとの併用が承認されています。
肺がん
欧米では、タキソテール ® は、シスプラチンとの併用療法で前治療の化学療法を受けていない切除不能
な局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として承認されています。また、白金製
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剤を使用した化学療法が奏効しなかった切除不能な局所進行または転移性NSCLCに対しても、単剤
療法として認められています。
前立腺がん
タキソテール ® は、アンドロゲン非依存性(ホルモン不応性)転移性前立腺がんの治療において、プレド
ニゾンとの併用療法が、欧米で承認されています。日本では申請中です。
胃がん
FDA、およびEMEAのCHMPは、2006年3月、食道胃(GE)接合部がんも含め、進行がんのための前治
療の化学療法を受けていない進行胃がんの治療に、タキソテール ® のシスプラチンおよび5-FUとの併
用療法を承認しました。
頭頸部がん
2006年10月、EMEAおよびFDAは切除不能局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の治療におい
てタキソテール ® とシスプラチンおよび5-FUとの併用療法を承認しました。2007年9月、FDAは化学放
射線療法および手術施行前の局所進行頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の治療において、タキソテー
ル ® とシスプラチンおよび5-FUとの併用療法を承認しました。2007年11月には、EMEAは局所進行頭
頸部扁平上皮がん(SCCHN)に対する導入療法としてタキソテール ® 療法を承認しました。
サノフィ・アベンティスについて
世界をリードする製薬企業の一社であるサノフィ・アベンティスは、医薬品の創薬発見・開発・販売を通
じて、人々の生活の質の向上に取り組んでいます。
サノフィ・アベンティスは、パリ(Euronext: SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。
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