片品村情報化推進計画 〜マスタープラン〜 平成 14 年 3 月 片 品 村 片品村情報化推進計画 目次 §1 はじめに 3 1.1 片品村情報化推進計画の背景 3 1.2 インターネットの普及と利用状況 7 1.3 今後の情報化社会に向けて 8 (1) ワークスタイルの変化 8 (2) ライフスタイルの変化 8 (3) 市民生活・行政への変化 8 1.4 国の将来ビジョン 9 §2 情報化の現状と課題 11 2.1 情報通信インフラ 11 2.2 情報伝達 11 2.3 行政の情報化 12 2.4 地域産業の情報化 12 §3 『マスタープラン』の目標 13 §4 実行計画 13 4.1 庁内 LAN、一人一台パソコンの整備 13 4.2 例規集の電子化 14 4.3 ホームページの充実 15 4.4 情報化推進のための組織作り 15 Q&A(用語集) Page 2 16 片品村情報化推進計画 §1 はじめに 1.1 片品村情報化推進計画の背景 現在我が国は大きな変化の潮流のまっただ中にあります。片品村といえども例外ではなく、その 流れの中にあって 解決が迫られている様々な課題があります。地域住民の生活行動が多様化し、 その範囲も拡大してきています。したがって、各種の公共サービス等も、このような生活行動の多様 化・広域化に適切に対応することが必要となっています。 地域情報化とは、地域社会における情報通信基盤の高度化であり、具体的には、個々の地域 社会が抱える様々な課題を解決する手段として、地域住民や企業が情報通信を活用できるように、 ネットワークインフラ、アプリケーションなどを新たに導入したり、より使いやすいように改良を加えた りすることです。 地域社会は、地域情報化を推進し、情報通信メディアの機能、特性を最大限に活かすことによ って、直面する課題を解決し、21世紀に向けた生き生きとした魅力的な地域社会を形成していくこ とが可能であり、それが地域情報化の意義であると考えられます。 距離・位置さらに時間の制約の克服、双方向性、水平性、マルチメディアによるわかりやすさ、電 子的空間における創造性、ネットワークへの参加主体が増えるほどその利便性が向上するという情 報通信の特性を活かすことで、地域社会の課題解決に向けた可能性が見いだされます。また、地 域が各々の個性を活かした情報化を行うことにより、地域が独自性を発揮する機会が拡大すると考 えられます。 1.1.1 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT 基本法) 政府は平成 12 年に「IT戦略本部」及び「IT戦略会議」を設置し、11 月に「IT基本 戦略」を取りまとめました。個々での議論を踏まえ、2003年を目標に電子諸法の整備 も進めています。新しい法律として、IT基本法(正式名称 高度情報通信ネットワーク 社会形成基本法)が施行されています。 「IT基本法」の基本方針は以下の通りです。 ・ 世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成 ・ 教育及び学習の新興並びに人材の育成 ・ 電子商取引等の促進 ・ 行政の情報化 ・ 公共分野における情報通信技術の活用 ・ 高度情報通信ネットワークの安全性の確保等 Page 3 片品村情報化推進計画 さらに地方公共団体においても、IT技術を最大限に活用し、行政事務の効率化・高度 化・住民サービスの向上、地域の振興、地域間の情報格差の是正等に取り組まれています。 自治省(現 総務省)では、地方公共団体がIT革命に対応し、情報課施策を総合的に 推進していくための新たな指針「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等 の推進に関する指針」を示しています。 基本的な考え方としては、下記のような施策を打ち出しています。 1. 高度、多様化する住民ニーズに対応した質の高い行政サービスの提供 2. 情報通信基盤の整備による社会・経済活動の活性化 3. 事務処理全般の見直しによる行政の簡素・効率化及び透明化 また、地方公共団体が早急に取り組むべき事項として、以下の事項が挙げられていま す。 1. 行政におけるネットワーク化の推進 2. 申請、届出等手続きのオンライン化の推進 3. 住民基本台帳ネットワークシステムの整備促進等 4. 消防防災分野における情報通信の高度化等 5. 統合型の地理情報システムの整備 6. デジタル・ミュージアム構想の推進 7. 歳入・歳出手続、税の申告手続等の電子化の検討 8. 電子機器利用による選挙システムの検討 9. 情報化施策を推進するための体制の整備等 Page 4 片品村情報化推進計画 平成13年6月に開かれた第 5 回IT戦略本部「電子政府・電子自治体の推進につい て」では、地方公共団体関係の行政手続きの主なものとして以下を挙げています。 