2009 年 1 月 6 日 大阪経済記者クラブ 各位 社団法人関西経済連合会 大阪湾パネル・ベイの物流需要調査結果について 大阪湾ベイエリアは、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル、太陽電池、 リチウムイオン二次電池の大型工場の立地・増設により、その高い世界シェア から「大阪湾パネル・ベイ」と呼ばれており、今後、その物流を支えるインフ ラの整備・活用が重要課題になってくると考えられます。 そこで、関西経済連合会では、大阪湾パネル・ベイと呼ばれる新工場を稼動、 工場を増設される主要な企業を対象にしたヒアリング調査をもとに、稼動後の 製品に関する物流需要(特に国際物流需要)を推計いたしました。今般、その 結果をとりまとめましたので、発表いたします。 今後、この物流需要調査結果をもとに、関西経済連合会では、国際物流戦略 チームとも連携し、①関西の陸海空にわたる物流インフラの的確な整備推進や 機能強化に向けた国・自治体への働きかけ、②関西国際空港の貨物便、阪神港 の航路の誘致によるネットワークの強化に向けた航空会社・船社へのプロモー ション等に有効活用したいと考えております。 【調査対象】 (1)パナソニック IPSアルファテクノロジ液晶パネル工場(姫路市) パナソニックプラズマディスプレイPDP第5工場(尼崎市) リチウムイオン電池工場(大阪市住之江区) (2)シャープ 液晶パネル工場(堺市)、太陽電池工場(堺市) (3)三洋電機 三洋エナジー南淡電池工場増設(南あわじ市) 三洋エナジートワイセル電池工場増設(貝塚市) 1 【調査結果】 ○ 2010 年春までに完成する大阪湾パネル・ベイの新工場の投資額は、1 兆 1,860 億円であり、2010 年に 320 千トン/年、2015 年に 513 千トン/年の 物流が発生すると推計される。うち、海上コンテナは 2015 年に約 39 千 TEU/年、航空貨物は 2015 年に 37.2 千 t/年となる。 ○ 特に、2015 年の年間航空貨物量は、関西国際空港の 2007 年度輸出貨物 量の1割近くになると見込まれる。フル稼働のパネル・ベイの航空貨物 需要には、週 20 便強の貨物便が必要となる(B767、30t 搭載で換算)。 関西国際空港発着の貨物便への利用ニーズが高まることは確実とみら れ、航空ネットワーク充実の取り組みが必要となる。 ○ 海上貨物については、パネル・ベイの物流の大部分を取り扱うことから、 スーパー中枢港湾・阪神港の機能強化や利便性向上を着実に進めるとと もに、基幹航路の充実の取り組みが必要となる。 大阪湾パネル・ベイの新工場にかかる物流量推計まとめ 2010 年 物流発生量 (千 t/年) 輸出貨物量 (千 t/年) 同 TEU 換算 2015 年 合計 320.0 100% 513.0 100% 国内向け 輸出 52.6 267.4 16.4% 83.6% 78.4 434.6 15.3% 84.7% 267.4 100% 434.6 100% 航空貨物 海上貨物 22.2 245.2 8.3% 91.7% 37.2 397.4 8.6% 91.4% 海上貨物 24,339 100% 39,387 100% 輸出合計 本件のお問い合わせ先: (社)関西経済連合会 地域連携部長 藤原 ℡ 06-6441-0107 以 上 2 大阪湾パネル・ベイの航空貨物需要調査結果(関西経済連合会による調査推計) ○大阪湾ベイエリアには、液晶パネルやプラズマディスプレイパネル、太陽電池、リチウムイオン電池の一大 生産拠点の建設が進んでいる。2009年から2010年春までに完成が予定されている。 ○パネルベイからの出荷貨物は75%以上が輸出向け。海上輸送が多いが、航空輸送も相当規模になる。 [姫路]IPSアルファテクノロジ TV用液晶パネル 投資額 約3,000億円 稼働予定 2010年1月 [住之江]パナソニック リチウムイオン二次電池 [尼崎]パナソニック プラズマTV用パネル(第5) 姫路 投資額 約2,800億円 投資額 約1,000億円 稼働予定 (第5) 2009年5月 稼働予定 2010年4月 [堺]シャープ他 TV用液晶パネル工場等 尼崎 住之江 パネル・ベイの6工場から出荷される航空貨物量は、 フル稼働時で、現在の関空の輸出貨物量の1割近く になると見込まれる。(各社ヒアリングより推計) 2010年 年間2万2,200トン(1,850トン/月) 2015年 年間3万7,200トン(3,100トン/月) 関西国際空港 南淡路 [南淡路]三洋電機 リチウムイオン二次電池 投資額 約200億円 稼働予定 2009年春 主な 投資額 シャープ液晶パネル 約3,800億円 シャープ太陽電池 稼働予定 約720億円 2010年3月 堺 貝塚 [貝塚]三洋電機 リチウムイオン二次電池 投資額 約340億円 稼働予定 2009年春 フル稼働のパネルベイの貨物需要には、週20便強の貨物便の増便が必要(B767、30トン搭載で換算)。 関西国際空港発着の貨物便のニーズが高まることは確実!
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