2003年 第 8号 TÜV Rheinland Japan News TUVdotCOMのサイトが

TÜV Rheinland Japan News
japan
2003年 第 8号
1.GSマークの要求事項、食品に触れる可
能性のある合成物質の試験について
食品と接触することが意図もしくは予測さ
れる合成物質は、ドイツ食品および日用品
法(LMBG) 5条、1.1項に従い、材料試験が必
2
要です。
2. 医療機器のユーザビリティ
医療機器のユーザビリティの国際標準化に
関する検討が進められています。
2
3. TÜV ラインランド、オフィス機器エルゴノ
ミクスのトータルソリューションをご提供
オフィス機器のエルゴノミクスは世界中で重
要視されています。
3
4.東芝キャリア株式会社の中国向けエア
コン CQC認証を取得
6月30日付で、東芝キャリア株式会社の中国
向けエアコンに対し、任意の認証である
CQC認証書が発行されました。
3
5.防爆指令評価におけるリスクアセスメント
本 年 7月 よ り 新 し い 防 爆 指 令 (94/9/EC)−
ATEX 95が強制となり、EU域内およびEFTA
のほとんどの国で適用されています。
4
6.製品中のカドミウム、鉛含有量分析サー
ビス
大手情報機器、家電メーカーでは自主基準
を強化し、製品に使用される全部品・材料
にカドミウム、鉛の含有量測定データの提
出を義務づけています。
4
7. ザクタテクノロジーEMC任命サイトに。
㈱ザクタテクノロジーコーポレーションが7
月付けでTÜV ラインランド任命サイトとなり
ました。
5
8. 車載用Bluetooth技術の応用
車載向けBluetooth無線技術は今後、時間の
節約、利便性と安全性の確立のためのベスト
なソリューションとして益々利用されること
5
になるでしょう。
9. 特集記事「産業用大型システムのEMC試験」
著 者 T Ü V ラインランド ノースアメリカ
Bruce Fagley 。"Conformity"誌の2003年9月
6
号より承認を得て翻訳・転載。
10. ISO 自動車、2006年までに全自動車の
8割がISO 9001:2000に準拠
自動車業界はこの度、国際自動車タスクフォー
ス(IATF)を通じ、ISO/TS 16949:2002を
受け入れることで合意しました。
9
11. EMC指令入門からFCCまでをカバーす
るEMC総合セミナーを開催します 10
10月16日(木)・17日(金)の2日間、新横浜にて。
12. 医療機器、体外診断用医療機器の海外
進出における規制要求事項セミナーを
10
開催します 10月24日(金)
13.テュフ ラインランド ジャパン沖縄オ
フィスオープン
2003年6月1日、日本で5番目のオフィスと
して沖縄オフィスを開設いたしました。 11
TUVdotCOMのサイトが一新しました。最新の認証情報をいつでも、どこでもご提供。検索機能もいっそう充実しました。
GSマークの要求事項、食品に触れる可能性のある合成物質の試験について
食品と接触することが意図もしくは予測される合
など)のマイグレーションに関してリミットをチェッ
成物質は、ドイツ食品および日用品法(LMBG) 5条、
クすることは難しいため、このような物質の要求
1.1項に従い、材料試験が実施されることになりま
事項への適合は、最終製品製造業者もしくは輸入
した。
業者の責任となります。
基本的に使用材料は以下の規制に適合しているこ
食品との接触の可能性があるプラスチック製品の
とが確実にされる必要があります。
適切性をチェックするための任意抽出・最終試験
EC指令
の試験内容は以下のようなものです。
02/72 食品に接触しての使用が意図されるプラス
1.マイグレーション
チック材料、物体
物質のマイグレーションついてはEC指令90/128/EEC
85/572 マイグレーション試験に使用される溶媒リ
とそれに相当する規制に従って試験されます。
スト 食品に接触しての使用が意図されるプラスチッ
2.味、臭いの移り試験
ク材料、物体
評価段階は0から4の5段階に分かれ、許容限度は
82/711 食品に接触しての使用が意図されるプラス
3になっています。
チック材料、物体からのマイグレーションを決定
3.使用されるプラスチック中の特定要素の管理 する基本規制
4.最終結果
法令その他
製品が上記に述べたような要求事項を満足してい
●食品および日用品法(Lebensmittel und Bedarfsge
る場合、以下のように述べることができます。
genständegesetz:: LMBG 1997年9月9日発行)
「試験の結果、試験標本はLMBG(Lebensmittel-
●日用品条例 (Bedarfsgegenständeverordung: und Bedarfsgegenständeverordnung)30項、31項の要
BGVO 1998年1月7日発行)
求事項を満たしている。検査された要素に関しては、
●「食品と接触のあるプラスチック」作業委員会(BgVV
ドイツ食品法(Lebensmittelrecht)に準拠している。」
所属)勧告
テュフ ラインランド ジャパンは材料試験の申
請窓口となっております。
本件の適合確認は材料メーカーが行なわなければ
なりません。しかし、いくつかの要求事項等は最
担当:新横浜本社 澤(Tel:045-470-1850)
終製品に関わってくるため材料メーカーが提出で
