9 0 鋳鉄管 昭和4 4 .1 0 第 7号 日本鋳鉄管協会技術専門委員会委員 機械的性質 成分、組織 l . まえがき 前号で鋳鉄の 5元素,すなわち C,S i,1 ¥ I [n, きたいのは,前号でも述べていますように,鋳 鉄の性質・は冷却速度によって基本的に変化する ものであることで,一般的に冷却の速いものほ P, Sの役割りと,材質に及ぼす影響を簡単に ど組織鍛密で強度は大きく,徐冷されるほど組 説明しました。 織粗大で強度は弱くなるという原則的な傾向の その中で鋳鉄の性質の支配的な元素として C, S iがあり, P, Sは不純物として悪い影響を与 えるものであると述べました。また,鋳鉄の顕 あることです。 2 . 鋳鉄の強さ (J IS規格の内容〉 微鏡組織について?その代表的な 5組織?すな 一般に鋳鉄の強さというとき,引張り強さが わち遊離黒鉛,セメンタイト,パーライトヲフ その代表的なものですが,その他普通鋳鉄では エライトおよびステダイトを紹介し?急冷され 抗折強さが問題になり,ダクタイノレ鋳鉄で、は耐 たとき析出するセメンタイト(化合炭素〉が, 力と伸びが注目されます。さらに鋳鉄の材力を 徐冷される場合あるいは焼鈍などの熱処理を受 表わすものとして?衝撃強さや硬さなどの性質 けたとき分解が生じ,順次ノξーライトからフエ が問題になります。 ライトへ移行すること,そして組織の変態とと もに硬く,脆い材質が,強く粘いものに変わっ ていくことを知りました。 今回から化学成分と組織が,鋳鉄の機械的性 鋳鉄管の材質の基準となっている J 1S ( 日 本工業規格〉については, J 1S G 5501 ねずみ鋳鉄品 J 1S G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 質の差違にどのように関与しているかを,一般 があり,その中に材質の規定がありますので, 的な図表などを示しながら説明していくことに ここで簡単に強さの概念について説明しておく します。ここであらためて念頭においていただ ことにします。 鋳鉄の話 1) J IS G 91 0 m l l lゆ に 仕 上 げ た 試 験 片 の 単 位 面 積 によって 2 5 5 0 1 ねずみ鋳鉄品(鋳鉄破i 百が灰色一ねずみ色ー 2 ( m 1 l l )当りの引張り破断荷重 ( kg),すなわち引 のためこの呼び名がある〉にはう表向 1のように 張り強さ Ckgjmmりを意味しています。表 -1で見 F 01 0 ' " " ' F035までの 6種類が格付けされてい られるように,例えば F 020では鋳造される製 ます。鋳鉄管,付属品に適用されているのは, 品の肉厚によって,その冷却速度が異なるため, このうち F 020と : B '025の 2種類です。 F O それぞれの条件に見合ったテストピース径に鋳 とは Ferrous Casting の略でう 20, . ,2 5は標準 造するのが実体に近いわけで,当然加工仕上げ 0 m l l lゆに鋳造された丸棒から加工 鋳放し直径が 3 寸法もそれぞれ相違して定められています。 表 鋳鉄品の主要肉厚 種 記号 類 供試材の鋳 写l 張試験 放し直径 mm ねず、み鋳鉄品 1栂 抗 折 試 験 かたさ試験 かたさ 引張強さ 最大荷重 たわみ mm kg/mm2 kg mm HB FC 1 0 4以 上 50以 下 30 10以 上 700以 上 3・5以 上 201以 下 ね ず み 鋳 鉄 品 2穏 FC 1 5 4以 上 8以 下 8をこえ 1 5以 下 1 5をこえ 30以 下 30をこえ 50以 下 1 3 20 30 45 1 9以 上 1 7以 上 1 5以 上 1 3以 上 700以 上 400以 上 800以 上 1700以 上 2.0以 上 2・5以 上 4・0以 上 6.0以 上 241以 下 223以 下 212以 下 201以 下 ねず、み鋳鉄品 3種 FC 2 0 4以 上 8以 下 5以 下 8をこえ 1 1 5をこえ 30以 下 3 0をこえ 5 0以 下 1 3 20 30 4 5 