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124
November 2005
No.
■
金沢医科大学国際交流 20 周年 記念式典・
記念講演会(富田重亮氏)
第 17 回総合医学研究所市民公開セミナー
〈最良のがん医療を求めて〉
■学事
第 33 回教育懇談会:ハワイ大学 Izutsu 教授
第 33 回解剖体合同追悼法要
医学部第 2 学年看護実習・報告会
新任教授紹介
An International Association for Medical Education
in Europe(AMEE)2005 参加報告
平成 17 年度オープンキャンパス
■学生のページ
第 5 回バーモント大学医学部での夏期医学研修報告
第 8 回ハワイ大学夏期語学・医学研修報告
医学部学生のメディカル・ホームステイ報告
金沢医科大学病院・先端医療なるほど図鑑に参加して
「金澤夕暮れ祭り」禁煙支援パネルでキャンペーン
課外活動:ヨット部、クラシック音楽同好会
学生の表彰
第 34 回内灘祭・第 30 回看学祭
■学術
平成 18 年度科研費補助金学内公募説明会・学内監
査
第 35 回日本耳鼻咽喉科感染症研究会
第 40 回アルコール・薬物医学会総会
第 65 回日本解剖学会中部支部学術集会
石垣靖人講師 北國がん基金研究助成を受ける
■病院
第 26 回関連病院会議
院内感染に関する教育講演会
病院本館−新館連絡通路オープン
第 394 回私立医科大学栄養研究会
金沢医科大学病院:先端医療なるほど図鑑
第 5 回臨床研修医指導医のためのワークショップ
■図書館:新着図書の紹介
■随想・報告
映画は楽し Part 1
■管理・運営
平成 17 年度互助会 夏・秋のバス旅行
□金沢医科大学学術振興基金 募金
「ツール・ド・のと 400」へ発進
金 医 大 学 報
2
記念式典・記念講演会: 平成17年9月10日(土)13: 30∼16: 45 金沢21世紀美術館 シアター21
祝賀会: 平成17年9月10日(土)17: 30∼19: 30 ホテル日航金沢
今から20 年前、本学が開学10周年を迎えたころには、
医学部、大学院、総合医学研究所の前身である熱帯医学
研究所・人類医学研究所などが整備され、海外との学術
交流が種々の形で全学的に盛んに行われるようになって
いた。それから20年、その間には282 名の研究留学生の
受け入れをはじめとして、多くの人材がグローバルな規
模で交流してきた。その歴史を振り返り、将来への展望
を考えるべく、金沢医科大学国際交流 20 周年記念式典
ならびに記念講演会が企画され、上記のとおり国内外の
関係者の出席を得て盛会裏に開催された。
記念式典では、小田島粛夫理事長は本学が行ってきた
国際交流の足跡とその功績を振り返り、この記念行事を
さらなる発展への一里塚としたいと式辞を述べ、来賓の
中国華中科技大学同済医学院田 玉科学院長、中国医科
大学趙 群学長、中日友好病院高 海鵬副院長、米国
Mercer 大学 Ann Jobe 医学部長、Hawaii 大学医学部 S.
lzutsu上席医学部長代理の各位から祝辞が述べられた。
記念式典
式典に列席の海外からの来賓
続いて、今までの国際交
流に大きな功績のあった T.
J. Lin 前 Mcrcer 大 学 副 医 学
部長、黄肇栄同済医学院日
本語教授、佐々木一之本学
名誉教授、大瀧祥子本学英
語教授の 4 名の方に対して
感謝状が贈られた。さらに、
帰国留学生の講演として、
韓 徳民首都医科大学附属同
記念講演の富田重亮先生
仁医院病院長、鄒 麗同済医
学院教授、魏 育林中日友好病院教授、Yeo Hans Cahyadi
インドネシア・フサダ病院院長の 4 名の方から、内灘で
過ごした厳しかった研究生活や楽しかった人々との交
流、そして帰国後の活躍と現況などが紹介された。
特別講演では、元国連農業開発基金副総裁で現北京大
学現代日本研究講座主任教授の冨田重亮先生が「中国と
東アジア: 共存共栄への模索」と題して講演され、政治
的には大きな困難を抱えているように見える日本と中国
および東アジア諸国だが、実際的な人的交流は年々拡大
し、政治的、経済的な相互の依存関係は確実に深化して
おり、そのような人間関係の深まりが、必ず現在の政治
的困難を乗り越えるとの先生の信念を述べられて、本学
が長期間にわたって続けているような地道なグロ一バル
な人的交流の重要性を指摘され高く評価された。
会場を日航ホテル金沢に移して行われた祝賀会では、
海外からの来賓や留学経験のある本学学生をも交えてこ
の度の記念行事を祝
い、旧交を温めある
いは新しい友情を育
みつつ、国際交流の
さらなる発展に向け
て大きな夢を膨らま
せた。
本記念行事の記録
は「金沢医科大学国
際交流 20 周年記念
誌」 として刊行され
ている。 (編集部)
金沢医科大学国際交流20周年記念誌
金 医 大 学 報
3
第17回 総合医学研究所市民公開セミナー
日時: 平成17 年10 月22日(土)13: 00∼15: 30
場所: 金沢市文化ホール
平成17 年10 月22 日(土)午後1 時より第17 回金沢医
内科医の草分け的な役割
科大学総合医学研究所市民公開セミナーが開催された。
を担ってこられた歴史を
今回は平成 17 年 10 月 1 日にオープンした21 世紀集学的
語られた。集学的治療が
医療センターに合うテーマとして「最良のがん医療を求
最も有効な乳癌を例にと
めて」を取り上げた。参加人数は98名であった。
り、早期がんでも骨髄に
講演1 では、
「患者中心の集学的がん治療」と題して、
は約 20%のがん細胞が存
集学的がん治療センター長の元雄良治腫瘍治療学教授
在することから、早くか
が、各診療科の専門医師・薬剤師・看護師などがチーム
ら全身疾患として患者さ
となって患者さんに尽くす集学的がん治療の実際を、新
んを診ていく必要がある
しく稼動した集学的がん治療センターの写真を示しなが
こと、発がん平均年齢が
ら解説した。フロアからは免疫療法の可能性について質
60 歳を超えており、糖尿
問があったが、抗体療法以外、科学的根拠のある免疫療
病・高血圧などの生活習
法にはまだ実用化されたものはないとの回答であった。
慣病を併発している患者
講演2では、
「最新のがん診断:PET検査の有用性」と
特別講演
田村和夫教授(福岡大学医学部
第1内科学)
さんが多いことからも内科医の関与が欠かせないこと、
題して、東 光太郎放射線診断治療学教授が、来年度本学
患者・腫瘍・治療法の3 つの要素を常に考えることなど
に導入予定のPET装置について実際の症例を呈示しなが
を強調され、福岡大学病院における外来化学療法の流れ
ら説明した。現在はCTとPETを組み合わせたPET/CT
を示された。フロアからは、免疫療法の是非・温熱療法
装置が一般的であり、精密なCT画像と高感度のPET画
の機序・代替医療についての質問が活発になされ、田村
像が見事に組み合わされた肺癌や悪性リンパ腫などの写
先生はエビデンスに基づいた対処が重要であると答えら
真は息を飲むほどに鮮明であった。フロアからはガリウ
れた。
ムシンチとの比較、PET検査の安全性などに関する質問
患者中心の集学的がん治療とPETを含めた最新の診断
があったが、ガリウムをはるかに凌駕する診断能を有し、
技術によるがんの早期診断により、腫瘍内科医がその専
用いる放射性同位元素は微量でかつ短い半減期(110分)
門性を発揮し、外来化学療法を安全に実施することは患
のため人体には安全であると明解に答えられた。
者さんの大きな安心につながり、
「最良のがん医療」へ
特別講演では、
「腫瘍内科と外来化学療法」と題して、
田村和夫福岡大学医学部第1 内科学教授が、米国で5 年
と向かう力となることを確信したセミナーであった。
(集学的がん治療センター長・腫瘍治療学 元雄良治記)
間の腫瘍内科のトレーニングを受けられ、日本での腫瘍
講演1
講演 2
元雄良治教授(腫瘍治療学)
東 光太郎教授(放射線診断治療
学)
最後まで熱心に聴き入る市民の方々
金 医 大 学 報
4
学 事
おり、現在まで3 名の本学第 6 学年学生をハワイ大学臨
床研修プログラムに派遣している。今年度は第6 学年の
テーマ:
Admission to the John A. Burns
School of Medicine(JABSOM)
講 師: Satoru Izutsu 教授(ハワイ大学医学部
上席医学部長代理)
上田るかさんが派遣されており、彼女の体験談は既に学
報 122 号に掲載されている。Izutsu 教授は現在 Senior
Associate Dean であり、また入学試験委員会の委員長で
もあることから、今回、氏が選んだテーマは「Admission
to the John A. Burns School of Medicine(JABSOM)
」であ
った。
氏はまずJABSOM の使命から始まり、JABSOM 入学
者選抜の詳細を約45分にわたり、ステップ・バイ・ステ
ップで丁寧に説明された。
選抜者の最初のスクリーニングには、ハワイ州との関
連、出生地、出身校などの項目があり、明らかに地域枠
の概念が適用されている。実際、かなりの割合の学生が
ハワイ関連者とのことである。もちろんMCAT(Medical
College Admission Test)等の成績は重要項目であり、最
後に面接を行う。面接者の中には第4学年(医学部最終
学年)の学生も加わる。このような評価を踏まえて、約
1,400 名の志願者から60 名の学生を選抜するということ
Satoru Izutsu 教授
である。
42 名の教職員が参加し、講演中から活発な質疑応答
平成17 年9 月12 日(月)ハワイ大学医学部Izutsu教授
が行われ、全体として十分な意見交換がなされた。今回
を招いて、第 33 回教育懇談会を開催した。本学はハワ
紹介されたハワイ大学入学者選抜の現況は本学にとって
イ大学と平成 17 年 1 月から正式に提携を結んだ。しか
も参考となる点が多々あり、有意義な教育懇談会であっ
し、exchange programが既に平成15年からスタートして
た。
(教務部長 大原義朗記)
平成 17 年 8 月 8 日(月)午後 1 時から炎天の下、本学
慰霊碑前において第 12 回盂蘭盆会の墓参が行われた。
無償の崇高な篤志に感謝し、墓参には、午前の役員会を
終えた天寿会の作田 実会長をはじめとする役員ならび
に一般会員の方のご参列をいただき、また、本学からは
分子細胞形態科学部門教職員ならびに関係職員など、総
数20 余名が参列した。
はじめに、天寿会を代表し作田会長、そして分子細胞
形態科学を代表し、平井圭一、篠原治道両教授が献花を
お茶を飲みながら歓談を行い、短い時間ではあったが交
行い、続いて参加者全員による献花がしめやかに行わ
流を深め散会した。
れ、今までに献体をいただき納骨堂に安置されている御
散会後無人となった慰霊碑の前には、残暑とは思えぬ
霊の安らかなることをお祈りした。その後、会場に張ら
赤く刺すような陽射しの中、献花された純白のバラが涼
れたテントの下で、天寿会会員の方々と本学関係者とが
しげにそして優しく揺れていた。 (教学課 松本順治記)
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
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第33 回
平成17年度 天寿会総会・懇親会
平成 17 年 10 月 15 日(土)午後 2 時から真宗大谷派金
沢別院の本堂において、ご遺族、天寿会会員の方々およ
び理事長、学長、病院長をはじめとする教職員、医学
生、看学生など約400名が参列し、第33 回解剖体合同追
悼法要が厳かに執り行われた。
この追悼法要は、前年 9 月からの1 年の間に、解剖実
習のための系統解剖に献体をいただいた方々ならびに本
学病院で病理解剖にご協力をいただいた方々の崇高な篤
志に対して感謝の意を表し、その方々の御霊の安らかな
らんことを祈念するために、毎年秋に真宗大谷派金沢別
院の本堂で行われるものである。本年は、系統解剖 13
柱、病理解剖 104 柱の合わせて117 柱の御霊のご冥福を
お祈りした。
法要では、はじめに山本 達学長から「近年は、遺伝
子研究や再生医学などの先進医学、医療が目覚しく発展
してい ます。このような現代医学の中にあっても、人体
の構造を知り得る解剖実習ならびに新しい診断技術や治
療法の確立のための病理解剖の重要性はなんらかげるこ
とはなく、ますますその重要性は大きくなっています。
このことにご理解とご協力をいただいた故人ならびにご
遺族の方々に深甚なる感謝の念を捧げ、一層の医学発展
に精進します」と追悼のことばがあり、続いて小田島粛
夫理事長から「系統解剖は、医学に携わる者としての倫
理観と社会的使命や責任を認識する上において極めて重
要であり、また、病理解剖は、それによってしか得るこ
とのできない個々の症例の貴重な医学情報をもたらし、
医学・医療の進歩発展にとって必要不可欠であります」
と挨拶が述べられた。
その後、117 柱のご尊名が拝誦され、読経の流れるな
か参列者の方々が焼香し、故人のご冥福を祈った。
東別院本堂前にて記念撮影
平成17年度の天寿会総会および懇親会が、10月15日
(土)午前11時30分から真宗大谷派金沢別院の真宗会館
において、約80名の会員の参加を得て開催された。
総会では議事の審議に先立ち、昨年 9 月から今年 8 月
までの1 年間に成願された9 名の方々のご芳名が拝誦さ
れ、参加者全員が黙祷を捧げご冥福を祈った。その後、
天寿会の今年度の事業計画が承認され、過去1年間にお
ける会員動向と天寿会役員会の開催状況および会報「天
寿」の掲載内容の変更などについて詳細な説明報告が行
われ、総会は終了した。
正午から昼食を兼ねた懇親会が行われ、1 年ぶりの再
会を喜び、近況を話し合い、来年の再会を約束し変わら
ぬ健勝を誓い合うなど懇親が深められた。
引き続き開催された講演会では、昨年のアンケートの
結果を参考に、本学の脳脊髄神経治療学飯塚秀明教授か
ら「脳卒中について−治療と予防−」と題した講演をし
ていただいた。講演内容は、脳や神経、血管などの複雑
で繊細な仕組みやその障害の恐さ、また、最新の治療法
ならびに障害予防の重要性とその方法などのお話をして
いただいた。通常、非常に難解と思われる脳、神経など
のお話を大変分かりやすく話していただき、会員は熱心
に聞き入っていた。また、中にはメモを取る会員も見受
けられ、その関心の高さがうかがえた。
最後に、当日はあいにくの雨天であったが降雨の合間
に、本堂前において参加会員全員の集合写真撮影を行
い、天寿会会長をはじめ会員の方々ならびに関係者の協
力により、予定していた全ての行事を無事に終了した。
(教学課 松本順治記)
【学事】
金 医 大 学 報
さがわ
もとやす
なかいずみ
ひろこ
佐川 元保 教授(特任)
中泉
裕子 教授(臨床)
呼吸機能治療学(呼吸器外科)
感覚機能病態学(眼科学)
平成17年10月1日付けで、呼吸機能治療学(呼吸器
外科)教授(特任)昇任の辞令をいただきました。
私は昭和57年に東北大学医学部を卒業、十和田市立
中央病院で一般外科中心のローテートによる初期研修
を2 年間行った後、東北大学抗酸菌病研究所外科学部
門(現在の東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分
野)斉藤泰紀先生の研究室に入り、仲田 祐、藤村重文
両名誉教授、近藤 丘教授の指導のもと、仙台厚生病院
と合わせて約100床の病床数で働く中で、数多くの呼吸
器外科疾患の臨床経験を積む機会を与えられました。
その間、平成6年から8年まで米国NCIにて肺癌の分子
生物学の研究に従事いたしました。平成13年4月より
金沢医科大学呼吸器外科助教授に任ぜられ、以後当大
学で臨床・研究・教育にあたっております。
私の研究テーマは、肺癌に関連する中でも臨床に即
したものを主としており、肺癌検診の方法とその評価、
臨床疫学、早期肺癌の診断・治療、新しい気管支鏡の
開発、外科治療成績と予後因子の解析、胸腔鏡手術の
適用疾患・手技の拡大、術前・術後補助療法と多施設
臨床試験、気管支鏡によるIntervention治療、前癌病変
や早期肺癌の遺伝子解析などです。特に近年は胸部CT
検診が北陸でも行われてきており、従来の胸部X線で
は発見できなかったような小さな陰影が続々と見つか
ってきています。そのため、超早期癌の診断とその低
侵襲治療は重要なテーマとなってきています。
今後も、患者さんに選ばれる病院を目指して診療の
レベルをさらに向上させること、次代を担う医学生・
若手医師を育てていくこと、世界に通用する研究をこ
の地より発信していくことを目標に、佐久間 勉教授を
支えて尽力いたす所存ですので、ご指導御鞭撻のほど
よろしくお願いいたします。
【略歴】
1982年 4 月
1994年 1月
1997年 4 月
2000年 8 月
2001年 4 月
2005年10月
6
東北大学医学部卒業
米国国立癌研究所(National Cancer Institute)
留学
東北大学加齢医学研究所附属病院外科助手
東北大学医学部附属病院呼吸器外科講師
金沢医科大学呼吸器外科助教授
金沢医科大学呼吸機能治療学(呼吸器外科)
教授(特任)
平成 17 年 11 月 1 日付けをもって、感覚機能病態学(眼
科学)臨床教授を拝命いたしました。金沢医科大学病院創
立時、金沢大学より初代教授倉知与志先生、吉村卓也助
教授、飛見立郎講師、梶川孝一先生、釣見尚美秘書、そ
して私の6 人でスタートいたしました。
倉知教授は私の尊敬する先生のお一人で何も知らない私
に眼科の基礎を教えてくださいました。研究については金
沢大学解剖学教室本陣良平教授の下で涙腺の透過型、走
査型電子顕微鏡による形態学を学び、学位を取得いたしま
した。いまでも地下室の電顕で総医研の栗原孝行講師と実
験の試料を検討するのを楽しみとしています。
それまで基礎的な眼科学を学んできましたが、佐々木一
之教授就任後、主に白内障特に手術に関して多くを学ばせ
ていただきました。吉村助教授について浅ノ川病院にて日
本で初めて慶応大学の桑原式白内障超音波手術を経験させ
ていただき、まだ粘弾性物質など今のように物資に恵まれ
ていない時代の手術でしたが、その後石川県立中央病院に
いらっしゃいました小坂輝彦先生に白内障手術に対する基
本手技を、大石隆興助教授、飛見助教授による弱視・斜視、
大槻潔非常勤講師による硝子体手術など、先輩の諸先生が
たにご指導いただき、今の私の手術の基礎となりました。
現在の診療では主に小児に関しまして、特に小児白内障
手術において、まだ世界で、そして日本においてもまだ正
式に認可のおりていない小児眼内レンズ挿入の有用性につ
いて多くの症例を経験し、眼内レンズ挿入により合併症が
いかに減少し、有益であるかを学会でも報告しています。
弱視・斜視診療も携わる医師が少ないため後継者を作らな
ければならないと考えています。内科医であった父の「医
療はチームワークが大事」の教えとともに看護師、パラメ
ディカル、事務の方々とともに、人を思いやる医療を行っ
てゆきたいと考えています。
医学生、研修医教育に関しましては、
「病に休日はない」
が私のモットーですが、これを基本にしてPBL セミナーを
より充実させ、勉学に励んでほしいと考えています。
【略歴】
1968年 3月
1968年 4月
1969年 5月
1970年 4月
1972年 4月
1976年 9月
1988年 4月
2005年11 月
東邦大学医学部卒業
金沢大学医学部研修医
金沢大学医学部付属病院眼科副手
金沢大学医学部眼科学教室医員
金沢医科大学眼科学助手
金沢医科大学眼科学講師
金沢医科大学眼科学助教授
金沢医科大学感覚機能病態学(眼科学)臨床
教授
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
7
際の仕事を肌で感じることにより、チーム医療や患者中
心の医療を学ぶことである。
8 月 29 日から9 月 1 日の4 日間、5 ∼ 6 人ずつのグルー
プが21 の病棟に配属され、実習に入った。
医師および保健師、助産師、看護師法に抵触しない範
医学部看護体験実習が、平成17年8月29日(月)から9
囲で以下の10 項目の体験実習を行った。
月2日(金)までの5日間、本学病院で実施された。Early
(1)引き継ぎカンファランスへの参加
Clinical Exposure(早期臨床体験)の一環として平成14
(2)入院患者の誘導、入院時オリエンテーションの見学
年度から第2学年の授業に取り入れられたものである。
(3)患者搬送等の実習
事前に実施されたオリエンテーションでは、第2 学年
(4)ベッドメーキングをはじめとする療養環境の整備
主任の西尾眞友教授が「実習の目的・内容」について説
(5)患者の訴えの聞き取り、記録の作成
明を行った。引き続き消化器内科福羅匡普医師の「院内
(6)バイタルサインのチェック、三測表の作成
感染防止の知識、手洗いの実際」などの説明があり、横
(7)医療介助の見学(指示受け、薬剤準備、手術前後
畑房枝看護部副部長から実習全般の説明を受けた。個人
情報保護上の留意点についての説明もあった。
この実習の目的は2つある。第1に、6年間の卒前医学
教育における比較的早い時期に、身をもって第一線の医
療現場を体験することにより、医学を学ぶ上でのmotivation をさらに強固なものにする。第 2 に、看護師の実
の準備、検査準備、創傷処置の介助、療養指導)
(8)介護業務(体位変換、食事、清潔、排泄、歩行、
寝衣交換)の体験
(9)看護問診、入院診療計画書、看護診断、看護計
画、看護記録の作成の体験
(10)医師および他職種との連絡および報告
9 月 2 日に実習報告会を開催した。各グループが実習
における体験や感想等を発表し、これについて討論を行
った後、高田昌美看護師長から実習そのものや発表に対
するコメントをいただいた。
看護師の仕事の多彩さ、大変さについての新鮮な感
動、チーム医療において医師に求められている役割の重
要性に対する各自の考えなどについての発表が多かっ
た。今後の医師への歩みにこの経験を生かしてゆきたい
という決意の表明も聞かれ,今後の医学学習の一助とな
る有意義な実習であった。
協力していただいた、看護師や病棟のスタッフの皆様
にこの場をお借りして感謝申し上げます。
体験実習する医学部学生
平成18年度
(第2 学年主任・生体情報薬理学 西尾眞友記)
針」
、
「学生生活」
、
「平成18年度入試要項」等について詳
細な説明が行われた。さらに、説明の中で創立30周年記
念事業として作成したテレビ番組のダイジェスト版「医
全国7 カ所で開催
学教育はいま、−金沢医科大学の挑戦−」を放映した。
参加者からは「とても詳しく説明してもらえたので具
体的なイメージをとらえることができた」
、
「ビデオを見
平成18年度本学入学試験の説明会が、平成17年8月1
たことにより貴校の教育方針や教育内容が良くわかり、
日(月)から8 月 4 日(木)にかけて、全国 7 ヵ所(金沢、
是非入学して“良医”をめざしたいと思った」
、
「大学の
札幌、仙台、福岡、東京、名古屋、大阪)で、受験生や
紹介だけでなく、患者さんの声や医師を志す者の在り方
その家族、高校の進路指導教諭等を対象として開催され
た。参加者は上記 7 ヵ所で受験生 73 名、父母等 116 名、
教員15名の延べ204名(前年199名)であった。
説明会では入試実施委員から「本学の概要」
、
「教育方
なども聞けて良かった」などの感想を得た。その他に、
「オープンキャンパスには参加できないので、このよう
な地方での説明会をしていただくのはありがたいです」
などの意見も寄せられた。 (入学センター 村井幸美記)
【学事】
金 医 大 学 報
8
報 告
An International Association for Medical Education
in Europe(AMEE)2005
医学教育センター助教授
堀 有 行
AMEE はこれまでに経験したことのない学術集会であ
った。発表会やある種のお祭りのようなものではなく、
参加者が持ち寄った研究成果や話題をもとに討議が繰り
広げられ、
「得る」ことの多い学会であった。渡航期間
