(単位:100万円) リーディングインダストリーとしての役割 10.新たなる課題への挑戦 1 安全対策、環境保全、省エネ対策の歩み 1960年代後半以降、急速な経済発展の一方で交通事故の増加や大気汚染といった社会問題が生まれ、安全対 ● 国内主要産業の研究開発費 (自動車産業を中心に) 産業分類 1970年度 1980年度 1990年度 2000年度 自動車工業 78,529 419,775 1,295,575 1,376,956 1965年以降の日本のクルマの技術開 通信・電子・電気 ・計測器工業 129,845 535,984 2,150,049 2,752,918 発は、厳しい排出ガス規制への対応 電気機械 器具工業 97,972 281,240 996,204 1,067,084 技術に全力が注がれました。こうし 機械工業 た努力の結果、有害物質の排出量は 製造業合計 未規制時に比べ格段の低減を果たし 自動車工業の 占める割合 てきました。 全産業合計 72,352 218,877 650,332 883,617 760,870 2,895,571 8,660,299 9,815,988 10.3% 823,265 自動車工業の 占める割合 策や環境保全は大きな課題となっており、また70年代にはオイルショックを契機に省エネ・省資源の課題も 14.5% 3,142,256 9.5% 15.0% 9,267,166 13.4% 生じてきました。以来、自動車産業およびクルマ社会全体がそれらの克服をめざし、今日に至っています。 14.0% 10,860,215 14.0% 12.7% 資料: 「自動車産業ハンドブック」2001年版 2 技術革新による快適性・利便性の追求 ● 自動車の発展と技術革新分野 1950年代から60年代にかけて、急激な経済成長を支えた技術革新と重化学工業化は、一方で大気汚染や公害 クルマの快適性・利便性の追求のためにもさまざまな技術が導入されてきました。そして現在、新たに自動 をもたらし、65年以降、"環境"にめざめた社会の目が、急速に普及しはじめたクルマにも向けられるように 車メーカーが力を入れているのは、情報通信技術やエレクトロニクス技術を利用した新しい交通システムに なりました。「排ガス規制」や「安全対策」などの規制や法律がつくられ、自動車産業はその克服をめざし 対応したクルマの開発です。 てきました。さらに2度のオイルショックにより、「省エネ・省資源」という新たな課題に直面し、低燃費 能動的走行安全装置 車の開発が課題となりました。それらの相応の成果をみた80年代を経て、最近では「情報通信技術によるコ 軽量・高出力・高効率電源 ミュニケーション、多機能、多目的」などがクルマの開発思想に加わってきています。これらは、先進技術 自動走行・航行援助 によるクルマの高付加価値化とともに、将来のクルマ社会へ向けてのカーライフの充実をめざしたものとし 1990 1970 向上 性の 全 突安 高性能化 出 高 環 燃費 2000 2010 安全タイヤ・制動装置 各種部品・副資材 能動的乗員保護装置 動力機構 耐環境性塗料 情報化 カー・エレクトロニクス化、 能動的安全性の向上 軽量・高出力エンジン 省エネ・自動照明装置 代替エネルギー 向上 多目的化 多機能、 充実、 カーライフ 指向 、豪華 代替エネルギー化 高級化 リサイクル ネ 省エ 資料:「業界早わかり事典 自動車」1991年 新 交 通 システム 策 全対 境安 PHP研究所 ● 世界の安全装備の歩み クルマの安全設備における原点はシートベルトです。その実用化は1950年代半ばからドイツ、アメリカ、ス ウェーデンなどで各々独自に始まりました。60年代から70年代にかけては、衝突時に衝撃を緩和するクラッ シャブルボディの対策がドイツ、アメリカを中心に実用化されました。つづいて同2国を中心にエアバッグ 低騒音自動車 クリーン自動車 ソーラー エネルギー自動車 た。クルマの安全装備に関する今後の世界の関心は、こうした従来の衝突安全(パッシブ・セーフティ)の充 実に加えて、ABSも代表されるような事故を未然に防ぐための装備(アクティブ・セーフティ)の開発、普 社会の欲求を 満たすもの エネルギー 高効率自動車 動く事務室 利用者の欲求 を満たすもの 新エネルギー自動車 安らぐ自動車 ・太陽電池利用 ・燃料電池 ・低騒音化 オーダーメイド ・エネルギー回収(超電導利用) 自動車 ・全負荷減ク ・ハイブリッド自動車 通信衛星 リーン化 ・バッテリ性能向上 利用自動車 ・モーター性能向上 ・吸音 ↑ 時間有効利用自動車 ・セラミック ガスタービン ・メタノール ・最適経路ナビゲーション ・インテリジェント自動車 自動車 道路・鉄道両用自動車 ・快適センサ ・CIM ・遮音 ・空力向上 ・全国3時間 ・臭いコントロール ・常用域 ・FRM利用 交通圏化 ・CAD CAM クリーン化 ・軽量化 ・双方向通信 ・FRP化 地下道路利用自動車 ・湿度コントロール ・バイオ応用 ・オートエアコン ・インフラ整備 センサ 環境 第二次高速道路 ・自動車電話 ・ファジィ制御 改善 利用自動車 省エネルギー ・超強度材料利用 ・ナビゲーション ・アクティブ制御 基盤技術 が80年代から実用化されるようになり、日本もそれらに追随する形で各安全装備の研究開発を進めてきまし PHP研究所 ● 利用技術の広がりで大きく変わる将来の自動車 ↑ 資料:「業界早わかり事典 自動車」1991年 及促進へと向かっています。 カー・エレクトロニクス 各種アクチュエーター類 将来の 第2世代技術群 第1世代技術群 技術のねらい 自動車の姿 化 策 速 高 ス対 出ガ 排 化 力 インテリジェント・システム 低騒音、自動空調装置 1980 衝 位置センサ・情報通信 車両システムモニター用センサ類 て開発・普及が進められています。 1960 高機能・軽量・高強度材料 最適空力形状 車両システム制御装置 ・エレクトロ ニクス ・新素材 ・バイオ 基盤技術 社会システム との結合 安全性 技術のねらい ・4WS ・空力向上 ・TCS ・4WD ・高性能タイヤ ・ALB ・エアバッグ ・近接センサ(予知) ・オートクルーズ 第1世代技術群 ・視角センサ(予防) ・自動ブレーキ ・光電子IC ・自動操縦 ・自動運転 ・専用路自動誘 導運転 自動運転自動車 第2世代技術群 将来の自動車の姿 資料:「21世紀高度自動車社会をめざして」通産資料調査会
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