24以 上 2 2以 上 20以 上 1 7以 よ 200以 上 450以 上 900以 上 2000以 上 2・0 以 上 3・o以 上 4・5以 上 6.5以 上 255以 下 235以 下 223以 下 217以 下 ねずみ鋳鉄品 4種 FC 2 5 4以 上 8以 下 5以 下 8をこえ 1 1 5をこえ 30以 下 3 0をこえ 50以 下 1 3 20 30 4 5 28以 上 2 6以 上 2 5以 上 2 2以 上 220以 上 500以 上 1000以 上 2300以 上 2・0以 上 3・0以 上 5.0以 上 7.0以 上 269以 下 248以 下 241以 下 229以 下 ねずみ鋳鉄品 5種 FC 3 0 8以 上 1 5以 下 0以 下 1 5をこえ 3 30をこえ 50以 下 20 30 4 5 3 1以 上 30以 上 2 7以 上 550以 上 1 1 0 0以 上 2600以 上 3.5 以 上 5.5 以 上 7・5以 上 269以 下 262以 下 248以 下 ねずみ鋳鉄品 6種 FC 3 5 1 5以 上 30以 下 30をこえ 50以 下 30 45 3 5以 上 32以 上 1200以 上 2900以 上 5.5 以 上 5・5 以 上 277以 下 269以 下 備考 1. かたさ試験はとくに注文者の要求のないかぎ、り行なわない。また、ねずみ鋳鉄品 1械 は 通 常 機 械 試 験 を 行 なわない。 2. 鋳 鉄 品 の 主 要 肉 厚 を と く に 規 定 し な い 場 合 の 機 械 的 性 質 は 、 供 試 材 の 鋳 放 し 直 径 30mmに規定された数値と する。 3. 鋳鉄品の主要肉厚の定め方、および主要肉厚 4mm未満のもの、およひ~50mm をこえるものの機械的性質の規 定は注文者と製造者との協定による。 これは単に, F 020といっても鋳込まれる径 次に,抗折試験が規定されています。鋳鉄は によって引張り強さの値も 1 7 k g / l l l m から 24kg/ 本来粘さのないものといわれていますが,丸棒 m m2 以上にまで変化するものであることを意味 の梁曲げ試験を行なえば完全な剛体でなく,若 しており?一定のものでないことを示していま 干の変形性〈粘さ〉をもっているのです。 2 す。このことは次項で具体的な例で示しますが, 鋳鉄の性質をもし引張り強さだけで規定しま 要するに , F 020に相当する性質の鋳鉄溶湯を すと,例えば硬く,脆いセメンタイト組織が混 鋳造しでもう製品の肉厚ゃう鋳型の断熱性など 在した場合,機械加工が困難で?衝撃に対して 冷却の条件によって,実際に得られる現物の強 極めて割れやすい質であるにもかかわらず,引 さにはう大きな差が現われるということです。 張り強さでは優に 3 0 k g / l l l m2を越えるものが得ら i 日J - 1Sでは,このような冷却速度因子を考慮 れます。これはしかし,鋳鉄としての軟かさ粘 せずう肉厚のいかんにかかわらずう引張り試験 さに欠ける片輸の材質であり決して好ましい材 を一定の値のみで規定していた矛盾があった 力ではありません。 ため, 1956年の改正で今のように合理的な決め 方に改められました。 この意味で鋳鉄では引張り強さと,抗折試験 を併用し,バランスのとれた物性を規定するこ 9 2 昭和 4 4 .1 0 第7 鋳鉄管 とになっているわけです。 に相当するもので,その性質が鋼と類似するこ 抗折試験というのはう丸棒を 2点で支持し, とを示す試験です。 その中央に荷重をかけて折断した荷重と,その 引張り試験で応力と歪の曲線をとりますと, ときまでの挽み量を測定するもので,この試験 鋼の場合には明らかに弾性変形から塑性変形に も製品肉厚に応じて丸棒径および支点間の距離 移る点で材接の降伏(荷重が増加せず伸びだけ が急に大きくなる〉が見られます。ダクタイノレ がそれぞれに定められています。 最後に硬さが規定されていますが,これも冷 鋳鉄の場合,図に示したように曲線に明らかな 却条件によって顕微鏡組織に疎密ができ,黒鉛 変化点が認められず,徐々に弾性域から塑性域 の大きさ,地質のパーライト,フエライトあるい に移行します。