原 著 乳癌に対する外来局所麻酔下での ハンディ型

京府医大誌
125
(4),271~278,2
016.
外来局所麻酔下でのセンチネルリンパ節生検
原
271
著
乳癌に対する外来局所麻酔下での
ハンディ型γプローブによる
センチネルリンパ節生検の検討
藤原 郁也*1,永田 啓明1,多加 喜航1,石原 駿太1
下村 雅律1,岡山 徳成1,沢辺 保範1,鴻巣
寛1
岸本 光夫2
綾部市立病院外科
1
京都府立医科大学大学院医学研究科人体病理学
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抄
録
我々は臨床的腋窩リンパ節転移陰性乳癌の手術に先立ち,外来の局所麻酔下で,ハンディ型γプロー
ブを用いた RI
・色素併用法でのセンチネルリンパ節生検(SNB)と,永久切片による転移診断を行って
いる.その成績を報告する.両側乳癌 4例を含む 99例,103病変に対して SNBを行った.同定率は
100%で,その同定パターンは,RIかつ色素法で検出:65例(63.
1%)
,RI法のみで検出:37例(35.
9%)
,
色素法のみで検出:1例
(1.
0%)
であった.SN転移は,Ma
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:21例
(20.
4%)
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:
8例(7.
8%)
,I
TC:5例(4.
9%)であった.SNB後腋窩リンパ節郭清を省略した 80例では,観察期間
中央値は 33ヶ月で,腋窩リンパ節再発は無かった.本法は 2回の手術を要するが,精度の高い SNBと
転移診断が可能で有用な方法である.
キーワード:乳癌,センチネルリンパ節生検,局所麻酔.
平成27年12月25日受付 平成28年 2月29日受理
*連絡先
藤原郁也 〒623
‐0011 綾部市青野町大塚20
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.
緒
言
乳癌に対する腋窩リンパ節の扱いとして,セ
ンチネルリンパ節生検(SNB)は広く普及して
いるが,その同定法・リンパ節転移の診断法に
ついては,施設間において大きな差がある1).
同定法はラジオアイソトープ(RI
)
・色素併用
法が最も同定率が高く,正確であるとされてい
るが1‐3),RIを取り扱える施設には制限があり,
CTでのリンパ管造影や,インドシアニング
リーン(I
CG)蛍光法などの RIを用いない同定
法も開発されている4)5).
SNの転移診断法は,術中の病理診断や One
St
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(OSNA)法によ
り行われていることが多い6).しかし,手術日
に病理医の確保が必要であり,常勤の病理医が
居ない施設では手術日に制限がある.また,
OSNA法の機器導入には相当数の乳癌手術症例
がある施設に限られている.いずれにしても,
精度の高い SNの転移診断のためには,正確に
SNを同定・採取し,2mmを越える大きさの転
移巣を検出することが必要である7)8).
我々は,外来での局所麻酔下にてハンディ型
γプローブを用いた RI
・色素併用法による SNB
と,パラフィン包埋切片から H.
E.
染色と CK19
に対する免疫組織化学染色よる転移診断を行っ
ている.これは,SNBと乳房に対する手術で,
2回の手術を行うことになる.しかし,正確な
SN診断を行えること,また,SNの転移状況から,
症例により術前化学療法(NAC:ne
oa
d
j
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he
mo
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he
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py
)の要否や,内容を決定するため
の重要な情報が得られるという利点がある9‐11).
今回はその成績について報告する.
対 象 と 方 法
SNBの適応は初発乳癌で針生検で組織学的
に乳癌の確定診断が得られている患者とした.
腫瘍径は T3までとし,腋窩リンパ節の評価は,
触診・超音波検査・CTにて転移を疑わせる所
見がないもの(c
N0
)とした.また,超音波検
査で腫大したリンパ節が見られた場合は穿刺吸
引細胞診を行い悪性所見が無いものとした.
患者背景は以下の通りである.2010年 4月か
ら 2015年 2月までに,両側乳癌 4例を含む 99
例(女:男=97
:2
)
,103病変であった.平均
年齢は 61.
5±14.
5歳(me
a
n±SD,中央値:63
歳,31~89歳)であった.腫瘍径は,Ti
s
:15
例(14.
5%)
,T1
:52例(50.
