講義ノート

力学 2:講義ノート:第 12 回:12 月 24 日
1
力学2 : 12月24日
流体の動力学
∼フロ桶の入試問題が間違っているわけ∼
1
フロ桶、つばさ、潜水艦の泡
ある中学校の入試問題に次のようなものがあったそうである。
「蛇口をいっぱいにひねって水をいれると2時間で一杯になる浴槽がある。一方、一杯になっ
た水が排水口から流れ出るのには3時間かかる。では、排水口を開いたままで水を入れると何
時間で一杯になるか?」
この問題の答えは「6時間」だろう。また、出題者もまた「6時間」という答えを期待して
いただろう。しかし、数学の問題としてはともかく、これは「物理の問題としては間違ってい
る。」そして、この問題が間違っている事と、飛行機が空を飛べる事は同じ原理に支配されて
いる。それはベルヌーイの定理と呼ばれている原理である。
この原理に関係がある現象はもう一つある。よく、戦争ものやSFものなどの映画で潜水艦
が水中を航行しているシーンで、スクリューから泡が出ているのを見た事がないだろうか?水
中である。空気など無い。なのになぜ、回転しているスクリューから泡が出るのだろうか?そ
れとも、これは映画の中だけのフィクションなのだろうか?じつはこの「泡が出る」という現
象もベルヌーイの定理に関係している。
図 1: プロペラから発生する泡
力学 2:講義ノート:第 12 回:12 月 24 日
2
ベルヌーイの定理とはなにか?どうしてそれらが、フロ桶や、飛行機が飛べる事や、水中で
回転しているスクリューから泡が出る事に関係しているのだろうか?次節でそれを見て見よう。
1.1
ベルヌーイの定理
ベルヌーイ1 の定理を一言で言うと
「一様重力場中の流体の運動エネルギー保存則」
である。一様重力場中の保存則、というと
1
E = mu2 + mgh = 一定
2
(m:質量、u:速度、g:重力加速度、h:高さ) というのを思い出すと思うが、流体の場合は
1
E = ρu2 + ρgh + p = 一定
2
になる。但し、p は流体の圧力、ρ は流体の密度である。
ちゃんとした説明は後回しにして、直観的な説明をしておく。
まず、流体が静止している時を考えよう。そうするとベルヌーイの定理は
E = ρgh + p = 一定
という形になる。これは非常に解りやすいだろう。単に
「圧力はその上にある物質の重さで決まる」
という式である。大気圧とは地球上にある大気の「重み」に他ならない。つまり、ベルヌーイ
の定理とは通常のエネルギー保存則において ρgh → ρgh + p になったものに他ならないのであ
る。では、この定理を用いるとフロ桶や飛行機の原理やスクリューから泡が出る事をどのよう
に理解できるのかを見て見よう。
1.2
フロ桶の水位と流れ出る速度
なぜ、あの問題が「間違い」なのか考えて見よう。あの問題の最大の問題点は、
「風呂桶にどんなにたくさん水が入っていても排出速度は同じ」
1
これは人の名前である。有名な物理学者だが、ベルヌーイという名の有名な物理学者は一人ではない。そし
て、彼らはみんな親戚である。要するに血筋で優秀だったわけだ。しょせん、天才にはかなわないのだから研究
なんか止めたほうがいい、という説もある。(僕も含めて)
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という点だった。あの問題は明らかにそれを前提にしているが、これはおかしい。どのように
おかしいかというと、どう考えても
「桶にたくさん水が入っている方が排出速度は大きい」
ではないだろうか?そうすると、あの問題の様にかんがえるわけにはいかない。何故か?