そこでう鋼の降伏点に対応する はセメンタイトの量によって硬さが異なってき 点をダクタイル鋳鉄で、は耐力という表現で表わ ますので,肉厚に応じた正常な組織の標準的な しています。耐力は永久歪み 0.2%の点の応力 硬さとして範囲が示されているわけです。 σ0・2 で示します。 2) J IS ( 3 5 502 これがダクタイノレ鋳鉄の規格で,記号の FC 応力闘歪線図 応 e r r o u sC a s t i n gの D u c t i l e (ダクタイ Dは F ヲ ノレ〉を意味し?表同 2の 4種類に格付けされてい m m ます。このうち,鋳鉄管の規格に適用されてい ( σ ) l 国 るのは F CD40とF CD45の 2種です。 以ー 2 表 ダクタイル鋳鉄 引 張 試 験 種類 記 「 ヨ 字 主 コ 引張強さ kg/mm2 耐 カ kg/mm2 f 中 び % 1 税 FCD 4 0 4 0以 上 2 8以 上 1 2以 上 2 手 金 FCD 4 5 4 5以 上 3 0以 上 5以 上 3 草 委 FCD 5 5 5 5以 上 3 8以 上 2以 上 4 種 FCD 7 0 7 0以 上 4 8以 上 1以 上 0.2% 一一骨歪(e:)% 備考耐力は、とくに注文者の要求がないかぎり行なわない。 ダクタイノレ鋳鉄では, F Cの場合のように丸 最後に伸びの規定があります。 F Cでは伸び 棒に鋳造した試験片を用いますと,丸棒の中心 はほとんど検出できませんがうダクタイノレ鋳鉄 部にダクタイノレ鋳鉄特有の内部収縮脅ができや は鋼と同じように伸び〈延性〉がありう粘い材 すいのでうこの部分を含んだ引張り試験を行な 料であることを示します。引張り強さと伸びの っても正常な強さを示すことになりません。こ 関係についてはう後項でグラフなどによって説 のためダクタイル鋳鉄で、は,大きな押湯をつけ 明しますがう一般的には引張り強さが大きくな た Y ブロック (y断面〉に試験体を鋳造し,下 るほど伸びは減少します。これを組織的に説明 部より引張り試験片を切出し加工しています。 ダクタイル鋳鉄では,先の]j'Cほど冷却速度 すると,引張り強さの大きいものはパーライト 組織が主体(厳密には, I j 'CDG f5以上ではさらに による強さの変化がなくう多少肉厚が異なって 襖雑な組織がある)であッて,逆に引張り強さが も得られる実体強さが,はぼ…定しているため 小さく?伸びの大きい]'CD4りなどではプエラ 単純な規格値となっています。(た/ごし, イト組織が主体であるということを窓 l 成するわ yブ ロックの厚みには製品肉厚に応じ?ム号, B号 の 2種類を使い分けることになっている。〉 けです。 以上,鋳鉄関連規格を機械的性質ぅ組織など 引張り試験の中に, FCでは見当たらなかっ を通じて概念的に解説してみたわけですが,さ た耐力と伸びが規定されています。これは鋼の らに次項で?実際の鋳造品の例で考えてみたい 引張り試験における降伏点 (kg/mmりと伸び(%) と思います。 鋳鉄の話 3 . 鋳物の実体強度ということ 9 3 度一時間は右側の 5 0 m mif>鋳造品が,ゆっくり長 い時間掛かるのは当然です。冷却した丸棒を取 前項で, F 020の強度と一概にいっても,鋳 0 m mゅにな 出して,外周から加工し? どちらも 2 造される製品の肉厚や全体の重量(熱的容量〉な るように仕上げました。その引張り試験の結果 どによってう J 1Sのテストピース強度に差違 は次のようになりました。 同一一吋畑一一罰吋E が出ることを述べました。実際の鋳造品では冷 却条件が極めて敏感に材質に影響を与えます。 ここで簡単な実験の 1例を示し,鋳鉄の強さに 試験片 3 0 φ →2 0 φ 5 0 φ → 20O ついて比較して見ましょう。 実験 1 ねずみ鋳鉄 (FC) の例 同 一 取 鍋 の 溶 鉄 を 同 時 に 2つの小取委│司に移 し?その 1つを 3 0 m mゅの丸棒に,他の 1つを 5 0 m mゅの丸棒に鋳造し 鋳造された溶湯の化学成分はどちらも同じで 次の値でした。 