KEN –177602 ケニア 正式名称は「ケニア共和国」。 アフリカ大陸の北東に位置し、エチオピア、ソマリア、 タンザニア、ウガンダ、スーダンに囲まれ、南東部 はインド洋に面しています。 旧イギリス植民地のため、公用語の1つが英語とな っています。国名の「ケニア」は、中央部にあるケニ ア山(標高 5,299m)に由来しています。 マサイ語で「冷たい水」を意味する首都ナイロビは、サハラ以南のアフリカの中心的都市と して、国連環境計画(UNEP)をはじめ多くの国際機関が本部あるいはアフリカの代表部な どを置いています。 <日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください エミレーツ航空によるドバイ経由で、 乗り継ぎ約 5 時間を加えると、移動に約 18 時間かかります。 一口メモ ・国土は日本の約 1.5 倍で 大部分は 1100~1800m の高原 ・年間平均気温は 19 度で乾燥している ・雨期は 2 回ある 小雨期 11-12 月/大雨期 3-5 月 <民 族 など> ケニア国全体では、キクユ族、ルヒヤ族、カレンジン族、ルオ族、マサイ族などさまざまな 民族がいます。伝統宗教、キリスト教、イスラム教が主流です。 公用語はスワヒリ語・英語です。プログラム地域はマサイ族が主流であるため、マサイ語 が話されています。 4 KEN –177602 オレントン地域開発プログラム 首都のナイロビから西へ 150 キロメートル、車で約 2 時間程にある北ナロク県マウ郡で、 オレントン地域開発プログラムを実施しています。 ケニア共和国 支援期間:2003 年~2017 年 ** オレントン 地域開発プログラム ● ナイロビ 支援地域: リフト・バレー州 北ナロク県 マウ郡 シアペイ・オルチョロ・エントントル地域 **支援期間はプログラム準備期間を含みま す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し ていない突発事項やプログラムの進捗状況に より、変更される場合があります。 <地域の課題> ① 水資源の不足 安全な水の確保が難しく、水源の整備も遅れているため、水因性疾患に苦しむ子どもが後を絶 ちません。 農作物や家畜の発育にも悪影響をおよぼし、食糧不足を引き起こしています。 ② 栄養状況の劣悪さ 栄養に関する基本知識が乏しく、子どもの健全な成長を妨げています。 ③ 教育に対する理解が少ない 地域に子どもが教育を受ける必要性について理解する大人が少なく、子どもが継続的に学校 に通うことが困難です。 ④ 不十分な保健衛生サービス 保健センターは地理的に遠いため、住民が活用できず、医師をはじめとする医療従事者、医薬 品ともに不足しています。 衛生知識が不足している大人が多く、予防できる病気や簡単に治せる病気で命を落とす子ど もが多くいます。 HIV/エイズをはじめとするさまざまな疾患、事故などにより、保護者を亡くした子どもたちへの 支援が必要です。 ⑤ 女性の地位の低さ 女児は幼いころから家事労働に従事したり、早婚を強いられたりするために、男児に比べて教 育の機会が限られています。 地域には、そのほかさまざまな課題が山積しています。地域開発プログラムを通し、こうした課題 を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。 1 KEN –177602 <データでみるケニア> 比べてみると… 新生児死亡率 ※① 5 歳未満児死亡率 ※② 安全な水へのアクセス率 衛生施設利用率 ※③ 成人の総識字率 出生時の平均余命 GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル ケニア 日本 27 73 61% 29% 72% 61 歳 840 1 3 100% 100% 83 歳 47,870 ※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す ※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す ※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合 出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より ・新生児死亡率は 日本の 27 倍であること ・5 歳未満死亡率は 日本の約 24 倍であること ・安全な水の入手が難しいこと ・出生時の平均余命は日本と 22 歳も差があること データから読み取れるだけでも、 多くの課題が見えてきます。 ワールド・ビジョンでは、子どもた ちを取り巻くこうした課題に、“地 域開発”という観点から取り組ん でいます 水汲みは女性と子どもが担う大切な仕事です。 そのため学校に通い勉強するよりも、優先されます 2 KEN –177602 依然として高い子どもの死亡率 ケニアでは、新生児死亡率と 5 歳未満死亡 率が依然として高く、その主な原因として感 染症と栄養不良が挙げられます。さらに、医 療施設や診療所の費用が払えなかったり、 診察費が無料あるいは安くても、診療所ま でとても遠く、子どもが病気になっても、気軽 に診療を受けられない現状があります。 衛生教育についてトレーニングを受けるコミュニティの人々 水汲みは女性と子どもの仕事 ケニアでは一般的に水汲みは女性と 子どもの仕事です。険しく、遠い道の りを、何十キロにもなる容器を頭の上 に乗せて1日に数回歩いて運びます。 そのため、学校へ行く時間はなく、女 児の就学率・識字率の低さにもつな がっています。 地域にある学校にて。地域の子どもたちが継続して学校に通 い、勉強に集中して取り組める環境作りが課題です 3 また、支援地域には農業・牧畜で生計 をたてる家庭が多く、少しでも収穫高 を上げるため大人は仕事にかかりき りです。そのような中、女児は家業の 手伝いだけでなく、弟妹の世話や家 事全般を担うことが多いのが現状で す。
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