5%)
,T2
:32例
(31.
1%)
,T3
:4例(3.
9%)であった.
外来での局所麻酔による RI
・色素併用法によ
る SNBは以下の通りである.
/
RI室にて,99mTcフチン酸を,65~75MBq
0.
5ml
に調整し,その 0.
3ml
を乳輪皮内または
腫瘍直上皮内に投与し軽くマッサージした.リ
ンフォシンチグラフィを行い,リンパ節に RI
の
集積を確認後,同時に RI
室にてハンディ型γプ
外来局所麻酔下でのセンチネルリンパ節生検
ローブ(センチプローブ遺,日本メジフィジック
ス)を用いて,ピンポイントでリンパ節の位置
を確認した.
続いて手術室に移動し,インジコカルミン:
4ml
と 2%リドカイン:1ml
の混合液を乳頭下
組織に投与し,乳頭部を軽くマッサージした.
あらかじめ,γプローブにてマーキングしてお
いた腋窩部に,1%リドカイン:10~20ml
にて
局所麻酔を行い,2~4c
mの皮切から SNBを
行った.SNの同定率,同定様式,個数,色素投
与から閉創までの手術時間,出血量,術後合併
症を検討した.
採取した SNは,10%緩衝ホルマリン固定後,
2mm厚に細切したすべてのスライスの標本を
作製し,パラフィン包埋切片から H.
E.
染色と
CK19に対する免疫組織化学染色(Da
k
o
.c
l
o
ne
RCK108
)標本を作製し観察した.SNの病理診
断確定は 6日以内に行い,SNBの次の週には乳
房に対する手術,あるいは NACを開始した.
転移巣が見られた場合,その大きさを計測
し,mi
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i
s以下の場合は腋窩リンパ節
郭清(ALND)を省略した.ALND省略例で,
乳房温存手術例では,乳房照射を行ったが,腋
窩照射は行わなかった.ホルモンレセプター
(HR)陽性例にはホルモン療法を追加し,陰性
例では原則的にガイドラインに沿った薬物療法
を追加した8).術後は 2~3ヶ月に一度の診察,
6~12ヶ月に一度の CTまたは超音波検査を行
い,腋窩・領域リンパ節再発の有無を観察した.
結
273
果
1.SNBの同定率
全例で SNが同定可能で,同定率は 100%で
あった.平均 SN摘出数は,1.
7±0.
86個(1~5
個)であった.
SNの同定様式は,RIかつ色素の取り込み有
りで同定されたもの:65例(63.
1%)
,RIのみの
取り込み有りで同定されたもの:37例(35.
9%)
,
色素のみの取り込み有りで同定されたもの:1
例(1.
0%)であった(表 1
)
.以上から,RI法
のみで SNBを行った場合の同定率は 99%,色
素法のみで行った場合の同定率は 64.
1%であっ
た.
色素法のみで SNが同定された 1例は,術前
T1の硬癌で,RI法によるマッピングは不可能
であったが,色素法により,わずかに青染され
た 4mm大の SNが同定できた.原発巣の切除
標本では I
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ma成分
が見られ,リンパ管侵襲が高度であり,その SN
のほとんどが腫瘍細胞で置換されていた.それ
以外の症例では RI投与後,直後から約 40分以
内にリンフォシンチグラフィにて,腋窩リンパ
節へ RIの集積を確認し,同時に RI室において
ハンディ型γプローブにて位置が同定可能で
あった.
術中出血は少量のみで,手術時間は平均
28.
8±8.
2分(15~47分)であった.SNBの後,
術後出血・感染・リンパ瘻の合併症は無かった.
表 1 SNの同定率
274
藤
原
郁
2.SNの転移
SNの 転 移 率 は,Ma
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sと mi
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sを合わせると 28.
2%であった(表 2
)
.
Ma
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sの 21例で追加 ALNDを行った
が,no
nSN転移は 9例(42.
9%)にみられた.
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sでは 2例のみ ALNDを行った
が, no
nSN転 移 は 無 か っ た. そ れ 以 外 の
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,
I
TCでは,ALNDは行わなかっ
た.
NAC前に SNBを行ったもの 19病変(両側乳
也
ほか
癌 1例を含む)について見ると,Ma
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s
での転移率は 42.