が短く、ぎりぎりのスケジュールであったために参加で
きなかったが、3日間の会期以外にpre-とpost-conference
が多く設けられていた。Amsterdam は観光地であるが、
午前 8 時過ぎから午後 6 時まで、終日会場は多くの参加
者で埋めつくされ、国際学会にありがちな「観光と休暇
を兼ねた学会」ではなかった。
私は臨床実習前の情意教育について“A letter from the
sufferer in PBL tutorial”という試みについての発表(short
communication)をした。医学教育でprofessionalism が重
要視される中、予想以上に高い関心を持ってもらうこと
会議場前で他大学の参加者と一緒に(筆者は前列右)。
ができ、セッション中のみならず終了後も質疑や意見交
換に追われた。座長を務めていたドイツのUniversity of
本学会に参加したのははじめてであったが、素晴しい
Erlangen-NurembergのEckhart G. Hahn先生は、患者さん
学会がヨーロッパで行われているという思いとともに、
の生の声を聞かせた後の学生の反応が大変よかったとい
日本は世界の医学教育を知らなければならないと痛烈に
う経験を話してくれ、こういった取り組みの効果を検討
感じた。
してほしいと励まされた。各セッションでは各演題10分
私が携わっている神経内科や睡眠医療の臨床領域で
の発表と5 分の討論時間が設けられていた。さらに、す
は、それらの国際学会に出席しても世界と日本との大き
べての発表が終了したところで、セッション全体として
な差はそれほど感じられないし、それぞれに進んでいる、
の討論が、座長とは別のdiscussant のまとめとともに行
あるいは遅れている面などが把握できる。しかし、医学
われた。演者はこの中で再び意見を求められるなど、ひ
教育に関して日本は他国との接点があまりにも少なく、
とつのシンポジウムのような構成で、セッションの共通
その差異さえ十分に把握できておらず、孤立しているよ
テーマについて参加者全員で考え、互いに必要とする知
うに思われる。日本でも「医学教育学」が独立して開設
識・情報をしっかり得るという参加者の意欲が感じられ
されるようになってきたが、そこに従事する教員だけで
た。
この問題を解決できるとは思われず、事実、本学会の参
加者はそれぞれに医学教育以外の専門分野を持っている
人が圧倒的に多かった。日本の医学教育の現状をみると
き、後継者「Good Doctor」を育成することが医学部教
員の使命であるという認識と、あまりに忙しい日本の医
学部教員が、教育に時間を割くことのできる環境づくり
が最優先の課題と思われた。
ホテルの窓から見たアムスッテルダムの町並み
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
9
変好評であった。
模擬講義は分子細胞形態科学(解剖学)の東 伸明講
師、代替基礎医学(血清学)の清水昌寿助教授によって
行われた。
平成17年 7月 24日(日)
8月 7日(日)
8月 28 日(日)
昼は学生食堂で参加者と在学生、教職員が食事を取り
ながら和やかな雰囲気のなかで歓談を行った。この間も
受験生は、在学生に受験勉強のことや学生生活のことな
ど、ホームページや「大学案内」では分からない在学生
の立場からの生の声に聞き入っていた。
平成 17 年度金沢医科大学オープンキャンパスは、上
記の3 回、本学キャンパスを会場に開催された。
第 1 回目の 7 月 24 日には 87 名(受験生本人 41 名、父
母等46 名)
、第2 回目の8 月7 日には119 名(受験生本人
午後からは入試説明会や個別相談を行い、クラブハウ
スや図書館、病院新館見学も行われ好評であった。短い
時間ではあったが、参加者は思い思いに本学を理解した
様子で、午後3 時には全てのプログラムを終了した。
56 名、父母等 63 名)、第 3 回目の 8 月 28 日には 109 名
本学のオープンキャンパスは、受験生の視線で本学を
(受験生本人53名、父母等56 名)で合わせて過去最多の
見てもらうことに重点をおいており、参加者の案内や説
315 名(昨年度は261 名)の参加があった。
いずれも午前 10 時に始まり、篠原治道入試実施委員
明などをグループに分けて在学生が案内役となる形で実
施している。毎回、約 30 名の在学生の協力を得て実施
長から開会の挨拶、続いて入試実施委員よりプログラム
しており、参加者アンケートでも、
「在学生との交流で
等の説明のあと、参加者は4 つのグループに分かれ案内
“生徒の目線から見た大学”を知ることができとても良
役の在学生がツアーガイドとなりキャンパスツアーを行
かった」
、
「実際に受験した先輩から入試のことなど詳し
った。今年度は新たに、医学教育センターでの電子カル
く聞けて本当に有意義でした」
、
「不安に思ってたこと、
テ体験、生体模型体験を実施し、受験生、父母からは
疑問点など詳しく聞くことができ大変参考になりまし
「電子カルテは聞いたことがあるが、実際に見て体験で
た」などの意見があり、大変好評であった。
(入学センター 村井幸美記)
きて良かった」や「心音や呼吸音を聴くという専門的な
体験ができ、受験にむけてやる気が出てきました」と大
篠原治道入試実施委員長の開会の挨拶
模擬面接体験
生体模型体験
電子カルテ体験
【学事】
金 医 大 学 報
10
ゆうこう
杉江 直子(第4学年)
柳瀬 祐孝(第3 学年)
今まで何度かオープンキャン
私はこの3 年間で何度かオープ
パスのお手伝いをさせていただ
ンキャンパスのお手伝いをしまし
いていますが、全国から参加さ
た。本学のオープンキャンパスの
れる多数の受験生やご家族とお
特色は何より在学生が主体となっ
会いできるのを毎回楽しみにし
て、学内を案内しているところで
ています。
す。どのような学生が本学で頑張
今回は初めての試みとして、
っているか、そして本学の学生が
新設の医学教育センターの見学が組み込まれ、参加者の
どのようなキャンパスライフを送っているかを知っていた
方々に実際に実習体験をしていただきました。模擬人体を
だくには最もよい方法だと思います。私自身も学生のころ
使って聴診器で呼吸音や心音を聴いたり、5 年生による電
に一度、本学のオープンキャンパスに参加したことがあり
子カルテの案内にしたがって模擬操作をしたりと、皆さん
ました。そのオープンキャンパスを通じて、本学の特色や
積極的に参加されました。実際に聴診器を手にとって熱心
教育システムなど様々なことを知ることができました。何
に呼吸音を探されている姿や、聴診器を手にして感激され
より志望校への合格というモチベーションも高まりまし
ていた受験生の方々の嬉しそうな顔がとても印象的で、私
た。逆にオープンキャンパスのお手伝いをさせていただく
も初めて聴診器を手にして味わったときの感激を思い出し
立場になって、受験生のころの自分と重ね合わせ懐かしさ
ました。
も感じました。また、参加された受験生は、何事にも積極
本学のオープンキャンパスの最大の特徴は、学内の誘導
的に参加する姿勢が感じられました。施設見学や模擬講義
や施設案内を在校生が主体となって行うスタイルにありま
などに参加する姿勢が真剣で、本学への興味だけではな
す。ほぼ半日を参加者の方々とご一緒するうちに、自然に
く、自分は医者になるという強い意志までも感じられまし
打ち解けた雰囲気ができ、ありのままの学生生活や校風を
た。そして、オープンキャンパスに参加された受験生が本
お伝えすることができます。施設見学だけではなく、こう
学に入学して、金沢医科大学の学生として勉学に励んでい
した在校生との交流を通してキャンパス全体の雰囲気を知
る姿を見ると、嬉しく思える一方、私自身も負けられない
っていただくためにも、できるだけ多く声を掛けました。
という気持ちになります。そういった意味で本学のオープ
最後に正面玄関でお見送りをする際には、在校生全員
ンキャンパスは受験生、学生ともに有意義なものであると
で精一杯手を振り、参加者の方々もそれにこたえて笑顔で
思いました。今後、一人でも多くの受験生が本学のオープ
手を振り続けてくれました。その姿をみて、オープンキャ
ンキャンパスに参加され、本学の特色を知り、そして本学
ンパスを楽しみ、興味をもっていただけてよかったと実感
で新しい学生生活を送っていただけることを願っていま
しました。来春には、是非、先輩としてキャンパスでお迎
す。
えできることを祈っています。
らっている。特に滅菌手袋の装着や無菌操作は初めての
体験となる参加者がほとんどで、緊張しながらも在校生
のアドバイスを受けながら一生懸命取り組んでいた。授
業の後は在校生と昼食をともにし、学生生活の実際を見
看護学校体験入学が、平成 17 年 8 月 9 日(火)
、10 日
聞きしながら、和やかに交流を深めていた。
(水)の両日に行われた。2日間で延べ138名(うち男子10
午後からは病院の協力を得て、新館病棟で看護体験を
名)の参加であった。体験入学は将来看護師を目指す高
行った。
「実際の援助が体験できて感動した」
「目標とす
校生を対象に、看護学校での学習内容や病院での実際の
る看護師に出会えた」
「看護師になりたい思いが高まっ
看護を理解してもらうことを目的として実施している。
た」などの感想が多く寄せられた。
まず、午前中は本校において、ビデオによる学校生活
本校における看護の学習が、充実した内容と環境の中
を紹介し、その後グループに分かれての模擬授業を行っ
で行えるということを参加者に伝える機会として、今後
た。手洗い・手指消毒と滅菌手袋の着脱、沐浴、包帯交
も有意義な体験を提供していきたいと考えている。
換など、講義に加えて、実際に参加者全員に体験しても
(附属看護専門学校 小泉由美記)
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
11
をはかり、楽しい時間を過ごすことができた。こうした
自由な接し方や時間の過ごし方ができるのは、このプロ
ちひろ
亀井 千裕(第5学年)
グラムの楽しいところである。
病院での実習では、患者さんへのがん告知に立ち会っ
たり、手術の介助をしたり、頼むと実際に診察をさせて
くれることもあった。やはり木田先生が現地で私たちの
身分を保証して下さるから、アジアから来た見知らぬ医
学生も実際の診療に携わらせてもらえるのだ。実は、私
は日本でがん告知に立ち会ったことはなかった。アメリ
カで見たがん告知は、きちんと病状をありのままに説明
し、その死期までも伝えて、今後の治療方法の選択肢を
提供するものだった。ドクターは、数時間かけて患者さ
んに丁寧な説明をしていた。相手が納得するように、ち
ゃんと考えられるように、誠意をもって接する姿はとて
木田先生(左から 2 人目)と食事。左から亀井、バーモント大学
3 学年の Masaru さん、古谷
も印象的だった。相手の人生は相手のものであり、それ
に対して責任をとってあげることはできず、どうするの
かを決めるのは本人自身である。そういう毅然とした態
今年の夏もバーモント大学医学部を訪問した。今回で
度にとても心が動かされた。
2 回目となる訪問。去年このプログラムに参加してその
また、現地では金沢医科大学と日本の医学部のシステ
素晴らしさに感動し、今回も参加を決めた。まさか2 回
ムについてプレゼンテーションを行った。日本の堅苦し
も連続で参加する者がいるだなんて、誰も最初は信じな
いものと違って、ジョークをうまく入れないと興味を持
かったのだが。前回は4 学年だったので実際の病院での
って聞いてもらえないのが、アメリカのプレゼンテーシ
実習を知らず、見るもの全てが目新しかった。今回は5
ョンの特徴の一つである。前回の経験でそれを知ってい
学年での参加になる。約4 カ月にわたって自分の大学で
た私は、あらかじめ日本で作ったパワーポイントのファ
臨床実習を行い、カルテの書き方や仕事の様子などを毎
イルに、5 年間の学生生活での勉強やOSCE の練習中な
日の忙しい中で知っての参加だった。
どの面白い写真を豊富に入れて、現地で木田先生の指導
臨床実習を終わらせて、次の日には東京へ。あわただ
で原稿を作り、プレゼンテーションを行った。去年に比
しい出発となった。現地ではいつもこのプログラムをサ
べて随分スムーズに進み、たくさんの質問を受けた。去
ポートしてくださる木田先生とそのご家族、またバーモ
年は木田先生にほぼ全部の応答を手伝ってもらったが、
ント大学医学部の学生であるフジワラミカさんが出迎え
今年は自分でかなり答えることができた。自分の成長を
てくださった。航空券を予約したのが出発間際だったの
感じて、とても嬉しく思える瞬間だった。
で、到着は夜遅くになってしまった。しかし、何時だろ
臨床留学を経験できる機会は数少ない。まったく異な
うと毎回こうやって迎えに来てくださる先生の気遣いが
る視点で自分の進む世界を見るのは、とても貴重な機会
本当に有り難い。木田先生のサポートあってのこのプロ
だと思う。この大学では、まだまだ留学に踏み切る学生
グラムだ。いつも、ここまで丁寧に接してくださる先生
は少ない。留学を考えていても、実際旅立つ学生はごく
はなかなかいないと痛感する。家族のように接してくだ
限られている。あまりに勿体ないといつも思う。学生時
さる気遣いがとても温かかった。また、去年と比べて、
代にしか学べないことも数多い。興味がある学生は是
今回は現地の学生と接する機会が多かった。現地の医学
非、チャンスを逃さず踏み切ってほしいと切に願う。少
生数人と街へ食事に出かけたり、メディカルインターン
なくともこのプログラムに関しては、挑戦すれば必ず素
(メディカルスクールを受けるために病院で見習いをし
晴らしい体験が待っていることを私は自信を持って保証
ている学生)の家で夕飯をご馳走になったりと、私たち
3 名は一生懸命英語を駆使しながらコミュニケーション
する。
【学事】
金 医 大 学 報
12
ングの時間を作ってみたりと、自分なりにできることか
Vermont
ら始めていきました。これが後々、研修中に思わぬとこ
きいちろう
古谷 毅一郎(第5学年)
ろで威力を発揮しました。
アメリカに到着した翌朝から早速、消化器外科カンフ
ァレンスを見学しました。診療・カンファレンスは無
論、すべて英語です。活発に凄まじい速さで繰り広げら
れるディスカッションに圧倒されました。それでも、臨
床実習で覚えた医学英語をなんとか聞き取り、これを頼
りに必死にディスカッションの内容に耳を傾けました。
何の疾患に関してディスカッションしているのかは理解
できましたが、核心の部分に関しては、結局解ったのか
どうか定かでないまま終わってしまった感がありました。
基本的なリスニング力の弱さを痛感した瞬間でした。
さて、実習内容ですが、1 週目から本格的に病院内で
左から三浦、古谷、バーモント大学3学年のKartさん、亀井
様々なことを見学・体験することができました。2 週間
で行った実習内容は次のとおりです。①消化器外科での
僕が最初にこの研修の存在を知ったのは2 年生の春で
外来治療の見学、②消化器外科カンファレンスの見学、
した。このころはちょうど、教養科目ばかりで医学とあ
③Radio-oncology(放射線癌治療)のセクションの見学、
まり縁のない授業に半ば閉塞感を覚え、研究室に出入り
④ Hematology(血液・腫瘍学)セクションの見学(診
したりして、自分の医学へのモチベーションを何とか維
察・骨髄穿刺などの見学)
、⑤Radiology(Pediatrics)の
持しようともがいていた時期だったように思います。そ
見学、⑥Neurology クリニックでの実習(診察の見学・
んな時、Vermont 大学医学部の助教授で金沢医科大学
レクチャー)
、⑦Family Medicineでの実習(診察・問診
OB の木田先生が医学研修の説明会を開くという話を聞
などの見学、実習)などです。Vermont 大学での研修で
き、部活をサボって一目散に説明会を聞きに行ったのを
は基本的に、実習する科の医師もしくはスタッフととも
憶えています。以前から海外での医学研修というものに
に行動することになっていました。今回は参加が3 人と
大きな興味を持っていた僕にとって、
「アメリカの医学
少人数だったため、ほとんどの科でほぼマンツーマンの
部で医学研修ができる」
、
「病院で診察や手術、診療の見
指導を受け、どこにも逃げ場のない完全な英語漬けの毎
学もできる」という木田先生のお話は非常に魅力的で、
日に追い込まれることとなりました。
単なる語学留学では到底できない大きな経験ができるよ
僕がラウンドした科の中で特に印象に残ったのが、
うな気がしました。しかし対象は4∼6年生。2年間待ち
Hematology(血液・腫瘍学)とFamily Medicineのクリニ
続け4 年生に進級しましたが、今度は最後の西医体参加
ックでの実習です。まず、Hematologyセクションの診療
とVermont 大学研修のどちらをとるかで最後まで悩み、
見学では、担当のジョージ・フィリップス先生の診察テ
結局仲間たちとの思い出を選んで西医体へ行くことに決
クニックとインフォームドコンセントの姿勢に感動しま
めました。共用試験→期末試験→標準試験という「魔の
した。前立腺癌で余命1∼2年という患者さんとそのご家
試験月間」を乗り越えて5 年生に進級したこの夏、待ち
族に対して、癌を告知するという場面に同席させていた
に待った Vermont 大学研修へと向かう態勢は整いまし
だきました。患者さんへの告知の場面は、本人だけでな
た。マッチング世代である僕らの周りでは、夏休み中ど
く家族にとって非常に重い現実を伝えるものであり、実
の病院に見学に行くかという話題でもちきりでしたが、
際厳しいものとなり、診察室は悲痛な雰囲気に包まれま
今回に限って全く迷いはありませんでした。病院見学は
した。印象的だったのは、病状に関する説明が非常に丁
いつでも行けるけれど、3 年も待ったVermont へ行ける
寧で、患者さんが理解しやすいよう配慮しながら進めら
のは今年が最後だと考えたからです。出発までの1 ∼ 2
れていたことです。最後に、今後の治療をQOL中心に考
カ月間、何らかの準備をしておかなければと意気込んで
えるのか、それとも延命にスポットを当てて考えるのか
いましたが、出発前日まで臨床実習のラウンドがあり、
を患者さんに選択していただく段になったのですが、先
大した準備もできぬままアメリカへ向かうことになって
生はここでも患者さんに理解できるような易しい言葉
しまいました。それでも、臨床実習中には電子カルテを
(僕らにも簡単に解るような言葉)を選びながら説明を続
なるべく英語で記入してみたり、毎日CD で英語リスニ
け、何度も立ち止まっては患者さんや家族が納得するま
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金 医 大 学 報
13
見てみると、どちらが良いという訳ではなく、日本にも
アメリカにもそれぞれ良い部分・見習うべき部分がある
ことを感じます。保険制度に関しては日本の方がアメリ
カよりもはるかに手厚いものですが、一方で患者さんに
対する外来テクニックに関してはアメリカの医師に見習
うべき点がたくさんあったように思います。
週末にはVermont大学の医学生と交流する機会も得ま
した。前々から、海外の医学生はどんなものの見方をし
バーモント大学の講義室
ているのだろう、自分たちとどこが違うのだろうという
ことをじかに話して感じとってみたかったので、医学生
でじっくり話をされていました。非常に重い現実が告知
たちと飲みに行ったりいろいろな話ができたのは非常に
されていましたが、先生は医者としての科学的な視点は
新鮮で、また良い刺激にもなりました。そして何よりも
常にキープされていて、患者さんやご家族をフォローし
今回の研修で幸運だったのは、木田先生とお会いできた
ながらも決して話が感傷的な方向に向かないよう、重要
ことです。アメリカで活躍されている先生の話は、とて
なポイントを確実に患者さんに説明されていました。今
もエキサイティングで貴重なものでした。この 2 週間、
回Vermont大学で研修して得たことの一つに、まずこの
先生と本当にいろいろな話をしました(木田先生の「人
ことをあげたいと思います。帰国してから再び臨床実習
生学」と僕らは呼んでいました)
。先生のアメリカでの
をラウンドしながら、僕が見たフィリップス先生の診察
苦労話を聞きながら、毎日つたない英語で格闘する生活
風景をよく思い出します。今後医師となる上で見習いた
を送ることで、困難な状況でも何とか努力してサバイブ
いお手本の一つとして、胸に刻んでおきたいと思います。
していくことの大切さに改めて気付かされ、自分の視野
また、最後の 2 日間は、Vermont 大学系列の Family
が広がったと思います。木田先生をはじめ、Vermont 大
Medicineのクリニックで実習を行いました。診察は、患
学の先生方に感謝しています。
者さんが待つ診察室へドクターが訪れるというスタイル
最後に、留学や海外に出てみたいと思う人がいたら、
でした。2 ∼ 3 時間も待たされて医者の待つ診察室に患
是非このVermont 大学の研修に参加してみてください。
者さんが入ってくる日本とは正反対なところが新鮮でし
西医体や就職活動などで忙しいとは思いますが、ここで
た。最終日には担当医に問診を取らせてもらえませんか
の経験は何にも代え難いもので、一生の財産になり、か
とダメ元で頼んだところ、初診患者さん2 人の問診を取
つ今後の勉強に対してもモチベーションを高めてくれる
らせてもらうことができました。出発前に診療英会話の
と思います。来年の春には、木田先生が来学されて説明
本を6 年の先輩に借りて少しずつ練習していたので、今
会が開かれる予定ですので、低学年の人たちも是非聞き
回の研修中に一度やってみたかったのです。とはいえ、
に行くことを願っています。何か聞きたいことなどがあ
問 診 の 内 容 は Yes or No で 答 え ら れ る よ う な Closed
れば、僕を含め、今回のメンバーをつかまえて質問して
Question がほとんどでしたが・・・。それでも、患者さんの
ください。待っています。今回の研修にあたり何から何
問診を全て英語で取ることができたのは、自分にとって
までサポートしてくださった教育研究事業推進室の古本
かけがえのない経験となりました。外国から来た見ず知
郁美さん、有難うございました。
らずの医学生からのこんな無理なリクエストが通ったの
も、本学 OB の木田先生がVermont 大学で信頼されてい
るからこそ可能なことだったのだと思います。
今回の研修に参加してみて感じたことですが、5 年生
という学年で参加してみて本当によかったと感じます。
ちょうど臨床実習のラウンドの最中に研修に参加したこ
とで、日本での医療とアメリカでの医療の違いを少なか
らず肌で感じる取ることができました。それが微々たる
もので、見聞できたのはほんの一部ということも確かで
す。もし4 年生で参加していたら、今回のような発見や
感動は得られなかったことでしょう。日本の医療はアメ
リカに比べて遅れているとよく言われますが、こうして
バーモント大学キャンパス
【学事】
金 医 大 学 報
14
んがそれぞれの個室で待っていて、その部屋へドクター
Vermont
が入っていくというスタイルです。これも日本ではまず
まさてる
三浦 匡央(第4学年)
見られない光景で、日本に比べアメリカの方がプライバ
シーの問題がより厳しいことを表しているのかもしれま
せん。
そして第3 に、アメリカには日本のような保険制度が
ないことです。このことは知っていましたが、実際アメ
リカでは個々人の加入している保険の種類によって、受
けられる医療のランクや薬の種類までも変わってくるこ
とを目の当りにしました。患者さんの中には、お金の問
題でより安い薬を処方してくれる場所をドクターに斡旋
してもらっている方もいました。このアメリカと日本の
保険制度の違いについては、アメリカのドクターや患者
さんからよく質問されました。
左から三浦、バーモント大学学生と亀井
以上、僕がアメリカで実感したことを述べましたが、
今後バーモント大学に研修に行きたいと考えている後輩
2005 年7 月17 日から7 月31 日の2 週間、僕はアメリカ
の皆さんに対して言えることは、