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
きる認証は限定されていることに注意してください。
せください。
例えば、原材料中のある種の物質(顆粒状のもの
医療機器のユーザビリティ
医療ミスは、患者やその家族に深い傷跡を残す
方と同様のものです。
結果を引き起こします。医療現場における人間の
国際標準化は1∼2年先のこととなる予定ですが、
ミスが非常に重大な結果に繋がることから、医療
ユーザビリティに関する概念の理解、開発全域に
機器においてもユーザビリティの向上についての
渡るプロセス導入には中期的な時間を要すること
関心が高まっています。この分野についての米国
から、メーカでは早期からの準備が時代の要請に
の取り組みは有名ですが、欧州に続きわが国でも
スムーズに応える最良の方法だといえます。
厚生労働省が核となって医療機器のユーザビリティ
についての理解向上、研究を進めています。
テュフラインランド ジャパンでは、ユーザビリティ
このような背景により、IEC(国際電気標準会議)
関連の研修や技術解説のサービスを提供しています。
では医療機器のユーザビリティに関する新しい規
貴社の製品のユーザビリティ向上のために、是非
格について審議されています。内容は、製品属性
ご活用ください。
のガイドラインではなく、開発プロセスでのユー
ザビリティ工学プロセス導入と文書記録を要求す
担当;新横浜本社 セキュアIT課
るという内容です。プロセスによってユーザビリティ
山本 (Tel:045-470-1850)
を捉える考え方は、昨今、業務用ソフトウエア開
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
発や、ウェブ開発でのユーザビリティの対応の仕
せください。
2
TÜV ラインランド、オフィス機器エルゴノミクスの
トータルソリューションをご提供
安全で快適な職場環境の実現のため、近年、オフィ
取得するには製品が健康に悪い影響を及ぼさない
ス機器用エルゴノミクス認証は世界中で重要視さ
ということを確実にするため、まず、安全面が証
れています。ヨーロッパでは職場で使用される全
明される必要があります。4月2日にドイツで行わ
ての視覚表示端末(VDT)がエルゴノミクスおよ
れたEK1-AG1ミーティングではPDAとプラズマディ
び安全要求事項に適合していなければならないと、
スプレイ、液晶テレビのGSマークについていくつ
欧州指令で規定されています。またドイツではディ
かの結論や更新事項が打ち出されました。2003年
スプレイ端末での作業に関連する法令が、欧州指
10月1日からEK1/70-02の要求事項がPDAに対して施
令への整合のためにエルゴノミクス要求事項への
行されます。またEK1-ITB2000の要求事項は製造業
適合を要求しています。
者による特記事項がない限り、現在、プラズマディ
スプレイとTFT-LCD テレビに対して適用されるこ
TÜV ラインランドはお客様の製品が、関連する全
とになっています。
てのエルゴノミクス要求事項を満たすためのお手
伝いを、ワンストップサービスでご提供しています。
TÜV ラインランドは包括的なエルゴノミクスサー
このサービスをご利用いただけば、製品の市場で
ビスをご提供しています。詳細につきましては下
の競争力が高まることは確実です。ISO規格に基づ
記担当者までお気軽にお問い合わせください。
いた弊社のエルゴノミクス認証サービスの対象と
なるのはCRTモニター、フラットパネルディスプ
担当:横浜ラボ 江原 (Tel:045-592-1371)
レイ、ノートブックパソコン、パソコン、キーボー
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
ド、その他の入力装置など多岐にわたっています。
せください。
MPR II証明と適合テストは、CRTモニターおよび
フラットパネルディスプレイのエミッションの最
新規格であるprEN 50279に従って行われます。
TÜVラインランドのエルゴノミクス認証マークを
東芝キャリア株式会社の中国向けエアコン CQC認証を取得
CQC voluntary mark logo
このたび6月30日付で、東芝キャリア株式会社の中
国向けエアコンに対し、CQC認証書が発行されま
した。CQC認証は、中国強制認証対象品目以外の
製品に対し、製造者の希望により任意で発行され
るものです。CCC認証と同様にサンプルを中国に
提出し、安全及びEMC試験を行った上で認証され
ます。取得により、製品にCQC任意マークの貼付
が可能になり、通関でのトラブル回避や市場での
製品の安全性のアピールに役立ちます。
詳細については、弊社国際認証課までお気軽にお
問い合わせください。
担当:新横浜本社 国際認証課 E.チャウ (Tel: 045 470 3148)
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
せください。
3
防爆指令評価におけるリスクアセスメント
本年7月より新しい防爆指令(94/9/EC)−ATEX 95が
を開催してまりました。セミナーでは、一般的リ
強制となり、EU域内およびEFTAのほとんどの国で
スクアセスメントの説明を通じ、防爆に関するリ
適用されています。
スクアセスメントについて解説しています。評価