手 続 名 実施予定年度 戸籍謄抄本の交付 15 戸籍関係手続(届出等) 15 住民票写しの交付 15 転出届 15 旅券交付関係手続 15 地方税申告等 15 国民年金関係手続 (資格取得・喪失等届出) 建築確認申請 大規模小売店舗新設に係る 住民からの意見の提出等 14 備 考 請求をオンライン化 婚姻届、復氏届、分籍届、転籍届、国 籍選択届等 請求をオンライン化 住民基本台帳カード所持者の場合にオ ンライン化 請求をオンライン化 国の手続以外の部分(第一号法定受託 事務) 14 14 今後は、各種届出や申請の自動受付・交付等によるワンストップ・ノンストップ(2 4時間) ・マルチアクセスによる行政サービスが実施できるよう、効果的かつ新しい情報 通信システムの開発が必要とされています。 Page 5 片品村情報化推進計画 1.1.2 片品村情報推進計画『マスタープラン』作成の目的 インターネットや携帯電話の普及などに見られるように、地域情報化は、企業や市民個 人個人によって進められているのが現状です。そのため、市場競争により高品質の情報機 器や便利なサービスが提供され、常に改良が加えられています。 しかし一方で、情報格差やネットワーク犯罪の発生、個人情報保護など、情報化が、進 んだためにこれまでにない問題への対応が必要になりました。また、それぞれの主体が別々 に機器やシステムの導入をすすめるため相互に接続できないといった問題もあり、地域社 会全体がまとまった形での取り組みも求められています。 以上のような視点に立つと、住民、企業、行政など多様な主体が自立的に情報化の取り組 みを行なう中で、先進的なものは積極的に推進し、課題として克服すべきものには改善す るように方向付けを行なうことが、必要であると考えられます。将来の片品村が豊かな活 力あふれる村であるために、総合的かつ体系的に地域情報化を進め、情報通信技術を利用 した豊かな地域社会の形成をはかるために策定するものです。 1.1.3 『マスタープラン』の位置付け このマスタープランは今後の情報化を進めるための基本的な方向性を明らかにするもの です。また、市民、企業の情報化ニーズ、国、県のぐんまネットプラン〜群馬県情報化推 進計画〜等における情報化の基本方向などを踏まえながら、総合的な地域情報化計画とし て位置付けます。 Page 6 片品村情報化推進計画 1.2 インターネットの普及と利用状況 インターネット利用人口は、爆発的に増加しており、平成14年1月末にはダイアルア ップ形式で 1,995 万人、CATV 利用で 133.4 万人、DSL 利用で 178.8 万人、FTTH 利用で 1.2 万人にまで増加しています。 一方でインターネットの利用用途は、電子メールの送受信やホームページ上の情報検索 との回答が主体(約 8 割)となっていますが、音楽・動画配信やインターネットショッピング の利用の回答比率も 3 割程度に達し、インターネットの利用用途として定着しつつあり、 今後の高度化・多様化がさらに進展するものと想定されます。 インターネット普及に大きな影響を及ぼしているのが、インターネット接続サービスの 多様化です。DSL は、2000 年 3 月には 211 加入にとどまっていたのに対し、2002 年 1 月 末には約 179 万加入に達したほか、ケーブルインターネットへの加入数も、2000 年 3 月の 21.6 万加入から 2002 年1月には 133.4 万加入に達し急速に増加しています。ケーブルテレ ビでのインターネット接続は技術革新が進み、最新の技術を用いると下り 42Mbs の通信速 度でのインターネット接続が可能であり、高速回線の普及により、インターネット放送や 通信教育などインターネットの利用方法の多様化が予想されます。 インターネットを有効活用することにより、新たなビジネスチャンス(インターネット ビジネス)が創出されつつあります。インターネットビジネスとは、インターネット上で の電子商取引やパソコン等の端末機器等、個人や企業のインターネット利用に関係する産 業とも考えられ、電子商取引とインターネット関連ビジネスに大別されます。 2000 年度の日本での電子商取引市場が 38 兆円 7233 億円、インターネット関連ビジネス 市場が 9 兆 798 億円であり、今後も成長が期待されています。 Page 7 片品村情報化推進計画 1.3 今後の情報化社会に向けて (1) ワークスタイルの変化 インターネットと携帯電話をはじめとするモバイル通信の普及により、新たな就労形態 として『SOHO・テレワーク』が進展してきました。インターネットやモバイル通信を活 用し、外出先や自宅等においても業務を行うことができる SOHO・テレワークは、高齢者 や障害者など外出することが困難で、今まで就労機会に恵まれなかった人に勤労機会を創 出することができるようになりました。 