今月のトピック GS 認証における重要部品の記 載について‒ p. 2 最新

tuv.com
munication
2014 年
第8号
今月のトピック
GS 認証における重要部品の記
載について‒ p. 2
最新国際規制情報 ‒ p. 2
テクノフロンティア 2014「モータ技術シン
ポジウム」で機能安全について講演 – p. 3
<特別寄稿>
出張ランニングのすすめ‒ p. 8
テュフ ラインランドは、アジア・太平洋地
域の日系企業をサポートしています – p. 4
<連載コラム>
異文化発見!ドイツ人学生のつぶやき
No.4:「広告 その表現方法」について
ドイツ人インターン生が日本での発見やドイツ文
化を紹介します!‒ p. 10
NEWS from TÜV Rheinland Group
テュフ ラインランド、韓国にエネルギー効
率評価試験所を開所 – p. 5
IEC 61508 認証について
機能安全と認証プロセス
セミナー・展示会情報 ‒ p. 11
第 1 回 – p. 6
GS 認証における重要部品の記載について
GS マークは、ドイツの製品安全法(ProdSG 法)に基づい
て検査され、安全性が認証された製品につけられるマーク
です。GS 認証に関わる文書では、使用される重要部品は、
常に明確に記載される必要があります。
GS マーク
2014 年 5 月 22 日付け ZLS(ドイツ連邦共和国製品安全局)文書 EK1 581-14 -Rev1 により、
GS 認証を取得する製品に使用されている重要部品は、明確に特定されることが要求されて
います。「Various(その他の)」もしくは「interchangeable(取替え可能な)」という表現
は、CDF(Construction Data File 技術構造文書)では認められません。
最新国際規制情報
テュフ ラインランドはウェブサイトで、世界の規制や国際規格に関する最新情報をお届け
しています。記事により日本語翻訳もご覧いただけます。ぜひご活用ください。
テュフ ラインランド 最新国際規制情報
www.tuv.com/jp/latest-regulations
1. 生活支援ロボット国際規格の最新情報
生活支援ロボットとは、日常生活、歩行、食事など人のさまざまな活動をサポートするロ
ボットです。この生活支援ロボットの国際規格が、このたび機械指令の整合規格(EN
ISO13482:2014)として採択されました。
詳しくは EU の公式ウェブサイトをご参照ください。
http://ec.europa.eu/enterprise/policies/european-standards/harmonised-standards/machi
nery/index_en.htm
2. インド規格協会が強制登録スキームにおける除外製品
に関する文書を公布
インド規格協会(BIS=Bureau of Indian Standards)は 8 月 1 日、インド電子・IT 機器に関
する要求(CRS)2012 の対象製品について、対象製品の除外に関する規定文書を公布しま
した。
除外製品は以下のとおりです。
1. インタラクティブホワイトボード
2. 3D プリンター
3. 施設がインドに移転することにともなってインドに輸入される製品
4. セキュリティ設備、犯罪防止、戦略的用途のために使用される製品
本決定は 8 月 1 日付けで発効しています。
◆お問い合わせは、カスタマーサービスセンター(TEL: 045-470-1850 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
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テクノフロンティア 2014「モータ技術
シンポジウム」で機能安全について講演
テュフ ラインランド ジャパンは、機能安全の普及を目的とし、各所でさまざまなセミナー
を実施しています。去る 2014 年 7 月 25 日に、
「テクノフロンティア 2014」
(開催地:東京
ビッグサイト)技術シンポジウムのモータ技術シンポジウムで、機能安全セッションが初
めて開催されました。この機能安全セッションで、テュフ ラインランド ジャパンの機能
安全検査官が講演を行いました。
機能安全セッションの様子
近年、特にモータ制御技術に関しては機能安全への対応がますます重要になっていること
から初めての開設となった機能安全セッション。機能安全技術を搭載したマイコンや、開
発中の検証技術が紹介されました。テュフ ラインランド ジャパンは、その導入部分で「機
能安全認証のポイント」と題し、機能安全規格や認証手順の解説を行いました。
本セッションには産業機械分野や自動車分野などから、さまざまな企業の方が参加されま
した。また質疑応答の際に、製品認証とプロセス認証の違いや機能安全対応マイコンの市
場動向など、具体的な開発を検討している参加者から質問が寄せられました。全体として、
機能安全市場が更に活発に広がっていく可能性が予見できました。
テュフ ラインランド ジャパンは機能安全の普及のために、認証のためのセミナーやト
レーニングなど、幅広いサービスを提供しています。ぜひお問い合わせください。
■機能安全とは