「実際に自分で体験し
のバーモント州にあるバーモント大学にて医学研修に参
てみないと分からない」ということです。少しの英語力
加しました。
と多くの好奇心だけを持って、是非アメリカに行ってみ
この研修に参加することを決めてから、友人にこのこ
とについて聞いたり、自分なりに英語の勉強をしたりし
てください。いろいろなことで刺激を受けることは間違
いありません。
ながら出発の日を待っていましたが、実際にアメリカで
最後に、木田先生を始め、アメリカでお世話になった
の研修を体験してみて、それまでの自分の中のイメージ
ドクターの皆様方に感謝いたします。ありがとうござい
とは異なっていたことに気付かされました。僕はまだ日
ました。
本で臨床実習を体験していないので、日本やアメリカで
の長所、短所を一概に言えませんが、医学部4 年として
感じ、考えさせられたことを述べます。
第1に、どのドクターも僕に対してはもちろんのこと、
患者さんに対してもとてもフレンドリーであったことで
す。たとえ重い症状の患者さんであっても、問診時間の
3 分の1 から2 分の1 くらいの時間を世間話に費やしてい
たように思いました。これは日本ではあまり見られない
光景だと感じました。
第2 は病院の構造のことですが、アメリカでは患者さ
バーモント大学キャンパス
研修病院:Fletcher Allen病院
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金沢医科大学第8回夏期国際語学・医学研修がCAPE(Center of Asia-Pacific Education)の主催により、8 月1 日∼22 日、
ハワイ大学マノア校のキャンパスにおいて実施され、1 学年の7 名が参加した。参加学生の研修報告書から3 件を掲載し
た。
(編集部)
ともえ
広田 知依(第1学年)
お話によれば、寮についてあまりいい印象を受けなかっ
たが、実際は楽しい寮生活だった。確かに寮では共同の
バスルームなどプライバシーがあまりないことに驚いた
が、留学生や大学院生、教師としてさまざまな国の方が
住んでいるため、多くの人と話をする機会が増え、彼ら
の実生活を知ることができた。時には、ふるさとの手料
理を食べさせてもらったり、パーティに参加させてもら
ったり、貴重な体験ができた。土、日曜日には大学が休
みになるため、韓国の学生たちも一緒に観光やショッピ
ングに出かけたりし、毎日を有意義に過ごすことができ
た。
私はこの研修に参加して、文化の違いなど多くのこと
を学び、視野が広がった。そして、改めて英語の重要さ
Tripler Army Medical Center の看護師さん(前列中央)と本学学生
を知った。また、このようなプログラムがあれば、ぜひ
参加したいと思う。
ほとんど海外へ行ったことのない私は、この研修に行
く前、3 週間という滞在期間は長すぎると思っていた。
しかし研修が終わりに近づくと、もっとハワイにいたい
ゆうか
小寺 佑佳(第1 学年)
と強く感じるようになっていた。それほどこの3 週間は
私にとって充実したものだった。
ハワイ大学では、プレゼンテーションやディスカッシ
ョンなどが、時には日本語でさえ難しい課題について行
われた。フィールドワークとしてハワイのいくつかの名
所に行き、課題の質問に答える形式のものなどをはじめ
として、宿題もかなり出たが、私にとっては授業も含め
非常に興味深いものだった。私は、はじめはほとんど先
生の英語が聞き取れず苦しんだが、課題に取り組んだ
り、友達と英語でしゃべるうちに理解できるようになっ
ていった。また、同じプログラムに参加していた韓国の
学生は英語が上手で、自分に自信を持って積極的に行動
Tripler Army Medical Center前で記念撮影
しており、彼らと話すうちに自分も見習わなくてはなら
ないと感じた。彼らとは、はじめ英語があまり通じず苦
今回ハワイ大学での語学研修に参加しました。まず授
痛にさえ思っていたが、数日後には片言でもなんとかコ
業では英語での会話のスキルアップと、英語でのプレゼ
ミュニケーションがとれるようになった。一生懸命伝え
ンテーションの仕方を学ぶことができました。また、毎
ようという気持ちがあれば、英語ができなくても心は伝
日英語で日記をつけてきて、それを先生に直してもらっ
わるのだとつくづく感じた。出発前の説明会での先生の
たり、自分のプレゼンテーションに対して先生から評価
【学事】
金 医 大 学 報
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とアドバイスをもらって、とても自分のためになったと
思います。
病院見学では2 カ所の病院を見学しました。クアキニ
メディカルセンターでは、アメリカの肥満の人に多い無
呼吸症候群の患者さんに対する治療の仕方、そのための
器具など実際に見ながら説明を聞くことができとても良
かったです。そして軍の病院では、熱心なドクターとナ
ースの方に施設を案内していただきました。そこでは、
がんに対するあらゆる治療法を教えていただきました。
軍の病院という、普段行けない所を見学できてとてもい
い体験になりましたし、病院見学は私のモチベーション
韓国からの留学生と牧(右)
をとても上げてくれました。また、午後の自由時間もと
ても刺激的でした。バスで見知らぬ人と英語で会話し、
だ。私の場合、クラス編成テストでよりハードなクラス
その土地のことをよく知ることができました。何より、
に入れられた結果、韓国の学生が半分を占めていて、ほ
ハワイの自然はとても素敵でした。来年もたくさんの人
とんど日本語を使えない状況におかれたのがかえって良
に、この語学研修に参加してほしいと思いました。
かった。また、そういう場で恥ずかしがらず積極的に、
何とか伝えるぞ!という気持ちをもてたのも功を奏し
た。クラスでの勉強をしっかりこなしていくと、最初は
じょうた
牧 尉太(第1学年)
「喋れず、聞こえず」という状態を繰り返していたのが
日に日に上達し、その進歩が私にも担当の先生にも見
私にとって初めての海外となるハワイでの3 週間。初
え、それがまたやる気への大きな原動力となった。第3
めての場でどれだけ臨機応変な態度を取れるか、アクテ
に、
「よく学び、よく遊べ」の精神で行動できたという
ィブに行動できるか、いろいろなものに目を向けるよう
ことだ。朝早くから昼過ぎまで授業があり、授業後は海
になれるかなど、多くの期待に胸を躍らせて8 月 1 日か
に行ったり、街に出たり、遠出したりと、部屋にこもっ
ら 22 日のプログラムに参加した。最初に言いたいのだ
ていることは一度もなかった。帰ってからは宿題をし、
が、このプログラムを一言で表せば、
「最高」だった。
毎日夜3 時すぎまで勉強をした。それでも全然疲労を感
こんなに充実した夏は、生まれて以来なかった。理由
じなかったのは気持ちが充実していたためだろう。
としては第 1 に、このプログラムを主催しているCAPE
ハワイで知り合い、よくしていただいたCAPE の校長
はハワイでいろいろなコネクションを持っており、大学
先生や他の先生方、一緒に学び遊んだ韓国の学生さんた
(NASAハワイ大学支部)
、軍事病院など、日本ではもち
ち、同じクラスで行動を共にした他大学の学生さんな
ろんのことハワイに来ても普通ではできない体験をさせ
ど、良い出会いが数多くあった。このような貴重な体験
てもらえたということである。第2 に、他国(韓国)の
をしたからこそ、今の自分の生活をしっかり見つめてい
学生も多くこのプログラムに参加していたということ
きたいという気持ちになることができた。
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く答える番組を担当し、大変好評をいただき、丸3 年を
迎える現在、放送を聞いて他県から来院される患者様も
多くなってまいりました。これからも様々なことに挑戦
し、努力していきたいと思っております。
医療法人白奉会 中嶋医院院長
中嶋 竹蔵(昭和58 年卒業) 【当医院のメディカルホームステイ】
このたび、メディカルホームステイの研修病院として
登録のお話をいただき有り難く思っております。私自
身、医療とはまったく無縁の家庭に育ち、医師を志した
ので、ある意味で医者の家庭では当然知っている医療の
世界がまったく分からず、学生時代には苦労をしたこと
もたくさんありました。
そういった私の経験をふまえて、学生には早くから医
療の現場を見せ、経験させてあげる場所が必要と思い、
6 年前から金沢医科大学の希望する学生を毎年数名ずつ、
1 週間程度のホームステイとして受け入れてきました。
研修内容は、
①問診(患者様とコミュニケーションをとる)
診察室での院長
②バイタルサインチェック(基礎解剖生理学復習)
③各種検査体験(X-P、ヘリカルCT、MRI、注腸、超
【医院の紹介】
医療法人白奉会
音波エコー、ECG、内視鏡、脈波測定、骨塩量、血
中嶋医院
院 長:中嶋竹蔵
診療科目:内科、外科、消化器科、胃腸科、肛門科、
整形外科、リハビリテーション科
所 在 地:〒519-0431 三重県度会郡玉城長蚊野248-8
液検査など)
④手術および術前・術後管理
その他、医療法人としてチーム医療のあり方を学ぶため
に、できるだけ多くの経験ができるようなスケジュール
を組んでおります。
このような経験が、いずれ医師としての国家資格取得
当医院は平成2年2月20日に開院し、今年で15年目を
に結びつき、また「良医とは何か?」についての答を自
迎えました。開院当初から 19 床で一次救急を中心とし
ら見つけ出し、自分自身の医師としてのあり方を御する
た1 年365 日無休の地域医療を目指し、早期発見・早期
のに役立つものと信じております。このような小さな医
治療をモットーに内視鏡、エコーなどの機器はもちろ
院ではございますが、母校の傘下でこのような大きな仕
ん、ヘリカルCT、MRI などを揃え、すぐに検査ができ
事に参画でき、いくらかでも母校に貢献できれば誠に幸
る体制を築いてまいりました。また、温泉を利用したリ
いと存じております。
ハビリや運動療法にも力を入れ、透析室の開設と同時に
送迎バスの運行も開始しました。
現在このような様々な試みにより、瞬時の対応の良さ
や、的確な診断能力で、癌はもとより難病の発見率も高
く、周辺の総合病院からの紹介率 No.1 という高い評価
を得ております。毎日の外来数約300 人を、金沢医科大
学の応援を得て2 名の医師で年中無休の病院として地域
の人々から大事にされて診療に励んでおります。
社会への貢献として様々な海外ボランティア活動にも
盛んに参加しており、昨年はスリランカに幼稚園を開設
し、院内においても常時募金活動等も行っております。
東海ラジオでは、毎週土曜日の「Drなかじまの健康一
番」という視聴者からの医療に関する質問に分かりやす
中嶋医院正面
【学事】
金 医 大 学 報
18
メディカルホームステイ参加学生の報告書から 3 件を掲載した。
(編集部)
吉田 和可(第3学年)
働いておられるため、他の薬剤師の方々はじめ、スタッ
フの皆さんの雰囲気がとても和やかでした。一緒に昼食
をいただいた際に、人生の先輩として、働く女性の先輩
〈研 修 先〉上田診療所
として、いろいろためになるお話を聞かせていただいた
院 長 上田 通章 先生(昭和56年卒業)
〒611-0013 京都府宇治市菟道平町17
TEL 0774-22-7586
〈研修期間〉平成17年7月27日∼29日
のがとても印象深いです。実にアットホームな雰囲気
で、おかげで研修期間を快適に過ごすことができまし
た。3 日間を終えて最も強く感じたことは、学生生活も
含めこれから先、医学のことはもちろん人間として幅広
い知識と経験を身につけること、そして人間性を磨くこ
とが必要だということです。
私は滞在中、一人の女性の患者さんに出会いました。
30歳のころにパーキンソン病を発病し、それから約20年
間ずっと寝たきりの生活を続けているということでした。
お子さんはなく、ずっとご主人が働きながら一人で面倒
を見ておられるそうです。私が最初にこの患者さんと出
会ったのは初日で、隣接するデイサービスの施設にこの
方が来ていた時です。見たところお年を召しておられる
ように見受けたのですが、赤いフリルのついた可愛らし
いパジャマを着てビーズの手提げバッグを握り締め、顔
はきれいにお化粧されていました。その手提げバッグに
左から上田先生と吉田、鈴木、診療所スタッフ
はお化粧道具が入っているとのことでした。そして、最
終日に往診に同行した際に、再びこの方と出会うことに
私が研修させていただいた上田診療所は古都京都の宇
なりました。自宅に伺ったのですが、正直言って衝撃的
治にあり、近くに宇治川が流れ、宇治上神社や平等院な
でした。それは、私のこの方に対する第一印象から大き
ど世界遺産を有する情緒あふれる場所にありました。
くかけ離れていたものだったからです。私は、はじめそ
滞在した3日間、外来と往診、勉強会の見学などをし
の身なりから、経済的にも家族からのケアという点から
ました。短い間でしたが、実に多くのことを学び、感
も満たされている方だという印象を一方的に抱いていま
じ、また刺激を受けることができました。
した。しかし実際は、この患者さんのための介護用ベッ
初日は、午前に外来を見学し、昼から往診に同行し、
夕方からはまた外来の見学をしました。
ドが部屋を占領し、それを中心に介護用オムツと必要最
低限の生活用品しかないという環境でした。ご主人と2
2 日目は、午前中、外来見学、お昼に製薬会社による
人で生活されているのですが、この時ご主人はお仕事に
新薬説明会への出席、午後からは京都第一赤十字病院で
出かけていて不在でした。上田先生が往診に来るという
の免疫疾患カンファレンスへの出席、続いて研修医向け
ことで、顔には以前と同様きれいにお化粧が施されてい
の「抗菌薬の正しい使い方」についての勉強会参加とい
ました。ご主人が出かける際にしてくれたそうです。
う研修内容でした。カンファレンス、研修医向けの勉強
私は自分の無知と思い込みを反省させられました。こ
会は私にとって内容が少し高度でしたが、実に良い刺激
れから先、表面からだけでは分からないことに出会うこ
となりました。
とが多くあると思います。だからこそ少しでも多くのこ
そして最終日は、午前の外来を見学し、午後に往診に
同行し、全日程を終了しました。
とを学び、経験し、感じていかなければならないと痛感
しました。
上田先生は内科と小児科を専門とし、お一人ですべて
医師としてだけでなく、人間として成長していくため
の患者さんを診ておられるので、多種多様な訴えを持っ
のアドバイスをくださった、上田先生はじめ、奥様、ス
た患者さんが訪れて来ます。奥様も薬剤師として一緒に
タッフの方々、そして患者様に深く感謝いたします。
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
荒井 俊夫(第5学年)
19
アプラザ診察(院長)見学、心療療法・薬剤講
義の受講
3 日目:音楽療法・通所リハビリテーション・院長回診・心
〈研 修 先〉横浜相原病院
病院長 吉田 勝明 先生(昭和57年卒業)
〒246-0026 横浜市瀬谷区阿久和南2-3-12
TEL 045-362-7111 FAX 045-362-7306
〈研修期間〉平成17年8月1日∼3日
理療法(摂食障害)見学、心理検査体験
と、短い3 日間をフルに活用した非常に充実したプログ
ラムを組んでいただきました。この中のいくつかを紹介
したいと思います。
まず、外来陪席ですが、これは私にとって初めての精
神科外来で、患者と医師の間に信頼関係を築き、長時間
をかけてゆっくりと患者さんの心の紐を解いていく丁寧
な診察には感銘を受けました。また、患者にとって必要
なものは何かを慎重にかつ適切な言葉を選びアプローチ
していく、これは多くの経験を積み熟練した吉田先生な
らではの技だと感じました。
作業療法では、 木工室、陶芸室等も設置されており、
医師の指示に基づき、患者さんの状態や趣向等に合わせ
て、木工、陶芸、手芸、工芸等、様々なメニューが用意
されており大変充実したものでした。患者一人ひとりに
合った作業を選び、常に笑顔で患者に接する作業療法士
吉田先生と荒井
さんたちを見て、精神科医療は医師だけでなくチームに
よって機能するものだと再認識させられました。
また心療内科カンファレンスでは、さらにチーム医療
今回私は、8 月1 日から3日間、本学の卒業生である吉
の重要性を教えられました。前述した作業療法もそうで
田勝明先生が活躍されている横浜相原病院で、メディカ
すが、精神科では処方を行う医師の他に看護師、臨床心
ルホームステイをさせていただきました。
理士、作業療法士などコメディカルとの連携が不可欠で
吉田先生とは第3学年次の時、神奈川支部・北辰同窓
す。特に入院中の患者さんは、入院が長引けば長引くほ
会でお会いしたのが最初で、そこで伺った地域精神医療
ど社会復帰が難しくなります。そのため、できるだけ早
や、卒後のお話はとても感慨深く印象的でした。そし
期に退院できるように、40名を超える各スタッフが早朝
て、是非一度はその先輩の傍で勉強したいと思っていま
から懸命に話し合い、時にはヒートした意見が飛び交う
したので、一通り臨床科目を終える第 5 学年のこの夏、
カンファレンスでした。
「チームが一丸となって一人ひ
その希望が実現したことはとても嬉しく思いました。
とりの患者さんにより良い医療を提供し、早期社会復帰
横浜相原病院は病床数 491 床、300 名を超えるスタッ
フを持つ病院で、横浜市にありながら緑に囲まれた環境
を目指す」
、これはどこの科においても共通する大切な
ことだと思います。
の中にあり、精神科・心療内科を専門とする地域医療に
現在、学部の4 年生ないし3 年生は、臨床講義で精神
密着した病院です。院内は爽やかで柔らかい雰囲気一杯
科目を学ぶと思いますが、教科書だけではなかなかイメ
で、精神医療といえば連想されがちなネガティブな面を
ージをつかみにくいと思います。また、
“患者の立場に
完全に払拭させる環境がそこにはありました。また、実
立ったチーム医療をこれからは目指さなくてはならな
習の3 日目に、横浜相原病院は「名病院よりも良病院」
い”と強調されますが、具体的にはどういったものか?
といった理念に基づいて、地域に愛し愛される医療を目
相原病院でのメディカルホームステイは、実際の現場で
指しているのだという院長のお話を聞き、なるほど、そ
それらに触れてみる絶好の機会だと思います。
の理念が体現化されたものを初日に感じたのだなと納得
したものでした。
さて、3日間にわたる実習ですが具体的には
1 日目:院長外来陪席、作業療法科・心理療法科・院内
施設の見学 2日目:カンファレンス出席、精神科デイケア・地域ケ
今回の研修中、吉田先生には精神医療のお話以外に、
たくさんのアドバイスをいただきました。医師として大
切なこと、医学生としてやっておくべきことなど、先生
ご自身の学生時代の思い出とともにたくさん聞かせてい
ただきました。また、相原病院で内科医として勤務され
ている本学卒業生の千間先生からは、ご自身を含め各地
【学事】
金 医 大 学 報
20
で活躍されている先輩方の話をお聞きし、その先輩方に
密着した医療は、人と向き合い病気と向き合うことを可
負けないように努力しなければならないと強く感じまし
能にします。医療の原点はまさにここにあるのではない
た。先生方の言われた一言一言を胸に、あと1 年半、さ
かと改めて感じました。
らに勉学に励み良医を志そうと思います。
大牟田共立病院の患者様は高齢者の方が非常に多く、
最後になりましたが、今回受け入れてくださった吉田
それゆえに生じる問題もありました。院長先生が話して
院長先生をはじめ、相原病院の各先生方に深く感謝いた
くださいましたが、病気を治すための長期入院によって
します。また3 日間いろいろな面でサポートしてくださ
寝たきりになってしまったり、退院してまもなく新たな
った医療事務課の岡部さん、本当にお世話になりまし
病気やけがが発生し他の病院に入院してしまうなどとい
た。そして、この機会を提供してくださった大学、北辰
う事態が続き、疑問を感じられたそうです。
「病気を治
同窓会の皆様に深く感謝いたします。
しても、生活の質が改善しないどころかかえって悪化さ
せてしまう場合がある」
、
「退院してもすぐに他の病院に
入院してしまう」
。この問題から、病気のみを診るので
さ ゆ こ
小野沙裕子(第3学年)
はなく患者様全体を診ること、退院後のケアの必要性を
考えられたそうです。
研修中にグループホームも見学させていただきまし
〈研 修 先〉大牟田共立病院
病院長 緒方 盛道 先生(昭和53年卒業)
〒836-0012 福岡県大牟田市明治村3-7-5
TEL 0944-53-5461 FAX 0944-56-5949
健愛記念病院
病院長 溝口 義人 先生(昭和55年卒業)
〒811-4313 福岡県遠賀郡遠賀町大字木守1191
TEL 093-293-7090
〈研修期間〉平成17年8月22日∼25日
た。グループホームは本来、利用者の方々とスタッフが
一緒に食事を作ったり洗濯をしたり、共同で日常生活を
送るという形式を取りますが、健愛記念病院付属のグル
ープホームでは、入院生活の延長という意識で利用され
る方が多いため、共同で食事を作ったりはしないそうで
す。これに対して大牟田共立病院のグループホームで
は、“施設”という雰囲気ではなく、可能な限り“家”
の雰囲気に近づくようにと様々な工夫がされていまし
た。各部屋の内装はすべて違いますし、利用者の方がこ
れまで使ってきた家具も持ち込めるようになっていま
す。食事も利用者の方とスタッフで作ります。地域のニ
ーズによって、健愛記念病院、大牟田共立病院それぞれ
の工夫が異なっていることは、とても興味深く感じまし
た。共通する点は、病院が近くにあるので利用者の方々
の安心感が強いということ、そして患者様を全身的に診
ることができ、退院後のケアも可能になるということで
した。
今回研修させていただいた病院ではそれぞれに特有な
点が見られ、とても有意義でした。そして、それ以上に
多くの共通点も見いだすことができました。地域のニー
ズにこたえること、病気との向き合い方、患者様との向
緒方先生(右)と藤田(左)、小野(中)
き合い方。人と向き合いその人自身の生活や身体の状況
を全体的に考えることができなければ、病気と向き合う
今回の研修では当初、大牟田共立病院だけにお世話に
ことにはならないのです。ふだんの講義からはなかなか
なる予定でしたが、緒方院長の計らいでさらに健愛記念
得られないこの貴重な経験を、医師をめざす過程で私な
病院でも研修させていただきました。健愛記念病院では
りに生かせたらと思います。本当にありがとうございま
地域に密着した医療が大切にされており、患者様とのい
した。
わゆる“近所づき合い”のような関係を築き、世間話を
したりします。このような状況では患者様の日常生活や
家族のことを知る機会が多いので、病気と向き合う際に
も、そこで得られた情報が役に立つと思います。地域に
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
21
なはたらきについて、また生活習慣病を中心とした病気
についての質問や相談をおもにお受けした。夏休み期間
でもあり親子連れの方が多く、からだの仕組みの不思議
上田 隆太(第3学年)
さ・精巧さについて興味深く見学していただけたのでは
ないかという印象を受けました。
この夏、思いもよらず、有志の学生で金沢 21 世紀美
私自身この企画に参加することで、改めて解剖学・生
術館の人体の不思議展の共催展「金沢医科大学病院 先
理学の知識を整理しなおすことができ、ご来場いただい
端医療なるほど図鑑」の中で「触って学ぼう、人体のふ
たたくさんの方々と体のしくみについて一緒に考える機
しぎ」コーナーの企画および展示品制作にかかわらせて
会を 得ることができたことは、かけがえのない経験だっ
いただくことになりました。このコーナーで は、脳神経
たと思っています。
系、消化器系、循環器系、呼吸器系、腎・尿路系の各系
この企画を支援してくださった病院長室をはじめとし
統の仕組みとは たらきについて、子供から大人までより
た多くの方々に対し、感謝の気持でいっぱいです。これ
