「子どもが現在(いま)を幸せに生活し、 未来(あす)を生きる力を育てる

第 59 回 保育研究大会 第 8 分科会 「公立保育所の使命と地域社会での役割」
「子どもが現在(いま)を幸せに生活し、
未来(あす)を生きる力を育てる保育者の専門性を探り
全ての子どもの育ちと子育て家庭を支援していく」
東葛支会
高洲保育園 園長 後藤 薫
主任保育士 加賀美 和枝
《はじめに》
平成27年4月から「子ども子育て支援新制度」が施行され、全国的に続いている少子化
対策として国レベルで子どもの育ちと子育てを支援していこうとする仕組みが整った。そこ
で、今回のテーマである「公立保育園の使命と地域社会での役割」とは何かを考えるにあた
り、社会情勢を理解し、保育者の専門性を高めていくことが重要であると考えた。公立保育
園の備えている機能と資源を最大限に活かし、子どもの最善の利益を保障し、地域や市民に
提供できるよう、保育者の専門性と資質向上に向け研究に取り組む事とした。
《取り組み》
・職員会議での学び合い(社会情勢、国の動向、新制度、保育指針等文献調べ)
・自己肯定感と自尊感情をテーマとしたエピソード記録
・保育現場を想定したロールプレイ(自己肯定感と自尊感情の育ちを考えて)
・講義 「公立保育園の使命と地域社会での役割」等
講師 社会福祉法人千草会 花の井保育園
鈴木美岐子園長
《まとめ》
公立保育園の最も重要な使命と役割とは、子どもを取り巻く機関と連携することと、保育
の専門性を高めることで地域の子育て拠点として役割を担うことである。質の高い保育を地
域のニーズに応じて総合的に提供する必要がある。子どもの最善の利益を保障し、自己肯定
感、
自尊感情を育むためには、
自分の感覚や経験だけで保育をするのではなく発達を踏まえ、
専門知識を身につけて保育をしていかなければならないことを学んだ。そのためには、職員
同士が情報交換やコミュニケーションを図り、助け合い、学び合える職員集団を目指し、職
員一人一人の意識の継続が重要であることが理解できた。
《今後に向けて》
・今回、この研究で学んだ学び合いのためのリーダーグループの設置が効果的だったことか
ら次年度に引き継いでいき、保育者の質の向上を目指していく。
・正規職員以外の就労形態の保育者に対しても保育の質を高めていけるよう、今回の研究を
伝え共通理解を図り、時間を工夫しながら(保育の質の向上の)勉強会などを設定し働き
かけていく。
・浦安市の他の公立保育園に今回の研究を伝える機会を計画し、保育者の専門性を高めてい
くための研修の大切さを発信していく。
・浦安市の子どもの育ちと子育てを支援していく関連機関の役割を保育者全体が知り、地域
に情報を提供できるようにしていく。
第 59 回 保育研究大会 第 8 分科会 「公立保育所の使命と地域社会での役割」
「支援センターとの連携による子どもの発達支援」
海匝支会
銚子市第四保育所 所長 三浦 恵子
銚子市第三保育所 所長 阿玉 栄子
銚子市第二保育所 所長 渡辺 雅代
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はじめに
近年、少子化による人口減少が問題化している中で、
「気になる子」や保護者が育てにくさを
感じている子が多くなっています。その中で公立保育所としては「社会的に子育て支援が必要
な家庭の増大にどう向き合っていくか」を緊急課題として研究する必要性があります。銚子市
の公立保育所では、子ども・子育て支援新制度における「すべての子どもたちが健やかに成長
していくために、子どもの育ちと子育てを社会全体で支援します。
」の理念に基づき、保育所に
おける発達障害児の早期発見、早期対応、保護者支援を関係行政機関や児童発達支援センター
と連携し、その指導を仰ぎながら、保護者への支援体制の強化を公立保育所の使命と捉え、そ
の在り方を研究しています。
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銚子市の「子ども・子育て支援計画」
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銚子市における現状
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特別な支援を必要とする家庭への支援
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求められる保育士の技術力のスキルアップ
(1) 相談支援技術のスキルアップ
(2) ソーシャルワークの実践
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公立保育所の強みとは
(1) 特色ある地域独自のネットワークつくり
(2) 児童発達支援センターとの連携
(3) 保育士の専門的知見の広がり(児童発達支援センターの在職経験者)
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平成27年度の取り組み(事例:第四保育所の活動の成果)
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地域との交流
(1) 所庭開放の役割
(2) 地域行事への積極的な参加。
(3) 保育所行事に対する地域住民の参加推進を促す。
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まとめ~平成28年度以降の活動に向けて
(1) 公立保育所の今後の方向性
~信頼される「質」の高い保育を目指すためには
(2) 公立保育所の強みとは
~家庭における子育て力を強化するためにできること
(3) 地域全体での子育て力を高めるために保育所でできることとは。
保育所は「待ち」の姿勢から「実行(アクション)」を起こす保育所への変革の必要性。
「公立保育所」は地域の保育の「セーフティネット」として、活動の場を拡大すること
ができるのかを研究していきたい。
第 59 回 保育研究大会 第 8 分科会 「公立保育所の使命と地域社会での役割」
「保育所の危機管理を考える」
新島保育所長
瑞穂保育所長
香取支会
髙城正江
関 優子
1.はじめに
安全な保育を進めるために、子どもたちの事故防止、安全対策への取り組みの重要性が
問われる中
香取市公立保育所所長会においても、毎年外部機関から講師を招いての全職員対象の研修
や各保育所 の現状、問題点を出し合い、施設長としての意識向上に向けた話し合いを重ねて
きた。
今年度、
所長としての危機管理マニュアルの作成を行い、
安全管理意識の高揚をはかり、
日々の生活の中での安全保育へ繋げていった。11園それぞれ、人的、物的環境の違いから、
様々な問題、課題があるが、マニュアルを共有し、事例研修からの話し合いを通し改善し、よ
り良い安全保育へと繋げていきたいと思いました。
2.とりくみ
①所長としての危機管理マニュアルの作成
②香取市保育事故防止対策マニュアルの見直し
③香取市の児童虐待について(研修)
④事例研修
3.まとめ
・危機管理マニュアルの作成は「最も大切な子どもを守る」ため、危機の予知・予測・回
避に努めるとともに、危機管理時は被害を最小限に止める取り組みを目的とした。所長として
の判断のもと職員全員の意思統一を図り、機敏な対応、判断を培っていくことを土台にし基本
的体制をとる。
・事故防止対策マニュアルは、職員に周知し、日々の保育に直結する活動に対し、園ごと
に確認する。今後も保育所内外において職員全員が意識を持ち安全保育に向けた行動をするた
め、必要な項目を加えていく。
・保育所は児童虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、防止の啓発に努めなければ
いけないことを再認識した。保育所の事例から、様々な家庭状況におかれている子どもたちへ
の対応を学習することができた。
・事例学習からの課題を話し合うことで、自園の危機管理の見直しに繋がり、職員・保護
者・地域と連携を深めていくことの大切さを感じた。また、職員一人ひとりの意識・知識の向
上、経験を通し学び合い、共有しともに培う関係を作っていきたいと思う。