新しい防爆指令では、屋内屋外を問わず、爆発雰
には主としてRASE 2000およびEN 1050を用います
囲気において使われる可能性のある機械および装
が、同時に爆発の危険性に関して現在検討されて
置について、機械指令(98/37/EC)とともに防爆指令
いる内容についても考慮します。指令が改定され
を適用することが要求されています。
る場合、変更される内容はたいてい、指令より以
いずれの指令も安全に関する基本的要求事項の中で、
前に出された規格の変更というよりも、より将来
使用される場所についての危険性について考慮す
的な設計について考慮しています。テュフ ライン
るとともに、発火源となる可能性についてリスク・
ランドはヨーロッパ委員会だけでなく、SEMIその
アセスメントを文書化することを要求しています。
他の委員会における防爆の改定に関する話し合い
その内容は、非常に小さな爆発についても含む非
に積極的に参加してきています、
常に厳しいもので、また爆発防止自体が複雑な作
防爆指令適合性評価においては、リスクアセスメ
業であるため、単純な装置であってもリスクアセ
ントとともに防爆分析をおこないます。この分析
スメントの文書化はたいへん手間のかかる作業と
によって機械が使われる場所の危険ゾーンとして
なります。(例えば危険ゾーン0におけるトーチライ
の数値を出し、適用すべき規格、対応策およびそ
ト、危険ゾーン2における小型コントローラなど)
の効果について検討します。リスクアセスメント
約10年前、リスクアセスメントの作業は非常に複
と防爆分析を両方受けていた
雑だったため、ヨーロッパ委員会はこれをもう少
だくことにより、爆発の危険
し現実的な手順に変えるよう要求しました。その後、
のある環境で使われる装置に
ヨーロッパの規格団体のCENおよびTC305により、
ついて、設計段階から防爆指
2000年3月、RASE 2000というガイドラインが作成
令を考慮して設計していくこ
されています。しかし、爆発の危険性は重要性が
とができます。
高いため、こうしたガイドラインを用いても防爆
の評価はやはり複雑な作業となります。
担当:九州オフィス A. ラート(Tel:092-845-5431)
2002年以降、テュフ ラインランド ジャパンはドイ
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
ツ本社と協力し、防爆指令に関する数々のセミナー
せください。
製品中のカドミウム、鉛含有量分析サービス
近年、カドミウム、鉛といった環境や人体に悪影
フ ラインランド ジャパンを通じてご依頼いた
響を及ぼす恐れのある特定有害物質の含有量が注
だくことができます。御社の製品のカドミウム、
目を集めています。これは2003年2月13日付けで発
鉛含有量の分析に弊社ラボをご活用ください。ま
行された欧州指令RoHS指令を受けたもので、大手
たカドミウム、鉛以外の有害物質も分析可能です
情報機器、家電メーカーでは自主基準を強化し、
のでお問い合わせください。
製品に使用される全部品・材料の有害物質である鉛、
水銀、カドミウム、六価クロムなどの含有量測定デー
担当:新横浜本社 営業部
タの提出を義務づけています。
相川・漢城(あやき) (Tel:045-470-1850)
特定有害物質は欧州、特にドイツで古くから管理・
西日本地域担当オフィス 営業部
規制されてきました。このような状況のもと、
岡本・薮内(やぶうち) (Tel:06-6355-5777)
TÜVラインランドではドイツ本社および中国、台
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
湾に化学分析ラボを持ち、製品中の化学物質の分
せください。
析を行っております。これらラボでの分析はテュ
4
ザクタテクノロジーコーポレーション
TÜV ラインランドの任命テストサイトに
株式会社ザクタテクノロジーコーポレーション(
神奈
川県横浜市)
は、EMC試験業務、動作検証評価、設計
開発支援業務などを提供する総合EMC試験機関です。
横浜本社のほか、米沢に試験センターを持ち、米
国にも事務所を構えています。
米沢試験センターには3つのオープンサイト、簡
易電波暗室、シールドルームがあり、イミュニティ、
エミッション両方の試験に対応してきましたが、
2002年に川崎市高津区にテクノパーク高津を開設し、
電波暗室、シールドルームを備えて、関東圏のお
客様によりご利用いただきやすくなりました。
そして、2003年7月には弊社テュフ ラインランド
ジャパンの任命サイトとして登録されました。
テュフ ラインランド ジャパン任命テストサイト
一覧については弊社ホームページ
http://www.jpn.tuv.com/jp/jp/services/product_testing/
emc_services/test_sites.html
をご参照ください。
担当:新横浜本社 EMC課マネージャ
パヴィーン・アクター(Tel:045-470-1850)
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い
合わせください。
車載用Bluetooth技術の応用
Bluetooth対応自動車は来年には大量に生産される予定
ですが、その目的はハンズフリー通話によって、ドラ
イビングをより安全に快適にすることです。
* 車載向けBluetooth無線技術とは?