一杯のフロ桶が空になるのに3時間、空のフロ桶を一杯にするのに2時間かかったのだった。
フロ桶に水をいれるのは蛇口をひねるだけだから、いつも一定の水の量が入ることになるが、
出る方は水面の高さによって異なる。だから、あくまで
「平均すると、排出速度は流入速度の2/3倍だ」
ということが言えるだけである。桶が一杯の時の排出速度は桶が殆ど空の時の排出速度より早
いのだから、桶が一杯の時の排出速度は平均の値、つまり、
「流入速度の2/3倍」より大きい
だろう。では、どのくらい大きいだろうか?もし、あんまり大きすぎて「(桶が一杯の時の排出
速度が) 流入速度より大きい」ということになったら、どうなるだろうか2 ?
最初は、フロ桶は空である。そして、栓は空いたままで蛇口をひねって水を入れはじめる。
桶が殆ど空の時は、排出速度は平均の値、つまり、
「流入速度の2/3」より「小さい」のだか
ら明らかに
排出速度<流入速度
である。従って水は溜りはじめるだろう。しかし、ここで、桶がほとんど一杯の状態では
排出速度>流入速度
となっている、としたらどうなるだろうか?桶に水が溜るに従って、排出速度は徐々に大きく
なって行き、桶が一杯になる前に
排出速度=流入速度
となるところが来るはずである。こうなったらもう、それ以上、桶の水面は上昇しない。その
まま止まってしまうだろう。つまり、
「桶は永遠に一杯にならない」
可能性がある。さて、この問題の場合はどうなっているのだろうか?ベルヌーイの定理で実
際に見て見よう。
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図 2: フロ桶問題:ベルヌーイの定理による「正しい」解
1.3
ベルヌーイの定理を用いたフロ桶問題の正しい解
図2の様な状況を考えよう。水の入った容器があり、その底部に小さな穴が空いていて、水
が速度 u で流れ出ている。この状態にベルヌーイの定理を用いよう。まず、水面も穴も大気に
接しているから圧力 p は同じ p0 (大気圧) である。従って、この場合のベルヌーイの定理は
1
E = ρu2 + ρgh = 一定
2
という通常の (流体中でない) エネルギー保存則と同じになる。次に、穴は非常に小さいので、
水面での速度、つまり、水面の降下速度はぐっと小さいとみなすことができる。そこでこれを
ゼロとおこう。桶の水の深さを h とすることにすると
1
ρgh = ρu2
2
になる、つまり、
q
u=
2gh
になる。これは皆さんおなじみの
「高さ h から落下した物体の速度」
に他ならない3 。
2
こうなっていない、という保証は何もない。問題では栓を空けたら空になるのに3時間かかった、と言ってい
るだけである。流入速度との直接の比較は何もないのだ
3
これだけでトリチェリの定理と名が付いている。トリチェリも人の名前である。あー、羨ましい
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さて、次にこの結果を使って、フロ桶問題をちゃんと解けるかどうかやってみよう。簡単な
考察では、フロ桶はいっぱいにならない、という可能性があったけれど、実際にはどうなのだ
ろうか?フロ桶の体積を V 、排出口を閉じた時にフロ桶がいっぱいになるまでにかかる時間を
Tin としよう。すると、単位時間あたりの給水量は Qin = V /Tin で与えられる。
次に、穴から水が出て行く時の単位時間あたりの排水量 Qout を考えよう。これはトリチェリ
の定理で解るように一定ではなく、水面の高さ h の関数である。しかし、我々が解っているの
は速度、だけなので Qout を直接求めることはできない。そこで、次の様に考える。ある時刻に
おいて、フロ桶にたまっている水の量が v であるとしよう。すると、Qout は水面の高さの平方
√
根 h に比例するが、h は v に比例することが期待されるので
√
Qout = α v
と書けるだろう。但し、α は適当な比例定数で我々にはまだ解らない。次に α を求めよう。定
義より明らかに
dv
= −Qout
dt
√
である。これに Qout = α v を代入すると
√
dv
= −α v