多くの人に理解してもらえるように、体験型の模型を制
からもこのような機会がありましたら学生も積極的に参
作することを試みました。制作・企画は6 月末から8 月
上旬にかけて 取り組み、開催期間中はメンバーが交代
で作品の解説にあたりました。
加していきたく思います。
〈参加学生〉3 年:上田隆太、浅倉慶子、吉田和可、木
村稚佳子、新井聖子 1 年:久保沙織
開催期間中には、ご来場の方々から、各臓器の具体的
学生による「触って学ぼう、人体のふしぎ」コーナー
社団法人金沢青年会議所主催「金澤夕暮れ祭り」
の悪天候にもかかわらず、予想以上の反響が得られ、子
供から大人まで男女を問わず非常に多くの方々に興味を
持っていただきました。また、CO 呼気測定には108名も
金沢医科大学第4学年禁煙隊代表
え み こ
ともえ
杉江 直子、小嶋瑛美子、野村 友映
の市民に参加していただき、禁煙についてのわかりやす
い医療情報を提供することができ、充実した活動となり
ました。
普段の学生生活の中では、子供たちを含め一般市民の
7 月29 日(金)
、30 日(土)に金沢中央公園で「金澤
方に医療情報の提供をするという機会が少ないため、専
夕暮れ祭り」が盛大に行われましたが、本学を代表する
門用語をなるべく使わずにわかりやすい言葉で説明する
ブースとして「禁煙支援パネル」を出展しました。
「金
ことに苦労しました。例えば、喫煙が呼吸器疾患を引き
澤夕暮れ祭り」の学校関係ブースは、県内のほとんどの
起こすメカニズムを説明する上で、医学用語を使わずに、
学校がPR を兼ねた華やかなブースでしたが、本学の禁
かつ小学生にもわかるように説明するなど。知らず知ら
煙支援ブースは、やや社会的・医学的な内容であったた
ずのうちに専門用語が出てきてしまうものですが、簡単
め、お祭りムードの中、参加者の関心を十分に得られる
に説明するのは案外難しく、病態生理を正しく理解して
か内心疑問でした。しかし、当初の思惑に反して、初日
いないとできないことに気づきました。
【学事】
金 医 大 学 報
22
「金澤夕暮れ祭り」で人気を呼んだ禁煙支援パネル展示
今回の禁煙支援活動では、
「禁煙してもらう」ことが
主な目的ではなく、喫煙がどうして健康を脅かすのか、
感は大きく嬉しさで一杯になりました。
2 日間という短い期間での支援活動でしたが、少しで
どのような禁煙支援活動が全国で行われているかという
も社会貢献できたなら幸いです。これからも禁煙支援の
情報提供が目標だったので、十分にその目標は達成でき
スキル向上を目指し、より多くの方に禁煙支援活動をし
たと思っています。しかし、それ以上に、今回の支援活
ていきたいと思います。
動をきっかけに禁煙を誓っていかれる方もおられ、達成
このようなおり、現在使用している「ドルフィン」も
さることながら、さらに大型でより高性能である新しい
ヨット部主将 竹内 賢一(第4学年)
救助艇「アクエリアス」が、我々ヨット部の活動をより
効果的に、そして、なによりも活動中の安全を保証する
この度、新しい救命艇を金沢医大後援会橘会から寄贈
していただき、ヨット部部員一同、心より感謝申し上げ
ます。
のに大きな担い手となることと確信している。
我々ヨット部としては、これだけのすばらしい救命艇
を寄贈していただき、今後は、ヨット部の活動だけには
寄贈いただいた新しい救命艇は、部員全員で相談した
とどまらず、金沢医科大学の学生の皆さんが、日本海に
結果「アクエリアス」と命名し、去る7月28日(木)午
接している本学の地の利を生かしたマリンスポーツ等に
後2 時から滝港マリーナにて、橘会副会長の姫野洋一先
も大いに活用してもらいたいと思っている。
生、学生部長で学生支援センター長の土田英昭教授をは
じめ多数の来賓のご出席を得て進水式を執り行った。
現在まで我々ヨット部が使用していた救命艇「ドルフ
ィン」は、購入から 9 年が経過し、船体や船外機の維
持・管理に、毎年多額の経費をかけてのメンテナンスが
必要となっていた。
また、最近の部活動の練習
環境を振り返ってみると、地
球温暖化の影響なのか、突然
の嵐や遅い梅雨明けなど、予
期できないような天候の急変
が続いている。そのため、西
日本医科学生総合体育大会前
の夏の強化練習では、救命艇
の重要性は非常に高いものと
なった。
救命艇「アクエリアス」進水
最後に、我々ヨット部部員一同、この新しい救命艇
を、精一杯の努力で維持・管理していく事をお約束する
とともに、素晴らしい救命艇を寄贈してくださった金沢
医大後援会橘会の皆様に厚くお礼申し上げます。
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
クラシック音楽同好会主催
GRAND CONCERT
小緑 彩(第6学年)
10 月 11 日(火)午後 7 時より、金沢市アートホール
(ポルテ金沢6階)において、選抜メンバーによるグラン
ドコンサートを開催しました。
クラシック音楽同好会が設立されてから早くも4 年が
経ちますが、私たちはこれまで病院コンサートや学祭と
いった学内での演奏会に力を入れてきました。そのため
本格的な演奏会というものを、同好会の部員の人たちを
はじめ、聴きに来てくださる方々にもお届けしたことが
ないため、私たち6 年生が卒業する前にぜひ一度本格的
なコンサートを企画してみようということで、5 月から
準備してきました。
ホールを借りての本格的な演奏会にこだわった理由は
いくつかありますが、その一つに部活としての枠を越え
て、熱心に音楽に取り組んでいる皆さんにぜひ舞台での
演奏という貴重な体験をしてもらいたいという強い思い
がありました。
なるべく多くの学生に参加していただきたかったので
すが、演奏時間の都合や 今回これが初の試みだったこ
ともあり、今回のメンバーはコンクール受賞歴のある人
や吹奏楽部・管弦楽団などに所属していた経験のある学
生を中心に選びました。
また、クラシック音楽同好会に所属していなくても楽
器演奏を続けている学生がたくさんいることを知り、こ
の機会に音楽を通して交流を深めたいと思い、今回はバ
レーボール部の山本 愛さん(トロンボーン)と軽音楽部
の田邊 雄さん(トランペット)にも声をかけさせていた
だきました。
また、ゲストとして分子細胞形態科学の島村英理子先
生と分子腫瘍学研究部門の竹上 勉教授のお嬢様であり
ます川原(竹上)由月さんにも参加していただきました。
5 月からコンサート当日まで、学年ごとのスケジュー
23
ルを調整しながらの練習は大変で、なかなか合奏メンバ
ーが揃わない日もありましたが、揃って練習できる時は
お互いの演奏を確認し合いながら楽しく練習を続けてき
ました。練習を積み重ねることにより、演奏者のモチベ
ーションが高まってくるのがわかり、皆の気持ちがひと
つになったのではないかと思います。
コンサート当日は、出演者は皆朝から緊張しており、
授業にも身が入らなかったようですが、会場に集まった
順に舞台上でのリハーサルを始め、緊張の中にも大舞台
で演奏できる楽しみが膨らんでゆきました。
舞台袖から客席をのぞくと、開演時間が近づくにつ
れ、同級生や後輩の顔が増え緊張が増しました。控え室
では、緊張をほぐすため声をかけあい、本番に挑みまし
た。今回の演奏には、よく知られているチャイコフスキ
ーのくるみ割り人形より花のワルツ、マーチメドレーと
いった合奏をはじめ、アンサンブルやソロなど全部で20
曲を選びました。プログラムのはじめの方は、多少緊張
の色を隠せなかった演奏もありましたが、曲がすすむに
つれ次第に舞台に慣れて、ゆとりの持てた演奏ができま
した。日ごろ音楽に接する機会があまりない学生の皆さ
んにも、今回のコンサートを通して音楽の楽しさ、癒し
を感じていただけたら光栄です。
今回、このような演奏会を開くにあたって多くの時間
や費用をかけてきたため、年に何回も開催するのは難し
いと感じましたが、大学にひとつ大きなオーケストラが
あると今回のような演奏活動を今後も続けていけるので
はないかと思います。今回出演してくださった皆さんを
中心にこのような活動を是非続けていっていただけたら
と思っています。
日々練習に励んでくださった演奏者の皆さん本当にお
疲れ様でした。また、貴重な勉強時間を割いて来てくだ
さった6 年生の皆さん、その他の学年の皆さん、竹上教
授、高橋教授(発生発達医学)
、伊達教授(生化学)
、安
高先生(分子細胞形態科学)
、わざわざ足をお運びいた
だき本当にありがとうございました。
コンサートのメンバーで記念撮影
【学事】
金 医 大 学 報
24
芳賀麻奈実(第4 学年)
第57回西日本医科学生総合体育大会陸上競技部門
女子800 メートル第3 位
○水泳部
兼井彩子(第4 学年)
課外活動で優秀な成績を修めた学生 4 名および1 団体
の代表学生、人体の不思議展に参加し、医学知識の普及
に関し功績のあった学生5名、
「金澤夕暮れ祭り」に参加
し、禁煙啓蒙運動を推進した学生 15 名、計 23 名に対し
第57回西日本医科学生総合体育大会水泳競技部門
女子100 メートル自由形第3 位
女子50 メートル平泳ぎ準優勝
村上克宏(第3 学年)
て、平成 17 年 11 月 4 日(金)本部棟 2 階会議室におい
第57回西日本医科学生総合体育大会水泳競技部門
て、表彰が行われた。
男子200 メートル背泳ぎ優勝(大会新)
受賞者には、山本 達学長から「金沢医科大学学生表彰
規程に基づき表彰を行うものであるが、大学として、君
男子100 メートル背泳ぎ優勝(大会新)
○第3学年学生有志:
たちのことを非常に誇りに思う。医学部の学生として勉
上田隆太、淺倉慶子、吉田和可、荒井聖子、
学に忙しいなか、スポーツ、社会貢献活動に寸暇を惜し
木村稚佳子
んでがんばることに意義がある。今後も、時間を大切に
人体の不思議展参加における来場者に対する医学
してすばらしい良医に育っていただきたい。このような
知識の普及に関する功績
活動は是非後輩たちにも伝えていただきたい」との激励
の言葉が述べられ、一人ひとりに表彰状が手渡された。
(教学課 山本健司記)
(受賞者)
○サッカー部
2005年度関西医科学生サッカー大会優勝
○陸上部
冨江 晃(第6 学年)
第57回西日本医科学生総合体育大会陸上競技部門
男子ハンマー投げ準優勝
表彰された方々
○学生有志:
〔第3 学年〕江口博孝、古澤隆太郎、村上克宏、
渡邉 聡、淺倉慶子、高多佑佳、泊 秀史
〔第4 学年〕牛本知孝、小嶋瑛美子、富田泰斗、
野村友映、杉江直子
〔第5 学年〕木下正樹、笹原聡豊、山田晋一郎
「金澤夕暮れ祭り」における禁煙啓発運動推進に
関する功績
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
25
テーマ:
内灘祭実行委員長 高橋大二郎(第3学年)
今回で第 34 回目となる内灘祭
を平成 17 年 10 月 1 日(土)、2 日
(日)の 2 日間、事故や問題もな
く無事に終了することができまし
た。
今年の内灘祭は、言葉では決
して表現することのできない「心」
というものを伝えていきたい。そして、私たちが本学で
習得しようとしている「医の心」というものを、もっと
多くの人たちに知ってもらいたいという考えから「医心
伝心」というテーマに決定しました。
まず、どうすれば「医の心」を伝えることができるの
か、ということについて実行委員会で話し合い、ステー
ジ上での心肺蘇生法の実演と骨髄バンクへの募金活動を
行うことを決定しました。
心肺蘇生法の実演では、本学の有志の学生たちによる
団体のACLS(Advanced Cardiovascular Life Support: 二
次救命処置)が、今話題になっているAED(Automatic
Electric Defibrillator: 自動式除細動器)の使い方などを交
えつつ、来場者の方々が楽しめるように工夫を凝らした
パフォーマンスを行い、予想していた以上に盛り上が
り、大盛況のうちに終えることができました。
骨髄バンクへの募金では、パンフレットとポスターを
骨髄バンクの方から送っていただくことができ、募金箱
については内灘祭実行委員会のメンバーが作成しまし
た。さらに各部活から協力を得て、本部テントのみなら
ず各部活の模擬店にも募金箱を置かせていただいたこと
で予想以上の募金が集まり、わずかではありますが社会
に貢献できたのではないかと思います。
学長を囲んで
夜も賑わう模擬店
内灘祭実行委員会のメンバー
今回いろいろな都合により、メインストリートを従来
の場所から移動させることにし、電気・ガス・テントな
どの配置をはじめから考え直さなければいけなくなりま
した。大変な苦労がありましたが、実行委員会の全メン
バーが夜を徹して考え、話し合ったことで大きな問題も
なんとか乗り越えていくことができたと思います。
私自身も今回実行委員長という大役を任され、最初こ
そ不安な気持ちがありましたが、実行委員会のメンバー
のサポート、実行委員長や委員経験者からのアドバイス
もあり、無事に責任を果たすことができました。今回の
経験によって私自身も人間として大きく成長することが
でき、必ずや将来における大きな財産になることだろう
と感じています。
最後になりましたが、今回の第 34 回内灘祭を開催す
るにあたり、私を支えてくれた内灘祭実行委員会および
学友会のメンバー、またご支援、ご協力くださった教職
員、地域住民の皆様へ心から感謝申し上げます。ありが
とうございました。
クラシック音楽同好会の熱唱
【学事/学術】
金 医 大 学 報
テーマ:
ゆ り
看学祭実行委員長 荒川 夕里(第2学年)
平成17年10月1日(土)午前9
時から金沢医科大学附属看護専
門学校において第 30 回看学祭が
行われました。
「笑顔」
、それは人の魅力を最大
限に引き出してくれる表情ではな
いでしょうか。嬉しいときや楽し
いとき、人は自然と笑顔になり幸せな気持ちになります。
私たちが実践する看護は、身体のみではなく、心もケ
アするものでなければいけません。精神面でのケアは笑
顔が必要不可欠であり、そして、患者様からの笑顔は私
たちの喜びであり、業務への意欲にもつながっていきま
す。臨地実習において、
自分が患者様に対して
働きかけたものが笑顔
としてフィードバック
されることで、学習意
欲やケアの質を向上さ
せていくことができ、
自信につながっていき
ます。
今回、私たちは今一
度「笑顔」について考
え、皆さんが笑顔にな
れるように今年のテー
人気のつぼ部
26
マを「笑顔」としました。
講演会では、石川県
ピアノ協会会長の東海
林也令子さんに「音楽
と私」というテーマで、
学生もリズム遊びを体
験し、楽しみながら貴重
なお話をしていただきま
した。
今年は看護師寮のほ
うにも入口を設け、広
しょうじ や す こ
報担当の実行委員が学
講師の東海林也令子さん(石川
県ピアノ協会会長)
祭をアピールしました。
ふだん一般の人が着る
ことができないナース服を着てもらったり、高校生にも
楽しんでもらえるような企画にしました。
展示では、
「笑顔の効果」について内容を展示したり、
笑顔のスライドショーが行われました。昨年も大人気だ
ったつぼ部やお茶会、手話部による劇「しゅわゆき姫」
、
音楽部によるダンスや歌が行われ、多くの人が集まり、
楽しんでもらうことができました。
毎年恒例の模擬店はおいしいと大好評で、ぞくぞくと
売り切れがでるなど、いろんな人の笑顔を見ることがで
きました。献血も22 リットルと目標の20 リットルを達
成することができたのも、多くの方々のご協力があった
からこそだと思います。
今年の看学祭は、短い期間の中で意見交換を行いなが
らいかに多くの人に楽しんでもらえるか試行錯誤しなが
ら当日を迎え、多くの笑顔を見ることができ、自分自身
も笑顔で本番を大成功に終わることができ、本当に思い
出深いものになりました。足を運んでくださった多くの
方々に心からお礼申し上げます。
音楽部による演奏
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
27
学 術
18
科学研究費補助金は各種研究費のなかでも特別重要な
位置づけにある。
「科学研究費補助金」
(科研費)は、人文・社会科学か
ら自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用まで
のあらゆる「学術研究」
(研究者の自由な発想に基づく
研究)を格段に発展させることを目的とする「競争的研
究資金」であり、ピア・レビューによる審査を経て、独
創的・先駆的な研究に対する助成を行うものである。
また、科研費の獲得状況はその大学の研究機関として
の研究レベル評価の一つの指標として使用されたり、他
の補助金申請にあたって科研費を獲得しているかどうか
が問われ、重要な指標として位置づけられる。
そのため、本学でも科研費の獲得向上に取り組んでい
るところだが、獲得件数、金額ともに低迷しているのが
現状である。平成 18 年度の応募においても、研究推進
会議の作業グループである科研対策特別委員会(伊達孝
保委員長)が中心となり、獲得向上に取り組んでいる。
従来からの取り組みの結果、医科単科大学からの申請件
数としては一定の件数規模にとどくようになったが、今
後は採択件数、採択率を上げるため、申請書の内容向上
に重点をおいた対策が検討されている。
【学内公募説明会】
8 月 24 日に病院新館 12 階大会議室で「科研費補助金
取り扱い説明会および電子申請システム説明会」を実施
したのに引き続き、9月28 日には基礎研究棟D31講義室
において「平成 18 年度科学研究費補助金の学内公募説
明会」を実施した。本学は従来からこの説明会を実施し
ているが、文部科学省では後を絶たない科研費の不正使
用防止対策として、不正使用防止内容を含めた説明会の
実施を各大学に求め、説明会の実施を科研費の申請の必
須条件としたという経緯もある。以下の内容で1時間30
分にわたり説明会を実施した。
今回の学内説明会では、
1. 科研対策特別委員会委員長挨拶・科研の現状と獲得
対策
2. 計画調書の作成事例発表(申請書作成などの解説)
3. 公募要領、記入要領の説明
・科学研究費補助金の不正使用の防止 ・平成 18 年度からの新「Web 入力システム」導入の
概要解説
・記入例(基盤C ・一般)の解説
などが行われた。
特に採択率の向上、若手研究者への指導を一つの重点
項目に置き、この観点から、委員長の「申請計画書の点
検解説」および委員の上田、佐久間両教授による丁寧な
「申請書作成の解説」が行われた。
科研費獲得対策として、教授会に積極的な話題提供と
協力依頼、委員会の活性化対策活動、事務局からの働き
かけなどが学内に徐々に浸透しはじめ、今回の学内公募
説明会では会場は参加者で一杯であった。昨年の説明会
の約2 倍の参加人数(90 名)を得たことは、大学全体の
取り組み意識が上向いてきている兆しと感じられた。
【学内監査】
また、文部科学省が科研費の不正使用防止対策を講じ
ていることを先にふれたが、科研費申請の必須条件とし
て、学内での自主的な内部監査の実施と文科省、日本学
術振興会への結果報告が求められている。今年度も監査
対象者を任意抽出の上、9 月 26 日に通常監査(書類監
査)
、10 月 6 日に現品確認、研究者との面接などの特別
監査が大田 修経理管財部長(理事)により行われた。
その結果、一部改善点はあったが、補助金の執行は適正
に行われているとの監査結果を得た。
補助金を受けている研究者には、今後とも適正な補助
金の取り扱いに協力をお願いしたい。
参考:科研費に関する文部科学省、日本学術振興会のHP
文部科学省科研費:
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/main5_a5.htm
日本学術振興会: http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/index.html
(研究助成センター事務課 本田俊幸記)
学内公募説明会
【学術】
金 医 大 学 報
28
るかにかかっている。大阪大学臓器移植学の白倉良太教
授は特別発言の中で、臓器移植が臨床応用されてからお
およそ50 年。脳死ドナーからの腎臓移植は60 万例を超
え、心(8 万例)
、肝(14 万例)
、膵(2 万例)
、肺(2 万
例)の移植も定着し、免疫抑制療法の飛躍的な進歩と技
会長: 感覚機能病態学 友田幸一教授
術革新により安定した成績を得るに至った。移植後1 年
日時: 平成17年9月2 日(金)
、3 日(土)
の臓器生着率は、臓器間に若干の差はあるが、小腸を除
会場: 金沢市アートホール
いて全ての臓器で80%を超えている。しかし術前、術後
感染症対策は最も重要な要因であることを指摘された。
続いて3 名のシンポジストによって、肺移植における副
鼻腔炎の取り扱いについて、小児生体肝移植における
EB ウイルス感染症について、人工内耳術後の感染症に
ついてそれぞれ講演が行われた。その他ランチョンセミ
ナー、一般演題は41 題と多岐にわたる内容の講演が行
われた。
医用エアロゾル研究会では、
「ネブライザー機器を効
果的に用いるためにPart Ⅱ」と題したシンポジウムが行
われた。ネブライザー療法については、過去の歴史をみ
ても、本療法の有用性、使用薬剤についての報告が主
で、ネブライザー機器の保守、点検、消毒といった問題
は取り上げられることがなかった。今日、より安全性が
シンポジウム「移植医療と感染症」
求められる医療を行う上で、これらは非常に重要な問題
である。4名のシンポジストによって、メーカーの立場、
平成17 年 9 月 2 日(金)
、3 日(土)の2 日間、金沢市
実地医家の立場、機器汚染、感染の立場からそれぞれ講
アートホールにおいて第 35 回日本耳鼻咽喉科感染症研
演が行われた。ランチョンセミナーでは、武蔵工業大学
究会ならびに第 29 回日本医用エアロゾル研究会を開催
名誉教授の伊藤泰郎先生に、
「オゾンの性質とその活用」
した。昭和 54 年に山下公一会長(現本学副理事長、名
について、環境問題から医療の現場でのオゾンの果たす
誉教授)の下で、第9回感染症研究会を開催してから26
役割について興味あるお話を聞くことができた。一般演
年ぶりであり、本学としては今回2回目の担当となる。
題は、医学、工学の立場から8 題の講演が行われた。最
感染症は避けては通れない最大の課題であり、医療は
終日の午後には感染症に関する公開市民講座が開催され
進歩しても、社会、環境などのさまざまな変化によって
た。
次々と新しい感染症が登場し、われわれ人類を常に脅か
合同会員懇親の夕べでは、馬場駿吉先生(名古屋市大
している。今回は、テーマのひとつとして、環境変化と
名誉教授)とクリフトン・カーフ氏により金沢の美を版
感染症をとりあげた。昨今、地球温暖化現象により今ま
画で語る対談も行われ、225 名の参加者は初秋の金沢を
で日本には見られなかった病原微生物がひそかに出現し
満喫していた。
てきている。特別講演は、杏林大学感染症学の神谷 茂
最後に本研究会の開催にあたり金沢医科大学ならびに
教授にVNC菌(viable but non-culturable)についてお話
ししていただいた。これは生きてはいるが通常の方法で
培 養 で き な い 菌 の こ と で 、 Escherichia, Salmonella,
Shigella, Vibrio, Campylobacter, Helicobacter, Aeromonas,
Legionellaなど現在までに40 種を超える菌種の VNC 化
が報告されている。細菌感染症の病態解析、診断および
治療に際してVNC 菌の存在を認識することの重要性が
指摘された。
もう一つのテーマとして、
「移植医療と感染症」をシ
ンポジウムで取り上げた。移植医療の現場では常に感染
症との闘いで、特にわれわれが扱う上気道は、病原の侵
入門戸であり、その部の感染をいかにコントロールでき
会員懇親会(ホテル日航金沢にて)
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金 医 大 学 報
金沢医科大学後援会橘会、石川県耳鼻咽喉科医会、石
29
他の関連施設、関係各位に深謝いたします。
川県医師会、また、石川県、金沢市からのご支援、その
(感覚機能病態学 友田幸一記)
日本耳鼻咽喉科感染症研究会
公開市民講座
「あなたの風邪はどこから?