Bluetooth対応自動車は車中のBluetooth対応携帯電話の
存在を認識し、ダッシュボードに組み込まれたシステ
ム用にその携帯電話のサービスを利用することで、無
線で通話を行ったり、接続、電話帳のスクロール、そ
の他の電話機能を実現します。
携帯電話自体は運転者のかばんやグローブボックスな
どに入ったままの状態です。
このハンズフリー通話以外にも、Bluetooth対応グロー
バル・ポジショニング・システム(衛星利用測位シス
テム)によるナビゲーションも可能です。
ダッシュボードに組み込まれたBluetooth対応GPS受信
機とともに、無線で情報がBluetooth対応携帯情報端末
に送付され、自動車の位置が決定されます。自動車は
地図が運転者や乗客を目的地に導くように、この技術
によって目的地に導かれます。
* Bluetooth対応自動車を作っているのは誰ですか?
ダイムラークライスラーより6月に発表がありました
が、同社のクライスラー・パシフィカが北米自動車メー
カーによる初のUconnect Bluetooth対応自動車となるで
しょう。2004年の第三四半期に登場予定で車載・ハン
ズフリー・音声作動式通信システムが搭載されていま
す。またUconnectシステムはクライスラーグループの
モパー担当ディーラーが提供する車にも導入される予
定です。
アウディはA8モデルが将来Bluetooth技術対応となるこ
とを発表しました。このオプションはアジアとヨーロッ
パで利用できます。
BMWは2003年4月よりBluetooth技術をBMW 3シリーズ、
5シリーズ、およびX5車にオプションとして導入する
ことを発表しました。
Saabは2003 9-3モデルでBluetooth対応製品に乗り出しま
す。このモデルにはBluetooth無線技術が内臓電話シス
テムに組み込まれ無線のヘッドセットでの通話を可能
にします。
本システムが他社システムと違うところはユーザの携
帯電話を使用しないで、ユーザのために別の電話線を
使った完全内蔵電話システムを利用することです。
この他にも今後、近い将来にヨーロッパ、アジア、米
国の多くの自動車メーカーがBluetooth対応自動車の生
産にとりかかることが予想されます。
* 新車を購入する意思がない場合でも今所有の車で
Bluetooth無線技術を利用することができますか。
多くの自動車メーカーはユーザが新車を購入しないで
も、Bluetooth無線技術を利用したハンズフリー通話を
低コストで行えるよう開発を行っています。
フランスの自動車メーカー、パロットはBluetooth対応
電話(名称DriveBlue)のための無線カーキットを生産
しています。車中のシガレットライターに直接この無
料カーキットプラグを差し込むだけでセットアップで
きます。このキットは通話のワンタッチ操作、ボイス
認識ダイアル、そして独自に開発された雑音と反響除
去ソフトウェアなど様々な機能を備えています。
またモトローラ、ソニーエリクソン、ノキアなど多く
の携帯電話メーカーが、ユーザが自分自身で取り付け
可能なBluetooth無線技術利用の車内ハンズフリー通話
のためのキットを製造し、市場に出す予定にしています。
5
担当:横浜ラボ 営業部 坪井 (Tel:045-592-1371)
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わせく
ださい。
特集記事「産業用大型システムのEMC試験」
*この記事は"Conformity"誌の2003
年9月号より承認を得て翻訳・転載
しております。
"Conformity"誌の原文は
www.conformity.comでお読みいただ
くことができます。
著者 Bruce Fagley TÜVラインラン
ド ノースアメリカ EMC担当シニア・
スペシャリスト
Eメール:[email protected].
