第1回

<平成28年度後期>
内容:
1. 序論
電磁気学 I (再) 第1回
井上 真澄
電磁気学Iの学び方
概要,目的,授業予定,他科目との関係,注意点,
ベクトル量の表記,など
電気とは
身の回りの電気
電気の活躍する場,日常の静電気現象,
静電気応用の工業製品
●授業予定:
この授業について
1. 序論 (日常における電気現象,電磁気学Iの学び方)
2. 点電荷による電界(電場) (点電荷に関する電気力,電気的仕事,電界,
重ね合わせの原理,複数の点電荷による電界)
●科目名: 電磁気学 I 3. 分布した電荷による電界,電界中の荷電粒子 (分布した電荷による電界
,電気力線,電界中の荷電粒子の運動)
●開講対象: メカトロニクス工学科 2年生
4. ガウスの法則 (電束,ガウスの法則)
5. 電位(1) (ポテンシャルエネルギーと電位,電位差と電位,一様な電界にお
●授業の概要と目的: メカトロニクスでは,機械・電気・
情報の複合系を取り扱うため、電気工学の技術が必要
となります。この授業では電気の基礎および磁気の基
礎を,デモ実験あるいはDVD画像も用いながら,実感
的に確実に理解することを目的とする。
●到達目標: 静電界,コンデンサーの電気容量,充電エネ
ルギー,静磁界中の電流への力,モータの回転トルク
発生に関してしっかりと理解できる。
ける電位差,点電荷による電位)
6. 電位(2) (分布した電荷による電位,電位と電界)
7. 容量(静電容量) (容量の定義,複数のコンデンサーの接続)
8. 導体と誘電体 (導体,誘電体(絶縁体),誘電率)
9. コンデンサーのエネルギー (コンデンサーに蓄えられるエネルギー)
10. 誘電体の効果 (誘電体挿入によるコンデンサーの容量変化)
11. コンデンサーの充電 (電気を貯める瓶(ライデン瓶、コンデンサー)の
発明史,流体とのアナロジー,電気2重層キャパシター)
12. 磁界(磁場)における荷電粒子の運動 (磁界の定義と性質,磁界中にお
ける運動荷電粒子への力(ローレンツ力))
13. 磁界中の電流に作用する力 (磁界中に置かれた電流の流れる導線に作用
する力)
●教科書: Raymond A. Serway(松村博之訳):科学者と
技術者のための 物理学 Ⅲ 電磁気学(学術図書出
版社) [電気回路基礎と共通]
14. 磁界中でループ電流に作用するトルク (磁界中に置かれたループ電流に
作用する力,磁界の大きさおよび磁界中のループ電流の大きさとトル
ク)
15. まとめ (電磁気学Ⅰで学んだ基礎知識のまとめ)
【教科書中での電気回路基礎,電磁気学I,電磁気学II の関係】
◎ 試験・・・中間試験,期末試験
◎ 演習・・・毎時間(授業前課題,授業時間内演習)
【他科目との関係】
[ :電気回路基礎, :電磁気学I, :電磁気学II]
注意点
・(物理的)イメージを持って理解
イメージを持って理解するように心がける。
イメージを持って理解
<参考動画(YouTube)>
MIT(アメリカ)の電磁気学授業
以下のサイトからのリンクで見ることができる。
http://ocw.mit.edu/courses/physics/8-02-electricity-and-magnetism-spring-2002/
・式だけでなく,電気・磁気現象が起こる仕組みを理解する。
・教科書は予め読んで授業に参加する。
このMITのwebページは事情により現在閉鎖されているが,検索
サイトでキーワードに「Walter Lewin electricity and magnetism」と
入力して調べるとこの授業のYouTubeの動画が検索される。
・毎回,次回の授業までにやってくる課題を出す
次回の授業までにやってくる課題を出すので,下記のウ
ウ
次回の授業までにやってくる課題を出す
ェブサイトからダウンロードした用紙
次回授業の
ェブサイトからダウンロードした用紙に記入して,次回授業の
サイトからダウンロードした用紙
最初に提出する。また,追加資料・追加情報などがある場合も
最初に提出
このサイトに掲載する。
http://mechatronics.meijo-u.ac.jp/labs/rrr004/inoue/lec_em1-b_16.html
・授業資料は,基本的に前期の電磁気学Iで使用したものを使う
ので,授業に持ってくること。前期の電磁気学Iのウェブサイ
ト(下記URL)は引き続き見られるようにしてある。
http://mechatronics.meijo-u.ac.jp/labs/rrr004/inoue/lec_em1_16.html
・演習の時間には,わからないところは教員や他の人に聞いて,
演習の時間には,わからないところは教員や他の人に聞いて,
授業時間内に理解するように努める。(理解できていないのに
授業時間内に理解するように努める
授業に関係ない雑談をするのは時間の無駄!)