−みみ、はな、のど−」
企画: 感覚機能病態学 友田幸一教授
日時: 平成17年9月3 日(土)15:30 ∼17:30
会場: 金沢市アートホール
公開市民講座のポスター(4 学年福井智子さんが
デザイン)
険性のあることが指摘された。さらに、中耳炎は決して
耳だけの病気ではなく、鼻や咽頭からの感染に引き続き
起こるもので、合わせて鼻や咽頭の治療の必要性が強調
総合討論会場
された。
最後に下出祐造先生(本学感覚機能病態学)は、特に
第 35 回日本耳鼻咽喉科感染症研究会の最終プログラ
小児で問題となる扁桃炎について、手術の適応と合併症
ムとして、平成17 年9 月3 日(土)に一般市民を対象と
のことや、扁桃が病巣となって二次的な疾患を起こす扁
した公開講座を開催した。今回は「風邪」をテーマに取
桃病巣感染についての詳しい説明を行った。また、のど
り上げ、耳鼻咽喉領域は常に外界と接し、感染防御のた
の病気で緊急性を有する急性喉頭蓋炎は時に致命的なこ
めに大切な役割を果たしていることを知ってもらい、さ
ともあり、参加者は恐怖感をもって聞き入っていた。総
らに上気道炎の病態、治療の解説とこれから冬に向かっ
合討論では会場からも質問を受け、アレルギーと風邪の
ての風邪対策などについて講演会を行った。
症状の見分け方や市販薬と病院の処方薬の違いなど話題
講座の座長を金沢医大耳鼻咽喉科元教授佐藤喜一先
生にお願いし、3 名の講師によってそれぞれ「みみ」、
は尽きることなく、100 名を超える参加者は2 時間の講
演会を満喫していた。
「はな」
、
「のど」に分かれ、各部の感染についてわかり
最後に本講座のポスターデザインをしてくれた4 学年
やすく解説してもらった。宮崎 巨先生(浅ノ川病院耳
の福井智子さんに感謝するとともに、後援いただいた石
鼻科)からは、まずイントロとしていわゆる「風邪」と
川県耳鼻咽喉科医会、石川県医師会、北國新聞社、テレ
は何かについてイラストを用いてわかりやすく説明があ
ビ金沢、エフエム石川、ならびに関係各位に深謝いたし
り、次に鼻の疾患の病態と治療、予防について、また、
ます。
放っておくとどうなるのかなど詳しく解説された。引き
続いて伊藤真人先生(金沢大学耳鼻科)から、最近小児
で増えているPRSP、PISP などの耐性菌による中耳炎の
話があり、放置すると感音難聴や顔面神経麻痺を起す危
(感覚機能病態学 友田幸一記)
【学術】
金 医 大 学 報
30
7主題のシンポジウムが取り上げられ、
「アルコールと
細胞内情報伝達」と「薬物乱用と依存メカニズム」では
最近の基礎的研究の進歩について、
「アルコールによる
臓器障害の動向と問題点」ならびに「アルコールと発
癌:基礎と臨床」では臨床的事項を中心に、また「薬物
依存症の病態と治療に関する新たな展開」、「アルコー
会長: 消化器機能治療学 高瀬修二郎教授
ル・薬物依存の次世代への影響」
、
「アルコール・薬物依
日時: 平成17年9月8 日(木)
、9 日(金)
存とその個人差・個体差」では精神科、薬理学、法医学
会場: ホテル日航金沢
等にかかわる演題が発表された。
特別講演では「アルツハイマー病の危険因子としての
ALDH2 遺伝子多型、脳梗塞の危険因子としての ADH2
遺伝子多型」
(日本医科大学・太田成男教授)を、教育
講演では「アルコール肝障害と鉄代謝」(旭川医科大
学・高後 裕教授)を拝聴し、参加者一同おおいに感銘
を受けた。
市民公開講座では、辻口徹子本学病院看護部長の司会
のもと、
「薬物問題の広がりと市民生活」および「飲酒と
健康−お酒を人生の友とするために−」の2 つのテーマ
について、各医療機関を代表する方々に加えて患者会か
らの断酒体験談など、深刻で切実なお話をいただいた。
地方都市における薬物とアルコール問題の現状を踏ま
え、一般市民の方にとっても身近な問題としてとらえて
第40回日本アルコール・薬物医学会総会は、
「学際的
いただくよい機会になったものと考えている。
研究の推進」をテーマとして開催され、同時に市民公開
すばらしい講演と白熱した討議を得て成功裏に終える
講座が開講された。本学会はアルコールと薬物問題につ
ことができましたが、ご支援をいただいた金沢医科大
いて、内科、精神科、社会医学、法医学および薬学等の
学、石川県、金沢市に対して改めて感謝します。また、
研究者が一堂に会し、基礎と臨床医学の垣根を越えて討
教室員の献身的な働きをねぎらいます。
論することが特徴だが、今回の総会は学際的研究の更な
(消化器機能治療学 川原 弘記)
る発展と交流の推進を期して企画された。
会長: 分子細胞形態科学 篠原治道教授
日時: 平成17年10 月8 日(土)
、9 日(日)
会場: 本学病院本館C41 講義室
日本解剖学会第 65 回中部支部学術集会を 10 月 8 日
(土)・9日(日)の両日、篠原治道教授を会長として本
学病院本館C41 講義室において開催した。
本学術集会は医学、薬学、歯学をはじめ、生物学、農
学、獣医学など様々な分野で解剖学を専攻する中部地区
の研究者が一堂に会し、学術交流の推進を図るものであ
る。今回の開催にあたり、金沢医科大学、橘勝会、石川
県の補助金をいただき、ご支援いただいた関係各位の皆
様方に心からお礼申し上げたい。
学術集会には北陸 3 県をはじめ、愛知、岐阜、静岡、
三重、長野の各大学や研究施設から大学院生、学部学生
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金 医 大 学 報
31
を含め約80 名の参加があり、2日間に34演題の発表が行
長にもご出席をいただき、盛大に懇親会を行った。本来
われた。解剖学といっても現在ではその研究分野は非常
は日本海に沈む夕日を見ながらの会を予定していたのだ
に広範囲であり、本学術集会でも内容は遺伝子から肉眼
が、あいにくの雨模様の天気で、せっかくの「Buena
までと非常に多岐にわたっている。それにもかかわらず、
Vista」も空振りに終わってしまった。
参加者の多くは口演に熱心に耳を傾け、口演8 分、討論
そのおかげではないが、クラシック音楽同好会の有志
2 分の時間を超え、休憩時間を短くしてしまうほど活発
による生演奏が非常に好評で、会員の方々から本学の教
な討論が行われた。休憩時間にはおいしいコーヒーと金
員と学生との距離の短さをうらやむ声を聞き、思わぬと
沢ならではのお菓子なども用意してありましたが、ゆっ
ころで胸を張ってしまった。
くりと味わっていただく時間もなかったのでは、と余計
な心配をするほどであった。
1 日目の夜に病院新館12階のレストランで、山本 達学
最後にいろいろなところでご協力いただいた大学関係
の方々、学部学生ならびに本学看護学校の学生の皆様に
お礼申し上げます。
(分子細胞形態科学 安高 悟記)
ど積極的に提示を行った。当日会場には、北陸3 県を中
心に約 2,800 名もの来場者があり、本学の出展ブースに
も他大学、バイオ関連企業等の方々の訪問、問い合わせ
が多数(名刺交換54 件)あり、本学のPR もでき、好評
のうちに閉会した。
なお、本ビジネスフェアは、来年以降も継続する予定
とのことであるが、今後はこれらの出会いの中から連携
へとつながることを期している。
【本学研究シーズ出展内容】
○総合医学研究所 「遺伝子診断の最先端」
○分子細胞形態科学(解剖学) 「細胞毒性のないフラ
ノナフトキノン化合物の抗がん・抗菌作用」
○心血管外科学(胸部外科学) 「ステントグラフトに
よる大動脈瘤の治療」
、
「難治性心不全の補助循環治療」
○感覚機能病態学(耳鼻咽喉科学) 「人工内耳医療」
、
「画像支援ナビゲーション手術」
○感覚機能病態学(眼科学) 「水晶体透明度による老
本学の出展ブース
平成 17 年 10 月 12 日(水)に石川県産業展示館 3 号館
において「きんしんビジネスフェア2005」が開催された。
このビジネスフェアは、金沢信用金庫が主催して、地
域経済環境、産業構造が大きく変化する中、地域の発
展・再生・活性化に貢献することを目的に中堅・中小企
業、大学、支援機関が一堂に会し、新たなビジネスチャ
ンスの創出やビジネスパートナーとの出会い、マッチン
グの機会を提供する場として初めて開催することになっ
たものである。
本学からは、
「最先端医療への挑戦」をキャッチフレ
ーズに、総合医学研究所を始め6 部門からそれぞれの研
究シーズや最先端医療の紹介がなされた。本学の出展ブ
ースは、県内大学出展場所の中央に位置し、先端医療や
研究のトピックをパネルのみならず、DVDで紹介するな
化指標の確立と高齢者の視機能改善製品への応用」
○機能再建外科学(形成外科学) 「形成外科で行う美
容医療」
【参加大学】
石川工業高等専門学校
石川県立大学
金沢医科大学
国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学
国立大学法人 金沢大学
金沢星稜大学
学校法人 北陸大学
富山県立大学 環日本海機能水バイオ研究会
学校法人 金沢工業大学
(研究推進会議 外部資金導入特別委員会委員長 竹上 勉記)
【学術】
金 医 大 学 報
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(総合医学研究所)
財団法人北國がん研究振興財団は、このほど第 19
回北國がん基金助成の対象として、21 件の推薦応募
の中から、研究活動助成部門 5 件、啓発活動助成部
門1 件、特別表彰部門1件を選定した。
本学からは、研究活動助成部門で総合医学研究所
(共同利用部門・RI センター)の石垣靖人講師が選ば
れた。
贈呈式は、10 月 18 日(火)午後 2 時から、金沢市
の北國新聞会館で行われ、同研究に100万円の助成金
が授与された。
今回の石垣講師の研究は、
「がん化細胞における遺
な観点からのがん治療法はいまだに報告がなく、今
伝情報の品質管理機構制御」である。これは、がん
後、臨床応用を目指して基礎的な研究を進めていく
化にともなって蓄積する隠れた突然変異を、人為的
予定とのことである。
(研究助成センター事務課 上田正博記)
に発現させることによってがん細胞の恒常性を崩し、
治療の効果を上げようとするものである。このよう
平成 17 年度 学会開催一覧(学会開催補助金申請に基づく)
学 会 名
日本海セトロジー研究会第16回大会
第16回日本末梢神経学会
部 門 名
規模
開催期日
人間科学科目(人文科学)全国 H17.6.25∼26
脳脊髄神経治療学
全国 H17.7.22∼23
(神経内科学)
参加予
定人数
会 場
80 函館国際ホテル
250 ホテルイン金沢
第35回日本耳鼻咽喉科感染症研究会及び 感覚機能病態学
第29回日本医用エアロゾル研究会
(耳鼻咽喉科学)
全国 H17.9.2∼3
200 金沢市アートホール
第40回日本アルコール・薬物医学会総会 消化器機能治療学
(消化器内科学)
全国 H17.9.8∼9
300 ホテル日航金沢
第8回日本腎不全看護学会
学術集会・総会
全国 H17.11.12∼13 1,000 金沢市文化ホール
看護部
第107回日本薬理学会近畿部会
生体情報薬理学(薬理学) 地方 H17.6.24
第77回日本麻酔科学会東海・北陸地方会 侵襲制御学(麻酔学)
地方 H17.9.3∼4
300 ホテルイン金沢
200 石川県立中央病院
健康教育館
日本解剖学会第65回中部支部学術集会
分子細胞形態科学
(解剖学)
地方 H17.10.8∼9
80 金沢医科大学
第42回日本細菌学会中部支部総会
生体感染防御学
(微生物学・医動物学)
地方 H17.11.5∼6
110 金沢医科大学
第14回日本心血管インターベンション学会 循環制御学
東海北陸地方会
(循環器内科学)
地方 H17.11.25∼26
300 ホテル日航金沢、
金沢市アートホール
第30回北陸臨床病理集談会
北陸 H17.9.10
200 金沢医科大学
日本皮膚科学会北陸地方会
病態診断医学
(臨床病理学)
環境皮膚科学(皮膚科学) 北陸 H17.12.11
120 ホテルイン金沢
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金 医 大 学 報
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平成17年度
平成17年10月26日(水)12時30分より本部棟連絡路
において、実験動物慰霊祭が行われた。読経が流れるな
か、山本 達学長ほか教職員、学生ら228名が出席して医
学の発展に寄与した実験動物の霊に感謝の意を捧げた。
総合医学研究所の松井 忍所長より、本学における過
去 1 年間に使用された実験動物 8,967 匹の果たした役割
が、医学教育に大きく貢献していることを再認識し、今
後も動物福祉を念頭に置きつつ、日々研究に邁進し、さ
らなる医学の発展に努めていきたいとの挨拶があった。
(総医研共同利用部門 荒井剛志記)
実験動物の霊に感謝の意を捧げる
(内分泌代謝制御学)
Hypertension Research Novartis Award を受賞
平成17年9月15日から17日、北海道の旭川で開催された第28回日本高血圧
学会において、本学内分泌代謝制御学中野 茂助教授が、第5回Hypertension
Research Novartis Award を札幌医大、京都大学の先生方と共に受賞した。
これは高血圧学会の欧文学会誌であるHypertension Researchに2004年1∼
12 月号に掲載された論文の中から、厳正なる審査の結果選出されたもので
ある。
論文タイトルは“Ambulatory blood pressure level rather than dipper/nondipper
status predicts vascular events in type 2 diabetic subjects” である。本論文の内容
は、当科で1988年に立ち上げた「金沢医科大学血圧モニタリングプログラム」から得られた血圧日内変動異常を示す
糖尿病患者の予後調査の結果をまとめたもので、多数の糖尿病患者に24 時間血圧を測定し、その後長期間(平均約7
年)経過を観察し、種々の心血管イベントの発生を調べ、それを予測するには24 時間の平均脈圧が有用であることを
明らかにした。脈圧の開大は動脈硬化の進行を意味し、数年前から我々が行っている内臓脂肪蓄積の頸動脈動脈硬化
性病変への影響、さらに、アンジオテンシンII 受容体拮抗薬およびスタチン系薬剤を用いた頸動脈動脈硬化性病変に
対する介入試験の臨床的意義を高める論文である。今後さらに糖尿病患者の生命予後を改善する目的で、細小血管症
に加え動脈硬化に起因する大血管症の発症予防、進展阻止に尽力したい。
(内分泌代謝制御学 中野 茂記)
(環境皮膚科学)
平成17年10月6日、7日に千葉市幕張プリンスホテルで開催された第49 回日本医真菌
学会総会において河崎昌子講師、安澤数史研究員、田邉 洋講師、望月 隆教授、石崎 宏
教授(環境皮膚科学、皮膚真菌学研究部門 ノバルティス ファーマ)の発表がポスター賞
を受賞した。この発表は「日本のExophiala jeanselmei の臨床分離株における種内変異に
ついて」という演題で、内容は黒色真菌症の主要原因菌のひとつであるE. jeanselmei は
種内変異が非常に大きく複合種と考えられ、核DNA によるタイプ分けでもミトコンド
リアDNA分析による結果と同様のタイプ分けができることを明らかにしたものである。
その一方でGenBank には既存の他の種の基準株と塩基配列の情報が一致するものがな
いため、いまだにE. jeanselmei タイプ6、タイプ10 等と表記せざるを得ない株がかなり
あることを明らかにした。さらに、GenBankの登録塩基配列の付随情報が極めて混乱し
ていることを明らかにし、遺伝子の塩基配列からデータバンクを利用して種の同定を行
う際の問題点を指摘したものである。今回は130 余題のポスターのうちわずか5 題が選
ばれたもので大変名誉なことと教室員一同喜んでいる。
(環境皮膚科学 望月 隆記)
【学術/病院】
金 医 大 学 報
34
国際ワークショップ「シェーグレン症候群・リンパ腫」
“Sjögren’s Syndrome: Transition from Autoimmunity to Lymphoma”
2005.9.23-25, Baltimore, MD, USA
H. Moutsoupoulos
I. Mackay
S. Sugai
Travel Award
米国の免疫学者とシェーグレン症候群患者会による 2
年間のNIH との交渉が実り、
「シェーグレン症候群・リン
パ腫」ワークショップが実現した。
シェーグレン症候群研究の70 年の歴史の中で3 つの大
きな動きがこの3年間にあった。いずれもNIHが主導して
いるもので、その一つは我々が参加している患者国際登
録・診断プロジェクト(10 億円超)であり、二つ目が本
年 NIH が募集したシェーグレン症候群研究(5 億円超)
で、三つ目が今回の「シェーグレン症候群・リンパ腫ワ
ークショップ」のスタートである。いずれも米国内だ
けでなく世界に公募したプロジェクトである。
シェーグレン症候群患者に悪性リンパ腫が発症するこ
とは我々も早くから報告してきたが、このテーマが世界
的に取り上げられ、NIH のバックアップで「自己免疫疾
患から悪性リンパ腫発症」のメカニスムの解明とその対
策に向けて大きな力が加わることとなった。上記3人が特
別招待され講演を依頼されたが、その時、若い研究者を
ぜひ伴って来てほしいという要望があった。それはこの
ワークショップに若い研究者を参加させ、この方面の研
究の進歩を若い人材に期待したいという主催者側の強い
気持ちがあったからである。今回、血液免疫制御学の正
木康史講師が出席予定であったが都合がつかず、SICCA
(NIH による世界5 カ国のシェーグレン症候群国際登録研
究)のメンバーである黒瀬 望先生(病態診断医学)の出
席となった。出席者の中から5名にTravel Award が与えら
れたが、黒瀬先生がその中に選ばれたことは大きな喜び
であった。
ワークショップではシェーグレン症候群の研究には直
接関係していない免疫システムやリンパ腫関係のトップ
の研究者により、リンパ球の増殖とその要因であるウイ
ルス、自己免疫、免疫不全などの問題が高いレベルで論
じられ、リンパ腫発症の基本的な問題が討論された。そ
の中で、我々が2002 年の金沢での「国際シェーグレン症
候群シンポジウム」に招待したロンドン大学病理のP.G.
Isaacson教授のすばらしい講演を聴くことができたことは
大きな収穫であった。彼が提唱し、世界に根付かせた
MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫はH.
pylori感染の多い日本で最も強く支持されている。MALT
リンパ腫がWHO や国際血液学会などに認められるのに10
P.G. Isaacsonロンドン大学病理学教授の講演
患者会代表(研究担当)Kathy Hammitさんと
黒瀬先生(右)
、菅井(左)
年を要したが、私はその3 年前に彼を訪れリンパ腫発症に
ついて持参した標本を見てもらいながら3 時間も討論して
もらったことがあり、それ以来、彼の信奉者といってい
いほどに彼を尊敬している。我々の科ではシェーグレン
症候群に発症する悪性リンパ腫は患者約500 例中38 例で
あり、一施設の発表としては世界で一番多い数である。
これは我々の教室が血液・リウマチ膠原病内科(血液免
疫内科)として、リンパ腫の患者とシェーグレン症候群
の患者の両方を常に診療できる恵まれた環境にあったこ
とによるもので、このことを大学に感謝しなければなら
ないと思っている。
日本でも「シェーグレン症候群におけるリンパ腫発症」
のテーマに関する研究が今後発展することを期待してい
る。
(血液免疫統御学客員教授 菅井 進記)
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金 医 大 学 報
35
病 院
第26回
第26回関連病院会議が、平成17年8月4日(木)にホ
テル日航金沢において開催された。この会議は、本院と
各病院との連携を深めるとともに、それぞれの病院機能
に応じて患者さんの紹介・逆紹介の推進を図ること、お
よび本院が地域に密着した特定機能病院として、その使
命と責任を果たしつつ、より一層地域医療の発展・充実
に貢献することを目的として毎年開催されている。
新任教授の挨拶
今回は、61 関連病院から65 名の病院長、事務長等が
出席され、本学からは高島茂樹病院長をはじめ副院長、
各科診療科長、医局長等合計117名が出席し、地域にお
ける医療連携の推進などについて意見交換が行われた。
高島病院長の挨拶の後、特別講演として、血液免疫制
御学(血液・リウマチ膠原病科)の梅原久範先生から
「リウマチ治療の最前線」、感覚機能病態学(眼科)の
佐々木 洋先生から「白内障の疫学」と題した講演が行
われた。
懇談会では、浅野進一郎病院長室室長により本学病院
懇親会
の現況報告として患者紹介・逆紹介実績について報告が
あった。続いて10 月にオープンの21 世紀集学的医療セ
ら義務化されている新臨床研修制度の経過について、神
ンターの概略について、センター長の松井 忍副院長から
田享勉臨床研修センター長から報告がされた。
説明があり、その後集学的がん治療センター、生活習慣
病センターについて元雄良治センター長、松井 忍センタ
ー長からそれぞれの内容説明があった。また、昨年度か
テーマ:
院内における結核患者の発見と対策
講 師: 小林勝義先生(石川中央保健福祉センター
河北地域センター所長)
懇談会後の懇親会では、和やかな雰囲気の中で参加者
同士活発な意見交換が行われ盛会裡に終了した。
(地域医療連携事務課 中新 茂記)
院内感染防止に関する教育講演会が、平成17 年8 月3
日(水)午後5 時30 分から病院本館C41、C42 講義室に
おいて、本学病院の医師、看護師、医療技術者等の職員
および関連病院の医療関係者計308 名の出席のもとに開
催された。この教育講演会は、院内感染防止に関する職
員教育の一環として病院職員等を対象に、院内感染対策
委員会が主催して、毎年定期的に開催されている。
講演会に先立ち、高島茂樹病院長(院内感染対策委
員長)から、
「感染対策は医療安全対策と同様に、病院
全体として取り組まなければならない重要な課題であ
る。また、毎年一回、厚生労働省および所轄保健所によ
り行われる医療法第25条の規定に基づく立入検査でも、
感染防止に関する基本的な事項が適切に守られているか
関係者に対する聞き取り調査と実地調査が重点的に行わ
講師の小林勝義先生
れ、指導・評価されているので、今回の講演会で得られ
【病院】
金 医 大 学 報
36
た知識を是非臨床の場で活用してほしい」との要請がな
いて詳しく説明がなされた。特に、院内感染対策の5 要
された。
素として、結核菌の除去、結核菌の密度低下、吸入結核
引き続き、高橋 孝副委員長(院内感染対策小委員会)
菌数の減少、発病の予防、発病の早期発見が非常に重要
が座長を務め、講師の略歴紹介後、石川中央保健福祉セ
であることが強調された。また、医師が結核患者を診断
ンター河北地域センター所長の小林勝義先生から「院内
したときは、2 日以内に最寄りの保健所へ届け出ること
における結核患者の発見と対策」と題した講演が行われ
が義務付けられているので、医師は厳守していただきた
た。講演では、全国の結核死亡率、世界の都市の結核罹
いとの指導もされた。
患率、院内感染増加の要因、結核感染と発病のポイン
ト、結核の感染経路(飛沫核による空気感染)などにつ
講演後は、活発な質疑応答があり、講演会は盛会裡に
終了した。
(管理課 米田正明記)
ついて、書類審査および実地検査が行われた。また、医
平成17年度
療監視は、石川県係官・保健所係官計 13 名により、担
当毎に事前提出資料に基づき、管理運営に関する諸記録
および診療録(電子カルテ)
、防災・防火対策、医療安
平成17 年8 月30 日(火)
、午前10 時から午後4 時にわ
全管理体制、医療従事者の充足状況、院内感染対策、職
たって、通例にしたがって厚生労働省東海北陸厚生局に
員健康管理、食品・栄養・食中毒対策、給食施設、診療
よる医療法25条第3項の規定に基づく立入検査(厚生労
用放射線管理、毒薬・麻薬等の薬剤管理、感染性廃棄物
働大臣が特定機能病院に対して行う立入検査)と石川県
管理、水質・レジオネラ対策について書類審査および実
健康福祉部医療対策課、石川県石川中央保健福祉センタ
地検査が行われた。
ー・河北地域センターによる医療法第25条第1項の規定
午後4 時からは、河北地域センター小林勝義所長、東
に基づく医療監視(石川県知事が病院に対して行う立入
海北陸厚生局成田博医療監視専門官および各検査員によ
検査)が行われた。
り検査結果の講評が行われた。主な改善事項として、新
東海北陸厚生局による立入検査は、医療監視員2名に
館地下栄養部の食品材料搬入口にフード等を設置し、風
より、事前提出資料に基づき特定機能病院の医療安全管
雨による原材料の汚染を防止するよう指導がなされた。
理体制の確保状況、院内感染対策、管理・運営状況等に
(管理課 疋田 勉記)
理解度の向上、在院日数の短縮、研修医の教育を柱とす
る一定の医療レベルを維持し、患者様主体の効率のよい
テーマパス:
パスを作っていこうということになった。職員用パスで
はアウトカムを詳細にすることで、使いやすく患者様の
変化(異常)がわかりやすいパスができたと思う。患者
様用のパスでは入院から退院までの詳細な予定を提示す
ることで、不安のない生活が送れるように配慮した。本
平成 17 年 8 月 10 日(水)
、第 9 回病院パス大会が「腹
来であればパスを使用しその中から問題点を見つけ、ア
腔鏡下手術のクリニカルパスの現状と今後の課題」をテ
ウトカムの検討、バリアンス要因の検討などを行うのだ
