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報道関係者各位
2006年6月7日
このプレスリリースはサノフィ・アベンティス社(本社:フランス・パリ)が6月3日に発表したものを
和訳編集したものです。詳細について(英語版)はwww.sanofi-aventis.comにてご覧になれます。
メタアナリシスの結果により、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者における
タキソテール®療法の効果を証明
-タキソテール ®により、ビンカアルカロイド療法よりも
全生存期間が改善され、発熱性好中球減少症が軽減されることを実証-
サノフィ・アベンティス(本社:フランス パリ)は6月3日、進行非小細胞肺がん患者における7つの臨床治
験の結果で実施されたメタアナリシスにより、タキソテール ® (一般名:ドセタキセル)を投与された患者で
は、ビンカアルカロイド(ビノレルビンまたはビンデシン)によって治療された患者よりも生存期間が改善
し、発熱性好中球減少症が軽減されたことを発表しました。臨床試験では、進行非小細胞肺がんのファ
ースト・ライン治療剤として、タキソテール ® とビンカアルカロイドを単独または併用で使用しました。6つ
の臨床試験では、タキソテール ® とビノレルビンを比較し、1つの臨床試験ではタキソテール ® とビンデシ
ンを比較しました。メタアナリシスの結果は、ジョージア州アトランタで開催されている第42回米国臨床
腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)で発表されました。
合計2,867人の患者を対象に実施された7つの臨床試験から収集された結果によると、この7つの臨床
試験の患者群では、ビンカアルカロイドと比較して、タキソテール ®により生存期間(Overall Survival)が
有 意 に 改 善 す る こ と が わ か り ま し た ( ハ ザ ー ド 比 ( HR ) = 0.89 、 95% 信 頼 区 間 ( CI ) [0.82;0.96] 、
p=0.03)。この比較は、タキソテール ® を使用した化学療法を受けた患者1,638人とビンカアルカロイドを
使用した化学療法を受けた患者1,229人を対象に実施されました。
またメタアナリシスでは、タキソテール ® で得られる効果は、ビンデシンと比較した臨床試験を除外した6
つの臨床試験の場合(HR =0.90 [0.83; 0.98])でも、単剤療法を解析から除外した場合(HR = 0.89
[0.82; 0.97])でも持続することが証明されました。
臨床試験で一般的に見られた副作用は好中球減少症でしたが、その発生頻度は、発熱性好中球減少
症(発熱と、感染に抵抗する白血球数の減少を特徴とする病状)(OR=0.60 [0.39; 0.96]、p=0.034)と
同様に、ビンカアルカロイド投与群よりもタキソテール ® 投与群の方が有意に低くなりました(オッズ比*
(OR)=0.60、95%CI [0.39; 0.92、p=0.019])。
フランス・サンテルブランにあるCentre R Gauducheauの内科腫瘍学部長であり、メタアナリシスの主任
研究員を務めるジャン・イブ・ドゥイヤール(Jean-Yves Douillard)教授は、「これは、進行非小細胞肺が
んのファースト・ライン治療法において、タキソテール ® を使用した化学療法を受けた患者さんとビンカア
ルカロイドを使用した化学療法を受けた患者さんとの比較において、タキソテール ®を使用した化学療法
サノフィ・アベンティス株式会社 〒163-1488 東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティタワー
を受けた患者さんに生存期間と安全性の有意なベネフィットが示された初めてのメタアナリシスです」と
述べています。
メタアナリシスの結果は、非小細胞肺がんのファースト・ライン治療法におけるタキソテール ®承認の根拠
となった重要なTAX 326スタディの結果と一致します。
メタアナリシスについて
比較研究における一部のデータで生存率と安全性における差異が示唆されたため、生存期間と安全性
に関してタキソテール ® 療法とビンカアルカロイド療法の効果を評価することを目的として、公開および
非公開データに関する広範なメタアナリシスを実施しました。
治 験 報 告 か ら の 情 報 と 関 連 会 議 議 事 録 の マ ニ ュ ア ル 検 索 で 、 MEDLINE 、 CANCERLIT 、 お よ び
Cochrane Library検索を補完しました。タキソテール ® を使用した化学療法とビノレルビンまたはビンデ