1%となった(表 3
)
.これは
HR陽性・HER2陰性乳癌であっても,腫瘍径
が 2c
mを超える症例で NACの適応を決定する
ために SNBを行って,転移陽性なら NACを行
う方針とした例など,腫瘍径が大きな症例が含
まれているため,全体として転移率が高くなっ
た可能性がある.また,HR陰性・HER2陰性
乳癌でも,腫瘍径が 1c
m前後と小さい例や,高
齢者で NACの内容・適応を決定するために SNB
表 2 腫瘍径別の SN転移率
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s
:腫瘍径 2mm超.
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:腫瘍径 0.
2mm超,2mm以下.
I
TC(i
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umo
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)
:腫瘍径 0.
2mm未満
表 3 NAC前の SNBの転移率
HR(ホルモンレセプター)
;免疫組織化学染色で,ERまたは Pg
R陽性細胞が 10%以上を
陽性と判定
HER2
;免疫組織化学染色(He
r
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)でスコア;3+ を陽性と判定.または,2+ の場
合, FI
SH法で HER2/
CEP17比>2.
2を陽性と判定
外来局所麻酔下でのセンチネルリンパ節生検
を行った.実際には,SN転移陽性なら,アント
ラサイクリン系・タキサン系薬剤の順次投与を
行い,転移陰性ならそのどちらか一方のみの薬
剤で NACを行うなど,方針決定の判断材料と
m前後の HER2
した9)10).さらに,腫瘍径が 1c
陽性乳癌で,SN転移陰性のためアントラサイ
クリン系薬剤を省略したレジメンを選択した症
例があった11).
3.SNB後 ALND省略例の成績
SNBの後,ALNDを省略した 80例において,
術後平均術後観察期間は 34±18.
4ヶ月(中央
値:33
,8~67ヶ月)で,腋窩・領域リンパ節
再発は無かった.また,腋窩~上腕の知覚異常
は無かったが,1例で上肢浮腫がみられた.本例
は術後 3ヶ月目に患側の a
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を生じ,その後患側上肢の浮腫が出現したが,
約 4ヶ月で自然に軽快した.
考
察
近年,c
N0の乳癌に対する SNBは広く普及
し,我が国のガイドラインでも強く推奨されて
いる8‐12)13).SNBにより SN転移陰性で ALNDが
省略できれば,予後を悪化させること無く ALND
による合併症を回避でき,QOL向上に寄与でき
る14)15).これには,正確に SNを同定し,2mmを
越える大きさの転移巣を確実に診断することが
必要である7).
SNの同定法では,RI
・色素併用法が最も同定
率が高いとされ,当院でもこれを採用した1).
SN転移診断は,術中に凍結切片による病理診
断を行う方法があるが,病理医の確保の問題が
ある.また,OSNA法にて行う場合,相当数の
SNB症例数がないと機器導入・運用には費用の
問題がある7).当施設は,地方の中規模病院で
あり,上記の 2つの方法は困難である.そこで,
患者には 2回手術を行うことになるが,まず外
来手術として局所麻酔下に SNBを先行し,SN
を 2mm厚に細切しすべてのスライスの標本を
作製し,転移診断を行うこととし,2010年より
SNBを開始した.
RI
・色素併用法による SNの同定率は 100%で
あった.RIの取り込み有りとして SNが同定さ
275
れたものは 99%と良好であった.特に,ハン
ディ型γプローブを RI
室に持ち運び,その場で
事前に SNの位置確認が可能であり有用な方法
であると考えられた.
一方,色素の取り込み有りとして SNが同定
されたものは 64.
1%にとどまった.日本での臨
床試験では,インジコカルミン単独でも 96.
5%
の高い同定率が報告されている1).一方,初期
の報告ではパテントブルーでの同定率は 84%,
インジコカルミンンでの同定率は 75%と報告
されており,これらの色素間で同定率に有意差
は無いとされているが3),インジコカルミンで
は同定率がやや低い可能性がある.また,以前
我々が報告した RI
・色素併用法による SNBで
は,色素の取り込み有りとして SNが同定され
たものは 91.
5%であった2).この報告では,色
素としてパテントブルーを用いたが,今回はイ
ンジコカルミンを用いており,色素の違いによ
り同定率が悪化した可能性がある.