危険事象の発生頻度・程度(リスク)を、電気・電子あるいは機構的な仕組みを用いて目
標とするレベルまで低減させる技術のことです。具体的には、安全機能が意図した通り確
実に動作することによって、目標とする安全状態が達成されるような設計です。この考え
方は、最新の安全技術としてさまざまな産業分野で既に導入が進んでおり、IEC 61508 規格
を核として派生した安全規格が作られ、ますますその重要性が増しています。
◆機能安全サービスについてのお問合せ先: [email protected](機能安全グループ代表アドレス)担当:西郷◆
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テュフ ラインランドは、アジア・太平洋地域の
日系企業をサポートしています
日系企業向けセミナーのお知らせ
急速な発展を遂げる東南アジア各国は、さまざまなビジネスチャンスの可能性を秘めてお
り、この数年日本企業の進出が加速しています。新たな拠点展開において、ビジネスの成
功の根本となるのは、正しい情報収集であり、進出国における規制対応です。テュフ ライ
ンランド ジャパンは、20 年近くにわたりアジアパシフィック地域 10 ヵ国を統括していま
す。こうした経験・実績を活かし、今後、アジア各国に進出する日本企業のニーズに応え
るべく、営業体制を強化、積極的に情報発信をしてまいります。
その第一弾として、今年 4 月にベトナムのホーチミン、ハノイで日系企業向け ISO 9001:
2015、ISO 14001:2015 の改訂動向を含めた、マネジメントシステム認証セミナーを日本語
で行いました。多くの方々にご参加いただき、おかげさまで盛況のうちに終了しました。
これを受け第二弾として、今年秋より日系企業向けセミナーを、その他のアジア各国でも
日本語で開催する運びとなりました。
ぜひこの機会を貴社の情報収集にお役立ていただくとともに、今後の貴社のアジア太平洋
地域での事業展開にテュフ ラインランド グループのサービスをご利用ください。お客様
の現地拠点からのお申し込みもお待ちしています。
■開催予定
9 月 29 日、30 日
10 月
11 月以降
インドネシア
□ISO9001:2015、14001:2015 規格改正動向 OHSAS 18001
「国際規格案(DIS)要求事項の概略および既存規格要求事項との対比
(29 日)
□食品安全等のマネジメントシステムおよび製品安全国際認証・イン
ドネシア SNI 認証(30 日)
タイ 内容未定
カンボジア、フィリピン 内容未定
※セミナー詳細は今後、ウェブサイトに順次掲載する予定です。変更となる場合がありま
すので、最新情報をご確認ください。http://www.tuv.com/jp/seminar
お問い合わせ先:
テュフ ラインランド インドネシア Mr. Laksmono Hadi
T E L : +62 21 5794 4579 / Fax: +62 21 5794 4579
e-mail: [email protected]
日本窓口
テュフ ラインランド ジャパン株式会社 マーケティング部
T E L : 045-470-1891
e-mail: [email protected]
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堀川 圭子
NEWS from
TÜV Rheinland Group
テュフ ラインランド、
韓国にエネルギー効率評価試験所を開所
テュフ ラインランド 韓国は、このたび慶尚南道(キョンサンナムド)の昌原市(チャン
ウォン)にエネルギー効率評価試験所を開所しました。7 月 11 日に開催した開所式には、
韓国の企業をはじめ、関係省庁、提携会社などの方々にご参加をいただきました。
開所式の様子
この試験所は、韓国で単一・マルチ空調システムを評価する第三者検査機関の試験所とし
て最大です(総床面積 1,600 ㎡)。また、エンタルピー型熱量計や水熱源供給システムなど
最新の機器を備えています。テュフ ラインランド韓国は、エネルギー効率適合性試験や国
際規格(ISO 5151、EN 14511 など)や国家規格(UAE、クウェート、サウジアラビアなど)
の適合性を評価する性能試験を提供することが可能になります。
ホルガー・クンツ アジア太平洋地域最高責任者は、開所式の挨拶で「韓国市場は、テュフ
ラインランド グループのアジア太平洋地域ビジネスにおいて、非常に重要な市場のひとつ
と考えています。テュフ ラインランド韓国は、韓国における外国の第三者検査機関として
初めて 1987 年に設立されました。このエネルギー効率評価試験所の開所は、この地域にお
けるわれわれの電気事業戦略の中で、大きな位置づけとなります。今後もお客様に、付加
価値の高いサービスを提供してまいります」と述べました。
ラボツアーの様子
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IEC 61508 認証について
機能安全と認証プロセス 第 1 回
出典:「計測技術」(2013年10月号)
日本工業出版株式会社
特集付録:「安全PLC&計器製品ガイド」
テュフ ラインランド ジャパン株式会社
機能安全
シニアエキスパート
和田 昌士
1.