地方公共団体においても、地域の情報化と活性化の一環として SOHO 振興に取り組むと ころが増加しており、独創的なアイデアや独自の技術を持つ起業家の育成を図り、活動拠 点を安く提供し、地域の活性化、情報通信関連産業の育成、ニュービジネスの振興などに 結びつけようとしています。 (2) ライフスタイルの変化 近年の情報通信の高度化は、社会経済や行政活動への影響のみならず、国民の日常的な 生活全般にわたって多くの利便をもたらすとともに、生活スタイルや就労形態に様々な変 化を生じさせつつあります。日常的なインターネット利用では、ネットショッピングやネ ットオークション、オンラインゲームなどが一般的になりつつあります。これらは、従来 の情報取得手段や通信手段の代替としてのインターネット利用とは異なり、実社会にない 全く新しい商取引や情報流通の形態としての側面を持つものであり、これらの広範な普及 が進むにつれて、インターネットによるライフスタイルの変革が本格化していくものと考 えられます。 (3) 市民生活・行政への変化 インターネットの普及に伴った電子商取引市場の拡大により、個人情報の漏洩を防ぐ技 術『電子認証技術』は今後の利用拡大が予想され、中でも IC カードを用いた個人認証は、 複数の病院間でのカルテ情報の交換や、住民票・パスポートなどの電子手続きなど様々な 分野での活用が期待されています。 Page 8 片品村情報化推進計画 1.4 国の将来ビジョン 片品村の地域情報化を考えるための参考として、策定時点における国の情報通信技術や 情報化に関する考え方について、整理します。 1.4.1 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT 基本法) 国は、情報技術の普及、発展について戦略的な取り組みとして 2000 年 7 月に『情報通信 技術(IT)戦略本部』および『IT戦略会議』を設置しました。11 月にIT基本戦略が 策定され、これを受けて高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)が 2001 年 1 月に施行されました。 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法では、 『インターネットその他の高度情報通信 ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報または知識を世界的規模で入手し、共有 し、または発信することにより、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能と なる社会』を『高度情報通信ネットワーク社会』と定義し、その実現に向けて ● 高度情報通信ネットワークの拡充、コンテンツの充実、情報活用能力の修 得の一体的推進 ● 世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成、公正な競争の促進その他 の措置 ● 国民の情報活用能力の向上および専門的人材の育成 ● 規制緩和、知的財産権の適正な保護・利用等を通じた電子商取引の促進 ● 電子政府、電子自治体の推進(行政の簡素化、効率化、透明性の向上)、公共 分野の情報化 ● ネットワークの安全性及び信頼性の確保、個人情報の保護 ● 創造性のある研究開発の推進 ● 国際的な協調及び貢献(国際規格の整備、対発展途上国協力) などを基本方針として掲げています。また、閣僚および民間有識者による高度情報通信 ネットワーク社会推進戦略本部を設置し、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する 重点計画を策定することとしています。 Page 9 片品村情報化推進計画 1.4.2 e-Japan 戦略 内閣府に設置されている高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部は 2001 年 1 月に e-Japan 戦略を策定しました。これは、IT革命の進展と、それに伴う知識創発型社会の急 速な移行を踏まえ、5 年以内に世界最先端のIT国家となることをめざす国家戦略です。 知識創発型社会とは、インターネットなどによりそれぞれの持つ知識が相互に刺激しあ うことで高度な付加価値が生み出される社会とも考えられ、このような社会の実現に向け て e-Japan 戦略をより具体化した e-Japan 重点施策を策定し、5つの重点分野について重 点的に取り組むこととしています。 1.4.3 地域 IT 推進のための自治省アクションプラン 自治省(現総務省)は、情報通信技術(IT)の恩恵を全ての国民が享受するためには、住 民に身近な地方公共団体の取り組みが極めて重要であるとし、2000 年 8 月に『IT革命に 対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針』を策定しました。 