実演を取り入れた
授業の様子が見ら
れる。
電気とは
ベクトル量の表記
英語:electricity・・・語源 ηλεκτρον [electron] =琥珀
スカラー量の表記
・・・通常イタリック体のアルファベット(A, aなど)
ベクトル量の表記
・・・太字にする(A, aなど),あるいは
琥珀 琥珀ペンダント 琥珀ブレスレット
a
A など)
文字の上に矢印を付ける( ,
といった方法で表記
日本語:「電」・・・雷の別名。「雨」の下に「申」(稲光の形)
(「 」は稲光が屈折して走る形)
電気・・・雷の素
太字を手書きで書く場合は縦線を1本足して文字の
一部の縦線を二重にする。
例: , , , , , , , , , ,
など 電気に関するできごと
紀元前600年頃 琥珀をこすると小さいものを引きつける静電気現象の
発見(ギリシャ)
16世紀 ギルバート(イギリス)は,いろいろのものをこすると琥珀
と同じ現象が現れることを発見(静電気現象が科学研究の対
象に)
[ギルバートは1600年に「磁気について」を著した]
1752年 フランクリンの凧揚げ実験(静電誘導により凧につないだラ
イデン瓶に電気をためる) → 雷が電気現象であることの
証明
[フランクリンは電気素が二種類(正と負)あるという考
えを示した]
1780年 ガルバーニ(イタリア)は金属でカエルの脚にさわると脚が
痙攣することを発見(動物電気(生体電気)の発見)
1800年 ボルタ(イタリア)は異種金属の接触で電気が発生すること
を発見(電池の発明)
1897年 トムソン(イギリス)は陰極線(陰極から出る粒子の流れ)
の粒子の質量や質量と電荷量の比が電極や気体の種類に関わ
らず一定であることを発見(この粒子はいろいろな原子を構
成する共通の物質だという考え)(電子の発見)
身の回りの電気
電気の活躍する場
照明(電球,蛍光灯,LED),時計
冷蔵庫,電子レンジ
マイクロフォン,計算機,テレビ,ラジオ,携帯電話
カメラ,ビデオ・CD・DVDレコーダ/プレーヤ
自動車,飛行機,鉄道
雷,静電気
光(電磁波),虹(光の屈折・分光)
放送,通信
生体信号(神経,筋肉の動き,心臓の鼓動)
原子,分子,化学反応
・・・・
静電気応用の工業製品
日常の静電気現象
・ゼロックスコピー
・摩擦電気
二種の物質をこすり合わせる
→ (相対的に)電子を放出しやすい物質から電子を受け
取りやすい物質に電子が移動
→ 片方が正に,もう片方が負に帯電(静電気)
・摩擦する材料の組み合わせ → 正に帯電,負に帯電
琥珀と毛皮・・・毛皮が正,琥珀が負
琥珀とゴム・・・琥珀が正,ゴムが負
・帯電した絶縁体の棒と他の物体(導体/絶縁体)との間に働く力
他の物体が導体か絶縁体による違い
・煙の浄化機(静電集塵機)
・静電植毛
コロナ放電でイオン発生
イオンで帯電したダストが
集塵電極へ移動・付着
(製品例)
または
<乾式> <湿式>
ハンマ槌打による衝撃力で堆
洗浄によりダスト排出
積ダストを剥離
コタツのヒータカバー 宝石箱・眼鏡ケース
・バン・デ・グラフ発電機