はじめに
「事故の回避、安全とは法律などの規制によって達成されると認識するべきではない。人
間としての責任義務であると理解するべきである。それは総合的に見て経済的な合理性も
ある。」これはある有名なドイツ人技術者のことばである。日本の技術者はこれをどのよう
に受け取るだろうか。結局は製品の安全性は規格に適合していれば良いのであって理想と
現実とは違うと言われそうである。
そもそも日本とヨーロッパとでは「安全文化」
(Safety culture) が違う。例えば、きっちり
としたメンテナンスと使用者への教育訓練で安全を確保しようとする文化と、そもそも機
械は故障するもの、人間は間違うものという前提で安全を考える文化である。後者がヨー
ロッパの考え方であり、設計思想もそれが前提となっている。そして機能安全もこの考え
方に基づいている。国際安全規格は基本概念として “state-of-the-art”、つまり設計者に最
善の技術・努力の投入を要求している。
しかし、この最善の技術・努力の投入は「安全規格への適合」のことだと理解している日
本の技術者が残念ながら非常に多い。規格適合は「最低限」として必要なのであって、そ
れに加えて設計者自身の思考努力を要求している。例えば、リスク分析(FMEAなど)の実
施によって、ある現象による危険事象が想定可能であるが、それは規格書の要求事項とし
て特に明記されていないため、対応する必要はないと判断するのは間違いである。
つまり規格要求に関わらず、対応しなくて本当によいのかどうか設計者として考え議論す
るべきである。要は最終的な安全責任は「規格」にあるのではなく「組織・設計者本人」
が担っているということだ。これは機能安全による設計において理解しておくべき大切な
ポイントである。実際の認証プロセスにおいて検査官は、常にそのことを念頭においてコ
ンセプト評価そして実機検査を行っている。
本稿では、機能安全の中心に位置するIEC 61508規格の認証取得において必要なこと、考え
方、それと同時に日本国内で氾濫している誤った情報・解釈などについて述べる。
2.
機能安全規格の導入
機能安全規格のみならず、現在の国際安全規格の基本概念は組織・設計者の事前責任を求
めている。つまり十分なリスク分析の実施を強く求めている。一般的に定性的もしくは半
定量的なリスク分析は設計者のみで実施するだけでなく、製造・品質管理・販売などの他
部門を巻き込み、可能であればエンドユーザーもメンバーに加え多面的な意見集約が有効
とされている。
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ちなみにIEC 61508 part 5には参考手法としてリスクマトリクスが紹介されているが、必ず
しもこの手法を使用しなければならないということでもない。社内ですでに使われている
ものがあればそれを使用してもよい。しかし注意しなければならないのは、保守的なリス
ク見積もしくは重要リスクの見逃しなどがあれば、その結果に基づいて設計された安全機
能に致命的な問題点を内包してしまうことになる。
或いは目標の安全度水準(SIL)を決定する時に上記の分析手法に依らず、競合他社と同等
もしくはそれ以上の水準を目標とするということでも構わない。そういったケースが実際
には多いのも事実である。そしてそれと同時に参照すべき関連規格の有無を調べておくこ
とも重要である。
つまり、規格適合は1つずつ順番に達成するのではなく、できるだけ複数の規格を一度に
考慮し網羅的な試験方法とワーストケースレベルによる試験を実施した方が時間・費用の
大幅な節約になる。このことは同時に考慮すべき規格要求・ガイドラインを設計に取り入
れたことになり、事前責任を果たす点で非常に重要な意味を持つ。
要するに、国際安全規格が要求しているのは、設計段階で安全な設計について十分に考え、
考慮すべき要求・ガイドラインを最大限に取り入れることであり、ひいてはこのことがビ
ジネス上での優位性を確保することにもなる。
次にIEC 61508機能安全規格に適合させるということを簡単に表したのが(第1図)である。
リスク分析の結果から安全度水準(SIL)を決定すれば、その後は規格書に記載されている
SILごとの技法・方策を設計に取り入れることによって、要求事項(回避・抑制方策)を満
たしたことになる。
IEC 61508の要求事項は大きく分けると、機能安全マネジメント、ハードウェア設計、ソフ
トウェア設計、そして定量的数値である安全関連パラメータ(自己診断率、機能失敗確率
など)の四つの要求区分がある。要求事項には必須項目もあれば選択可能項目もあり、必
須項目であっても目標SILを十分達成できる論理的合理性を示せれば、規格書の要求内容か
ら部分的に逸脱することも認められている。