同プランは上記指針を踏まえ、自治省が地方公共団体を支援するために実施する事項に ついて取り組み内容などを具体的に示したアクションプランとして策定されました。 1.4.4 次世代情報化ビジョン ICAN21 郵政省(現総務省)は 1999 年 5 月に、 『次世代地域情報化ビジョン-ICAN21 構想-』を 定め、国として地域情報化をすすめるうえでの指針として、課題と対応方策をとりまとめ ました。 この構想では、地域情報化をすすめるうえでは、 『広域化』 『担い手』 『地域特性』の 3 つ の方向軸を見据える必要があるとし、基本的には地方公共団体を中心に各地域の住民、企 業等が主体となって取り組むべきとしつつ、国としても全国的な情報通信基盤の整備を推 進するほか、地方公共団体等のモデル的取り組みへの支援の拡充が必要であるとしていま す。 Page 10 片品村情報化推進計画 §2 情報化の現状と課題 2.1 情報通信インフラ 情報通信速度は年々高速度化しています。 イントラネットでの LAN においては 100Mbps や 1Gbps が登場し、一般的なインターネット接続においても、アナログモデムを用いたダ イヤルアップ接続や ISDN 回線などから、CATV 網、ADSL 回線、光ファイバーを用いた ブロードバンド環境への移行が進んでいます。 片品村にはまだブロードバンド環境がなく、このままでは情報過疎地になる可能性が高 く、ブロードバンド時代に対応したインフラの構築が急務となってきています。 2.1.1 NTT 既存の NTT 回線を利用したブロードバンド環境である ADSL の整備が期待されますが、 NTT としては電話局から回線距離で4キロ以内の利用者数が 200 件なければ整備しないと いう方針があります。その面から見て利用者の確保ということが第一条件となってきます。 2.1.2 CATV 難視聴用として村内の一部に CATV がありますが、テレビの映像配信が主目的であり、 インターネット接続に向けての取り組みはなされていません。地域のブロードバンド環境 として有効なインフラとして CATV を見直す必要があります。 2.1.3 プロバイダ 片品村(0278)から市内通話料金で利用できるプロバイダは15(A-Net、Angel Net、 ENDLESS-NET、INTERLINK、OCN、ODN、ReSET.JP、SK ネット、VIVID Madio、 WAKWAK、ZERO、ぷらら、アルファインターネット、関越インターネット、群馬インタ ーネット)あります。しかし、ほとんどが首都圏に本社を置く大手であり、地域の情報を やり取りするために必要な地域ネットワークの拠点として利用することは不可能です。地 域ネットワークの整備のために、片品村独自のプロバイダを開設するということも考えら れます。 2.2 情報伝達 全般的な片品村の情報は、月1回『広報かたしな』が発行され、役場などで配布されて いる他に、片品村ホームページからも閲覧することが出来ます。 片品村の観光情報は、片品村ホームページ、片品村観光協会ホームページ、花の駅・片 品『花咲の湯』ホームページなどで閲覧することが可能です。また、尾瀬関連の情報とし ては尾瀬ネットホームページで様々な情報が公開されています。 Page 11 片品村情報化推進計画 2.2.1 広報 『広報かたしな』は月1回作成され、片品村のほぼ全戸に配布されています。また、片 品村ホームページでは平成 13 年度4月号から PDF ファイルでの公開も開始しています。 内容としてはトピック、前月のできごと、生涯学習コーナー、村からのお知らせなどの情 報が提供されています。 2.2.2 ホームページ 片品村ホームページではサイトマップ的にツリー構造で示された目次から様々な情報を 閲覧することができます。内容は、片品村紹介、片品村要覧、暮らしガイド、リンクで構 成されています。情報発信のみのホームページとなっており、インターネットの利点であ る、双方向性を生かした、村民との意見交換ができるアイテムにしていく必要があります。 2.3 行政の情報化 現在、各課毎に LAN を構築しており、プリンタの共有、ファイルの共有を行っています。 また、各課毎に業務システムを導入しています。しかし、国の計画である「総合行政ネッ トワーク」に対応すべく、庁内 LAN の整備、業務システムの高度化、統合化、インターネ ットの導入、職員一人一台パソコン整備など早急に対処していかなければなりません。 2.4 地域産業の情報化 片品村の産業は第一次、第二次産業が衰退の方向にあります。その反面、観光を中心と したサービス業を含む第三次産業が目覚しい発展をしています。情報化に関しても、片品 村観光協会、花の駅・片品「花咲の湯」などがホームページを開設しております。第一次、 第二次産業の衰退に歯止めをかけるための情報化と観光を中心とした第三次産業のさらな る発展のための情報化を推進していく必要があります。 