(様式1) 政 策 評 価 調 書 平成28年度における政策評価 秋田県公安委員会 秋田県警察本部長 政 策 名 少年非行防止・保護総合対策の推進 評価実施者 秋田県公安委員会 秋田県警察本部長 評 価 対 象 少年非行防止・保護総合対策の推進 評 価 時 期 平成28年7月 Ⅰ 政策を取り巻く治安情勢 全国的に、社会の耳目を集める少年による凶悪事件や子供被害の重大事件、悲惨な児童虐 待事件が後を絶たないほか、人間関係の希薄化、社会環境の複雑化、インターネット上の違 法・有害な情報の氾濫等、少年を取り巻く環境は非行防止と保護の両面において、依然とし て厳しいものとなっている。 こうした情勢を踏まえ、地域と連動した少年非行防止・保護総合対策の一層の推進が求め られている。 Ⅱ 政策の目的 県内における少年非行の現状は、非行少年数については減少傾向にあるものの、悪質な非 行事案が断続的に発生しているほか、インターネット上の有害サイトを利用した少年の福祉 を害する犯罪や、児童虐待、不審者からの声掛け事案が後を絶たないなど、少年を取り巻く 環境は依然として予断を許さない状況にある。こうした情勢を踏まえ、関係機関・団体、ボ ランティア、地域住民と連携した少年非行防止・保護総合対策を一層推進し、非行少年や被 害者を生まない社会の実現を目的とする。 Ⅲ 政策を構成する施策の推進状況及び評価結果 1 施策推進の基本及び取組 (1) 基本 少年の非行及び犯罪被害防止対策として、非行少年を生まない社会づくりを推進すると ともに、被害少年に対する保護活動の推進、児童虐待・いじめへの迅速・適切な対応、少 年の福祉を害する犯罪の取締り、フィルタリング機能に関する広報・啓発等、少年の健全 育成に向けた総合的な対策を推進する。 (2) 取組 ア 非行少年を生まない社会づくりの推進 イ 被害少年に対する保護活動の推進と児童虐待・いじめへの迅速・適切な対応 ウ 少年の福祉を害する犯罪の取締りとフィルタリング機能に関する広報啓発等少年の健 全育成に向けた活動の推進 2 施策の推進状況及び評価結果 (1) 推進状況 ア なまはげNEWS隊による非行及び犯罪被害防止活動 男鹿の伝統行事である「なまはげ」に扮した隊員が、主として小学校を対象に規範 意識や防犯意識の向上を目的に非行及び犯罪被害防止教室を開催しているものであ り、平成27年中は県内の小学校等における非行及び犯罪被害防止教室や各種啓発活動 を266回実施し、規範意識及び防犯意識の向上を図った。 イ 大学生少年サポーターの活動 少年と年齢的に近く、親しみを持ちやすい大学生10人を大学生少年サポーターに委嘱 し、勉学支援や社会参加活動への支援を行うとともに街頭補導活動・キャンペーン等を 実施した。 ウ 有害環境浄化対策の推進 警察官と少年指導委員による飲食店、パチンコ店、ゲームセンター等風俗営業店の 巡回活動を実施するとともに、少年の福祉を害する犯罪の取締りを推進した。 また、少年指導委員に対する研修会を開催し、有害環境浄化に係る職務遂行に必要な 知識・技能の修得を図った。 エ スクールサポーターによる児童・生徒の非行及び犯罪被害防止活動 スクールサポーター7人が学校等を訪問するなどして、平成27年度中は非行及び犯 罪被害防止教育を518回行ったほか、9,901回に及ぶ学校等における児童等の安全確保活 動を行った。 オ チャイルド・セーフティ・センターによる子どもSOS対応活動 アルヴェに設置したチャイルド・セーフティ・センターを拠点に、子どもSOS対 応活動などを実施した結果、平成27年度中は33件の相談が寄せられたほか、センター 員の巡回による声掛け人員は42,675人に及んだ。また、学校等の要望により非行及び 犯罪被害防止教室を182回実施した。 (2) 評価結果 A:着実に推進 各種事業を積極的に推進したことにより、非行少年数の減少傾向が維持されるなど少 年の規範意識及び被害防止意識の向上に大きな効果が見られ、着実に推進されている。 少年の健全育成を地域に更に定着させるためには、引き続き、地域が一体となって非 行防止活動及び健全育成活動を継続して推進することが必要である。 推進状況 施策評価の結果 事業数 事業費 (千円) 必要性 有効性 緊急性 総合評価 1 非行少年を生まない社会づくりの推進 3 51,006 A A A A 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 Ⅳ 政策の推進状況に関する県民意識 立ち直り支援活動に参加した少年や保護者から、「勉学支援活動のおかげで目的意識が持 て、勉強の意欲がわき高校にも合格することができた。」との声が寄せられた。 また、チャイルド・セーフティ・センターの職員やなまはげNEWS隊による各種教室につ いては、「寸劇や体験型の内容を盛り込んだ教室は子供でも理解しやすく、教育的効果が高 い。視覚的効果が非常に高く、参加型の教室で子供の心に残る内容だ。」と好評を得てお り、県内の各学校や児童館等から非行・犯罪被害防止教室等開催の要望が多く寄せられた。 県民は、少年の非行や犯罪被害を身近な不安と感じており、少年による凶悪事件や少年が 被害者となる重大事件は模倣性も強いため、非行・被害の未然防止対策や規範意識の向上に は大きな期待が寄せられているところである。 次代を担う少年の健全な育成は社会全体の課題であり、少年非行防止や保護対策の推進に 対する関心と期待も高く、県民の不安を解消するためにも少年非行防止・保護総合対策を一 層推進する必要があると認められる。 Ⅴ 政策の評価 総合評価 A 順調 B 概ね順調 C 遅れている 1 政策の推進状況 なまはげNEWS隊による非行及び犯罪被害防止活動、大学生少年サポーター等による立 ち直り支援活動、少年指導委員の巡回活動、スクールサポーターによる学校や地域と連携し た各種活動及びチャイルド・セーフティ・センターによる子どもSOS対応活動等の少年非 行防止・保護総合対策を積極的に展開した結果、平成27年中の県内の非行少年数は217人で あった。 平成14年から毎年減少していた非行少年数は平成21年から増加に転じたが、本事業を継続し て実施したことにより、平成23年から5年連続して減少し過去最少となるなど、少年の規範意 識及び被害防止意識の向上に大きな効果が見られ、本政策は順調に推進されている。 2 課題と今後の推進方向 県内における平成27年中の非行少年数は217人で、5年連続して大幅に減少しているもの の、社会環境の変化や規範意識の低下等によって急激に増加に転ずる側面を持っており、イ ンターネット上の違法・有害サイトを利用した非行・犯罪被害が後を絶たないなど少年を取 り巻く環境が変化している現状に鑑みると、より一層の対策が求められている。さらに、少 年による悪質な事件や少年の福祉を害する犯罪の被害、児童虐待事案等が社会問題になって いることから、少年の非行防止活動とともに犯罪被害防止活動を強力に推進し、地域ぐるみ の非行防止及び保護対策を定着させる必要がある。 Ⅵ 政策評価委員会の意見 (政策評価委員会に対して諮問する政策のみ記載)
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