第4学年 算数科学習指導案 1 単元名 見積もりを使って 2 目標 ○ まとまりを作って概数にする仕方に関心をもち、加法の見積もりをしようとしている。 (関心・意欲・態度) ○ 数量を概観し、およそ100、1000のまとまりを考えて見積もることができる。 (数学的な考え方) ○ およそ100、1000などのまとまりをつくって見積もることができる。 ○ まとまりをつくる見積もりの仕方を理解する。 3 (技能) (知識・理解) 指導観 ○ 本単元は、学習指導要領の〔A数と計算〕(2)の「概数について理解し、目的に応じて用いる ことができるようにする。 」を受けて構成されている。 これまでに児童は、前単元「概数とその計算」において、四捨五入して概数で求めることを学習 し、次に、その和、差、積、商の計算について学習してきた。また、第1学年から第3学年まで、 見積もりの素地になる学習「買えますか?」「買えませんか?」のコーナーが設けられ、ある金額 で品物が買えるかどうかを判断し、その理由を説明する学習に取り組んできている。 本単元では、学んだことを生かす場として、目的に応じて、条件を満たすように判断しながら見 積もりを活用する学習を行う。およその数を見積もる場合、前単元では、数を四捨五入してから計 算を簡素化するという概算方法の学習を行った。本単元では、それ以外の方法として、合わせて1 00や1000のまとまりをつくるなど計算処理に都合のよいように数の組み合わせを考えて、結 果を見積もる方法とそのよさを感じ取らせる学習を行う。 これらの学習を行うことで、結果の見通しを立てたり、大きな誤りを防いだりすることができ、 見積もりの仕方を工夫したり、学習や日常生活の中で生かしたりすることもできる。また、本校の 教育目標「たくましく、心豊かで、自ら考え行動する児童の育成」の具現化を図る上でも意義深い。 ○ 本学級の児童(男子15名、女子13名)の算数科学習に対する意識調査では、「とても好き」 15名、「好き」9名、「あまり好きでない」4名、「きらい」0名で、8割以上の児童が好きだと 答えている。また、自分の考えをもったり、ノートに書いたりすることはできると答えている児童 は多いが、考えを伝えることに対しては苦手意識をもっている児童が3割いる。発表には意欲的で あるが、 「相手を見て」 「大きな声で」 「分かりやすく」 「最後まではっきりと」などの点でまだ十分 ではない。前で説明する際に、相手によく聞こえるように相手をしっかりと見て話したり、順序を 表す言葉を使ったりすることに対しては意識して行うようにはなってきた。ペアやグループでの話 合いや「ここまでは分かった」という言葉を用いる表現をさせることで、伝えることへの抵抗は少 しずつ取り除けているが、まだ十分とは言えない。引き続き個別の指導やペアでの話合いを行うこ とで自信をもたせていきたい。数に対する感覚や計算力、暗算力には個人差が見られる。また本学 級には、個別指導を必要とする児童もいるため、特別支援教育支援員の協力を受けている。 ○ そこで指導にあたっては、算数に苦手意識をもっている児童が得意な児童から解答へのヒントを 得たり説明の仕方や考え方の参考にしたりできるような座席配置にしたい。また、数字カードや学 習プリントなどを準備し、個に応じた支援を行っていく。 「つかむ・見通す」段階では、カードに書かれた7つの数のおよその数を考えさせることで、前 単元「概数とその計算」で学習した概数や四捨五入について復習を行い、本時学習へとつなげる。 カードに書かれた数が袋詰めされたペットボトルキャップの数であることを知らせ、合計がおよそ いくつになるかを考える問題であることのイメージをつかませるとともに、学習への意欲付けを図 る。前単元での和の見積もりでは、2つの数を概数にしてから計算したが、本時は多くの数を加え る場面であり、どのように考えればより簡単に合計が出せるかを意識させることで学習の見通しを もたせ、めあてをたてる。めあてには、「まとまりをつくって」という言葉を入れることで、まと まりをつくること、どんな数のまとまりをつくればよいかを考えていくことをしっかりと意識させ て学習に取り組ませたい。 「調べる」段階では、ノートに数や数のまとまり、問題に対する答えを書かせ、説明の練習をさ せる。自力解決が難しい児童に個別に声をかけ、数字カードを与えたり概数の書き込みをさせたり することで、カードを操作しながら自力解決できるように支援する。