Page 12 片品村情報化推進計画 §3 『マスタープラン』の目標 役場 行政情報化による 住民サービス向上 観光施設 商店 公共施設 学校 住民 「住民へのサービス向上」を目標とし、行政情報化を推進していきます。 §4 実行計画 4.1 庁内 LAN、一人一台パソコンの整備 庁内LAN、一人一台パソコンの整備は総務省が進めている電子自治体に向けての地方 自治体の取り組みステップにおいて、第一ステップに位置づけられており、その中でも速 やかに整備すべき項目として挙がっています。住民サービスの迅速化を目的として国が進 めている『総合行政ネットワーク』 『住民基本台帳ネットワーク』を実現するために平成1 4年度に対応すべき項目と考えます。実施に当たっての留意点は、可能な限り既存の設備 を利用するよう努めます。また、IT 講習会で使用したパソコンを転用します。 今後の整備方針としては、機種の選定に当たっては使用目的を明確にし、機能を決定する ように努めます。 4.1.1 庁内LANの整備 現在、各課毎にプリンタの共有やファイルの共有のためにネットワークが構成されてい ます。しかし、今後の業務の電子化、ネットワーク化のために全庁的なネットワークが必 要となります。そのため、庁内LANの整備を進めます。 具体的な整備計画は、4.4に示す情報化推進のための組織において、詳細な検討を行 う必要があると考えます。 整備の順序としては、ハード面における整備とソフト面の整備を庁内共有事項について 先行し、合理化の成果を示す必要もあると考えます。 Page 13 片品村情報化推進計画 4.1.2 メールアドレスの整備 村民にとって身近な行政を実現していくために、村民と職員との双方向性の確保を促進 してゆくべきと考えます。従来のように、電話や直接来庁されお話する方法に加えて、電 子メールのやり取りというのも有効な手段となりえます。また、関係官庁との連絡手段も 最近ではメールのやりとりを求められることが増加し、職員個人アドレスの必要性は非常 に高いものがあります。そのため、電子メールアドレスを全ての職員に整備し情報の効率 的運用を図ります。 4.1.3 グループウエアの整備 業務の効率化、高度化に向けて既存グループウエアの向上を図ります。スケジュール管 理や在席表示、電子メールなどの利用により、村民の皆様からのお問い合わせに迅速に対 応できるようにします。また、従来紙で行っていた業務を極力電子データ化し、資源の有 効活用、無駄の排除を進めます。 4.1.4 インターネットへの接続 インターネットの最新情報を即座に取り入れ、行政運営に役立てていくために、インタ ーネットへの接続が必要と考えます。しかし、運用面におきまして課題があることも事実 です。今後の検討が必要と考えます。 4.2 例規集の電子化 村民の皆様からのお問い合わせに迅速に対応するため、例規集を電子化します。現状に おいて最も直接的な導入効果があると考えられます。 4.2.1 「例規集」管理の合理化 導入後の効果は以下のような点です。 ① 庁内 LAN により各々職員の端末で、例規をみることができる ② 情報公開としてホームページに掲載することができる ③ 加除式例規がデーターベース化され、加除の作業が合理化できる ④ 例規の条文に他の法令とのリンク機能が付加される ⑤ 条例等の一部改正に当たり新旧対照表の作成が容易になるとともに、部分的な出力 も行え、無駄な紙の消費が無くなる Page 14 片品村情報化推進計画 4.2.2 情報公開 電子化された例規集をインターネットで公開します。 4.3 ホームページの充実 現在のホームページは情報提供のみにとどまっています。しかし、世の中の情勢はイン ターネットというリアルタイムで双方向なメディアを利用して、住民から様々な意見や提 案を受け付けて、行政運営に生かしていくという方向にあります。そのためにホームペー ジの双方向性に向けた充実をしてゆきます。そうした場合に、より多くの住民の方から情 報を頂いたり、情報を利用して頂くためには、情報リテラシーの格差を考えた情報のやり 取りの窓口を設けなければなりません。そのために、誰もが利用しやすい地図メディアを 利用した、地域に密着型の情報収集システム等を検討することが望ましいと考えます。 住民にとっても容易に入力しやすく、かつ、わかりやすく使えるシステムが求められます。 4.4 情報化推進のための組織作り 情報化を推進しても、それを利用する人が対応できなければ有効に稼動することができ ません。今年度の片品村情報ネットワーク検討委員会の活動をふまえ、庁内で『情報化推 進委員会』を設置することを提案します。この委員会は、片品村の情報化推進の原動力と なります。組織メンバーは情報化具体案の立案と実施を担当するメンバーと庁内のコンセ ンサスを形成するため管理者を含めた組織とします。 