シンを使用した化学療法を比較した無作為試験だけを対象に含めました。記録された結果は、生存期
間と好中球減少症でした。母数効果モデルを使用し、収集した好中球減少症のハザード比(HR)とオッ
ズ比(OR)の推定を行いました。HRまたはORが1未満の場合、タキソテール ®の方がビンカアルカロイド
よりも優れていることを示します。コクランのQ検定を用いて、違いを評価しました。
* オッズ比:イベントの「オッズ」とは、そのイベントが発生する確率と発生しない確率の比率
です。オッズ比は、介入群におけるイベントのオッズと対照群におけるイベントのオッズを比
較した、実験的治療の相対効果を示す基準です。
肺がんについて
•
肺がんは1985年以来、世界で最も一般的ながんとなっており、2002年には135万件の肺がん症
例が新たに診断されました。これは新たに診断されたがん症例全体の12.4%を占めます。
•
肺がんは、がん死亡全体の29%を占め、乳がん、結腸直腸がん、および前立腺がんを合計した数
よりも多い死亡原因となっています。毎年、118万人が肺がんで死亡すると推定されます。
•
最近明らかになった2002年のデータによると、米国では、男性100,099人、女性80,163人が肺が
んと診断されました。EUでは、肺がんは3番目に多く診断されるがんであり、2000年には243,600
人が肺がんと診断されました。肺がんの影響が生じているのは先進国だけではありません。2002年
には、肺がん症例の50%近くが発展途上国で報告されています。
•
米国人男性では、1984年以降、発症率が大幅に低下し、1984年には10万人に102.0人でしたが、
2002年には10万人に77.8人となりました。1998年以降、女性の肺がん発症率は、長期にわたっ
て上昇した後、横ばいで推移しています。
タキソテール ®について
タキソテール ®については現在、以下の4種類の適応が承認されています。
乳がん:
• 米国およびヨーロッパでは、前治療の化学療法が奏効しなかった局所進行性または転移性乳がん
患者の治療薬として承認されています。ヨーロッパでは、この病気に対する細胞障害性前治療を受
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けた患者におけるドキソルビシンとの併用、およびアントラサイクリン系薬剤を含む細胞障害性治療
が奏効しなかった場合のカペシタビンとの併用が承認されています。(術後)補助療法では、米国
およびヨーロッパで、手術可能なリンパ節陽性乳がん患者の治療薬として、ドキソルビシンおよびシ
クロフォスファミドとの併用療法(TAC療法)が承認されています。最後にヨーロッパでは、強陽性
Her2受容体を有する転移性乳がん患者の治療薬として、トラスツヅマブとの併用が承認されていま
す。
肺がん:
• 米国およびヨーロッパでは、前治療の化学療法を受けていない切除不能の局所進行性または転移
性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者の治療薬として、シスプラチンとの併用が承認されています。
また、白金製剤を使用した前治療の化学療法が奏功しなかった切除不能の局所進行性または転
移性NSCLC患者の治療薬としての単独使用も承認されています。
前立腺がん:
• 米国およびヨーロッパで、アンドロゲン非依存性(ホルモン不応性)転移性前立腺がんの治療薬と
して、プレドニゾンとの併用が承認されています。
胃がん:
• 米食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)と欧州医薬品審査庁(EMEA:European
Agency for the Evaluation of Medicinal Products)の医薬品委員会(CHMP:Committee for
Medicinal Products for Human Use)は2005年3月、化学療法の前治療歴がない胃食道(GE)接
合部がんを含めた進行性胃がんの治療における、シスプラチンおよび5-フルオロウラシルとの併用
療法でのタキソテール ®注の使用を承認しました。
サノフィ・アベンティスについて:
サノフィ・アベンティスは世界で第3位、ヨーロッパでは第1位の製薬会社です。サノフィ・アベンティス
は世界クラスの研究開発組織に支えられ、循環器、血栓症、がん、糖尿病、中枢神経系、内科系、ワ
クチンの主要7治療分野で主導的な地位を占めています。サノフィ・アベンティスは、パリ
(Euronext:SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。
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