BREATH MADE VISIBLE

アンナ・ハルプリン
1920 年、ロシア-ユダヤ系の家庭に生まれる。年老いた祖父が教会で踊る姿に強い影響
を受ける。マーサ・グラハムに師事し、NYブロードウェイでモダンダンサーとして出発。建築
家ローレンス・ハルプリンと出会い、結婚後西海岸に移る。
1955 年、San Francisco Dancer's Workshop を設立。数々の実験的な手法でシモーヌ・フ
ォーティ、イヴォンヌ・レイナー、トリシャ・ブラウン、メレディス・モンクなどの若いアーティストた
ちに影響を与える。
1972 年、がんを患い手術を受けるが 3 年後に再発。自らのセルフ・ポートレイトをおどるこ
とによって、ヒーリング・アートとしてのダンスを確信する。
1978 年、Tamalpa Institute を創立。「踊るために生きる」人生から「生きるために踊る」人
生に。また過去 10 年に渡り、共同体が現実に抱えている問題を取り扱う「サークル・ジ・ア
ース(Circle the Earth)」を世界各地で行っている。
ハルプリンは「ダンスとは何か」をつねに問いかけ、誰も足を踏み入れたことのない領域へと
大胆に歩を進める。近年の作品のテーマは「老いと死」。年齢そのままの身体を自然と組み
合わせたビデオ作品「Returning Home」。2004 年、最愛の夫ローレンスの闘病を描いた
「Intensive Care」をパリで上演。2005 年、椅子に座ったままのダンス「Seniors Rocking」を
映画化。そして 2009 年には、アンナの生涯と作品のドキュメンタリー映画この「Breath
Made Visible」が封切られ、今も世界各地で上映され続けている。
『魂にささげるダンス』
の著者、越地清美が伝える
アンナ・ハルプリンの姿。
「芸術のための人生」から
「人生のための芸術」へ。
フィルムは彼女の舞台と人生を
織り交ぜながら進む。
彼女は 90 歳を超える今も
踊り続けている。
「BREATH MADE VISIBLE」
上映準備会 in 茅ヶ崎
a film by Ruedi Gerber
主催:越地 清美
2013 年 5 月 30 日(木) 9:30 開場
第一部 映画上映(80 分)とお話 10:00~12:00
・当日 1500yen、前売り 1200yen
お申込みはこちらまでどうぞ
越地
携帯 Tel:090-1808-8959
清美(こしじ きよみ)
E-mail:[email protected]
第二部 ミニワークショップ 12:00~12::30
・参加費 500yen
※この映画は英語での上映となります。日本語字幕はございませんのでご了承ください。
ブログ「やまんばさんのおうち」http://yamanbasan.cocolog-nifty.com/blog/
※託児はありませんが、会場後方にキッズスペースをご用意します。
お子さま連れの方はそちらをご利用ください。
勤労市民会館 6 階 A研修室
あなたに手渡したくて
私の手元に一枚のDVDがある。
手元に届くまでにはひとつの物語があった。それは 2010 年にブログ記事に寄せられた
一通のコメントから始まった。送ってくれたのはカリフォルニアに住むKaliさん。タマルパ・インスティチュートに
在籍し、アンナ・ハルプリンのワークを受けている女性である。彼女は私の著書「魂にささげるダンス」に背中
を押され、アンナのワークを受ける決意をしたという…。
“I’VE ALWAYS SAID
DANCE IS THE
BREATH MADE
VISIBLE AND THAT
COVERS ABOUT
EVERYTHING
BECAUSE ONCE YOU
STOP BREATHING
AND THE BREATH IS
NO LONGER VISIBLE,
YOU STOP MOVING.”
―ANNA HALPRIN
ダンスはいのちの現れに
他なりません。それはあら
ゆるものに及んでいます。
息をするのをやめる時、
いのちは尽きて、動きもと
まるのですから。
―アンナ・ハルプリン
[Breath made visible]
監督:ルーディ・ガーバー
ロカルノ国際映画祭出品作品
出演:アンナ・ハルプリン、ロー
レンス・ハルプリン、マース・カ
ニングハム他
「魂にささげるダンス」の出版は01年。9年かかって太平洋の向こうから届いたこのさざ波は、ひとつの奇
跡だった。彼女からDVDの話を聞いた。「Breath made visible ~ Revolution in Dance」というアンナ・ハル
プリンの生涯をつづった映画のDVDだ。「見たい!」とまず思った。「送ります」と彼女は言った。信頼だけに導
かれてDVDは海を越えた。
最初のシーン、踊るアンナの背景に映し出されたえび茶色の壁。その色を見たとき、すべてが蘇ってき
た。あれは私たちが踊ったスタジオの壁の色。天井に木々を抱くデッキ。波打ち寄せる砂浜。そしてポモの
集落…。
思い出に涙し、またアンナの生き方に心打たれた。彼女は 60 年代にN.Y.のブロードウェイで活躍して
いたダンサーだったが、その後 70 年代の闘病生活を得て、80 年代にまったく独自の世界へ踏み込んで
いく。
「芸術のための人生」から「人生のための芸術へ」。
フィルムは彼女の舞台と人生を織り交ぜながら進む。ガンの告知を受け、「自画像(セルフポートレイト)」
を前に踊るアンナ。彼女の怒りと悲しみが、再びあふれ始めた命が画面から流れ出す。
映画のラストシーンで、当時すでに 90 歳近いアンナはほがらかに語る。
「100歳になっても私は踊っているだろう。そして110歳になっても…」
「Breath made visible ~ Revolution in Dance」はアンナの教え子でもあるスイス人、Ruedi Gerber の長
編ドキュメンタリーだ。2009 年、ヨーロッパで上映後、アメリカで公開。2013 年現在、日本での公開予定は
未定。手元にあるDVDには日本語の字幕など無い。
それでも、私はこのDVDをあなたに届けたいと思う。字幕をつけるという選択肢もあったが、画面の美しさ
を損ないたくない一心で、このまま公開することにした。足りないところには、わたしのつたない言葉をそえよ
う。でも大丈夫、アンナの存在こそが何より雄弁だから。
2013 年 5 月吉日
「魂にささげるダンス」
(アートダイジェスト)
越地 清美:プロフィール
新潟県生まれ。国際基督教
大学卒。アンナ・ハルプリンの
タマルパ・インスティチュートで
一年課程を修了。体験から生
まれた著書は現在も鮮烈な輝
きを保つ。2011 年 6 月ワーク
ショップ「らいふ・イズ・あーと」
再開。す。
越地 清美
ルーディ・ガーバー紹介
スイス人。舞台俳優として出
発。’82 年にハルプリンに出
会い、映画製作の道へ。長
短編ともに数々の賞を受け
る。’05 年よりハルプリンの人
生と芸術を描いた長編ドキュ
メンタリー、[Breath made
visible]
製作開始。