dt
を得る。両辺を
√
v で割って t で積分すると
Z
Z
dv
√ = −α dt
v
√
なので結局、2 v = −αt + C になる。但し、C は未定定数なのでこれと α を決めなくてはなら
ない。t = 0 では、v = V 、t = Tout では v = 0(つまり、フロ桶が空になるのに Tout だけ時間
√
√
がかかるとする)とすると、C = 2 V 、α = 2 V /Tout になるので、
√
2 vV
Qout =
Tout
を得る。
以上の結果から、給水と同時排水も行う場合のフロ桶の中の水の量 v は
√
dv
V
2 vV
= Qin − Qout =
−
dt
Tin
Tout
になる。
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6
4
-1.0/2/x*log(1-2*x)-1
3.5
T/Tout
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0
0.1
0.2
0.3
Tin/Tout
0.4
0.5
図 3: 給水・排水同時実行の時に必要な時間 T
これを解かなくてはいけないが、これはやや面倒である (解き方は [参考] を見よ)。結果だけ
出すと給水・排水同時に行うときにフロ桶を一杯にするのに必要な時間は結局、
µ
¶
T
Tout
2Tin
=−
log 1 −
−1
Tout
2Tin
Tout
になる。これをグラフに描くと図3に表わすようになる。つまり、Tin /Tout > 1/2 ではいつ
までたってもフロ桶は一杯にならないのである。そもそもの問題では Tin /Tout = 2/3 > 1/2 だ
からこの場合は結局、一杯にならないのだ、ということが解る。
ベルヌーイの定理を使うことにより、確かにあの問題が間違っていることはわかったし、ま
た、定量的にどのように間違っているかも解った。論理的な考察でも大体のことはわかるが、
この様に式を駆使することで問題を正確にかつ定量的に解くことが可能になる。
1.4
つばさ、そして、スクリュー
ベルヌーイの定理とフロ桶問題の関係は解った。それでは、つばさやスクリューからの発泡
にはどうかんけいしているのだろうか?その話の前にベルヌーイの定理をもう一度眺めて見よ
う(トリチェリの定理とは違う見方で)。
トリチェリの定理を導いた時には、圧力の方が一定で高さが違う、という状態だった。今度
は高さが同じであるときを考えよう。すると、
1
E = ρu2 + p = 一定
2
になる。つまり、高さが同じなら
「速度が速いほど圧力は小さい」
という原理になる。これがつばさやスクリューからの発泡に関係する。
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図 4: 翼の原理
1.4.1
飛行機の飛行原理とベルヌイーイの定理
飛行機はどうやって飛んでいるかご存じだろうか?ロケットと異なり、飛行機は空気の無い
宇宙空間では飛べない。それは空気が無ければそもそも、エンジンが動かないからだが、しか
し、それだけが理由ではない。もし、飛行機がエンジンの中で燃料を燃やすために必要な空気
をタンクか何かに詰めてもって行ったとしても空気が無ければ飛行機は離陸することさえでき
ないのである。
なぜか?飛行機を浮かばせている力はエンジンの力ではない。そうではなくて「翼」という
ものが空気中を高速でよぎることによって生じる「浮力」で浮き上がっているのである。そし
て、この浮力はベルヌーイの定理によって作り出される。図4を見て頂きたい。翼に空気があ
たると、空気はかきわけられて翼の上と下に別れる。しかし、翼を過ぎたあとではまた一緒に
ならないといけないので、翼の上を通ろうが下を通ろうが、
「通過時間」はいっしょでなくては
ならない。従って、翼の上下を通る空気の速度は「翼の上下の長さ」に比例することになる。
翼の形(断面)をよく見ると、必ず、上側が膨らんでいて「長さ」が長くなるようになってい
る。この結果、翼の上側のほうが下側より速度が速くなる。ベルヌーイの定理より、速さが速