試験所への持込が困難な大型システ
ムのEMC試験方法についての解説
オンサイト試験に関するEU(欧州連
合)要求事項及び試験方法
貴社は大型生産設備メーカーで、欧
州市場への販売商談が成立したと仮
定しましょう。製品へのCEマーキ
ング貼付要件が購買仕様書に規定さ
れています。機械及び電気安全性評
価は自社施設で実施可能です。では、
EMC試験はどうでしょうか?重さ5
トンもの大型機械を最寄のEMC試
験所に持込むのは不可能です。
本特集は、試験所への持込が困難な
大型システムのEMC試験方法を紹
介します。
EMC適合のためのCEマーキング取
得についての理解:
最初のステップは、CEマーキング
取得のためのEMC要求事項への適
合方法の理解です。 EMC試験の
目的は、EMC指令(89/336/EEC)及び
修正(Amendment)に対する適合性の
証明です。試験所持込が困難な大型
システムのEMC適合には、EMC指
令10条2項が適用されます。製造場
所又は設置場所等(試験所以外)での
試験実施には、EMC整合規格がガ
イドラインとして使用できます。但
し、EMC整合規格は試験所内での
試験実施が前提であり、試験所以外
での試験実施には、規格との差異が
生じ若干の調整が必要となります。
規格の完全適用が困難な場合、
EMC指 令 10条 2項 に よ り 認 証 機 関
(
Competent Body又はCB)
による「技
術構成ファイル」の審査及び証明書
発行が必要となります。製造業者は、
TCF(技術構成ファイル)を作成し、
その写し1部を審査用とし認証機関
(CB)に提出します。欧州市場への製
品販売を行う個人及び法人は、当該
製品の製造終了より10年間、TCF(
技
術構成ファイル)の保管義務があり
ます。
TCF(技術構成ファイル)の記載項目
はEMC指令に以下のように規定さ
れます。
・ 製品概要
・ 設計図及び製造図面(図面内容及
び製品取扱方法の理解に必要な記述
及び説明を含む)
・ EMC適用規格一覧(
部分適用を含
む)。EMC指令適合を意図し実施し
た解決策の記述(規格を適用しない
場合)
。
・ EMC試験における設計計算結果(
該
当する場合のみ)
・ 認証機関(CB)発行の技術レポー
ト又は証明書
・ 適合宣言書の写し
・ 取扱説明書の写し
機械指令(EN 60204)への適合に使用
する主要安全規格は、4.2.2.章に規
定するEMC要求事項を参照し、エミッ
ション(
電磁波放出)
及びイミュニティ
(耐性)を規定しています。製品の機
械指令に対する適合評価には、
EMC試験及び報告書の参照を含め
る必要があります。
EMC適合手順
EMCオンサイト試験の一般的な流
れを以下に示します。
事前訪問調査
試験機関が試験対象製品現場を訪問
し、試験プラン、試験場所、試験機
器の設置スペースの有無、所要電力
等を確認。さらに対象製品のEMC
事前審査を実施。技術担当者との実
施試験内容の詳細確認。事前訪問調
査により、試験方法及び試験が製品
に及ぼす影響等への製造業者の認識
理解ができます。
EMC試験
試験の所要日数は2∼3日(試験対象
製品の種類により異なる)。試験別
詳細を以下に示します。
TCF審査
製造業者は、製品の技術資料及び
EMC試験詳細を記載したTCF(技術
構成ファイル)
の作成義務があります。
認証機関(CB)は、TCFの記載事項
一覧を提供、TCF作成支援を行いま
す 。 認 証 機 関 (CB)は 作 成 さ れ た
TCFを審査し、技術レポート要約書
を作成します。
認証機関(CB)による適合証明書発行
認証機関(CB)は、TCF審査レポー
トを作成し、EMC指令への適合証
明書を発行します。製造業者は、
CBからの証明書をベースにDOC(適
合宣言書)
を作成することができます。
製造業者施設での試験実施により、
整合規格との差異が生じる場合、
6
EMC指令10条2項で認証機関(CB)の
介在を要求しています。
CEマーキングの製品貼付
EMC証明書入手後、その他すべて
の適用指令への適合性が確認される
と、当該製品へCEマーキングが貼
付され、適合宣言書(CD)発行後、
欧州への製品出荷が可能となります。
試験規格概要
試験所以外で試験を実施する場合、
試験規格はあくまで基準として使用
します。試験規格は試験所内での試
験実施を前提で策定されており、製
造業者施設での試験実施の場合、試
験規格との差異が生じます。当該差
異は、EMC試験報告書に記載します。