第1図
IEC 61508 適合の概念図
次回は、機能安全規格IEC 61508の状況と第三者認証機関の位置づけを掲載します。
◆お問い合わせは、マーケティング部 広報課(TEL: 045-470-1860 E-mail: [email protected])までお願いします。◆
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<特別寄稿>
出張ランニングのすすめ
テュフ ラインランド ジャパン、運輸交通部の検査官によるドイツ出張のエッセイをお届
けします。
うさぎが跳ねている。7月の下旬、早朝の湖畔は涼しい風
が流れ、快適だ。
朝のランニングを始めて数年、他のことは三日坊主の私が
未だに続いているのが不思議だ。
ハノーファー
ここは北ドイツのハノーファー(Hannover)。出張で来て
いるが、いつもランニングシューズとウェアは欠かさない。
早朝 5 時半に起き、ライネ川からマシュ湖畔(Maschsee)
を走っている。昼間は 30℃と暑いが、早朝は 20℃と涼し
くランニングには最適なのだ。
スマホで走行距離も記録している。今は地図上に経路が描
かれ、自分が走った道の高低差も解るから楽しい。こんな
情報は、正直無用なことと理解はしているが、モチベー
ションを上げるにはとても良いツールである。
以前、まだスマホを持たずに走っていた頃に
台北(台湾)で迷子になり、ホテルに戻るの
に1時間も彷徨った経験からスマホを身につ
けるようになった。電話以外でも活用できる
ので、この小さな荷物もなかなか悪くないも
のだ。そうそう、パスポートも持って走って
いる。海外で走る時は、スマホより重要にな
るかもしれないからだ。
いつも寝坊ばかりだが、出張先では早朝に目
が覚める。健康に興味は無く、ただ単にダイ
エットの一環で始めたが、残念ながら肝心の
体重は変わらない。体重と同様にスピードも
距離も伸びず、いつまでもビギナーのままで
ある。
それにしても、出張先の見知らぬ街を走るの
はかなり楽しい。ランニングが続いている理
由の一つがこれだ。ハノイでは、たくさんの
人が早起きでウォーキングしている。早朝の
ドイツ・ケルンの街では、ライン川、そして
ドームがほんとうに綺麗だった。ハノーフ
ァーの街のそこここに見える教会がなんとも
素晴らしい。北海道で、早朝の市場で食べる
ハノーファーの教会
ウニ丼のそれはそれは美味しかったこと。街を走ることでその国の良さも見えてくること
を知ったのである。
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8
さて、今回の出張の舞台、ハノーファーの事を書き忘れるところだったのでここからは街
の紹介としよう。
ハノーファーは特に有名なワインの産地ではないが、7 月の末にワインフェステバルが開催
されていた。ドイツでは、南西部に位置するライン川沿いにたくさんのワイナリーがあり、
そのワイナリーの方々がドイツ各地に回るようだ。
ワイングラスを傾けながら地元の人に話しかけたら、ハノーファーの自慢話を山ほど聞か
された。彼が言うには、ドイツ語の標準語はハノーファーだそうだ(本当のところは知ら
ないが?)。歴史的にイギリス王室と関係が深く、ハノーファー王国の話も聞かされた。
延々と話されたが何せこちらも酔っ払い、すっかり忘れてしまったので翌日少し調べてみ
ると、なんと 150 年以上も昔の話だし、あっちとこっちがどうこう、うんぬんかんぬん、、
、
複雑過ぎて、とてもちょっとやそっとでは飲み込めず、良くそんな話を聞いていたもんだ
と、ワインの美味しさバンザイ!と思った次第だ。
ワイン祭の風景
そして、もう一つ、肝心の美味しい話もご紹介しておこう。ハノーファーから車を走らせ
た田舎町で、ハイトシュヌーケ(Heidschnucke)を食す機会があった。要は羊肉(ラム)
のことなのだが、北ドイツで飼育している小型で長毛種の羊だそうだ。昔から家系が守ら
れ、決められた産地のハイトシュヌーケ種のみ、この名を名乗る事ができるらしい。ラム
肉特有の臭いがあるので小生はあまり得手ではなかったが、ラム肉好きの方にはぜひ、北
ドイツにお越しの際にはお試し頂きたい逸品である。
観光地としては、マイナーなハノーファーだが、現地のみなさんのおかげで有意義な時間
を過ごすことができたのであった。
写真は、ハノーファーの教会とワイン祭の風景です。横着してスマホ撮りをしました。
筆者
運輸・交通部
車両技術/型式認証課
大城 浩貴
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異文化発見!ドイツ人学生のつぶやき
No.4:「広告 その表現方法」について
ドイツ人インターン生が日本での発見やドイツ文化を紹介します!