ーマとして開催された。発表は生殖周産期医学(産科婦
が、既存のパスでは足りない部分も多く、まず改訂を行
人科)より外来看護師、病棟看護師、薬剤師、医療事
うこととした。一定の医療レベルを維持し、患者様主体
務、医師の5 つのパートに分かれて行われた。当科では
の効率のよいパスをつくるということを目標に、パスの
すでに数年前より腹腔鏡下パスが存在していたが手術件
改訂を行い今後まず使ってみる。また、使ってもらうと
数が少いこともあり、ほとんど使用される機会はなかっ
いうことよりはじめ、より良いパスにしていきたいと考
た。近年、手術件数の増加に伴い使用する機会も増えた
えている。今後、外来→病棟→麻酔→手術→退院後をカ
が、医療の進歩にパスが遅れをとっていた。そこで今回
バーするパスへと発展させ、患者様に満足のいく医療を
クリニカルパスの見直しを行った。見直しにあたり標準
提供できればと思う。 (生殖周産期医学 富澤英樹記)
的な治療、インシデントの防止、患者様の病気に対する
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金 医 大 学 報
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ホール側には1 階の廊下から階段を利用して地階へ下り
ることができ、新館地下の売店へつながる。
2 階の連絡廊下は、本館と新館の階高が違うため1/18
の傾斜があり、付き添いなしでの車イス利用者はエレ
病院本館と新館をつなぐ連絡廊下が完成し、11月4日
(金)から供用を開始した。
ベ−タ−を利用していただくことになっている。
(施設整備推進室 佐々木幸雄記)
連絡廊下の完成により、本館の1 階正面玄関ロビ−か
ら新館1 階ホ−ルを見通すことができ、初めて来院され
た患者さまにも新館への導線がはっきりと分かるように
なった。また、利用の多い新館の外来・病棟から本館の
中央放射線部や中央臨床検査部への導線も連絡廊下を利
用することにより短
縮され、わかりやすく
なった。連絡廊下は
地下 1 階、地上 1 階お
よび2 階のそれぞれの
階をつないでいる。ま
た、連絡廊下の片側
には地階から2 階天井
までの吹き抜けホ−
ルが併設されて、天
井と側面から自然光
を採り入れている。
1階に新設された幅6mの連絡通路
テーマ:
Support Team:
(Nutrition
特別講演の山下智茂先生
第 394 回私立医科大学栄養研究会が、平成 17 年 10 月
20(木)・ 21 日(金)
、本学病院を当番校として、本学
病院および金沢全日空ホテルにおいて開催された。
最初に今年度のメインテーマである「医療制度とNST
(栄養サポートチーム)の推進」について、病院長室浅
野進一郎室長から医療制度改革における栄養評価の重要
性についての説明があり、本題に入った。
地下1階から地上2階までの吹き抜けホール
まず、本学の循環制御学の梶波康二教授、内分泌代謝
制御学の木越俊和教授にお願いして、それぞれ「循環器
疾患における栄養管理」
、
「大学病院のNST 委員会の設置
と運営について」の講演をいただいた。そして、現在の
治療に対する臨床栄養学の役割、大学病院の NST は診
療科の専門性を活かした栄養評価の重要性について活発
な討論がなされた。
特別講演には、稲置学園理事・金沢星稜高校野球部
総監督の山下智茂先生をお招きして、
「社会に役立つ人
間育成 徳・知・体 −食と栄養の観点について−」と題
する講演をいただいた。司会は、金沢星稜高校野球部
OBの診療支援課上端雅則課長代理により行われた。
山下先生は、食事と栄養の大切さを持論とされ、時に
は生徒の弁当を味見して、バランス等が悪い場合には家
庭に連絡して改善させてこられた。また月に1 回スポー
ツ栄養の取り組みとして管理栄養士による栄養管理セミ
ナーを実施していることを話された。メジャーリーグで
活躍している松井選手、イチロー選手が使っているバッ
トを持参し、プロの野球への取組みも紹介された。人と
して、心を以って接することの大切さは、医療の現場に
おいても直接的に役立つ内容であった。
本研究会開催にあたりご支援いただいた本学および関
係各位に、厚くお礼を申し上げます。
(栄養部 中川明彦記)
【病院】
金 医 大 学 報
平成17 年8 月8 日(月)から14日(日)までの7日間、
38
紹介と学生展示のコーナー、続いて最先端医療である低
金沢 21 世紀美術館・市民ギャラリーにおいて「金沢医
侵襲手術のコーナー、次に在宅医療・介護・福祉および
科大学病院・先端医療なるほど図鑑」出展事業が行われ
遺伝子診断のコーナーがあり、そこで左に折れて左エリ
た。参加したのは本学病院の 23 診療科と看護部、ソー
アへ、最初にアンチ・エイジングのコーナー、次に移
シャルワーカー、それに本学医学生と石川県臓器移植財
植・再建医療のコーナー、ミニシアター、体感コーナー
団からの特別参加があった。
と続き、最後に医療相談コーナーがあって、出口に至る
初日には開会式が行われ、高島茂樹病院長と北国新聞
ようにした。
社若林雄彦事業部長から挨拶があり、その中で高島病院
最も人気があったのは、入口すぐの本学医学生(美術
長は、
「この企画は、∼見て、触れて、わかる、最先端
部・代表上田隆太・3 年)のコーナーで、ペットボトル
の医療技術∼・「金沢医科大学病院・先端医療なるほど
や給油ポンプなど身近な材料で、体や臓器の形状や機能
図鑑」の副題のように、パネルや映像、医療機器の展示
を造形し、赤く着色された水や何色もの電球を使い、
や疑似体験を通して一般市民の皆さんや21 世紀の担い
心・肺や消化管の働きをとてもわかりやすく表現してい
手である子どもたちに、大学病院の医療現場の実際と最
た。来場者は実際にそれらを手で動かし、まるでおもち
先端の医療技術を見て、触れて、理解を深めてもらおう
ゃで遊ぶような感覚で心・肺や胃腸の働きがよくわかる
という趣旨で開いたものです。入場無料で、日替わりの
というもので、子供から大人まで楽しめるとてもすばら
体感コーナーや健康相談コーナーを設けました。できる
しい企画だった。
だけ多くの人たちに見ていただきたい」との挨拶があっ
低侵襲手術のコーナーでは、身体への負担を軽くする
た。続いて小田島粛夫理事長、高島病院長、松井忍本企
腹腔鏡や内視鏡を使った、がん摘出術、ステント挿入術
画実行委員長(副院長)ならびに若林事業部長によるテ
など最先端の機器と技術を駆使した治療法が映像やパネ
ープカットで開幕となった。
ルで表現されていた。手術用キットや新式器具の展示も
夏休みのちょうど半ばとあって、会場には連日、子供
あり、それぞれの診療科ではドクターが術用器具を手に
たちや若者同士、親子連れなど幅広い年齢の人々が大勢
持って手術や治療法を来場者に説明し、来場者はドクタ
訪れ、開催中の「人体の不思議展」の人気と相まって大
ーの説明に熱心に耳を傾け、また、手術映像にじっと見
変な盛況となった。ピーク時には1時間に1,000人を超え
入っていた。このコーナーには整形外科、呼吸器外科、
る入場者があり、7 日間の入場者数は延べ3万3千人に上
胸部心臓血管外科、循環器内科、脳神経外科、耳鼻咽喉
り、用意した各診療科のリーフレット1 万 9 千部が品切
科、消化器内科、一般・消化器外科および総合診療科の
れとなるほどだった。
先生方が参加された。
730 ㎡ある広い会場には40 の展示ブースが設置され、
在宅医療・介護・福祉および遺伝子診断のコーナーで
これらを7 つのコーナーに分け、さらに左右 2 つのエリ
は看護部、ソーシャルワーカー、呼吸器内科および病院
アに仕切った。右エリアの入口から入って最初に本学の
病理部から、アンチ・エージングコーナーには高齢医学
医師が直接説明にあたって賑わった各コーナー
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科、眼科、血液リウマチ膠原病科、神経科精神科、産科
列ができた。また、健康相談コーナーには毎日10人以上
婦人科および皮膚科から、また移植・再建医療のコーナ
の相談者があった。
ーには泌尿器科、心臓外科、耳鼻咽喉・頭頚科、整形外
今回の出展事業はたいへん盛況のうちに終わった。専
科、形成外科、歯科口腔科および県臓器移植財団からそ
門家でなく一般市民や子供を対象に医療現場の実際を展
れぞれ参加があり、日頃の診療活動や研究成果について
示するということは、大変なご苦労があったと思われる
映像やパネルによる展示があった。
が、来場の方々からは「大変よくできていました」
、
「う
常設のミニシアターでは立体映像による人体内部構造
ちの患者さんにも是非見るように勧めます」
、
「実際に触
の体感シミュレーションが放映された。これは放射線科
ったり、動かしたりできたのが良かった」
、
「人体の不思
と北陸先端技術大学院(白山市)との共同開発により、
議展よりこちらの出展を見たかった」といった賞賛や励
CT 画像の 3D 立体映像化の技術で制作されたものであ
ましの言葉をいただいた。企画や構成はもちろん、それ
る。
以上に内容がわかり易く充実していたものと思われる。
体感コーナーは5 つのブースを各診療科が日替わりで
金沢医科大学病院の活動状況を一般市民にひろく発信
担当した。各ブースにはポータブル測定器が置かれ、来
し、本院の知名度を高めるという所期の目的は十分果た
場者に血管年齢、肺・呼吸器機能、骨密度、心エコー、
されたと思います。
目の解像力といった測定データを提供した。また、手術
忙しい診察や当直業務の間をぬって休日返上、徹夜作
装置モデルを設置し、来場者が実際に機械を操作して腹
業でパネル原稿やビデオ映像の制作をしてくださった診
腔鏡や内視鏡手術、ナビゲーション手術が擬似体験でき
療科の先生方の熱意に深く感謝します。また、開催期間
るコーナーを設けた。期間中、救命救急科による自動式
中会場に出張していただいた先生方、出展実行委員会の
除細動器の使用体験も行われた。体感コーナーは学生展
メンバー・関係者の方々に感謝いたします。
示に次いで人気が高く、血管年齢とか骨密度測定といっ
た女性に関心の高いコーナーには30 分から1時間待ちの
(病院長室 大野木辰也記)
【病院】
金 医 大 学 報
発生発達医学(小児科学)
ドリーミングキッズ主催
第19回
やまびこ荘の前にて
平成 17 年 8 月 4 日(木)から6 日(土)までの2 泊 3 日の
日程で、七尾市コロサスキー場そばの「ふれあいセンター
山びこ荘」にて、ドリーミング・キッズ主催第19 回ぜんそ
くサマースクールを開校した。これは、喘息患児が同じ病
気を持つ仲間とともに集団生活を通して病気に対する知識
を深め、薬の必要性を理解し、喘息を克服してもらうこと
を目的に、約20年前から毎年夏に行っている行事である。
参加児童は小学 1 ∼ 5 年生の男女合わせて 18 名で、小児
科医師4 名、小児病棟看護師2 名、薬剤師1 名、理学療法士
2名、病院職員1 名のほか医学部・看護学校の学生、サマー
スクール卒業生(元喘息で参加者だった人たち)など全部
で47 名が集まった。例年のごとく、酸素や点滴、薬、吸入
器などの大きな荷物を持参し、急な発作やけがなどに対応
できるよう万全の準備をして臨んだ。
活動内容としては、まず昨年に引き続き、公立羽咋病院
理学療法士の山 先生らによる呼吸法の説明があった。昨
年参加し腹式呼吸を習った児童はとても上手で、この呼吸
40
法をとっさの時にできるようにするため、腹式呼吸を体操
に取り入れた「喘息体操」を、小児科医の佐藤先生を中心
に朝のラジオ体操の時間に行った。本学病院薬剤師の政氏
藤玄先生からは喘息で使用する薬の話を、発生発達医学中
村利美助手からは、喘息・アレルギーについての話があっ
た。また、小児科医による診察とピークフロー測定が1 日3
回あり、発作を起こしていないかチェックした。この時、吸
入の仕方を医師や看護師、薬剤師が直接指導することにな
っている。そのほか眺めのきれいな自然の中でキャンプフ
ァイアやオリエンテーリング、クラフト作製、野外炊さん、
肝試しなどで交流を深めた。特に肝試しは、サマースクー
ル恒例行事の一つで、毎年これを楽しみに参加する児童が
多く、スタッフは毎年手の込んだメイクや衣装、演出で子
供たちを驚かせている。
夜は、子供たちが寝静まってからのスタッフミーティン
グで、その日の児童の体調などを伝達し、夜中には小児科
医と看護師の回診があった。もちろん医学部・看護学生の
ボランティアスタッフも一緒に回り、診察を実際に体験す
ることができる。
今年は大きな発作や怪我もなく、天候に恵まれ、予定ど
おり順調に全部の行事を終了することができ、今は心から
安堵している。これもひとえにスタッフの皆さんのお陰だと
思う。特にサマースクール卒業生は、児童のこともスタッフ
のことも理解してくれてとても頼りになった。何しろ喘息を
克服した生きたお手本なのだから、彼らの言動は参加児童
にとってどんな説明よりも説得力があったと思う。こうやっ
て、このぜんそくサマースクールがいつまでも引き継がれて
行くことを切に願っている。
最後に、今回のサマースクール開催にあたって、本学は
もとより、関連病院・地域病院の諸先生方をはじめ、本学
病院看護部・薬剤部・管理課ほか関係部署の皆様、さらに
は本学医学部・附属看護専門学校の関係部署の皆様の多大
なご協力をいただきましたことを、心よりお礼申し上げま
すとともに、今後ともさらなるご指導、ご協力のほどよろ
しくお願い申し上げます。 (発生発達医学 中村利美記)
《本学スタッフ新刊著書》
M. Tomita, T. Nishioka 編
Metabolomics
The Frontier of Systems Biology
Springer-Verlag Tokyo
B5 判, 256 頁
定価:本体10,000+税
2005 年発行
ISBN 4-431-25121-9
分担執筆:久原とみ子
( 5 章 : Metabolome Profiling of Human Urine withCapillary Gas
Chromatography/Mass Spectrometry, p53-74. 12章: Chemical Diagnosis
of Inborn Errors of Metabolism and Metabolome Analysis of Urine by
Capillary Gas Chromatography/Mass Spectrometry, p167-192)
ポストゲノムの21 世紀はプロテオームとメタボロームの科学が生
命科学の重要な柱となるといわれる。編者の冨田勝慶応大学教授が
序文で1990 年代に日本とドイツから創造的なメタボローム研究が始
まったと述べているが、メタボロームの概念の歴史は1970 年代に遡
る。メタボローム解析を先取りすることで個別化医療など多岐の分
野で新たな発見が期待できる。
(総合医学研究所・人類遺伝学研究部門 久原とみ子記)
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金 医 大 学 報
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して本学病院のスタッフが参加している。参加者の特徴
第5回
は、石川県内の地域医療のリーダーが多く参加されてい
ることである。参加者は延べ20時間におよぶ実習作業や
発表もてきぱきこなし、疲れも見せず全日程を修了でき
た。参加者全員に飯塚秀明臨床研修管理委員長から、厚
平成17 年9 月10 日(土)
、11 日(日)の両日、いこい
生労働省医政局長名の修了証書が手渡された。
の村能登半島で各診療科と地域医療の指導医の21 名が
毎回出席いただいている厚生労働省東海北陸厚生局臨
参加し第5 回臨床指導医養成のためのワークショップが
床研修審査官の北川元二先生から研修修了の評価基準が
開催された。
示された。特に臨床医としての適正評価では2 つの点が
厚生労働省の「医師の臨床研修に係わる指導医講習会
ポイントとなる。一つは安全安心な医療の提供ができな
の開催指針」に則って行われた。今回の企画責任者は洛
い場合で、患者さんとの意思疎通に欠け不安感を与えた
和会音羽病院長の松村理司先生にお願いした。世話人と
り、チーム医療を乱す等の問題がある場合である。二つ
目は、法令や規則が遵守できない者で、行政
処分をうけた医師が再教育にもかかわらず、
患者さんに被害を及ぼすおそれのある場合は、
未修了または中断の判断もやむを得ないとさ
れた。
このワークショップで、本学は、100 名以上
の指導医を養成したことになる。指導医諸氏
には、今後も研修医の研修状況を常に把握し、
適切なアドバイスと教育を行っていただける
ものと信じている。
「良医の育成」
「知識と技
術を極める」
「社会に貢献する」などの本学の
建学の精神を研修医に体得させて、患者さん
中心の医療、全人的医療を実践してもらいた
いと思っている。
(研修センター 神田享勉記)
いこいの村能登半島において
第 9回臨床病理検討会〈予告〉
日時 平成 17 年 11 月 16 日(水)午後 3時より
場所 臨床研修センターカンファレンスルーム
第8回CPC
症例1 特異な組織像を呈した再発胃癌の一例 77 歳 女
臨床提示 石井上子
中野泰治
階の臨床研修センターカンファレンスルームで第8 回
臨床病理検討会 (CPC)が行われた。
臨床研修センター研修医
上田善道
病理病態学(病理学Ⅱ)
飛田研二
心血管外科学(胸部外科学)
副司会者 泰間美紀
臨床提示 樋口美智
臨床研修センター研修医
宇佐見和男 消化器外科治療学(消化器外科学)
ファレンスルームで行われる。研修医には出席が義務
病理提示 藤本圭司
づけられているが、それ以外の医師、学生諸君にも広
黒瀬 望
(病態診断医学 黒瀬 望記)
臨床研修センター研修医
症例2 食道原発小細胞癌の1例 66 歳 女
第9回CPCは11月16日(水)午後3時より、同カン
く開かれているのでご出席いただきたい。
消化器外科治療学(消化器外科学)
病理提示 青木麻梨
司会者
平成 17 年 9 月 21 日(水)の午後 3 時より、病院本館 4
臨床研修センター研修医
司会者
島田昌彦
副司会者 安原智洋
臨床研修センター研修医
病態診断医学(臨床病理学)
消化器機能治療学(消化器内科学)
臨床研修センター研修医
【学事】
金 医 大 学 報
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図書館
書名/発行所/刊年/分類の順で記載
Key concept 分子生物学:薬学テキスト/南山堂/2005/464.1
生物化学 : biological chemistry/朝倉書店/2005/464
ミミズと土と有機農業:The earthworm book /創森社/1998/
483.95
脱温暖化: "人"と"しくみ"づくりで築く新時代(環境白書:平成
17年版) /ぎょうせい/2005/519
学生用指定図書
基礎医学図書
新着図書の紹介(2005.7-9)
(洋書)
Sabiston & Spencer surgery of the chest 7th ed. v. 1 / Elsevier
Saunders/2005/WF980
Sabiston & Spencer surgery of the chest 7th ed. v. 2 / Elsevier
Saunders/2005/WF980
(和書)
私たちの社会福祉法 第2版 (Horitsu Bunka basic books) /法律文
化社/2005/369.1
環境の倫理学(現代社会の倫理を考える:11) /丸善/2003 /
519
人体解剖カラーアトラス/南江堂/2005/QS17
標準微生物学 第 9 版(Standard textbook /医学書院/ 2005 /
QW4
標準臨床検査医学 第 2 版 (Standard textbook) /医学書院/
1998/QY4
医事刑法入門:ポストゲノム社会における 新訂版/東京法令出
版/2004/W32
ヘルスケアリスクマネジメント:医療事故防止から診療記録開
示まで/医学書院/2000/W44
行動科学: 健康づくりのための理論と応用/南江堂/ 2003 /
WA590
標準 整 形 外 科 学 第 9 版 ( Standard textbook) / 医 学 書 院 /
2005/WE168
循環器病のとらえかた:眼でみるベッドサイドの病態生理 第2
版/文光堂/2005/WG100
標準脳神経外科学 第 10 版(Standard textbook)/医学書院/
2005/WL368
標準精神医学 第3 版(Standard textbook)/医学書院/2005 /
WM100
標準眼科学 第 9 版(Standard textbook)/医学書院/ 2004 /
WW100
医学概論/文光堂/2004/WZ40
一般教養図書
(和書)
現行医学雑誌所在目録:医・歯・薬学及関係誌 2005 年度受入/
日本医学図書館協会/2005/029.6
改革なくして成長なし 5 (経済財政白書:平成17 年版)/財務
省印刷局/2005/332.1
日本国勢図会 2005/06年版/日本評論社/2005/351
子育て世代の意識と生活(
「暮らしと社会」シリーズ)
(国民生
活白書:平成17年版)/国立印刷局/2005/365.5
人口減少社会における労働政策の課題(労働経済白書:平成 17
年版)/国立印刷局/2005/366.1
青少年白書:青少年の現状と施策 平成17年版(
「暮らしと社会」
シリーズ)/国立印刷局/2005/367.6
防災白書 平成17年版/大蔵省印刷局/2005/369.3
国民の福祉の動向 2004 年(厚生の指標臨時増刊:第 20 巻・第 13
号)/厚生統計協会/2005/369
全国大学一覧 平成17年度/文教協会/2005/377.11
成人教育の現代的実践 : ペダゴジーからアンドラゴジーへ/鳳
書房/2002/379
「新」地球温暖化とその影響 : 生命の星と人類の明日のために
(ポピュラーサイエンス:267) /裳華房/2005/451
細胞生物学事典/朝倉書店/2005/463
細胞核の分子生物学:クロマチン・染色体・核構造/朝倉書店/
2005/463
(和書)
人体生理学ノート 改訂6版/金芳堂/2004/QT104
オックスフォード生理学/丸善/2005/QT104
ノーモア薬害:薬害の歴史に学び、その根絶を 増補改訂版/桐
書房/1997/QV38
食品-医薬品相互作用ハンドブック/丸善/2005 /QV39
カッツング・薬理学/丸善/2005/QV4
新薬創製への招待:創薬から市販後臨床試験まで/共立出版/
2003/QV744
CRC という仕事/メディカル・パブリケーションズ/ 2004 /
QV771
JAPIC 医療用医薬品集 2006 /日本医薬情報センター/ 2005 /
QV772
免疫学 : 集中マスター(バイオ研究マスターシリーズ)/羊土
社/2005/QW504
医系免疫学 改訂9版/中外医学社/2005/QW504
病態で学ぶ生理学 : CBT 対応/丸善/2004/QZ140
臨床医学図書
(洋書)
Cannabinoids (Handbook of experimental pharmacology:v. 168)
/Springer/2005/W1
Atherosclerosis : diet and drugs(Handbook of experimental pharmacology:v. 170)/Springer/2005/W1
International statistical classification of diseases and related health
problems 10th revision, 2nd ed. v. 1/World Health Organization/
2004/WB15
International statistical classification of diseases and related health
problems 10th revision, 2nd ed. v. 2/World Health Organization/
2004/WB15
International statistical classification of diseases and related health
problems 10th revision, 2nd ed. v. 3/World Health Organization/
2004/WB15
Pathology and genetics of head and neck tumours (World health
organization classification of tumours) /IARC Press /2005 /
WE707
MR imaging in white matter diseases of the brain and spinal cord
(Medical radiology : diagnostic imaging and radiation oncology.
Diagnostic imaging)/Springer/2005/WL300
Contrast media in ultrasonography : basic principles and clinical applications(Medical radiology : diagnostic imaging and radiation
oncology. Diagnostic imaging)/Springer/2005/WN208
Paediatric musculoskeletal disease:with an emphasis on ultrasound
(Medical radiology:diagnostic imaging and radiation oncology.