また,表 1に示すように,RI
・色素両方の取
り込みのある SNが同定された 65例中,この SN
の他に RIのみの取り込みがある SNが 14例
(21.
5%)
,色素のみの取り込みのある SNが 5例
(7.
7%)
に同定されており,これらを見逃さない
ためにも,RI
・色素併用法が精度の高い SN同
定のために必要であると考えられる16)17).
SNの転移診断については,標準的な検索法
は定められていない.しかし,2mmを超える
大きさの転移巣を確実に診断するためには,少
なくとも 2mm厚に細切したすべてのスライス
の標本を作製する必要があり,当院でもこれを
採用した.それによるSN転移率は,表2に示す
ように過去の報告と比較しても妥当な数値であ
ると考えられる12‐14).
一 方, 当 施 設 で SNBを 開 始 し た 当 時 は,
mi
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s
i
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,I
TCの臨床的意義は明確で
は無かったため,これらを検出するために免
疫組織化学染色も併用し SN転移診断を行っ
た.それにより,mi
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s
t
a
s
i
s
,I
TCまでも
検出可能であった.しかし,現在では免疫組織
化学染色でしか発見できないような微細な転移
巣の臨床的意義は少ないと考えられるように
276
藤
原
郁
なっており,免疫組織化学染色を継続するかど
BCSG2301
うか検討中である7)18‐20).ただし,I
の結果から,mi
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o
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s
t
a
s
i
sなら ALNDを省略
c
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a
s
i
s
できると考えられ8)21),正確に Ma
と mi
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s
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sを区別するために,は免疫
組織化学での転移巣の検出,その大きさの測定
は有用である可能性がある.
また,あらかじめ SNBで腋窩リンパ節の転移
の有無を把握することには,いくつかの利点が
ある.
その一つは,補助化学療法に関する点であ
る.乳癌治療の一環として,補助化学療法を行
うかどうかは,重要な問題である.補助化学療
法の再発抑制効果は,術前または術後に行って
も同等であり,術前に化学療法の適応が決まっ
ていれば NACを行ってもよいとされている8).
ER陽性・HER2陰性乳癌では,主に病理学的
因子から再発リスクを推定し補助化学療法の適
応を決定する.その病理学的因子の中でもリン
パ節転移の有無は重要であり,転移陽性なら化
学療法が考慮される.また,ER陰性乳癌や
HER2陽性乳癌は,再発リスクが非常に低い場
合以外は補助化学療法を行う.その場合,リン
パ節転移陽性であれば,アントラサイクリン系
にタキサン系薬剤を追加するレジメンが考慮さ
m以下の腫瘍
れる9)10).HER2陽性乳癌でも,3c
径でリンパ節転移陰性であればアントラサイク
リン系薬剤を省略したレジメンも考慮できる可
能性がある11).以上のように,SNBによってあ
らかじめリンパ節転移の有無を知ることで
文
也
ほか
NACの適応・内容を決定に役立つと考えられ
る.
さらに,ALNDの適応に関する点である.Z
0011の結果から,H.
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染色による病理検索での
SN転移が 2個以下であり,乳房照射を行う乳房
温存手術で術後薬物療法を行う場合であれば,
ALNDを省略しても無病生存率・全生存率は悪
化しないとされている22).ただし本試験には症
例集積数・イベント数が少ない,SN転移陽性が
対象であるがその約 40%は mi
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あったなどの問題点が有り,本試験の条件を満
たす症例すべてで ALNDを省略するには慎重
であるべきである.今後,我々は Z0011の結果
も患者に情報提供し,あらかじめ SNBを行い転
移診断を行っておくことで,全身麻酔下での乳
房への手術の前に,ALNDを行うかどうか,患
者も交えて相談し方針決定を行うことを考慮し
ている.
結
語
外来局所麻酔下での RI
・色素併用法による
SNBは,2回の手術を行うという欠点があるも
のの,精度の高い SN検出と転移診断が可能で
あり,さらに,SN転移状況から補助療法の適
応・内容決定に重要な情報がえられるため,有
用な方法であると考えられた.
開示すべき潜在的利益相反状態はない.
献
1)中村清吾,津川浩一郎,岩田広治,大野真司,秋山
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