今回は、広告について話したいと思います。日本に来た当初、広告・宣伝のすさまじさに
圧倒されてしまいました。例えば家電量販店では、飛び交う情報量、音量、色彩などすべ
ての状況に、ただただ衝撃を受けました。日本のみなさんにはごく普通のありふれた事象
なのでしょうが、ドイツ人の私には、“Too much!” やり過ぎという感じがしました。文化
の相違なのかもしれません。
アップルについて考えてみましょう。家電量販店の PC 売り場は、喧噪、色使いなどにぎや
かですが、アップルのコーナーは他と異なり、砂漠のオアシスのような佇まいが漂ってい
ます。セールスポイントはシンプルです。テーブルの上の PC、デバイス、単純明快な製品
説明、コンセプトが伝わってきます。そうそう TV の CM も、すてきな CM ソング、フレン
ドリーな音声云々。これがアップルの良さです。(決して私は回し者ではありませんが)。
ヨーロッパで高い好感度をあげているブランドとしてニコンやソニーなどがありますが、
彼らが世界的に統一された広告戦略をされているかどうか、私は知りません。しかしアッ
プルは世界共通の広告戦略をしています。
日本のテレビコマーシャルを見ていると、前述した家電量販店で感じたものと同じような
印象を感じます。ドイツでも質の良くないコマーシャルは多々あります。どうする?チャ
ネルを切り替えます。潜在顧客は決して単なる新製品・商品説明を期待しているのではな
く、30 秒間に物語性を求めているのです。そのことを理解したいくつかの企業が現れてき
ました。視聴者に発信された情報が、面白く有意義で感動的なものであれば、きっとそれ
を友達に語るでしょうし、SNS で共有しあうでしょう。毎年開催されるアメリカの「スー
パーボール」は、試合そのものもエキサイティングですが、中継スポンサーのそれぞれの
CM が大変楽しみです。例えば VW(フォルクスワーゲン)の “VW Super Bowl” が与える物語
性、好感度はバイラル効果をともない、企業にとって計り知れない影響を生んでいます。
来日して 3 ヵ月が経ちますが、このような CM にはお目にかかったことはまだありません。
日本の友人とも CM を話題にしますが、腑に落ちる答えはでてきません。今回のこのコラム
の冒頭に記したように文化・風習・生活様式の違いなのかもしれません。
ドイツでは何年もの間、CM は退屈なものでした。それが変化したのです。典型的な例が銀
行のものです。どうして変容することが出来たのでしょう。銀行のケースでは、どこも信
用、信頼性、責任義務などをアピールするのですから似たようなもの、うんざりする CM に
なっていたのです。しかしある銀行がコンセプトを変えて、すっかり別の訴求をしたので
す。コマーシャルの結果、実際にどのくらい顧客が増えたかは分かりませんが、この CM が
話題になり、人々の間で語られる結果になりました。物語が企業のブランド価値を維持し、
高めることが出来たのです。そうでなければコカコーラなどの世界展開をする企業は、コ
マーシャルをしないでしょう。彼らはコマーシャルを通して、私達の胸の中にブランドが
刻み込まれて欲しいのです。
日本での残された 3 ヵ月を、もっともっと広告・宣伝を注視するつもり
です。TV だけではなく、電車や街頭、店頭あらゆる場をとらえて観て
いきます。それはエキサイティングであり、日本での新しい経験の場と
なり、ドイツ、日本のそれぞれの文化の違いを深く知る場ともなるで
しょう。(英語で執筆。編集部で翻訳)
ヤン・パランドさん
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セミナー・展示会情報
セミナー
入門編
IEC 60950-1(第 2 版)セミナー
定義コース (定員 10 名)
対象 電気製品の安全規格を初めて勉強する方
電気製品から発生する危険、安全規格の基本原理、安全規格の基
本定義(用語)について説明します。IEC 60950-1 を基本として説
明します。IEC 60950-1 以外の安全規格を対象とする方にとって
も安全規格の基本を理解するために役立つ内容です。
入門編
日
時:2014 年 9 月 5 日(金)
13:30∼17:00
参加費:10,000 円(消費税込み)