いほうが圧力が小さいのだから、翼の上側のほうが圧力が小さい、つまり、上に向けた力が働
く、これが浮力になる、という原理なのである。
飛行機が離陸前に助走して速度をあげなくてはいけないのはこのためである。ベルヌーイの
定理によると翼の上下の圧力差は速度の2乗の差で決まっているが、速度は翼の上下の長さに
比例している。具体的に書くと翼の上側の長さを `up 、下側の長さを `down とし、空気が翼を過
ぎるのにかかる時間を t0 とすると、翼の上下の圧力差(つまり、浮力)∆p は、
Ã
!2
Ã
!2 

1
`up
`down 
∆p = ρ 
−

2
t0
t0
と書けるだろう。t0 は殆ど飛行機の速度で決まっている。機体を持ち上げるのに必要な浮力に
は最低値があるだろうから、t0 はある程度以上小さくなくてはいけないだろう。つまり、飛び
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上がるには最低限必要な助走速度、というものがあるはずだ、ということなのである。これが
飛行機が離陸するために滑走路が必要であることの意味である。飛行機の離陸前の助走は我々
が走り幅跳びや走り高跳びをするときにするような「勢いをつける」ためだと思っている人が
よくいるがそれとは全然関係ないのである。
本当のことを言うとここに書いてあることは「嘘」である。実際には、流体には次回説明す
る「粘性」という摩擦の様なものが存在するので、エネルギー保存則は成立しない。また、粘
性を考えないにしても流体はこんな風にきれいには流れてくれず、羽根のそばで渦をまくこと
になっており、状態が変わってしまう。ここの書いたのはあくまで定性的な説明である。
1.4.2
スクリューからの発泡とベルヌーイの定理
空気などない水の中でスクリューが高速回転すると、泡が出る。これもまたベルヌーイの定
理のせいである。速度が速くなると圧力は低下する。もし、圧力が低下しすぎて水が水蒸気に
変わるほど低くなってしまったらどうなるだろうか?
水の沸点は圧力が低下すると低くなるし、高くなると上昇する。米を炊くときに「決して鍋
のフタを途中であけてはいけない」と言われるのもこのせいだ。米を炊くには100度では温
度が足りない。そこで、もっと高い温度を出すために水を沸騰させて鍋の中を高圧の水蒸気で
満たすことにより、水の沸点を上昇させて、100度より高い温度を出している。フタを開け
るとこの水蒸気が逃げてしまい、沸点が下がって米がたけなくなってしまうのである。一方、
高い山ではご飯がおいしく炊けない、というのも同じ理由だ。高い山に上がると、大気圧が下
がってしまい、沸点が下がってしまうのでご飯を炊くのに必要な十分な高熱を出すことができ
ない。この結果、おいしいご飯が炊けなくなってしまうのである。
では、うんと沸点が下がってしまって常温(20度とか30度とか)でも沸騰する様になっ
てしまったらどうだろうか?別に、これはおかしいことでもなんでもない。宇宙空間に放り出
された人間はおそらく、これが原因で死ぬだろう、と言われている4 。スクリューから出てくる
泡は、スクリューの高速回転で速度があがり、圧力が下がって、沸点が常温以下になってしまっ
たことによって発生している水蒸気である。空気の泡ではない。水が常温で「沸騰」している
のである。この現象は専門用語でキャビテーション、と言うのだそうである。語源や意味は不
4
真空に放り出されたところで、人間はすぐ窒息死するわけではない。大体、健康な人間なら気を失うまでに1
分やそこらは息を止めていられるだろう。更に気を失った後もすぐに死んでしまう、というものでもない。心臓が
止まってもしかるべき処置をすればしばらくの間は蘇生可能だ。人間の死因は体内の水分(主に血液)が沸騰す
ることによるのだと言われている。真空中では大気圧はゼロだから沸点はうんと低くなり、常温以下になってしま
う。そこでは、人間の体温は十分沸点以上であり、体内の血液は沸騰を始める。沸騰しても別に温度が高いわけ
ではないから火傷などしないが、代わりに、体内の水分が水蒸気になって一気に体積が膨張するので体が内側か
らはじけて死ぬことになる。中年になったショーンコネリー主演の SF 映画「アウトランド」は宇宙ステーション