Diagnostic imaging) /Springer/2005/WS270
(和書)
最新医学略語辞典 第4版/中央法規出版/2005/W13
医学英和大辞典 改訂 12 版/西元寺克禮編/南山堂/ 2005 /
W13
最新医学大辞典 第3版/医歯薬出版/2005/W13
医学英語文例辞典 普及版/朝倉書店/2005/W13
再現医師国家試験問題解説書:一般/臨床編 第99回/医学評論
社/2005/W18
再現医師国家試験問題解説書:必修篇 第 99 回/医学評論社/
2005/W18
呼吸器(共用試験対策シリーズ:コア・カリキュラム対応:
1)/リブロ・サイエンス/2004/W18
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
循環器(共用試験対策シリーズ:コア・カリキュラム対応:
2)/リブロ・サイエンス/2005/W18
医療政策六法 平成17年版/中央法規出版/2005/W32
あなたの患者になりたい:患者の視点で語る医療コミュニケー
ション/医学書院/2003/W62
予防医学事典/朝倉書店/2005/WA108
地域とともに支えるこれからの社会保障(厚生労働白書:平成17
年版)/ぎょうせい/2005/WA525
食品学・食品機能学・食品加工学 : 食べ物と健康/医歯薬出版/
2005/WA695
ガイドライン外来診療:今日の診療のために 2005(第5版)/
日経メディカル開発/2005/WB101
外来診療(WM臨床研修サバイバルガイド)/メディカル・サイ
エンス・インターナショナル/2005/WB101
今後の終末期医療の在り方/中央法規出版/2005/WB310
脊髄損傷のリハビリテーション(リハビリテーション
MOOK:11)/金原出版/2005/WB320
膠原病学:免疫学・リウマチ性疾患の理解のために 改訂 2 版/
丸善/2005/WD375
執刀医のためのサージカルテクニック脊椎/メジカルビュー社/
2004/WE725
執刀医のためのサージカルテクニック下肢/メジカルビュー社/
2005/WE850
実践!呼吸機能検査:理論・測定・法規/真興交易(株)医書出版
部/2005/WF141
動画でわかるスクイージング :安全で効果的に行う排痰のテクニ
ック/中山書店/2005/WF145
石綿関連疾患 : 予防・診断・労災補償(産業保健ハンドブッ
ク)/産業医学振興財団/2004/WF654
心電図(新目でみる循環器病シリーズ: 1)/メジカルビュー
社/2005/WG100
心臓ペ-スメ-カ・植込み型除細動器(新目でみる循環器病シリー
ズ:19)/メジカルビュー社/2005/WG100
心臓核医学検査(新目でみる循環器病シリーズ: 6)/メジカ
ルビュー社/2005/WG100
不整脈(新目でみる循環器病シリーズ: 7)/メジカルビュー
社/2005/WG100
冠動脈疾患を診る 2(新・心臓病診療プラクティス:4-5)/文
光堂/2005/WG100
手にとるようにわかる心電図入門 改訂/ベクトル・コア/
2005/WG140
経食道心エコー法マニュアル 改訂第 3 版/南江堂/ 2005 /
WG141
腹痛診療のコツと落とし穴/中山書店/2005/WI147
一目でわかる腎臓/メディカル・サイエンス・インターナショナ
ル/2001/WJ300
生活と透析 : これだけは知っておこう/医学書院/ 2002 /
WJ378
泌尿器科・病理精巣腫瘍取扱い規約 第3 版/金原出版/2005 /
WJ858
甲状腺癌取扱い規約 第6版/金原出版/2005/WK270
糖尿病フットケアガイド : 診断・治療・ケアの指針/医歯薬出
版/2004/WK835
神経内科(WM臨床研修サバイバルガイド)/メディカル・サイ
エンス・インターナショナル/2005/WL100
よくわかる子どものための形成外科/永井書店/ 2005 /
WO600
外科療法 2005 年版(科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライ
ン:2)/金原出版/2005/WP870
放射線療法 2005年版(科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライ
ン:3)/金原出版/2005/WP870
検診・診断 2005 年版(科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライ
ン:4)/金原出版/2005/WP870
疫学・予防 2005 年版(科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライ
ン:5)/金原出版/2005/WP870
ニキビ治療の技法(皮膚科診療プラクティス:18)/文光堂/
2005/WR100
母と子のアタッチメント:心の安全基地/医歯薬出版/1993/
WS105.5
メディカル・スタッフのためのこどもの病気とくすりの本/医歯
薬出版/1997/WS200
老年症候群の診かた(日常診療に活かす老年病ガイドブック:
43
1)/メジカルビュー社/2005/WT100
高齢者の薬の使い方(日常診療に活かす老年病ガイドブック:
2)/メジカルビュー社/2005/WT100
認知症・うつ・睡眠障害の診療の実際(日常診療に活かす老年病
ガイドブック:4)/メジカルビュー社/2005/WT100
柴田浩美の高齢者の口腔ケアを考える/医歯薬出版/ 2003 /
WU113
外眼部外来手術マニュアル/メディカル葵出版/ 2005 /
WW168
看護記録および診療情報の取り扱いに関する指針/日本看護協
会出版会/2005/WY100.5
在宅人工呼吸(気管切開口/鼻マスク)/在宅持続陽圧呼吸療
法 (在宅療養指導とナーシングケア:退院から在宅まで:4)
医歯薬出版/2004/WY115
老人の医療 第 2 版(看護のための最新医学講座:第 17 巻)/中
山書店/2005 /WY150
周手術期看護(Nursing selection:9)/学研/2003 /WY150
ナースのための循環器科/メディカ出版/2003/WY152.5
心疾患テクニカルチェック:クリニカルパスにみるナ-シングケ
ア/メディカ出版/2000/WY152.5
耳鼻咽喉科看護の知識と実際(The best nursing)/メディカ出
版/2001/WY158.5
透析看護/医学書院/2003/WY164
ペーパー・ペイシェントで学ぶ教える: 28 の事例演習/医学書
院/2004/WY18
看護関係統計資料集 平成16年/日本看護協会出版会/2005 /
WY31
看護白書 平成17年版/日本看護協会出版会/2005/WY31
看護倫理のための意思決定 10 のステップ/日本看護協会出版
会/2004/WY85
パースィ看護理論 : 人間生成の現象学的探求/医学書院/
2004/WY86
看護管理 [第35回](日本看護学会論文集)/日本看護協会出版
会/2005/WY9
地域看護 [第35 回] (日本看護学会論文集) /日本看護協会出版
会/2005/WY9
(視聴覚資料)
幽門輪温存膵頭十二指腸切除術:ステントを留意しない膵管空
腸吻合と今永法再建(DVD)/東京慈恵会医科大学外科/
WI830
後輩に残す1冊・百選
A treatise on the diseases of the chest : in which they are described
according to their anatomical characters, and their diagnosis established on a new principle by means of acoustick instruments
Special ed( The classics of medicine library) / Classics of
Medicine Library/1979/WF970
Exercitatio anatomica de motu cordis et sanguinis in animalibus :
being a facsimile of the 1628 Francofurti edition, together with the
Keynes English translation of 1928 / Classics of Medicine
Library/1978/WG103
金 医 大 学 報
44
随想・報告
随 想
Part 1
名誉教授・泌尿器科学
人はそれぞれ趣味を持っている。私は映画好きの部類
に入る。本を読むのに乱読というのがあるが、映画では
「乱観」というのがない。映画を選ぶのに多少のフィロ
ソフィーを持っているつもりだが、結局は映画評とか口
津 川 龍 三
夫人が「私の夫はターザンになったわ」と発言、極め付
けのキャッチフレーズだった。
「駅馬車」は 1939 年の作で、ジョン・フォード監督、
ジョン・ウエイン主演の西部劇、アリゾナからニューメ
コミで出かけることが多い。また、観ているといろいろ
の世界が広がる。
「あんな社会もあったのか」
、
「こんな
考え方もあるのか」と感心することが多い。また、映画
のロケ地に実際に立つのは別格の感がする。そこが旅の
魅力の一つでもある。
以下、私が「良かったなあ、また観たいな」と思う映
画について述べたい。順不同は蒙御免。実際はその10倍
以上観ているのだが。
1945 年の敗戦後、日本の映画館では1940 年前後の作
品が続々上映された。そのころ最も印象が深かったのは
1943 年のマイケル・カーチス監督「カサブランカ」
。ナ
チの手が伸びて来る緊迫のなか、ハンフリー・ボガード
が経営する酒場「リック」に混乱のパリで別れた昔の恋
人イングリッド・バーグマンが、反ナチの夫と共に、亡
命を求めて来る。北欧はデンマーク出身の女優バーグマ
ン、とりわけその瞳の美しさに当時の日本人は圧倒され
た。私もその一人。最初に観た日はそのまま2 回、レン
「駅馬車」ジョン・ウェイン。ポスター展にて。
タルビデオ、テレビで計5 回は観ている。ナチ高官の威
圧的な振舞いに対して、酒場で客たちが「ラ・マルセー
キシコヘ、1 台の馬車が、乗り合わせた人たちの過去現
ユ」を合唱する場面も印象的であった。また、一人酒を
在を織り混ぜ、ひた走る。そこへジェロニモ率いるアパ
飲み物思いに沈むボガードの顔を約10秒ごとによぎる灯
ッチの襲撃、ロケ地はモニュメントバレー、これぞ西部
台? のライトはモノ黒ならではの効果で、ボガードの
劇のスタンダード、今のアメリカでは作れまい。私の知
心情と重なり合い、しびれる名場面であった。
人で、わざわざ現地へ行った映画評論家がおられるほど
ここで1932 年製作のオリンピック短水路金メダリス
ト、ジョニー・ワイズミュラーの「ターザンの猛襲」、
だ。敬服。同年、南北戦争を舞台にした国民的叙事詩と
も言える「風と共に去りぬ」がいわゆる総天然色で、監
「ターザンの逆襲」が登場した。特徴ある雄叫びと共に
督ビクター・フレミング、主演ビビアン・リー、クラー
ジャングルを蔦で作ったロープを次から次へと飛びつな
ク・ゲーブルで登場、アカデミー作品賞を獲得した。
ぎ、水中ではワニに猛烈なスプリントで泳ぎつき、危険
1946 年には、ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォン
から救うという筋書きに、女房役のモーリン・オサリバ
ダ主演の「荒野の決闘」が上映される。西部開拓史に名
ン、これに息子やワキ役、チンパンジー、愛称チータも
高い保安官ワイアット・アープの役で、弟殺しを糾すと
加わる。とにかくドキドキハラハラだが、必ずハッピー
してクラントン一家のいるOK 牧場に乗り込む。肺結核
エンド。それを観た男の子は、ほとんど「ターザンごっ
の助っ人ヴィクター・マチュアも加わる。銃撃戦の最
こ」をしたのではないか。
中、純白のハンカチに喀血、血が滲む。さらに銃弾も受
それには続きがある。1999年だったか、かの「バイア
け、倒れる。戦い済んで、彼は去る。原題名は「My
グラ」が登場したときのことである。アメリカ上院議員
Darling Clementine」
、あの叙情的なメロディが静かに流
第124号/2005.11
金 医 大 学 報
ジョーズ現わる。LA ユニバーサルスタジオにて。
45
スペイン階段にて。
「ローマの休日」では向かって右側の店でヘップ
バーンカットがはじまった。
れ、この一編を支えた。1953 年にはアラン・ラッド主
の学生には、映画のあらすじを話し、講義に引用させて
演、
「シェーン」が上映される。話はこうだ。ある日一
もらった。今のがんじがらめの教育方法では到底ムリな
人の男が開拓民一家に立ち寄った。そこには好奇心旺盛
話か。
な少年と両親がいる。その頃、同じ地区の開拓民らは、
2002 年大阪にUSJができた。ご本家はLAにある。LA
黒装束の早打ちガンマン、ジャック・バランスを雇った
での研究会が済んだ翌日、そこへ行った。歩きながら観
自称地主から、せっかく作った農地を牧場にするとして
るコースもあるが、トロッコに乗ってのアトラクション
立ち退きを迫られていた。ある日、一人が殺される。シ
コースもある。私は「ジョーズ」コースに行った。
「ア
ェーンは復讐にいきり立つ主人を殴り、一時失神させ、
ミティー島海水浴場にようこそ」と映画そっくりの人魚
自称地主らのたむろする建物に向かう。撃ち合いは10 秒
の大看板、すぐその気になる。ジョーズは出るか? 出
とかからない。撃ち終わったシェーンのガンはクルクル
た。この1975 年スティーブン・スピルバーグ監督「ジョ
と回されピタリとガンベルトに収まる。悪は全滅した。
ーズ」は夜の海を泳ぐ女性が海中に引きずり込まれると
シェーンは馬に乗る。一部始終を覗いていた少年は、雪
ころから始まる。海水浴シーズンを目前にして、人喰い
をいただく山々の方ヘ一人で次の旅に向かうシェーンに
鮫が出たのだ。島はパニック状態に陥る。ジョーズ退治
叫ぶ 、
「シェーン カムバック、カムバック シェーン!」
。
を引き受けた男は自称歴戦の勇者ロバート・ショウ。自
これが山にこだまする。ビクター・ヤングのメロディー、
慢の仕掛けや武器を積んで出発。船での一夜、同行の島
いわゆる「遥かなる山の呼び声」が重なる。夕闇も迫
の保安官、海洋生物学者に酒を飲みながら語る。
「俺は
る。その広大な背景と遠ざかるシェーンがカッコいい、
1945 年、原子爆弾をテニアン島まで運んだ巡洋艦インデ
それも「超」が付いた。
ィアナポリスの乗組員だった。しかし、アメリカ本土へ
さて、現代のカッコ良しは、トム・クルーズ。
「ラス
の帰途、日本海軍の潜水艦に1 発食らい、海へ放り出さ
トサムライ」は言わずもがな、1986 年の「トップガン」
れた。乗組員は一人、二人と、人食い鮫の餌食になった
が良かった。体に響く轟音が観客を包み、F14 トムキャ
んだ」
。ちなみにこの撃沈については、戦後アメリカ海
軍で査問委員会が開かれたほどの事件であった。さて遂
にジョーズは船を襲い始める。船はあちこち噛み砕かれ
て沈没寸前、インディアナポリス生き残りのロバート・
ショウも口の中へ。結局あとの二人は助かるのだが、ジ
ョーズはポリウレタン製。映画作りに新しい境地を切り
トップガン搭乗のF14(当時)
。現在はF18が主役
開いた作品であった。興行的にも大ヒット、上映館の中
から聞こえる観客の悲鳴に、館外にいた製作者たちはほ
ットが飛び立つ。太陽に向かい、背にもしてのドッグフ
くそ笑んだという。この監督はジョーズの4 年前、低予
ァイト、ちなみにトップガンとはパイロット中の優秀者
算、短時日でB 級扱いの「激突」を作っている。1 台の
1 %に与えられる称号。観る方は息もつけない。訓練を
乗用車が何気なく追い越したタンクローリー車に逆に追
終えて飛行服姿で降り立つ姿がカッコいい。1989年、彼
われはじめる。不気味だ。給油して出発するとサッと追
は「7 月 4 日に生まれて」で独立記念日に生まれた純情
いかけてくる。上り坂、下り坂、急カーブお構いなし、
青年を演ずる。ベトナム戦争に加わるが、脊髄損傷、弾
運転手の顔も手も見えない。追いかけは執拗に続く。た
が当たった部位からして核上型の神経因性膀胱。この年
だそれだけの映画なのに、観客は乗用車のドライバーに
【随想・報告】
金 医 大 学 報
46
感情移入して恐怖に陥る。最後は助かるのだが、映画の
ム・ワイラーの「ローマの休日」であろう。話は、さる
出来映えはB 級どころかA 級だった。私はこの監督は、
国のプリンセスがローマを訪問中のある夜、お付きの監
将来すごい作品を作ると思ったものだ。ジョーズのあと
視を逃れてこっそり外ヘ抜け出す。そこでアメリカの新
「インディージョーンズ」
「E.T.」
「ジュラシックパーク」
聞記者グレゴリー・ペックに出会う。プリンセス失踪に
を製作している。
1963 年、アルフレッド・ヒッチコック監督、
「鳥」は
慌てるお付きをまいて、まず美容院ヘ。
「トレビの泉」近
くのスペイン階段右の店で髪をショートカットにした。
印象深かった。凶暴化した鳥の大群が人を襲う。子供た
有名なヘップバーンカット発祥の店。私は後年「ここが
ちを避難させていた女教師は目玉を抉られて殺される。
そうか」佇むことしばし、変なオジサンにみえたことだ
3 分前に電線に1 羽とまっていた鳥が、3 分後には100 羽
ろう。次にペックは、ヘップバーンをスクーターに乗せ
以上に増えているのに、主人公は気付かない。観客のみ
て「真実の口」などローマの名所を案内する。途中で同
が知っているという怖い設定である。主演の美人女優テ
僚のカメラマンに連絡、合流した同僚は特ダネ写真を撮
ッピー・ヘドレンも鳥に襲われて血だらけ。以来、夕暮
りまくる。ライター式隠しカメラも登場、その後いろい
れ時、兼六園から金沢城の空に舞う無数のカラスの大群
ろあってプリンセスは戻る。翌日は各国の新聞記者らと
をみると、どうしてもあの映画を思いだしてしまう。彼
の対面、ペックの前へ来たとき、彼はさりげなく特ダネ
は1959年、ケーリー・グラント主演の「北北西に進路を
写真をプリンセスに渡す。ある記者が質問する。
「今ま
とれ」を作る。複葉の飛行機が突如、超低空で地上のグ
でに訪問された場所で印象深いのは?」
。
「それは、Rome
ラントを襲う。さらに向きを変えてまた襲う。新鮮でス
specially Rome」
。ヘップバーン、ペックとカメラマン、
リリングな場面であった。彼は数々のスリラー映画を作
観客は納得の時を共有する。とにかく楽しかった。
って私を誘い出した。
やはり「映画は楽しいのがベスト」とすれば、初上映
から今日まで、何度観ても飽きないのは1953年オードリ
現実に戻れば、ジョン・ウェインは肺癌、バーグマン
は乳癌、ショウは転倒死、ヘップバーンは大腸癌で去っ
た。ありがとう。ご冥福を祈る。
ー・ヘップバーン、グレゴリー・ペック、監督ウイリア
石川 勲 教授(腎機能治療学、北陸腎移植
HLA検査センター所長)
厚生労働大臣感謝状を受ける
平成17年10月15日(土)に、本学病院腎臓内科(腎
機能治療学)の石川 勲教授に厚生労働大臣から、臓
器移植対策推進の功労者として感謝状が贈られた。
石川教授は、1975 年から金沢医科大学の腎移植医
療にかかわり、これまでに266 例の腎移植患者を診て
こられた。内科医として透析療法を行うとともに、術
前の管理、免疫抑制療法、腎移植外来を担当し、積極
的に腎移植に携わっている。透析導入時に根治療法と
しては、腎移植が最適であることを早くから提唱さ
れ、腎移植の普及に努めた。また、長期透析患者の合
併症である多嚢胞化萎縮腎が、腎移植の成功によって
退縮することを初めて世に示した。
社会的な活動としては、患者会とともに、黄色い羽
根運動、臓器の移植推進月間での街頭活動にも参画す
る一方で、石川県臓器移植推進財団常務理事として、
臓器移植を推進するため市中病院を巡回し、腎移植の
現状を説明するとともに、特に脳神経外科や救命救急
科に協力を依頼している。また、年一回、北陸の移植
関係者(行政、腎バンク、提供側、透析医、移植コー
ディネーター、HLA 検査員)が集会を持ち、腎移植の
推進を図っている。
以上の努力・実績が功績として認められ、今回授与
されることとなったものである。
表彰の対象となる基準は、個人に関してはその年齢
が満 50 歳以上の者、団体に関してはその事業歴が10
年以上ある団体であり、長年にわたり臓器移植対策の
推進に顕著な功績があった者(団体)となっている。
なお、同一趣旨の感謝状は平成元年に本学病院
(HLA 検査センター)に対して、また平成 6 年には故
篠田 晤教授、平成8 年には津川龍三名誉教授に贈られ
ている。
(管理課 岡本真一記)
【管理・運営】
金 医 大 学 報
47
平成17 年度 互助会
平成 17 年度の互助会の特別企画として、3 月 25 日
(金)から開催されている「愛・地球博見学旅行」が企
画され実施された。
旅行は、5月8日(日)
、6月1日(水)
、8月7日(日)
、
8 月21 日(日)
、9 月4 日(日)の計5回実施され、延べ、
バス8 台、参加者は会員・家族で計298名となった。
当初出足が遅く、不人気かと思われた地球博も終盤に
は連日多数の入場者であふれ、会場内のいたるところで
長蛇の列ができるようになった。当互助会が実施した最
初の5 月8 日は7 万8 千人程度であった入場者が、最終回
猛暑の期間でもあり、参加者の熱中症など心配される
こともあったが無事終了することができた。
(人事厚生課 大戸和雄記)
の9 月4 日には19 万3 千人に達した。
山の天気は下界とは大きく異なることを実感した。
立山旅行は、毎年実施されているが、何度訪れても新
たな発見と感動があった。ミクリガ池に映る山影、山肌
夏恒例の立山・室堂バス旅行が、7月31日(日)に実
施された。
天気予報によれば、当日の北陸地方は雨。行き先を飛
に残る雪模様、地獄谷の噴煙、血の池の造形は、何度眺
めても飽きることがない。
幾度訪れても新鮮で新たな発見があるということが互
騨高山に変更も考えられたが、旅行社の情報によれば立
助会会員からの根強い人気に結びつき毎年継続されてい
山は晴れているとのことであり、不安ながらも行き先を
るゆえんではないかと思われる。
立山に決定し、大学を出発した。
室堂到着時の天候はくもり、気温 12 度。夏とは思え
下山の集合時刻近くとなり、室堂ターミナルで遅い昼
食をとっていると、私たちの帰る時刻まで待ってくれて
ないくらいの涼しさで、下山時刻までこのような天候が
いたかのように冷たい雨が降りだしたが、参加者一同、
続いた。しかし下界の天候は終日雨だったとのことで、
無事大学に帰着した。
(教学課 土田壮一記)
非常に高く天候が危惧されたが、予想に反して青空と陽
光に恵まれ秋を満喫する一日となった。
(人事厚生課 大戸和雄記)
秋のバス旅行として、10月30日(日)黒部渓谷の紅葉
見学が企画され実施された。この企画は本学からは比較
的近距離にあるとはいえ、なかなか行く機会のない場所
として、互助会会員などからの要望をもとに企画された。
旅行は早朝6時30分に大学を出発、宇奈月駅9 時発の
トロッコ電車に乗り、ある程度予想されたこととはいえ
電車に吹き込む風の冷たさの中、深い渓谷と色づき始め
た絶壁に近い山々の斜面に感嘆しながら終点の欅平に向
かった。欅平でひと時の散策を終え再び約1時間20分の
帰路のトロッコ電車に乗車し宇奈月駅に帰着した。宇奈
月では昼食を取り、温泉に浸かり冷えた体を十分に温め
大学への帰路についた。数日前の天気予報で雨の確率が
金 医 大 学 報
48
資 料
規程の改正・制定
金沢医科大学病院規程
(平成17年7月1日改正)
金沢医科大学病院製造販売後調査取扱細則
(平成17年8月1日改正)
金沢医科大学駐車場管理委員会規程 (平成17年8月1日改正)
金沢医科大学病院診療情報管理委員会規程
(平成17年8月1 日改正)
金沢医科大学副学長に関する規程 (平成17年8月1日改正)
金沢医科大学人事委員会規程
(平成17年9月1日改正)
金沢医科大学臨床教授に関する規程 (平成17年9月1日改正)
金沢医科大学教授(特任)に関する規程
(平成17年9月1 日改正)
金沢医科大学臨床助教授に関する規程(平成17年9月1日改正)
医学部学内講師の委嘱に関する内規 (平成17年9月1日改正)
金沢医科大学教育職員選考規程
(平成17年9月1日改正)
金沢医科大学病院衛生委員会規程 (平成17年9月30日廃止)
金沢医科大学病院衛生委員会規程 (平成17年10月1日制定)
金沢医科大学病院部科長会規程
(平成17年10月1日改正)
金沢医科大学病院病院連絡会規程 (平成17年10月1日改正)
金沢医科大学病院規程
(平成17年10月1日改正)
金沢医科大学病院診療科長・中央診療部門部長等任用規程
(平成17年10月1日改正)
学校法人金沢医科大学寄附行為
(平成17年10月5日改正)
医学部教授会
第 726回 平成17年7月14日(木)
議題(人事関連等)
1 前回(第725回)議事録確認について
2 教授選考委員会委員の選任について
3 腫瘍治療学助教授候補者の選考について
4 放射線診断治療学(放射線医学)助教授候補者の選考に
ついて
5 教育職員の選考に係る規程について
6 教員採用について
7 辞職について
8 外国出張について
9 非常勤講師委嘱について
10 臨床教授(学外)委嘱について
11 非常勤講師派遣について
12 その他
議題(教学関連)
1 平成17年度一般聴講生の受入について
2 その他
〈報告事項〉
1 教務部からの報告について
2 金沢医科大学雑誌の通常投稿論文及び 30 周年記念号の投
稿論文の募集について
3 その他
第 727回 平成17年7月28日(木)
議題(人事関連等)
1 前回(第726回)議事録確認について
2 教員採用について
3 辞職について
4 外国出張について
5 短期研究員の研究期間延長について
6 その他
議題(教学関連)
1 その他
〈報告事項〉
1 入試説明会及びオープンキャンパスの開催について
2
3
4
金沢医科大学医学会30周年記念式典終了について
金沢医科大学国際交流20周年記念行事について
その他
第728回 平成17年8月25日(木)
議題(人事関連等)
1 前回(第727回)議事録確認について
2 「医学部学内講師の委嘱に関する内規」の一部改正につ
いて
3 教員採用について
4 辞職について
5 外国出張について
6 外国出張期間延長について
7 休職について
8 非常勤講師委嘱について
9 非常勤講師派遣について
10 その他
議題(教学関連)
1 平成 18 年度入学試験(推薦・一般・編入学・特別推薦入
学(AO入試)
)の各委員について
2 平成 18 年度特別推薦入試(AO 入試)の受験資格及び出
願要件について
3 その他
〈報告事項〉
1 副学長の選考について
2 教務部副部長、学生部副部長の選考について
3 平成17年度教育研究費傾斜配分額について
4 平成18年度入学試験説明会実施報告について
5 有害薬品及び廃液等保管状況調査について
6 その他
第729回 平成17年9月8日(木)
議題(人事関連等)
1 前回(第728回)議事録確認について
2 教授選考委員会委員の選任について
3 その他
〈報告事項〉
1 昇任について
2 外国出張について
3 客員教授委嘱について
4 非常勤講師派遣について
5 その他
議題(教学関連)
1 その他
〈報告事項〉
1 平成 17 年度金沢医科大学オープンキャンパスの実施報告
について
2 平成18年度特別推薦入試(AO入試)出願状況について
3 平成 18 年度科学研究費補助金(文部科学省・日本学術振
興会)の公募について
4 その他
第730回 平成17年9月22日(木)
〈議題〉人事関連等
1 前回(第729回)議事録確認について
2 その他
〈報告〉
1 教授(特任)候補者について
2 助教授候補者について
3 教員採用について
4 医学部学内講師委嘱について
5 辞職について
6 外国出張について
7 外国出張期間延長について
8 客員教授委嘱について
9 その他
教学関連議題
1 平成18年度入学試験に係る授業の取り扱いについて
第122号/2005.5
金 医 大 学 報
2 その他
報告事項
1 平成17年度内灘祭について
2 教務部からの報告について
3 教育学術情報管理システムの導入について
4 平成18年度科学研究費補助金公募要領説明会について
5 その他
協議事項
1 教員評価について
第 731回 平成17年9月27日(火)
教学関連議題
1 18 年度特別推薦入学試験(AO 入試)第 1 次選考合格者
の決定について
2 その他
大学院医学研究科教授会
第333回 平成17年7月28日(木)
議題
1 前回(第332回)議事録確認について
〈報告事項〉
1 外国人大学院生の受け入れについて
第334回 平成17年9月8日(木)
議題
1 前回(第333回)議事録確認について
2 学位授与の可否決定について
〈報告事項〉
1 平成17年度大学院講座研究費の追加交付について
第335回 平成17年9月22日(木)
議題
1 前回(第334回)議事録確認について
平成17年度
49
2 学位論文本審査委員の選出について
(報告事項〉
1 第33回論文博士外国語試験の実施報告について
2 大学院新専攻担当教員追加審査の申請結果について
総合医学研究所教授会
第190回 平成17年7月21日(木)
議題
1 前回(第189回)議事録確認について
2 外国出張について
3 平成17年度市民公開セミナー(最終案)について
4 平成17年度業績評価基準の見直しについて(継続)
5 総医研研究費(所長裁量政策的経費)の使途について
6 全学禁煙運動における総医研の対応について
〈報告事項〉
1 平成17年度旧HRC1・2施設使用申請者について(追加)
2 次回開催日について
第191回 平成17年9月13日(火)
議題
1 前回(第190回)議事録確認について
2 外国出張について
3 平成17年度実験動物慰霊祭について
4 総医研研究費(所長裁量政策的経費)の使途について
(継続)
〈報告事項〉
1 平成17年度旧HRC1・2施設使用申請者について(追加)
2 移転の進捗状況について
3 研究セミナーの開催場所変更について
4 次回開催日について
教育職員外国出張一覧(上半期)
氏名、所属職名、開催国、期間、学会名等、発表演題名等の順で記載した。
杉江 茂幸 腫瘍病理学(病理学Ⅰ)教授(特任) アメリカ合衆国 H17.4.16 ∼ 22 American Association for Cancer
Research 96th Annual Meeting, Chemopreventive effects of yeast, Zinc(Zn) and enriched Zn yeast on 4-nitroquinorine oxideinduced rat tongue carcinogenesis.