場
所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
要求コース (定員 10 名)
対象 規格の基本的な要求を確実に理解したい方
IEC 60950-1 の各章の要求について、基本的な考え方を解説しま
す。規格書の 1 章から 7 章までが対象範囲です(定義を除く)。基
本的要求、要求に対する例外、試験方法に関して解説します。
日
時:2014 年 10 月 24 日(金)
10:00∼17:00
参加費:15,000 円(消費税込み)
場
所:テュフ ラインランド
ジャパン 新横浜本社
全般
Q&A コース (定員 10 名)
対象 実際の製品に対して安全規格がどのように適用されるか 日 時:2014 年 11 月 14 日(金)
をさらに詳しく理解したい方
13:30∼17:00
具体的な問題に対して、どのように規格書を適用するか、どのよ
うに規格を解釈するかを、参加者の質問に回答する形で解説しま 参加費:10,000 円(消費税込み)
す。実際に参加者が悩んでいる問題、規格書の詳細な解釈などに 場 所:テュフ ラインランド
関して、事前にお送りいただいた質問や、参加者からその場でい
ジャパン 新横浜本社
ただく質問に対して解説します。規格書すべてが対象範囲です。
セミナー
機能安全エンジニア(FSE)資格トレーニングコース - ISO 26262
機能安全規格は、製品の開発初期段階から廃棄までのライフサイク
ルを通して安全を保証することを求めています。本コースの受講に
日
9 月 12 日(金)
より、機能安全の概念と、開発・生産・運用・廃棄に関する ISO 26262
要求事項を理解することができ、規格に適合する部品サプライヤの
参加費:350,000 円+消費税
(講義と試験)
選定をはじめ、機器またはシステムの設計を、より確実・専門的に
行うことが可能になります。
時:2014 年 9 月 9 日(火)∼
場
所:新横浜
2014年8号
11
セミナー
ISO 27001: 2013 移行解説セミナー
ISO 27001: 2005 の認証を維持されているお客様は、2015 年 9 月 30
日までに、ISO 27001: 2013 に移行していただく必要があります。こ
日
時:2014 年 9 月 19 日 (金)
のたび、テュフ ラインランド ジャパンでは、新規格の内容、移行
13:30∼17:00
手続きとスケジュールを解説するセミナーを開催します。すでに
参加費:5,000 円(消費税込み)
ISMS 認証を取得されている企業・組織の推進責任者、内部監査員の
弊社で認証を取得された企業様は無料
方は無料です。また、これから ISMS 取得に取り組まれる企業のご担
場
所:テュフ ラインランド
テクノロジーセンター
当者にもご参考いただける内容です。
☆無料セミナー☆アマノラ・レズバーニ氏 来日記念セミナー
「ドイツ品質と日本品質が抱える問題と将来像」
セミナー
第 1 部 浜松・新横浜両会場
「ドイツ品質と日本品質が抱える問題と将来像」
日
時:2014 年 9 月 24 日 (水)
テュフ ラインランド Cert GmbH 航空機部門主任監査員アマノラ・
浜松
レズバーニ氏による講演。ドイツ社会において、最近行われた品質
2014 年 9 月 25 日(木)
に関する調査で、ドイツ産業は高品質を維持していくべきだとの声
新横浜
が、過半を占めました。本講演では、この事例に関連して「品質が
13:00∼17:00
業界を牽引するポイント」に焦点を当てます。調査結果を踏まえ、
参加費:無料
あらゆる角度から将来像を俯瞰します。
場
第 2 部 浜松会場
所:9 月 24 日浜松市勤労会館
9 月 25 日テュフ ライン
「ISO 9001/14001 規格改定内容解説」
300 社を超える品質、環境、情報関連企業に ISO 規格導入構築経験
ランドジャパン 新横浜
を持つシニア監査員が、抑えておくべきポイントを分かりやすく解
本社
説します。
第 2 部 新横浜会場
「航空宇宙産業への参入条件」
日本の航空宇宙産業を担う企業が、よりグローバルに展開するため
に求められる条件について、分かりやすく解説します。また、日本