(基地?)での連続殺人がテーマだったがその「凶器」として真空が使われる。真空に放り出された人間は文字ど
おり、体がはじけて死ぬのである。もっとも昔の映画だから体が本当にはじけるところなど出てきはしない。
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図 5: ベルヌーイの定理
明である。
1.5
ベルヌーイの定理の導出
最後に、ベルヌーイの定理を導出しておこう。図5のように流体の流れにそった細長いチュー
ブを考えよう。チューブの両端の断面積を SA ,SB としよう。各面の「高さ」を hA ,hB とすると、
各面上での単位体積あたりの運動エネルギーと位置エネルギーの和はそれぞれ、
1 2
1
ρuA + ρghA , ρu2B + ρghB
2
2
になるだろう。この2つの断面で挟まれた領域がごく短い時間のあいだに移動して A0 ,B 0 で挟
まれた領域に変形したとしよう。すると、この間にこの領域内の運動エネルギーと位置エネル
ギーの和の変化分は
µ
¶
µ
¶
1 2
1 2
ρuB + ρghB SB ∆`B −
ρu + ρghA SA ∆`A
2
2 A
となる。エネルギーは保存するからこれがゼロでなければどこからか不足分が供給されなくて
はならない。これは圧力による仕事であり、
pA SA ∆`A − pB SB ∆`B
になる。これらが等しいとおくことにより、
1
1 2
ρuA + ρghA + pA = ρu2B + ρghB + pB
2
2
を得る。これはベルヌーイの定理に他ならない。
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1.6
10
最後に
エネルギー保存則、などいうと、ごくあたりまえでつまらなくて受験勉強の役にしか立たな
い、と思いがちだが、実際にはここで見るようにいろいろな現象と関係しており思いもよらな
いものがエネルギー保存則で説明された。このように習った物理法則は生きた形でつかってこ
そ意味がある。各自、これを機会に、高校でならった物理法則がどのように役立てられている
のかを考えて見てはいかがだろうか。
参考文献:木田重雄、いまさら流体力学?、丸善、 第3章
復習レポートの指針:
○ 教科書の問題を解いてみてもいい。
○ こういうのが難しい人は今日の講義の内容をA4用紙1枚にまとめてだしてもよい。
○それも出来ない人は教科書をA4用紙1枚分、写してもいいことにする。
○勿論、それ以外でもよい。講義や教科書に関係あれば。
とにかく、他人のレポートを写すのは厳禁。こんな自由なレポートで同じ内容になるわけな
いから写せばすぐに解ります。
[参考] 解くべき式は
である。ここで A =
である。y =
√
V
,B
Tin
=
√
2 V
Tout
√
dv
V
2 vV
=
−
dt
Tin
Tout
とおくと
√
dv
=A−B v
dt
v と変数変換して
dy
dv
=
1
2y
を用いると
2y
dy
= A − By
dt
になる。両辺を右辺の式で割り、t で積分すると
Z
を得る。左辺に
Z
2y
dy = dt = t
A − By
2y
2
2A
=− +
A − By
B B(A − By)
を代入して積分すると
t=−
2A
2
− 2 log(A − By) + C
B B
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を得る。C は未定の定数である。
t = 0 の時は v = 0 つまり、y = 0 である。よって C =
µ
2A
B2
log A になる。したがって
2
2A
A
t = − y − 2 log 1 − y
B
B
B
¶
になる。更に t = T (T は一杯になる時刻)の時、v = V , つまり y =
T =−
¶
µ
2A
2√
A√
V − 2 log 1 −
V
B
B
B
になる。これに A, B を代入すると
µ
T = −Tout −
を得る。これは求める式である。
2
Tout
2Tin
log 1 −
2Tin
Tout
¶
√
V なので、