産業用設備機器の場合、次に例示す
る一般規格をEMC上位規格として
通常適用します。:EN 61000-6-2(
イ
ミュニティ試験)
、EN 50081-2(
エミッ
ション試験)。これら一般規格は、
実際の試験方法を規定した基本規格
を参照します。
EMC規格内容
EN 61000-6-2:2001 イミュニティ規
格
イミュニティ試験は、外部からの電
磁妨害に対する製品の耐性測定を実
施し、伝導妨害感受性・放射妨害感
受性の評価を行います。大型機械の
場合、イミュニティ試験中に特に問
題となるのは、製品安全性の維持で
す。イミュニティ規格は、実施試験
に関連し性能判定基準を設定してい
ます。EN 61000-6-2に規定する性能
判定基準を以下に示します。
「性能判定基準A」
試験中及び試験後、機器は意図され
た動作を継続します。機器の通常使
用時において、製造業者が規定する
性能水準を下回る性能低下、機能喪
失は許容されません。性能水準は、
許容性能喪失水準に置き換え可能。
製造業者による最低性能水準、許容
喪失水準の規定がない場合、製品説
明又は製品資料、あるいは当該機器
の通常使用時にユーザが合理的に期
待する性能を基に最低性能水準又は
許容喪失水準のいずれかを導出し規
定します。
「性能判定基準B」
試験後、機器は意図された動作を継
続します。機器の通常の使用時にお
いて、製造業者規定の性能水準を下
回る性能低下、機能喪失は許容され
ません。性能水準は、許容性能喪失
水準の規定がない場合、製品説明又
は製品資料、あるいは当該機器の通
常使用時にユーザが合理的に期待す
る性能を基に最低性能水準又は許容
喪失水準のいずれかを導出し規定し
ます。
「性能判定基準C」
一時的機能喪失を許容します。但し、
当該喪失機能が自動回復又は制御部
操作により復帰可能な場合に限りま
す。
上記性能判定基準は、EN61000-62:2001規格から直接引用しました。
個別製品の個別性能判定基準は、製
造業者とEMC試験所が共同策定し
ます。事前訪問調査時、試験プラン
(性能判定基準を含む)の文書化を行
うと良いでしょう。
EN 61000-6-2(上級一般規格)は2002
年4月15日より強制となりました。
さらに、旧規格(EN 50082-2:1995)に
より必要とされるイミュニティ試験
項目に、雷サージイミュニティ試験
(IEC 1000-4-5)、電圧ディプ・電圧
変動イミュニティ試験(IEC 1000-411)が追加されました。2002年4月15
日以前の旧規格によるCEマーキン
グ貼付機器は、再試験の必要があり
ます。但し、設置済機器には適用し
ません。
さらに、EN 61000-6-2は2004年7月1
日から新規格(EN 61000-62:2001)に
かわります。
EN 50081-2:1993 エミッション規
格
この一般規格は、エミッション規格
としてEN 55011(工業、科学、医療
機器の製品群規格)を参照している
に過ぎません。EN 55011は新規改
定 が な さ れ 、 試 験 に は EN
55011:1998 A1:1999を使用します。
当 該 規 格 は 、 EN61000-64:2001(2004年7月1日より有効)にか
わります。伝導性・放射性イミュニ
ティ試験を実施します。
イミュニティ基本規格
一般規格(EN61000-6-2等)は、実際
の試験方法に関し以下の基本規格を
参照します。
IEC 1000-4-2:ESD(
静電気放電)
イミュニティ試験
本規格は、製品のESD(誘電放電)に
対する耐性試験を規定します。製品
でオペレータが接触可能な全金属部
に4kVパルスを1秒間隔で印加します。
各試験点に対し正負両極性のパルス
を10回印加します。次に、製品の非
導体表面に8kVパルス印加します
(4kVパルス印加時と同様の間隔及
び極性)。当該試験で、製品は性能
判定基準Bへの適合を必要とします。
当該試験は、キャビネット内又はコ
ネクターピン部では実施しません。
IEC 1000-4-3 : 放射無線周波電磁
界イミュニティ試験
当該試験では、10v/m(製品から約
1m離れて5ワットVHFトランシーバー
を使用した場合の磁界に相当)
のRF(
無
線周波)
局所磁界に製品を暴露します。
試験所内での試験実施の場合、RF
磁界は広範囲周波数が使用されます。
一方、製造業者施設で試験実施する
場合、同様の広範囲周波数によるRF(
無