企業文化をベースとして生まれる欧米企業との認識差や市場で勝ち
残るための術を経験を通じてお伝えします。
IEC 62368-1(第 2 版)セミナー
新しく導入された要求およびその他の要求
セミナー
IEC 62368-1 第一版は、2010 年 1 月に発行。その後、実使用を目指
して準備されていた IEC 62368-1(第 2 版)が 2014 年 2 月 26 日に
日
時:2014 年 11 月 6 日 (木)、
7 日(金)
発行されました。セミナーでは、IEC 62368-1 で新しく導入された要
求とその考え方、および IEC 60065 と IEC 60950-1 からの変更点を
参加費:20,000 円(消費税込み)
主体に説明します。今まで IEC 60065 または IEC 60950-1 に基づく
場
安全規格の設計・申請などの経験がある方はもちろんのこと、これ
から安全規格の仕事をスタートする方も対象としています。2 日間で
IEC 62368-1 の要求全体を説明します。
2014年 第8号
12
所:テュフ ラインランド
テクノロジーセンター
セミナー
機能安全エンジニア(FSE)資格トレーニングコース - IEC 61508
機能安全規格は初期からの安全設計を要求しており、本コースの受
講で設計・開発に関する要求事項を理解できます。機能安全の概念を
日
時:2014 年 12 月 2 日(火)∼
12 月 5 日(金)
理解することで、IEC 61508 に適合する部品の選定をはじめ、機器ま
たはシステムの設計を、より確実・専門的に行うことが可能になり
参加費:350,000 円+消費税
(講義と試験)
ます。また、機能安全には機能安全管理に関する要求事項があり、
人員の適性能力を立証する必要があります。本コース試験の合格者
場
所:新横浜
は、機能安全エンジニアの資格を取得することで、その職務を逐行
できる能力が証明されます。
セミナー
ホスピタリティマナー研修 「おもてなし」
【株式会社ベターコミュニケーション主催】
2020 年のオリンピックを控えて、さまざまなサービス現場に係わる
方々のレベルアップが期待されています。接客・接遇に不可欠な「お
日
時:2014 年 10 月 14 日(火)
∼10 月 16 日(金)
もてなし」に関るマナーで、あたたかい心や思いやりの心を形にする
スキルを研修を通して身につけていただきます。
参加費:10,800 円(受講料)
32,400 円(試験、認証料)
※本講座は、ベターコミュニケーションが研修を実施し、テュフ ライ
(共に消費税込み)
ンランド ジャパンが試験、および試験合格者に対する個人認証を提供
場
します。
所:テュフ ラインランド
ジャパン新横浜本社
セミナー
放射性物質測定の実務者研修 【3 検査機関 共催】
この研修は、食品に含まれる放射性物質に対する消費者の不安の解
消に貢献するため、放射性物質測定の技術向上や精度管理を支援す
ることを目的としています。研修プログラムは、公益財団法人 日本
分析センター 、一般財団法人 日本冷凍食品検査協会 、テュフ ライ
日時など詳しくは下記ウェブサイト
をご覧ください。
http://www.jffic.or.jp/news/20140502-1429
ンランド ジャパン株式会社の 3 検査機関が共同で提供するものです。
■機能安全エンジニア資格(FSE)コース 年間開催スケジュール
http://www.tuv.com/jp/japan/about_us_jp/fairs_events/fse/schedule/fscourseschedule.html
詳しくはセミナー・イベントページ http://www.tuv.com/jp/seminar をご覧ください。
セミナー全般に関するお問い合わせ:マーケティング部 広報課
TEL: 045-470-1874 FAX: 045-470-8055 e-mail: [email protected]
2014年8号
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2014年 第8号
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