C% 3 .5 2 ました。両鋳型の砂 厚は同一で,これを またう試験後中央部の顕微鏡組織を見ると, 図示すれば右図の通 下の写真のように黒鉛の大きさが全く具なって りであります口この います。この結果では,約 2倍の丸棒径に鋳込 とき鋳込まれた湯量 まれた鋳鉄の強さは約%の強さに落ち,黒鉛の が具なるため,冷却 大きさも同じ倍率で見て数倍の大きさに変わっ して凝悶して行く温 ていますー。 30 < T鋳 造 品 中 心 部 Xl00 50O鋳 遺 品 中 心 部 Xl00 実際に厚肉鋳物を鋳造したとき,このような られ, J 1S試験で、 2 0 k g / m m2以上の強度が得ら 現象が生じますが,これは中心部のことであっ れているにかかわらず,実体の鋳鉄管では,引 こ接した表面部は多少冷却が速いため て?鋳型 l 5. . . ,1 8 k g / m m zと低い値を示すことが 張り強さが 1 荷物の全 中心部にくらべ て微細な組織であり, j あります。これは本例といj じで,テストピース M J I ミ J ) 早: I j j r r 射についていうと,本例のように強さが とゴミ体の冷却条件が異なるため,生ずる差違で 半分ということにはなりません。し泊¥L,この あり?その差 f J:とくに中大口径管の場合に大き ような現象があっ cテストピースと実体とが, し鋳造法的には遠心力(比較的冷却速い) i 直 必ずしも同一強度を示さないということは鋳鉄 管よりう置注異形管(冷却遅しつが大きくなり 鋳物の宿命的な問題で、ありう実際にしばしば問 ます。過去の経験的な数値では?実体強度は鋳 題となることがあります。 0, . . , 75% 程度 造時のテストピースによる強度の 7 例えば,鋳鉄管の規格で材質は F 020と定め を示すのが通常のようです。 昭和 4 4 .10 第 7号 鋳鉄管 94 のが下図であります。 実験 2 ダクタイル鋳鉄 (FC D) の例 実験 1と同じように?ダクタイル鋳鉄につい て Y ブロックといわれるテストピースで、厚み 25 棋 m mのものと 4 5 m mのものとを同一溶湯で鋳造しま ' eI グ した。その化学成分を下表に示します。 沿 炉J 令 720C 4時間 0 t 一一争時間 ( H r ) この場合に,同じく J 1 S, Z2201, 4号試 ダクタイノレ鋳鉄で、は, この成分で組織中にセ メンタイトが出やすく,鋳造のままで材質の比 験を切出して引張り強さと伸びを測定した結果 は次表のごとくでした。 較が難しいため焼鈍を行ないました。厳密には 肉厚に応じて焼鈍時間を変え?フエライト基地 にして比較するのが妥当ですが,この例では同 一熱処理を行なったときの性質の違いを調べて みることにします。焼鈍温度と時間を示したも 25mmYブロック 下部中心 その顕微鏡組織は下のごとくです。 A5mmYブロック Xl00 この結果をみますと,肉厚差による強度の差 違が FOのときほど出ていないことがわかりま 下部中心 5 m m では 45mmYブロックの方が高く,伸びでは 2 Y ブロックの方が大きい結果を示します。 す。それよりもむしろ,基質組織の差によって J 1S規格の種類でいえばうちょうど 強さが決まっていることが理解されると思いま 25mmYブロック…一 .F0D40 相当 す。すなわち,黒鉛の大きさでは極めて明らか 45mmYブロック…… F 0D45 相当 5 m mYブロックの組 な差があるにかかわらず ,2 ということになります。ここで注意すること 織は,ほぼ十分に焼鈍されてほとんど 80%がブ 5mmYブロックをもっと十分時間をかけて は,4 エライト組織(残りパーライト〉となっている 焼鈍すれば〈パーライトをブエライトに変えて 5 m mY ブロックでは,パーライト分 のに対し ,4 しまう) ,引張り強さが低下すると共に伸びが 解の時間保持 (7200での〉が不足のため,約 大きくなって,最終的には:B'0D40の材質とな 90%がパーライトのまま残った (10%がフエラ ることです(逆に 25mmYブロックの焼鈍時間を イト化〉組織を呈しています。