線周波)電磁界放射は、ラジオ、テ
レビ、5ワットVHFトランシーバー
等への干渉(違法行為)が生じる場合
があり注意を要します。製造業者施
設で試験を実施する場合、使用周波
数範囲は特定のISM周波数(すべて
合法レベルのRF放射)に制限されま
す。当該試験で、製品は性能判定基
準Aへの適合を必要とします。
IEC 1000-4-4 :電気的ファースト
トランジェント(
高速過渡現象)
イミュ
ニティ試験 当該試験では、2kVのノイズパルス
をAC電源の各位相及び接地に印加
します。当該試験は、システムの
I/Oケーブル(長さ3m超)に対しても
実施します。パルス印加により、大
規模プラントの電源ラインに多く発
生するノイズをシミュレートします。
ノイズパルス(立上り時間5ns、立下
り時間50ns)
をバースト長15ms、バー
スト周期300msで印加します。バー
スト周期が300ms以内の場合、トラ
ンジェント周波数は5kHzです。AC
電源各ラインに対し正負両極性に1
分間パルス印加します。当該試験で、
製品は性能判定基準Bへの適合を必
要とします。
注:減結合回路網を使用せず当該試
験を実施した場合、試験中に建物内
配電システムに対してもトランジェ
ント注入され、隣接機器の損害又は
動作停止の可能性があります。
IEC 1000-4-5 :サージ・イミュニ
ティ試験
当該試験は、落雷による公共配電シ
ステムに対する残留サージをシミュ
レートします。各位相 - 接地、中性
点 - 接地に2kVのサージを注入、相
間に1kVのサージを注入します。サー
ジは立上り時間1.2usec、立下り時
間50usecの高エネルギーです。サー
ジは対地12Ωインピーダンス、相間
2 Ωインピーダンスで結合します。
サージは製品のAC電源に注入し、
AC電源ラインのゼロ交差及びピー
7
ク周波数に同期させます。
サージは高出力の為、規格ではサー
ジ間隔を1分と規定しています。結
果として試験は長時間を要し、一般
的な三相式製品の場合、電源電圧低
下毎に4∼6時間を必要とします。サー
ジ間隔の短縮による試験時間短縮は
可能ですが、故障の危険性が高まり
ます。当該試験で、製品は性能判定
基準Bへの適合を必要とします。
減結合回路網を使用せず当該試験を
実施した場合、試験中に建物内配電
システムに対してもサージ印加され、
隣接機器の損害又は動作停止の可能
性があります。
IEC 1000-4-6 :伝導性イミュニティ
試験
当該試験は、RF(
無線周波)
エネルギー
を 製 品 の AC電 源 に 注 入 し ま す 。
10vrmsのRF信号を150kHz∼230kHz
の 周 波 数 範 囲 で AC電 源 の 全 導 体
(
PEリード線を含む)
に注入します。
結合/減結合回路網を通じコモン・
モード印加します。当該試験は、被
試験システムのI/Oケーブル(長さ
3mを超)に対しても実施します。
減結合回路網を使用せず当該試験を
実施する場合、試験中に建物内配電
システムに対してもRF電圧が印加
され、隣接機器への損害又は動作停
止の可能性があります。
当該試験で、製品は性能判定基準A
への適合を必要とします。当該試験
の周波数範囲は、放射性イミュニティ
試験時に制限した周波数範囲補正の
ため230mHz以上に拡張します。
IEC 1000-4-8 :電源周波数磁界イ
ミュニティ試験
当該試験では、製品を30 A/mのルー
プ発生磁界に暴露します。50Hz磁
界周波数を使用します。当該試験は、
磁界の影響を受ける部品を持つ製品
(ホールセンサー、リードリレー等)
のみに実施します。当該試験で、製
品は性能判定基準Aへの適合を必要
とします。当該試験を、試験所内で
小型製品に対し実施する場合、製品
全体を磁界に暴露します。産業用大
型システムに対し当該試験を実施す
る場合、システム全体の磁界暴露は
困難なため、製品周囲上に方形コイ
ル(
1メートル)
を移動させ実施します。
IEC 1000-4-11 :電圧ディプ・電
圧変動イミュニティ試験
当該試験は、製品のAC電源にドロッ
プアウト、バーンアウトを発生させ
ます。当該試験は、AC電源入力が
16A未満の定格入力電流製品のみに
実施します。従って、ほとんどの大
型システムには実施しません。
エミッション規格
EN 55011には次の2種類のエミッショ
ン試験が規定されています。:伝導
エミッション及び放射エミッション
伝導エミッション(伝導放出)
製品からAC電源線を通じ放出され
