地域におけるオペラ 公演開催について =日本の現状と課題・中間報告= ーホールによるオペラ制作ー 石田麻子 Summary 興行(オペラ公演制作)と運営(ホール管理)の分離 (開場時の帝国劇場などを除く) 興行と運営の一体化=ホールによるオペラ制作の 開始 ⇒ 観客層の広がり ホール類型「自主制作型」「自主制作・共催混合型」 「国内団体提携型」「招聘型」 オペラ団体とホールそれぞれのオペラ公演開催に よる双方の関係変化 公演主体による分類 1. 海外から招聘したオペラ劇場などの 来日公演 2. 国内のオペラ団体 2.1. 藤原歌劇団、二期会、東京室内歌劇場など 海外の作品を中心に公演する団体 2.2. 日本オペラ協会、名古屋オペラ協会、 関西歌劇団、沖縄創作オペラ協会など 日本の作品を中心に公演する団体 3. 市民オペラ活動 4. ホール制作のオペラ公演 「自主制作型」ホールのミッション ー新国立劇場ー 広く国民が芸術文化を享受できることを目 指す 国際的にわが国が文化的発信をするため の拠点としての役割を担う <オペラ制作の基本方針> スタンダードな作品の上演 上演機会の少ない優れた作品の上演 日本の作曲家の作品の上演 ホール類型 「自主制作型」 新国立劇場 びわ湖ホール 「国内団体提携型」 横須賀芸術劇場 アルカイックホール 参考: 大阪音楽大学 「ザ・カレッジ・オペラハウス」 「自主制作・共催公演 混合型」 愛知県芸術劇場 広島アステールプラザ 「招聘型」 アクトシティ浜松 オーバードホール 公演開催状況 「自主制作型」 −新国立劇場− 1997年 1998年 1999年 2000年 自主制作 3−18 5−24 5−27 9−44 国内団体 0 0 0 0 海外招聘 0 0 0 0 共催事業 国内団体 0 4−19 4−16 8−37 海外招聘 0 0 0 0 貸館事業 国内団体 6−27 11−30 5−19 6−17 各年度 自主事業 海外招聘 合計 0 0 1−5 2−6 9−45 20−73 15−67 25−104 1 「自主制作型」ホールのミッション −びわ湖ホール− 公演開催状況 「自主制作型」 ーびわ湖ホールー 自主事業 特色: 声楽アンサンブルの運営 「プロデュースオペラ」公演、 「青少年オペラ劇場」、 「県民オペラ」などの開催 共催事業 貸館事業 1 9 92 1 9 93 1 9 94 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 自主制作 0 1−2 1−2 1−2 1−2 1−2 0 0 0 0 海外招聘 1−4 0 1−4 0 0 1−3 0 0 1−2 0 各年度 共催事業 貸館事業 国内団体 0 1−1 1−1 1−2 0 1−1 3−3 0 0 0 ニッセイ 0 1−3 1−1 1−3 1−3 1−3 1−3 1−3 1−3 1−3 地元団体 1−2 0 1−2 1−2 1−2 1−2 1−2 1−2 1−2 1−2 国内団体 0 1−1 0 0 0 0 0 0 0 0 国内団体 0 0 1−3 3−6 0 1−1 1−3 0 3−6 2−2 地元団体 2−3 1−2 3−4 1−1 1−1 2−3 1−1 2−2 0 1−1 海外招聘 0 1−3 3−4 5−6 3−5 6−8 6−7 6−7 4−4 8−9 4−9 5 −12 12 −21 13 −22 7 −13 14 −23 13 −19 10 −14 10 −17 13 −17 合計 公演開催状況「招聘型」 ー富山市芸術文化ホールー 各年度 自主事業 共催事業 貸館事業 合計 自主制作 1999年 2000年 2001年 4−7 3−8 3−8 4−10 国内団体 0 1−1 0 0 海外招聘 1−3 1−1 2−2 1−1 国内団体 0 0 0 1−1 海外招聘 1−1 3−4 1−1 4−5 国内団体 1−1 2−2 0 0 海外招聘 0 1−1 0 0 7−12 11−17 6−11 10−17 合計 公演開催状況 「招聘型」 ーアクトシティ浜松ー 公演開催状況「自主制作・共催公演型」 ー愛知県芸術劇場ー 自主事業 1998年 自主制作 各年度 県民へ国際的水準の舞台芸術を提供する 湖国、滋賀のシンボルとなる 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2−2 1−1 0 0 0 1−1 1−1 国内団体 0 0 2−2 2−2 1−1 0 1−1 海外招聘 1−1 1−1 0 1−1 2−2 1−1 1−1 国内団体 0 0 1−1 0 0 0 0 海外招聘 0 1−1 0 0 0 0 0 国内団体 0 0 0 0 0 0 0 