また、片品村全体で情報化推進していくために、村民から情報関連に詳しい情報ボラン ティアの募集も提案します。それにより、村民の情報リテラシーの底上げと今後の片品村 の情報化の広がりを推進させる力になると考えます。 Page 15 片品村情報化推進計画 Q&A(用語集) ○インターネット 全世界にまたがるコンピュータ・ネットワークの集まり。 当初は、研究者間での情報交換用のネットワークであった が、その後、商用利用されるようになり、電子メールをは じめホームページなどの閲覧により、ビジネスや家庭での 利用が爆発的に増加している。 ○インフラ インフラストラクチャーの略。産業、経済、社会的な基盤 となる施設、設備のこと。ネットワークインフラは、光フ ァイバーなどネットワーク回線や設備を指す。 ○情報格差 IT 社会に適応できる情報・IT システム活用能力を持つ者 と、持たない者の間に生まれる格差のこと。 ○情報ボランティア 一般的には、「情報を取り扱うことを主眼とした救援活動」 と解釈されるが、 「コンピュータを用いた救援活動」と解釈 される場合もある。 具体的には、コンピュータやCATV、ファックスなど様々 な情報ツールを用いて ・情報を収集する環境の構築 ・情報ツールの使い方 ・情報の理解 を手助けすることと解釈できる。 ○CATV 有線テレビ放送。本計画では、都市型CATVを指し、テ レビ放送の再送信に加え、自主放送番組としてコミュニテ ィ番組や、スポーツ、音楽などの専門チャンネルを有する。 本市では、株式会社 倉敷ケーブルテレビがインターネッ ト接続も含めてサービスを行っている。 ○ポータルサイト ポータルサイトは、総合的、あるいはなんらかの「ジャン ル」において、多種多様な情報を1つに束ねる役割を果た しており、ユーザーがそこを入口(出発点)として多くの情報 やサービスを簡単に引き出せるように工夫された Web サ イト。 (ポータル:入口) Page 16 片品村情報化推進計画 ○SOHO 『スモールオフィス・ホームオフィス』 (Small Office Home Office)の略。自宅を仕事場として仕事をすることを意味す る。仕事の内容は特に決まっていないが、一般的にはコン ピュータを用いたデータ入力やホームページ作成などの仕 事が多い。また、インターネットを活用することにより、 主婦が子育てをしながら、あるいは障害者が在宅でビジネ スを行える点が注目される。 ○電子政府・電子市役所 コンピュータシステムやインターネットを利用し、処理を 電子化した行政機構。公共工事などの業務発注や、住民票 登録などの各種手続き、行政文書の管理などにコンピュー タシステムやインターネットを活用することで、効率化と コスト削減、サービスの質の向上をはかる。また選挙の投 票もインターネットなどで行える電子投票なども含まれ る。 ○ADSL Asymmetric Digital Subscriber Line の略。一般に広く普 及しているの電話回線を使って、インターネットへの高速 で安価な常時接続環境を提供する技術として期待されてお り、順次サービス地域が拡大している。 ○FTTH 国内の全家庭に光ファイバーを引き、電話、インターネッ ト、テレビなどのサービスを統合して提供する計画。総務 省や NTT が推進しており、2005 年の完成を予定している。 ○ユーザーインター フェース 利用者である人間が機器類などを操作するために必要とな る規約や操作方法、情報の提示方法など、コンピュータの 操作方法のこと。同じ内容を実現する場合でも、ユーザー インターフェイスの違いによって操作が難しくなることが ある。最近ではユニバーサルデザインと呼ばれる、お年寄 りや障害者の方も簡単に操作できるように工夫することが 大変重要である。 Page 17 片品村情報化推進計画 ○光ファイバ 光通信に用いる伝送路である。電線が電流で信号を伝える のに対し、光ファイバは光の信号で情報を遠方に伝送する。 送れる情報量が多く、電気的雑音を受けつけないなどの優 れた特徴がある。 ○IC カード IC(Integrated Circuit)チップ搭載のカード。銀行のキャ ッシュカードでよく使われている磁気カードは口座番号な どの情報を記憶するだけであるが、IC カードは情報の書き 換えや計算などができる小さなコンピュータであるため、 磁気カードに比べ安全性が高く、応用範囲も広い。 ○オンライン予約 インターネットなどのネットワークにより、施設などの利 用予約が行える。 ○IT Information Technology の略。直訳では情報技術であり、 コンピュータやデータ通信に関する技術を総称的に表す。 ○ベンチャー企業 高度な技術や専門知識、アイデアなどを生かして独創的な 新事業を行う企業。中小企業が多い。 Page 18
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