このことが引張 本例の%程度に短くするとヲパーライト組織が り試験の結果によく表わされています。すなわ 多く残って F 0D 45の材質を得ることもでき ち,一方は引張り強さが低く伸びの大きいフエ る 〉 。 ライト組織,他方が引張り強さが高く伸びの少 球状化していることを前提として,残る地質の ないパーライト組織であったため,引張り強さ 組織がパーライトかブエライトか,あるいはそ 0 このようにダクタイノレ鋳鉄で、は, 黒鉛が 鋳鉄の話 95 の中間混合組織かによって引張り強さや伸びが は試験片の肉厚差による強度の違いは小さく, 決まってくるということになります。 実物と試験片との強度差という問題について この組織は鋳造される成分,冷却速度によっ も,そのそれぞれの組織がどうであるかによっ て決まるもので,必ずしも熱処理方法だけでな て引張り強さ?伸び、の両者の差が現われること く,鋳造のままでも,意図する材質とすること を理解していただきたいと思います。 が可能であるということで,単に鋳造状態だけ 4 . の FCの場合とちがって, ダクタイノレ鋳鉄の材 FC, FC Dの機械的性質一般 質は鋳造状態と熱処理状態の両条件で変化させ ここでは,高級鋳鉄,ダクタイノレ鋳鉄の一般 うるものである点が興味ある問題であるといえ 的な静荷重下における機械的性質を総括的に掲 ましょう。 げ,他の材料とも比較できるようにしておきま 以上の例でもわるように,ダクタイノレ鋳鉄で、 77¥ と と した。 ダクタイノレ鋳鉄 高級鋳鉄 フエフイトトフイト 地 地 状細き片状 球 状 │ 球 状 結 節 状 な し な し 普 通 み 鋳ねず鉄 黒鉛の形状 片 kg/mm 5 0 7 0 3 5 4 5 38~55 4 0 6 0 kg/ 阻 4 0 5 5 2 0 3 5 2 0 3 0 2 0 3 5 1 6 3 1 2 2 % kg/mm2 1 0 0 1 8 0 35~60 1 .5 4 kg/ 醐 20~30 8~20 0 0 0 0 2 0 0 0 0 1 7 0 0 0 - 1 5 0 0 0 - 2 17000 22000 22000 18000 kg/mm2 5 1 5 2 0 3 0 2 HB 15~20 3 5 5 5 5~20 1 5 2 0 2 5 3 0 4 0 1 8 0 1 9 0 2 6 0 1 1 0 1 5 0 1 5 . 鋳鉄 (FC)の性質を示す図表 FCの各種機械的性質を示す図表は,内外の 40~60 4~20 1 4 0 1 8 0 列記したまでで,不十分のそしりはまぬがれな いと思いますが,材質紹介の一端を果たせば幸 いと考えている程度で,詳しくは専門書によっ 文献に多数掲げられていますが?ここで、は?そ ていただきたい。 れらのうちで、われわれが鋳鉄管の品質を知る上 1)鋳鉄組織図 ( E . Maurerの組織図〉 に多少とも参考になると思われる数例をピック 図-1は E .Maurer によって提唱された組織 アップして,ごく簡単な解説を付しておくに止 iと冷却速度の関係 図で,鋳鉄 (FC) の C, S めたいと思います。以下に選んだ図表は?必ず から鋳鉄組織と,ある程度の強度範図を示すも しも材質の重点を抑えたというものでなくう単 のとして有名な図表です。この図から に筆者の気まぐれで, て強靭な材質のパーライト鋳鉄(高級鋳鉄〉を 自についたものを勝手に 図1.,E .Maurerの組織図 Co 2 . 0 1 .7 1 .5 M a u r e rdH o l t z h a u s e n ) 珪素%( α 機しお鋳 2 . 5 りイV ょ強場肉移 よ夕日線︿る厚に 線ンづ C 鉄れ'側 B メ /V ム 鋳 さ は 左 A セロ'ト求域ま で︿﹂域イ要領 U 図鉄ユ鉄ラのの印 。鋳い鋳エ質入図説 す白すトフ性いのは ま'やイは的なこで りはれラ D 械くう造 j~ わO く パ 側 く ま な の ー 由 - - 約1 0 粍の厚さを有する鋳鋳左境 物 に対 するパーライト手有邸す 哉の 界線 町 四 四 四 約9 0 粍の厚さをする に対 する右開粍 境 界線 ;:;;労~ 1 0ー の厚さを有する鋳物の パーライト手島哉の範囲 かり割一 3 . 