早く解けた児童には説明の仕 方を考えさせ、友達に伝わるように分かりやすく説明できるよう助言する。また、もとの数をその まま計算させ、数にあまり違いがないことに気付かせる。 「深める」段階では、練習問題1について全体で話し合い、100のまとまりをつくると簡単に、 早く合計を出すことができることを感じ取らせる。また、もとの数をそのまま合計した数と比べさ せることにより、まとまりをつくって見積もる方法の便利さやよさに気づかせる。練習問題△③で は、1での学習を生かし、どんな数のまとまりを作ればよいか、計算しやすい数の組み合わせはど うなるかを自分で考えた後、ペアやグループでの学び合いを通して考えを深めたり、自分の考えに 自信をもたせたりできるようにする。説明する場面では数を指し示したり線で結んだりしながらま とまりを作らせ、説明するポイントを意識しながら、分かりやすく説明できるようにさせたい。組 にするものを線で結んだり印や数をかき込んだり、理由付けしながら説明したりする活動を3回繰 り返すことで、理解の定着と数学的な考え方の育成を図っていく。また、説明の再現活動を取り入 れることで、分かりやすく伝えることを意識させたり、理解の確認を行ったり、理解の定着を図っ たりする。 「まとめる」段階では、めあてとまとめを振り返り、本時の学習内容を再確認させる。また、ま 2 とまりの数が1つの場合もあれば2つの場合もあること、状況に応じて自分で計算しやすいように 見積もればよいことも確認し、買い物や数の合計など生活の中で生かしていこうとする意欲につな げたい。 4 単元指導計画 (2時間) 主な学習内容 時数 1 本時に必要な既習事項 100や1000などのま 計算の工夫 とまりをつくって見積もる 見積もり 評価計画(観点) ○ 型 数量を概観し、およそ100 や1000のまとまりを考えて 方法のよさを理解する。 見積もることができる。 (数学的 な考え方) (本時) ○ B まとまりを作る見積もりの仕 方を理解する。 (知識・理解) 1 約何百万とみたり、100 およその数 万のまとまりをつくったり 値段のまとまり る方法に関心をもち、見積もり して、目的に応じて見積も 計算の工夫 を用いて判断しようとして い り、判断することができる。 見積もり 5 ○ まとまりをつくって概数にす B る。 (関心・意欲・態度) (技能) 授業仮説 ○ 導入段階において、100のまとまりを意識させることで、児童が自分の考えをもつことができ るであろう。 ○ 自力解決から全体への話合いまでの活動を3回行うことで、友達の考えを参考にして、自分の考 えを深めることができるであろう。 6 本時の目標 ○ 100や1000などになる組み合わせを考え、加法の見積もりの仕方を工夫し、問題を解くこ とができる。(数学的な考え方) ○ まとまりをつくる見積もりの仕方を理解する。(知識・理解) 7 学習指導過程【B型】 学習活動及び学習内容 段階 指導上の留意点【評価(観点) 〔方法〕】 つかむ ・見通す 1 5 本時の学習につながる既習事項を 振り返る。 ○ カードに書かれた数字のおよその数を ・ およそいくつかを考える。 考えさせることで、本時学習につなげる。 61 39 54 45 98 73 33 2 合計を見積もるという学習問題1 ○ ペットボトルキャップの袋づめを見せ ることで、問題へのイメージをもたせ、 の「合計がおよそ何個になるか」と 学習への意欲を高める。 いう題意をつかむ。 資料 数字カー ド ペットボ トルキャ ップ ○ これまでに学習した概数で求めた和の 見通しをもつ。 計算の方法を思い出させ、本時学習では ・ 合計だからたす。 どのように考えればより簡単に答えが出 ・ それぞれの数を概数にしてたす。 ・ 合わせて100のまとまりをつ せるか見通しをもたせる。 くってたす。 ・ 組み合わせを考えて線で結んで、 たす。 4 めあてを立てる。 ○ たす数がたくさんある場合の合計のよ り簡単な出し方が、まとまりをつくって まとまりをつくって考えよ 見積もる方法だということを意識させて う。 学習に取り組ませる。 5 自分で考える。 【自力解決の場】 ○ 100のまとまりがすぐにつくれない 問題用紙 児童には、それぞれの数のおよその数を 数 字 カ ー 書き出させたり、カードを操作させたり ド して100になる数の組み合わせを考え させる。 ○ 個別支援を要する児童に対しては、担 任だけでなく支援員も個別にヒントや指 示を与える。 ○ 早く解けた児童には、説明の練習をさ せた後、もとの数の合計を計算させ、見 積もった場合とあまり変わりがないこと に気づかせ、100の組をつくって見積 もる方法の便利さやよさを実感させる。 6 全体でまとめる。 【学び合いの場】 ○ 相手に分かりやすく伝えられるよう ○ 考えを伝える。 に、説明する際の気をつける点をしっか 〈話し合う際に気をつける点〉 りと意識させる。 ・相手を見ながら話す。 ○ 児童の説明の上手なポイントを称賛 ・大きな声で、はきはきと、最後ま し、意識を高める。 でしっかりと話す。 ○ 「およそ100のまとまりが4つでき ・順序を表す言葉を使って話す。 るからおよそ400」と言えるようにす ・最後までしっかりと聞く。 る。 3 調 べる 3 深 める 35 ○ もとの数で計算した場合との対 比 ○ 見積もった場合ともとの数で計算した 場合とでは、近い値になることに気づか せ、まとまりをつくって考えることのよ さを感じ取らせる。 掲示資料 問題シー ト 7 練習問題△を既習事項を生かして 考える。【学び合いの場】 2 ○ ・ 自分で考える。 ・ ペアで伝え合う。 ・ 全体で話し合う。 〈話し合う際に気をつける点〉 ・相手を見ながら話す。 ・大きな声で、はきはきと、最後ま でしっかりと話す。 ・順序を表す言葉を使って話す。 ・最後までしっかりと聞く。 8 本時のまとめをする。 およそ( )のまとまりを作っ て見積もるとわかりやすい。 練習問題③を解く。 (買った品物の 値段) 数字にしっかりと着目して考えられる ように数字がつながっただけの問題シー トやカードなどを準備し、個別に支援を 行う。 ○ 単位に気を付けさせるために、問題シ ートに線を引かせる。 ○ もれや重複がないように線で結んだり 操 作 カ ー 印をつけたりさせる。また、単位の換算 ド にも気を付けさせる。 ○ 全体でのまとめの前にペアで伝え合う 説明用紙 ことで、表現の場をもたせ、説明に安心 感をもたせる。 ○ 座席の組み合わせを意図的に行い、苦 手な児童が、友達の考えや説明を参考に できるようにする。 ○ 数の組み合わせを言わせ、 「およそ10 00のまとまりが4つあるから400 0」という表現ができるようにする。 ○ 説明の再現活動を取り入れ、分かりや すく伝えることを意識させたり、理解の 確認を行ったり、理解の深化を図ったり する。 ○ どんなまとまりをつくれば簡単に見積 もることができるのかを振り返らせ、ま とめの言葉を導く。 9 ・ 自分で考えたり、ペアやグルー プで考えたりする。 ・ 全体で話し合う。 ○ 練習問題を解くことで、知識や考え方 の定着を図る。 ○ 実物写真など資料を準備し、意欲を高 めるとともに、生活場面とつなげて考え られるようにする。 ○ 戸惑っている児童への支援を行ったり ペアやグループで考えさせたりすること で、友達の考えを参考にさせ、まとまり の数が一つではないことに気付かせ、組 み合わせを考えさせる。 ○ もれや重複がないように線で結んだり 印をつけたりさせる。 ○ 自分は、どんな数の組合わせにして、 いくつのまとまりをつくったのかをしっ かりと説明できるようにする。 ○ 早くできた児童は、説明の練習や分か らない児童へのアドバイスをさせる。 【評価】 ○ 100や1000などのきりのよい、計算しやすい数の組み合わせ を考え、加法の見積もりをすることができる。(数学的な考え方) (理 解)[ノート、発表] 掲示資料 問題シー ト 値段カー ド 説明用紙 まとめる 2 8 10 本時の学習をふり返り返る。 ○ めあてとまとめを振り返り、本時学習 内容の確認をさせる。 ○ まとまりの数が1つの場合もあれば、 2つの場合もあること、100や100 0以外にも何百のまとまりをつくること もできること、また、自分で計算しやす い数の組み合わせを考えて計算してよい ことを確認する。 板書計画 まとめ めあて 問題① 61 39 54 45 98 73 33 100 100 100 問題② 問題③ 図 図 100 およそ100のまとまりが およそ1000のまとまりが およそ100のまとまりが 4つあるからおよそ400こ 4こあるから4000m 3つと、200のまとまり 4000m=4㎞ およそ100のまとまり をつくって考える。 およそ1000のまとま りをつくって考える。 が2つあるから700円
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