甲野 裕之 腫瘍病理学(病理学Ⅰ)助教授 アメリカ合衆国 H17.4.16 ∼22 American Association for Cancer Research
96th Annual Meeting, β-Catenin mutations in colonic adenocarcinomas in male ICR mice initiated with three different colonic carcinogens(2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine,azoxymethane and 1,2-dimethylhydraine) and promoted by dextran
sodium sulfate.
飯塚 秀明 脳脊髄神経治療学(脳神経外科学)教授 アメリカ合衆国 H17.4.17 ∼ 21 2005 AANS Annual Meeting,
Growth inhibition of glioblastoma cells by transfection of HMGI-C gene.
梶波 康二 循環制御学(循環器内科学)教授 アメリカ合衆国 H17.4.27∼5.2 6th Annual Conference on Arteriosclerosis,
Thrombosis, and Vascular Biology, American Heart Association, Effects of estrogen receptor-alpha gene on HDL cholesterol
response to atorvastatin.
赤尾 浩慶 循 環 制 御 学 ( 循 環 器 内 科 学 ) 助 手 ア メ リ カ 合 衆 国 H17.4.27 ∼ 5.4 6th Annual Conference on
Arteriosclerosis,Thrombosis,and Vascular Biology, American Heart Association, Plasma osteopointin levels are associated with vascular ibflammation.
三浦 克之 健康増進予防医学(公衆衛生学)助教授 アメリカ合衆国 H17.4.28 ∼ 5.4 The 45th Annual Conference on
Cardiovascular Disease Epidemiology and Prevention, the Ameri can Heart Association, C-reactive protein is related to waist-toheight ratio independently from body mass index in Japanese.
松原 純一 心血管外科学(胸部外科学)教授 韓国 H17.4.29 ∼ 5.1 The 4th Korea-Japan Joint Meeting for Vascular
Surgery. 座長
飛田 研二 心血管外科学(胸部外科学)講師 韓国 H17.4.29 ∼ 5.1 The 4th Korea-Japan Joint Meeting for Vascular
Surgery, Long-Term result of femoropopliteal bypass surgery using EXS(Non coated knitted Dacron) prosthesis.
佐々木 洋 感覚機能病態学(眼科学)講師 アメリカ合衆国 H17.4.29 ∼5.7 The Association for Reseach and Vision in
Ophthalmology, 1:The association between lens opacities and five year's mortality -reykjavik eye study-, 2:The protective effect of
wine intake on five year's incidence of cataract -Reykjavik eye study-.
【資料】
金 医 大 学 報
50
島
一郎 感覚機能病態学(眼科学)助手 アメリカ合衆国 H17.4.29 ∼5.5 The Association for Reseach and Vision in
Ophthalmology, Expresion of various matrix metalloproteinases in the surgical wounds after glaucoma filtration surgery.
小島 正美 感覚機能病態学(眼科学)講師 アメリカ合衆国 H17.4.30 ∼5.8 The Association for Reseach and Vision in
Ophthalmology, The acute effects of millimeter-wave exposure to the eye.
永井 康太 感覚機能病態学(眼科学)助手 アメリカ合衆国 H17.4.30 ∼5.7 The Association for Reseach and Vision in
Ophthalmology, The refractive error of pseudoexfoliation syndrome in Iceland and Japan.
金田 穣次 感覚機能病態学(眼科学)助手 アメリカ合衆国 H17.5.1 ∼ 8 The Association for Reseach and Vision in
Ophthalmology, Anterior chamber depth and intraocular pressure changes after uneventful phacoemulsification in eyes without glaucoma.
藤田 拓也 運動機能病態学(整形外科学)講師 アメリカ合衆国 H17.5.6∼12 International Society for the Study of the
Lumber Spine, Involvement of apoptotic cell death in compression-induced degeneration of intervertebral disc in rat.
藪野 喜剰 健康管理センター助手 アメリカ合衆国 H17.5.7∼14 International Society for Magnetic Resonance in Medicine
13th Scientific Meeting & Exhibition, Diffusion-weighted SPLICE MR Imaging of the salivary gland in patients with Sjogren
Syndrome.
利波 久雄 放射線診断治療学(放射線医学)教授 アメリカ合衆国 H17.5.7 ∼ 14 International Society for Magnetic
Resonance in Medicine 13th Scientific Meeting & Exhibition, Diffusion-weighted SPLICE MR imaging of the salivary gland in
patients with Sjogren Syndrome.
栂
博久 呼吸機能治療学(呼吸器内科学)教授 アメリカ合衆国 H17.5.18 ∼27 ATS 2005 International Conference,
Inspiratory flow limitation during wakefulness in patients with obstructive sleep apnes.
長内 和弘 呼吸機能治療学(呼吸器内科学)助教授 アメリカ合衆国 H17.5.19∼27 ATS 2005 International Conference,
Chocolate mice, a phenotype of rab38 mutation, Show abnormal kinetics of lung surfactant and develop pulmonary emphysema.
黄
正寿 呼吸機能治療学(呼吸器内科学)講師 アメリカ合衆国 H17.5.21 ∼27 ATS 2005 International Conference,
Sensitivity and specificity of the cardiogenic flow oscillation method to detect inspiratory flow limitation in patients with obstructive
sleep apnea.
佐久間 勉 呼吸機能治療学(呼吸器外科)教授(特任) アメリカ合衆国 H17.5.21 ∼ 26 ATS 2005 International
Conference, Epinephrine dependent stimulation of alveolar fluid clearance in the human lung is CFTR dependent.
野 真澄 生体感染防御学(微生物学・医動物学)助手 オランダ H17.5.21 ∼31 ⅩⅢth Meeting of the European Study
Group on the Molecular Biology of Picornaviruses, A single amino acid change of leader protein of theiler's murine
encephalomyelitis virus(TMEV)affects its growth activity.
八田理恵子 呼吸機能治療学(呼吸器内科学)研究医 アメリカ合衆国 H17.5.22∼27 ATS 2005 International Conference,
Chocolate mice, a phenotype of rab38 mutation, show abnormal kinetics of lung surfactant and develop pulmonary emphysema.
小島 正美 感覚機能病態学(眼科学)講師 中国 H17.5.25 ∼28 JICA 草の根技術協力事業「低所得農民層の失明実態
究明と対策のための人材育成」事前調査。
高
永煥 発生発達医学(小児科学)臨床教授 アメリカ合衆国 H17.6.1 ∼8.1 川崎病におけるEB ウイルス関連スー
パー抗原の役割についての研究(タフツ大学)
。
友杉 直久 腎機能治療学(腎臓内科学)助教授 トルコ H17.6.2 ∼10 ⅩLⅡ ERA-EDTA Congress, Hepcidin as the marker of erythropoiesis in hemodialysis patients.
山谷 秀喜 腎機能治療学(腎臓内科学)助手 トルコ H17.6.2 ∼10 ⅩLⅡ ERA-EDTA Congress, Hepcidin as the marker
of erythropoiesis in hemodialysis patients.
廣瀬 優子 血液免疫制御学(血液免疫内科学)教授(特任) スイス H17.6.4 ∼ 14 9th International Conference on
Malignant Lymphoma, EBV Association with peripheral T-cell lymphoma.
古家 大祐 内分泌代謝制御学(内分泌内科学)教授 アメリカ合衆国 H17.6.8∼16 ADA 2005, 1:Association of ELMO1
and diabetic nephropathy in Japanese subjects with type2, diabetes 2:Silent information regulator 2 protects oxidative stress-induced
apoptosis in murine mesangial cells.
相野田紀子 医学教育学助教授 アメリカ合衆国 H17.6.11 ∼ 20 「行動科学・人間関係教育カリキュラム」米国医科大
学視察。
牧野田 知 生殖周産期医学(産科婦人科学)教授 デンマーク H17.6.18∼26 21st Annual Meeting of European Society of
Human Reproduction and Embryology, Effect of gelatinase inhibitor on the ovulatory process.
藤井 亮太 生殖周産期医学(産科婦人科学)講師 デンマーク H17.6.18∼28 21st Annual Meeting of European Society of
Human Reproduction and Embryology, Effect of gelatinase inhibitor on the ovulatory process.
小島 正美 感覚機能病態学(眼科学)講師 アイルランド H17.6.19∼26 Bioelectromagnetics 2005, Experimental setup
to investigate ocular changes induced by millimeter-wave exposure.
大瀧 祥子 人間科学科目(外国語)教授(特任) アメリカ合衆国 H17.6.21 ∼ 26 ハワイ大学医療セミナー「Learning
from the Differences」参加
友田 幸一 感覚機能病態学(耳鼻咽喉科学)教授 イタリア H17.6.25 ∼ 29 ⅩⅧ World Congress of International
Federation of Oto-Rhino-Laryngological Society, The application of navigation system to nose and paranasal sinuses operation in
Japan.
吉竹 佳の ゲノム医科学(生化学)助教授 ハンガリー H17.7.1∼8 30th FEBS Congress & 9th IUBMB Conference, A
novel centrosomal protein, Cep57 stabilizes microtubules in vivo and binds FGF-2 in vitro.
元雄 良治 腫瘍治療学教授 韓国 H17.7.5 ∼ 9 2nd Informal Consultation on Development of Evidense-based Clinical
Practice Guidelines in Traditionarl Medicine, Current use of Kampo herbal medicines in Japan. 出席・発表
西条 旨子 健康増進予防医学(公衆衛生学)講師 タイ H17.7.8 ∼16 タイ王国メーソット地区のカドミウム汚染地域
住民の腎障害に関する健康影響調査。
佐々木 洋 感覚機能病態学(眼科学)教授 中国 H17.7.15 ∼17 JICA 草の根技術協力事業「低所得農民層の失明実態
究明と対策のための人材育成」事前調査。
小島 正美 感覚機能病態学(眼科学)講師 中国 H17.7.15 ∼21 JICA 草の根技術協力事業「低所得農民層の失明実態
究明と対策のための人材育成」事前調査。
第122号/2005.5
金 医 大 学 報
51
神田 享勉 総合内科学(総合診療科)教授(特任) アメリカ合衆国 H17.7.24 ∼ 28 2nd Annual Symposium of the
American Heart Association Council on Basic Cardiovascular Sciences, Reduced-Energy diet improves the survival of viral
myocarditis in obese mice:Relation to cardiac adiponectin expression.
藤田 拓也 運動機能病態学(整形外科学)講師 アメリカ合衆国 H17.7.27∼31 M.A.S.T. Sextant Training Course, 腰椎
神経根障害に対するMETRx System の手術手技と有用性について講演。
上田 善道 病理病態学(病理学Ⅱ)教授(特任) アメリカ合衆国、カナダ H17.7.27 ∼8.1 バーモント大学医学研修引
率および交流協議、マギール大学医学部訪問。
杉田 真 呼吸機能治療学(呼吸器外科)講師 アメリカ合衆国、カナダ H17.7.27 ∼8.1 バーモント大学医学研修引
率および交流協議、マギール大学医学部訪問。
奥田 鉄人 運動機能病態学(整形外科学)講師 ブラジル H17.7.29 ∼8.7 World Spine Ⅲ, Relationship between cage
position anddisc angla at the fused level in posterior lumbar interbody fusion.
中川 秀昭 健康増進予防医学(公衆衛生学)教授 ベトナム H17.8.6 ∼10 ベトナムにおけるダイオキシンの健康影響
に関する国際共同研究の調査打ち合わせ。
望月 隆 環境皮膚科学(皮膚科学)教授 タイ H17.8.14 ∼28 熱帯感染症臨床研修コース参加。
坂本 滋 心血管外科学(胸部外科学)臨床教授 アメリカ合衆国 H17.8.21 ∼ H17.8.26 2005 Lillehei Memorial
Workshop for Japanese Surgeons. 参加
西条 旨子 健 康 増 進 予 防 医 学 ( 公 衆 衛 生 学 ) 講 師 タ イ H17.8.21 ∼ 27 The ⅩⅦ th IEA World Congress of
Epidemiology,Research meetings in Chiang Mai University in Thailand, 1:Mortality in residents of a cadmium polluted area, -Dose
response relationships-, 2:Causes of death among inhabitants with renal tubular dysfunction induced by environmental cadmium
exposure. 発表および研究打ち合わせ
鴨田佐知子 精神神経科学(神経精神医学)助手 フランス H17.8.26∼9.4 26th International Epilepsy Congress, Memory
function assessed by functional MRI in normal subjects and patients with epilepsy.
地引 逸亀 精神神経科学(神経精神医学)教授 フランス H17.8.27∼9.3 26th International Epilepsy Congress, Memory
function assessed by functional MRI in normal subjects and patients with epilepsy.
堀
有行 医学教育学助教授 オランダ H17.8.30 ∼9.4 An International Association for Medical Education, A letter from
the sufferer in PBL tutorial.
岩崎 真三 精神神経科学(神経精神医学)講師 エジプト H17.9.10 ∼17 ⅩⅢ World Congress of Psychiatry, A study of
functional MRI on verbal and visual memory tasks in nomal and partial epileptic subjects.
高島 茂樹 消化器外科治療学(消化器外科学)教授 イタリア H17.9.13 ∼ 21 ECCP/EACP 2nd Annual Meeting,
Review of the use of local ablation for liver metastases from colon cancer.
吉谷新一郎 消化器外科治療学(消化器外科学)学内講師 イタリア H17.9.13 ∼ 21 ECCP/EACP 2nd Annual Meeting,
Transanal endoscopic microsurgery (TEM) for early rectal Cancer.
川上 重彦 機能再建外科学(形成外科学)教授 アメリカ合衆国 H17.9.16∼26 Plastic Surgery 2005.参加及び手術材料
開発打ち合わせ
森河 裕子 健康増進予防医学(公衆衛生学)講師 オランダ H17.9.17 ∼24 17th International Symposium on Shiftwork
and Working Time, Length of shift work and cardiovascular risk factors.
小泉 葉月 精神神経科学(神経精神医学)助手 ギリシャ H17.9.18 ∼ 25 ⅩⅩⅩⅤ Annual Congress of the EABCT,
Postpartum onset of obsessive-compulsive disorder: A multidimensional approach.
中川 秀昭 健康増進予防医学(公衆衛生学)教授 中国 H17.9.18 ∼29 海外派遣労働者における環境変化、過重労働
とメンタルヘルスに関する調査。
石橋 隆治 生体情報薬理学(薬理学)助教授 ドイツ H17.9.21 ∼ 28 5th International Symposium on the Biology of
Endothelial Cells, Could nitrite(NO2) and nitrosothiols be indexes of endothelial nitric oxide(NO) formation?:Presence,changes and
relationship to hemodynamic changes with or without endothelial stimulation.
小島 正美 感覚機能病態学(眼科学)講師 中国 H17.9.21 ∼24 JICA 草の根技術協力事業「低所得農民層の失明実態
究明と対策のための人材育成」の事前調査。
古家 大祐 内 分 泌 代 謝 制 御 学 ( 内 分 泌 内 科 学 ) 教 授 韓 国 H17.9.22 ∼ 25 4th Japan-Korea Diabetes Seminar,
Kremezin(AST-120) ameliorates the progression of mild to moderate stages of chronic kidney disease in type 2 diabetes.
中野 茂 内 分 泌 代 謝 制 御 学 (内 分 泌 内 科 学 )助 教 授 韓 国 H17.9.22 ∼ 25 4th Japan-Korea Diabetes Seminar,
Kremezin(AST-120) ameliorates the progression of mild to moderate stages of chronic kidney disease in type 2 diabetes.
福田 雅隆 内 分 泌 代 謝 制 御 学 ( 内 分 泌 内 科 学 ) 助 手 韓 国 H17.9.22 ∼ 25 4th Japan-Korea Diabetes Seminar,
Kremezin(AST-120) ameliorates the progression of mild to moderate stages of chronic kidney disease in type 2 diabetes.
佐々木 洋 感覚機能病態学(眼科学)教授 中国 H17.9.22 ∼24 JICA 草の根技術協力事業「低所得農民層の失明実態
究明と対策のための人材育成」の事前調査。
野島 孝之 病態診断医学(臨床病理学)教授 シンガポール H17.9.24 ∼10.1 1:International Skeletal Society 2:The 3rd
Annual ISS Pathology Refresher Course, 1:Chondroblastoma 2:session XII:Fibrous lesions.
牧野田 知 生殖周産期医学(産科婦人科学)教授 カナダ H17.9.24∼28 15th World Congress on Ultrasound in Obstetrics
and Gynecology, Analysis of the hemodynamics of the renal artery and descebding aorta in fetuses with renal disease using color
Doppler ultrasound - Longitudinal comparison to normal fetuses-.
井浦 俊彦 生殖周産期医学(産科婦人科学)講師 カナダ H17.9.26 ∼ 10.1 15th World Congress on Ultrasound in
Obstetrics and Gynecology, Analysis of the hemodynamics of the renal artery and descebding aorta in fetuses with renal disease
using color Doppler ultrasound - Longitudinal comparison to normal fetuses-.
川原 弘 消化器機能治療学(消化器内科学)助教授 韓国 H17.9.27 ∼ 29 Asian Pacific Digestive Week 2005,
Oxidative stress and mutations of a mitochondrial DNA in the experimental mouse model of NASH.
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 中華人民共和国 H17.4.2 ∼5 JICA プロジェクトについ遼寧省日本領事館
副領事とのヒヤリング。
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 アメリカ合衆国 H17.4.27 ∼ 5.7 ARVO(The Association for Research in
Vision and Ophthalmology), The acute effects of millimeter-wave exposure to the eye.
【資料】
金 医 大 学 報
52
信川 高寛 タキサス研究部門教授 アメリカ合衆国 H17.5.12 ∼18 第5回米国臨床免疫学会, Effects of taxus yunnanensis for the pain on patients with rheumatoid arthritis.
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 中華人民共和国 H17.5.25 ∼31 JICA調査地の事前調査。
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 アイルランド H17.6.19∼29 Bioelectromagnetics 2005, Experimental setup to
investigate ocular changes induced by millimeter-wave exposure.
竹上 勉 分子腫瘍学研究部門教授 アメリカ合衆国 H17.7.22∼8.1 Joint Meeting of the 3 Divisions of the International
Union of Microbiological Societies 2005, Biological significance of 3'UTR and effect of RNAi on Japanese, Encephalitis Virus
Replication.
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 中華人民共和国 H17.7.15 ∼19 JICA2005 年プロジェクト活動についての
現地での協議。
松井 忍 先進医療研究部門教授 スウェーデン H17.9.3∼11 The ESC Congress 2005.
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 中華人民共和国 H17.9.4 ∼7 2005 年度JICA プロジェクトについて中国医
大、外務省との協議。
佐々木一之 環境原性視覚病態研究部門教授 中華人民共和国 H17.9.19 ∼24 2005 年度JICA プロジェクトについて中国
医大、外務省との協議。
竹上 勉 分子腫瘍学研究部門教授 シンガポ−ル H17.9.27 ∼ 10.1 2nd Asian Regional Dengue Research Network
Meeting, Inhibitory effect of RNAi on Japanese encephalitis virus replication and biological roles of 3' UTR.
第124号/2005.11
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金 医 大 学 報
金沢医科大学学術振興基金募金について
金沢医科大学学術振興基金募集趣意書
本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医を育成する
こと、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを建学の精神として掲げ
て着実に歩み続けてまいりました。
大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆様充分にご
承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くすとともに、基礎・臨床
医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と研究の推進に日夜努力いたしてお
ります。
教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒業生が誕生し
て以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。
研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など医療の先端
的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯医学・基礎医学・共同
研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台においても躍進を続けており、欧米の一
流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなどを通じて国際レベルの学術環境の整備にも意
を尽くしております。
診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教育のみなら
ず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの医療サービスを提供す
ることにも十分な配慮をしてまいりました。
また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の医科大学の中
ではトップクラスの実績を持っております。
しかしながら、この様な積極的な教育、学術及び医療活動を維持継続していくためには巨額の資金が必要で、学納金、国
庫補助金、附属病院の医療収入などの収入だけでは健全な経営は不可能であり、教育、研究、診療活動を萎縮させる恐れが
あります。
このために、本学では文部科学省の許可を得て学術振興基金の募集を行っており、広く本学教職員、卒業生、学生の父兄
をはじめ、民間企業、篤志家の多くの皆様のご支援をお願い申し上げる次第であります。
日進月歩の医学の進歩に即応した最新の教育、研究及び診療環境を維持するにとどまらず、未来に向けてさらなる貢献と
飛躍を目指して、全学を挙げて努力いたし、社会的使命を果たし得たいと念願しております。
本趣旨にご理解、ご賛同を頂き、ご協力を賜りますれば誠に幸甚に存じます。
学校法人金沢医科大学 理事長
小田島 粛夫
募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。
1. 目的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医療の充
実のため活用させていただきます。
2. 目標額: 10億円
3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、一
般有志者並びに医学研究機関及び医療関係企業・団体等
4. 学術振興基金へのご寄付は、
「特定公益増進法人寄付
金(個人のご寄付)
」及び「受配者指定寄付金(法人
のご寄付)
」による所得税、法人税の優遇措置を受け
ることが出来ます。
5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業推進室
あてにご請求ください。(TEL 076-286-2211 内線
2720 ∼ 2724 FAX 076-286-8214)折り返し、手続方
法、税務に関することなどについてご説明いたします。
金沢医科大学学術振興基金への寄付者ご芳名(過去1年間の分、敬称略)
まほろば会(石川県)
仲里 博彦(沖縄県)
干場 納(埼玉県)
福嶋 正孝(福岡県)
西納 二郎(大阪府)
㈲八田物産(石川県)
㈱アクト (石川県)
湊 浩志(石川県)
萩原 哲郎(福井県)
三木 英夫(長野県)
板垣 和夫(東京都)
梶本 展孝(大分県)
花田 紘一(福岡県)
池田 輝明(長野県)
丸文通商㈱(石川県)
勘田 秀昭(石川県)
角田 弘一(石川県)
黄田 清文(大阪府)
大島 譲二(埼玉県)
福井 勝己(京都府)
医療法人社団前川クリニック(富山県)
三好 研造(千葉県)
小田 政行(岐阜県)
鈴鹿 正剛(奈良県)
辻 外幸(富山県)
鈴木 昌和(長野県)
藤田 克(富山県)
藤田 玲子(富山県)
杉田 達(東京都)
小嶋昭次郎(岐阜県)
小西 秀男(富山県)
小西 啓子(富山県)
山本 眞平(岐阜県)
中山 治樹(京都府)
糸田川誠也(徳島県)
三治 秀哉(石川県)
大山 充徳(群馬県)
梅田 俊彦(石川県)
安威 正樹(京都府)
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金 医 大 学 報
本学では、多くの分野でインターネットが利用されています。Web、Mail、ライブや VOD(ビデ
オ・オン・デマンド)はもとより、文献検索、地域の医療機関や全国の同窓生との連携、各種事業の
公示に利用されているほか、学内イントラネットも拡充されています。教育・研究・医療の分野で
大いに活用されることを期待します。
(広報委員会)
金沢医科大学報 第124号
平成 17 年 11 月 15 日発行
「ツール・ド・のと400」へ発進
今年で 17 回目を迎えた「ツール・ド・のと 400」
は、白山市をスタートして能登半島を 3 日がかりで
一周、400 キロ余りの行程を走るという伝統あるサ
イクリング競技である。スピード競技ではなく、交
通規則と大会規定を守って完走した人が表彰され
る。今年も 1000 名以上の人が参加し、9 歳から 75 歳
の人が完走した。9 月 17 日朝、能登半島の入口とな
る大学前の内灘大橋を元気よく走りぬけて行った。
発行者 金沢医科大学理事長 小田島 粛 夫
編 集 金沢医科大学概要・学報編集委員会
山下公一
土田英昭
原 亮
辻口徹子
木村晴夫
中谷 渉
森 茂樹
坂田慎一
國府克己
芝本利重
相野田紀子
大石勝昭
小平俊行
寺井明夫
丸谷 良
中川美枝子
平井圭一
木越俊和
太田隆英
坂井輝夫
今村吉克
野沢幸雄
中嶋秀夫
発行所 金沢医科大学出版局
(いしだきょうこ、1958 年東京生れ。「木語」同人、句集『秋の
顔』で俳人協会新人賞(96 年)受賞。俳人協会会員、日本文藝
家協会会員。著書に『俳句・季語入門全 5 巻』ほか多数。俳誌
「椋」代表。)
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1−1
TEL 0 7 6 (2 8 6) 2 2 1 1
印刷 能登印刷株式会社