5 。 議 3.0 1 得るに適当な成分範囲(////部〉 が側多が右弱好物 4 . 5 4 . 3 4.0 FCとし 鋳鉄管 96 昭和 44.10 第 7号 口 d ¥S) 円 ο 鋳鉄の性質を成分的に表現するとき,次の 3 AA 2)鋳鉄の炭素飽和度と引張り強さ 杓額出町一 m つの表わし方があります。 ハ UnununU 開附(唱 、J4a し,逆に金型急冷の場合は右側に移動すること を理解されたい。 臼 つ i ) (C十 S i )必 i i ) C十 y a(Si+p) =C.E96 (炭素当量〉 10 i ) 一一ーとよ一一一=sC(炭素飽和度ま¥ 4.23-~ .L ~-CSi) ¥たは共品度 / 3 . 2 、 , 0.70 0.80 0.90 1 .00 1 .10 炭素飽和度 (Sc) 詳しい説明は難しくなりますので省略します 図-3. )は単に個々の成分を加えたもの, i i )は が , i Scと肉厚と引張り強さ(Fc) 50 : S iや P がはいった場合に Cが低くなっても, S i, ・ C.E=4.396 が共品炭素量(最も融点の低い成分;協会誌第 ワ ム b 5号状態図参照〉といいます。 i i i ) は鋳鉄の含 Aサ ハ E¥宣)拘額出一小 (唱 を Cに置き換えるためのものでう 4Aqu 臼 つ Pの和の%が C と同じ働きをするうすなわち鉄 -炭素状態図で,性質を考えるときの ( S i十 p) む全炭素量がこの共品炭素量に対する比率で表 i わしたもので?いま P量を無視すると上記の式 18 で表わされます。 一般的にいいますと, i )で、パーライト鋳鉄は 大体 5, . . ,5 . 5 9 6の範囲, i i )では C. E =3.9 " " ' " 4.296, i i i ) では SC=0.8, . . ,1 .0 9 6 の範囲が 使われています。 図-2 は SC と3 01>試験片の 弓│張り強さの関係? 図-3 は S Cと鋳造丸棒肉 厚の違いに基づく引張り強さの関係を示してい ます。 図 凶 4 は S Cとブリネノレ硬さとの関係を 1 .1 図-4. S cとブルネル硬さ 3 0 0 選2 5 0 駆 , 収 Z ム J20 0 示すものです。 図 目 5 は F Cの有害元素として前号で述べた P の含有量と鋳鉄の衝撃値(耐ショック性〉を 示すグラフでう 0.9 1 . .0 炭素飽和皮 (Sc) 0.8 6以下と 規格において p 0.4 9 規定されているように, Pが高くなると耐衝撃 性が低下することを示しています。 x 1 5 0 ∞ 0.75 1 } 'c の機械的性 質を示す図表は以上にとどめたいと思います。 次号には現在水道用として一般化したダクタイ ル鋳鉄の諾性質について?多くのデータを掲げ 十分に研究してみたいと考えております。 (つづく〉 ※筆者は株式会社栗本鉄工所鉄管技術部次長 0 . 8 0 . 8 5 O .9 0 . 9 5 1 .0 1 .0 5 1 .1 炭素飽和度 S c 図-5. x 紙面の関係もありますのでう h P%と笥撃{直 1 .3 1 .2 ~ 1 .1 会 ' "1 .0 s '0.9 ~ 0.8 h 噛 語 0.7T 」 題 0.6 b..o..:~ 耳 、 . J ; 二 :モ ー ミP ・=回毎剛官宅::::!'与 ・ーιー 0 . 5 = j " . I 1 0 . 4一 0 . 3 , 0 . 2 o0.1 0.3 0.5 0.7 O .9 1 .1 1 .3 1 .5 1 .7 1 .9 2 . 1 .0 1 .2 1 .4 1 .6 1 .8 2 . 0 0 . 20 . 4 0 . 60 . 81 、 ; ' 8 I 矢 ? 官 芳 三 言 静 Uー し 燐 % 『輔、嚇
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