平成 22 年夏号和歌山県 JA 花き情報和歌山県野菜・花き園芸技術員協議会第５回通常総会及び研修会報告 JA 県農営農対策部６月 24 日、JA ビル６階にて、和歌山県野菜・花き園芸技術員協議会第５回通常総会を開催、32 名が参加した。平成 22 年度の事業計画・予算書は議決され、JA 紀州中央本谷会長から新会長に JA 紀の里の田村会長となりました。〈研修会概要〉植物バイオセンターにおける病害検定について県農営農対策部植物バイオセンター九鬼渉病害検定の案内として、LAMP 法、 ELAISA 法、 PCR 法、（イオンクロマトによる汁液分析）の特徴を紹介。 LAMP 法は国産の遺伝子診断技術（栄研化学株式会社）で、県農が農業団体では唯一遺伝子診断法のライセンスを所有し、ウイルス・ウイロイド検定を受託している。特徴は①簡易：試薬を分注し、63℃で 15～１時間インキュベートするだけ、②迅速：反応液の白濁の有無で結果を判定、③精確：遺伝子の６領域を認識するために特異性が高い、④ 安価：設備は蛍光 PCR の１／５となっている。ただし、PCR 法に比べ 10 万倍程度高感度で、特異性も高いため変異の多いウィルスには不向きである。LAMP 法に対応第 314 号 (12) したウイルス・ウイロイドを表１・表２に示す。 ELAISA 検定は抗原抗体反応を利用したタンパク質の検出法で、抗血清が入手できれば手軽に検出できる。変異の多いウイルスに向いている（表３）。 PCR 法は LAMP 法ほどの検出感度はないが、変異の多い病気でも検出できるメリットがあり、遺伝子配列が分かれば検定できる（表４）。新しい病気への対応としては、病名と病表１　LAMP法対応ウイルス（植物バイオセンター検査病害一覧）ウイルス（詳細）キュウリモザイクウイルス、キュウリ、トマト、ダイコンほか39科110余種 CMV トマト黄化えそウイルス、ナス科、キク科など500種以上 TSWV インパチエンスネクロティックスポットウイルス、シクラメンなど INSV CSNV キク茎えそウイルス、キク類ラズベリーブッシュドワーフウイルス、ラズベリーなど RBDV プルヌスネクロティックリングスポットウイルス、ウメ、桃など PNRsV SDV ウンシュウ萎縮ウイルス、温州ミカン CiMV カンキツモザイクウイルス、柑橘リンゴステムグルービングウイルス、カンキツ、リンゴ ASGV TYLCV トマト黄化葉巻ウイルス、トマト CbMV カリブラコアモザイクウイルス、カリブラコア CyMV、ORSV ランのウイルス RaMMV、RoMV ラナンキュラスのウイルス表２　LAMP法対応ウイロイド（植物バイオセンター検査病害一覧）ウイロイド（詳細） CSVd キクわい化ウイロイド、キク類 HSVd ホップわい化ウイロイド、ホップ、スモモなどトマトクロロティックドワーフイロイド、トマト、ペチュニアなど TCDVd CEVd カンキツエキソコーティスウイロイド、カンキツ類 CbVd コリウスブルメイウイロイド、コリウス類 CCｈMVｄキククロロティックモトルウイロイド、キク類ポテトスピンドルチューバ? ウイロイド、ジャガイモ、トマトなど PSTVｄ表３　ELISA法（植物バイオセンター検査病害一覧）ウイルス（詳細）タバコモザイクウイルス、タバコ、トマトほか9科125種 TMV BBWV ソラマメウイルトウイルス、マメ科など TuMV カブモザイクウイルス、スターチスなど CBV キク潜在ウイルス、キク類アルファルファモザイクウイルス、マメ科、ナス科など AMV アンゲロニアフフラワーブレーキウイルス、ゴマノハグサ科など AnFBＶ NeRNV ネメシアリングネクロシスウイルス、ネメシア類 RMV リブグラスモザイクウイルス、ワサビ、タバコなど TRSV タバコ輪点ウイルス、ウリ科、アカザ科など TSV タバコ条斑ウイルス、マメ科、ダリア、ワタなど TAV トマトアスパミーウイルス、トマト、キクなど ToRSV トマト輪点ウイルス、ジャガイモ、トマト、メロンなどポティウイルス属、ジャガイモY、ウメプラムポックスなど POTY BLMoV ブルーベリー葉モザイクウイルス BlScV ブルーベリースコーチウイルス BlShV ブルーベリーショックウイルス BSSV ブルーベリーショーストリングウイルス表４　PCR法（植物バイオセンター検査病害一覧）病　害（詳細）イチゴウイルス SVBV、SCV、SMoV、SMYEV ダリアモザイクウイルス Holland,Portland,D10系統バラ根頭がんしゅ病－ファイトプラズマ－