「平成 26 年度 がんばる先生支援」事業報告について ◎ 研究概要 1 研究コース 平成 26 年度がんばる先生支援 2 研究テーマ 「 現代版 : からくり人形を作ろう グループ研究/今日的課題研究コース 」 ◎ 取り組み内容 ・機械科3年の『課題研究』の授業で、次に示す研究課題を設定し授業実践を行った。また、 本校すべての学科(ファッション工学科・セラミック科・工業化学科・電気科を含む工業 5科)が各々の得意分野を活かし、 「現代版・からくり人形」の制作に参画し、次年度以降 の授業に活かせる研究を行った。 ・機械科の取り組み内容 ①伝統的な「からくり人形」の原理や技術を理解させ、設計図などを示すことにより、 「ものづくり」への生徒の興味・関心を高めた。 ②新たに導入した高性能の木工機械を利用した実習授業を展開し、生徒の技術力の向上 を目指した。具体的には、からくりの技術を学ばすために指南車を作成しその歯車や 木工パズルの作成実習を行った。 ③機械科から各工業科に科の得意分野を活かした人形作成を依頼した。機械科の各工業 科への要求水準は高く、オール泉尾工業の技術力を結集した。 ④次年度以降の授業実践での課題と、新たに導入する3Dプリンターを活用した部品制 作について検討した。 ・各工業科(機械科を除く)の取り組み ①ファッション工学科:人形の頭部、ドレスを担当(和装から洋装にイメージチェンジ) ②セラミック科:湯呑茶碗を担当(ミニサイズで軽量なもの) ③工業化学科:アクセサリーを担当(軽量で小さなイヤリングをトンボ玉で作成) ④電気科:電子制御部分を担当(マイコン利用によるプログラミング設計) ※『伝統的なからくり人形』 ※『現代版 からくり人形』 ◎ 具体的な検証と成果 【中間発表】 中間発表を、本校で1日高校体験を行ったメルボルン市のヒールズビル高校(大阪市が毎年 実施しているオーストラリア派遣の相手校)の体験授業として実施した。詳細は、以下の通り。 実施日時:平成26年9月30日 5・6時限 実施内容:からくり人形の説明(担当教員) 木工パズルの制作(3年機械科生徒による指導と体験補助) 【研究発表会】 次のように研究発表会を実施し、研究成果と課題を検証した。 実施日時:平成26年12月16日 13:30~17:00 実施場所:本校 機械科工場および会議室 主な参加者(順不同・敬称略): 大阪市教育委員会 指導部 高等学校教育担当 吉田指導主事 大阪市教育センター 教育振興担当 竹野指導主事 大阪実業教育協会 長谷川専務理事 大阪工業大学 ものづくりセンター 池田副センター長 大正区役所 総務部 企画調整 近藤課長代理 大正区 地元企業(3名) 小学校教員(2名) 中学校教員(8名) 高等学校教諭(2名) 泉尾工業高校職員(約 15 名) 主な研究成果 ①木工機械による歯車や部品の作成を課題研究で実施し、これまでにない高い精度のもの を作成させることができた。 ②生徒の興味・関心を引き出す実習として、「からくり人形」は高い教育的効果をもたらすこと が実証され、本校機械科の財産として大きく成長させたい。 ③ともすれば各工業科の独自性を強調し連携の苦手な工業高校内において、機械科が提 案した本研究は、オール泉尾工業での取り組みへと成長し、学校全体の活性化に繋がっ た。 ④研究発表会では、小学校・中学校の先生方の参加があった。発表の中では、木工実習と して中学校の技術室を使った授業展開について本校教員から提案するなど、中高連携 の具体的な意見交換を行った。また、小学生を対象とする「ものづくり教室」についても議 論するなど、校種間連携への情報交換ができた。一方、大正区役所のご協力により地元 企業からの見学や、大阪実業教育協会・大阪工業大学からのアドバイスもいただき、大変、 参考となる有意義な研究発表会となった。 今後の課題 ①次年度に導入される3Dプリンター(本年度、校長経営戦略予算の加算配付で整備)を 使った「からくり人形」の制作について、発展研究を行う。 ②校種間連携をさらに充実させ、中学校の教育研究会技術部会との連携を深める。 ③オール泉尾工業をさらに進めた、実習授業を模索する。 ※発表会当日の様子が『大阪日日新聞』に掲載された。(⇒記事参照)
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