海外招聘 0 0 0 0 0 0 0 3−3 3−3 3−3 3−3 3−3 2−2 3−3 各年度 自主事業 共催事業 貸館事業 合計 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 自主制作 0 0 0 0 0 0 0 0 国内団体 0 1−1 0 1−1 0 0 0 0 海外招聘 1−2 0 3−3 3−3 2−2 4−4 1−1 0 国内団体 1−1 1−1 0 0 0 1−1 0 1−1 海外招聘 0 0 0 0 0 0 1−1 1−1 国内団体 0 0 0 1−1 0 2−3 0 0 海外招聘 1−1 0 0 0 0 0 0 1−1 2−4 2−2 3−3 5−5 2−2 7−8 2−2 3−3 「国内団体提携型」 尼崎市総合文化センターアルカイックホール オペラ公演の方針 ー団体との「協働」− 関西の3団体の公演を毎年開催 ・関西歌劇団: 31演目ー62ステージ 1982年以降 ・関西二期会: 35演目ー87ステージ 1985年以降 ・ニューオペラシアター神戸: 10演目ー20ステージ 1992年以降 オペラ制作のアウトソーシングに成功 2 オペラルネッサンス事業における 広島のオペラ団体の活動 ひろしまオペラルネッサンス事業 平成4年∼平成8年 <環境> 平成3年 アステールプラザ開場 在広のオペラ団体ー既存の4団体に加えてさら に1団体が活動開始 合計5団体が活動 広島交響楽団、音楽大学、音楽高校 <活動内容> 共同制作: 『ドン・ジョバンニ』 新作オペラ:『犀』 『じゅごんの子守唄』 在広オペラ団体の公演、招聘公演(二期会・藤原) 平成 5年 新ひろしまオペラルネッサンス事業 広島のオペラ団体の活動(+14年度) 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年 広島オペ ラアンサン ブル 『ヤカモチ』 『ヘンゼルと グレーテル』 『小栗栖の 長兵衛』 『トスカ』 『散華』 『ラ・ボエー ム』 広島市民 オペラ実 行委員会 『カルメン』 『ラ・ボエー ム』 『カヴァレリ ア・ルスティ カーナ』他 『外套』 他 『椿姫』 『カルメン』 『ザネット』 『呼び鈴』 『シャムニー のリンダ』 休演 『結婚手形』 他 『ヘンゼル とグレーテ ル』 休演 休止 野薔薇座 『ボッカチオ』 『こうもり』 『魔笛』 (ミュージカ ル公演) HIOS 『蝶々夫人』 『イル・トロ バトーレ』 『ランメルモー 『蝶々夫人』 『カルメン』 ルのルチア』 『椿姫』 平成 8年 『藤戸の浦』 『白墨の輪』 『領事』 広島市民オペ ラ 実行委員 会 『カルメン』 『パリアッチ』 他 『ラ・ボエーム』 『椿姫』 オペラフェスティ 『リタ』他 バル 『ラ・チェッキーナ』 『月の世界』 『夢遊病の女』 野薔薇座 『メリー・ウィドウ』 『ヘンゼルとグレーテ ル』 『わたしの貴婦 人』 『天国と地獄』 HIOS 『ランメルモールのル チア』 『奥様女中』 『ジャンニ・スキッキ』 『友人フリッツ』 『コシ・ファン・トゥッ テ』 助成 新文化拠点推進事業 新文化拠点推進事業 文化会館活性化 プラン 文化のまちづくり 事業 新ひろしまオペラルネッサンス事業 (平成9年度~平成13年度) <環境> 財団法人地域創造による助成 (「地域の芸術環境づくり」平成9~11年度) 国民文化祭開催ー平成12年度 <活動内容> 共同制作: 『フィガロの結婚』 『ドン・ジョバンニ』『コシ・ファン・トゥッテ』 新作オペラの再演: 『じゅごんの子守唄』 地元団体オペラ定期公演、招聘公演(国内・海外) オペラフェ スティバル 平成 7年 『魔笛』 新ひろしまオペラルネッサンス事業 平成9年∼平成13年 平成9年 平成 6年 広島オペラ アンサンブ ル 『わたしの 貴婦人』 平成9年度 平成10年度 平成11年度 創作オペラ (準備期間) 平成12年度 『ドン・ジョバンニ』 自主制作 公演 平成13年度 『じゅごんの 子守唄』再演 『コシ・ファン・ トゥッテ』 『フィガロの結婚』 招聘公演 藤原歌劇団 在広島 団体公演 4団体× 2ステージ 5団体× 2ステージ 助成 (財)地域創造 (財)地域創造 バーデン市立 劇場 二期会 5団体× 2ステージ 4団体× 2ステージ 5団体× 2ステージ (財)地域創造 (国民文化祭) まとめ <現在> 首都圏と関西、首都圏と他の地域など 国内における二項対立的現状把握 <今後> アジアをはじめ世界における日本のオペラ制作 日本から世界へ発信するオペラ 3
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