るRF(無線周波)を150kHz∼30mHz
の周波数範囲内で測定します。当該
試験は、製品をLISN(高周波線路イ
ンピーダンス安定化回路)を通じ電
源に接続し、電源インピーダンスの
試験用基準値を50Ωsに調整します。
高圧電源線の場合、電圧プローブ使
用による試験方法採用も可能ですが、
インピーダンス制御が不能となり好
ましくありません。電圧プローブに
よる測定法は、特定の場合(場所)に
限定します。当該試験への適合には、
製品へのラインフィルタ設置を要し
ます。ラインフィルタ未設置の場合、
当該試験での合格確率は低くなって
います。
放射エミッション(
放射放出)
当該試験では、製品が気中放射する
RF(無線周波)を測定します。アン
テナを製品から3m離した地点に設
置し、30mHz∼1gHzの周波数範囲
で測定します。工業用製品ではマイ
クロプロセッサ及び電動機が典型的
な放射源です。確実に終端処理した
電動機遮蔽ケーブルやI/Oケーブル
の使用で、当該試験への製品適合性
は向上します。当該試験を製造業者
施設で実施する場合、試験規格では
アンテナを製品から10∼30m離した
地点への設置を規定しているが、ス
ペース制約上困難であり、実際には
3m離した地点に設置し相応の範囲調
整を行って試験します。
EMC試験実績・EMC試験準備
大型システムに対するEMC試験の
長年の実績に基づき、試験機器設置
及び試験実施時のトラブル防止のた
めのポイントを以下に示します。
・ EMC適合の要点は、最終製品へ
の部品等の組込みには、必ずCEマー
キング貼付部品及びサブアセンブリー
を使用し、据付説明書(添付)等の文
書を精読し全要求事項への適合を確
認することです。
・ 可変速モータ、大型スイッチン
グ電源又はインバータを使用した製
品には、電源ラインフィルタ設置を
必要とします。ラインフィルタ未設
置の場合、製品のEMC要求事項へ
の適合性確率は低くなっています。
特に、三相大電流ラインフィルタは
大型部品のため予め準備すること。
・ EMC試験中、被試験製品は長時
間継続動作させます。このため、「ド
ライサイクル」(被試験製品が部品
製造機器の場合、実際に部品製造を
しないで動作させること)を行う為
に通常とは異なるソフトウェア及び
機能が必要となります。この点を設
計初期段階から考慮すること。
・ EMC試験中、製品電源の切断/
再投入を反復し行う必要があります。
製品電源の切断/再投入の操作方法
を確実に反復実施できるよう確認す
ること。
・ イミュニティ試験中、製品動作
を常時監視し、所定の性能判定基準
の機能性の維持を確認すること。
システムの監視方法は?
遠隔監視が必要か?
イミュニティ試験による製品への影
響の有無判定の所要時間は?
・ EMC試験実施には、試験対象機
器の周囲スペースの確保が必要です。
アンテナは製品から最低15フィート
(
約5m)
離し設置する必要があります。
試験実施時は、試験対象製品の近傍
に不要な機器類を放置せず、試験に
必要なスペースを十分確保すること。
・ EMC試験機器の多くは製品のAC
電源に接続します。接続方法、ケー
ブル長等の詳細を事前に試験機関と
打合せること。
・ AC電源ラインの試験機器への接
続には電気技師が必要となります。
試験開始時点から電気技師を立合せ、
試験実施の迅速化を図ること。 EMCサービスプロバイダーの選別
オンサイト試験実施を依頼する
EMC試験機関(
サービスプロバイダー)
の選別時の考慮点を以下に示します。:
・ EMC指令が要求する認証機関
(
CB)
証明書の発行が可能か?
・ 大型高電流製品に対する試験経
験は十分か?
・ 試験に必要な高電流試験機器を
所有しているか?
・ 試験結果(電子データ又はハード
コピー)
を試験現場で提供できるか?
それとも事務所へ持ち帰っての作業
が必要か?
・ EMC試験結果は試験後いつ完成
するのか?試験終了時に、現場で試
験結果報告書の作成が可能か?
・ イミュニティ試験(サージ試験、
電気的ファースト・トランジェント
試験等)の実施による建物内配電シ
ステムへのノイズ発生及びPC又は
PCネットワーク停止への防止対策
の内容は?
・ 製品に対し50Hzからの電圧印加
が可能か?(50Hzのメリットは1:
8
欧州での使用電圧(
50Hz)
の使用で、
欧州と同様の電源周波数で動作確認
が可能。 2:試験中、建物内の電
源周波数からの干渉を受けない。)
・ 試験の所要時間は?(自動化試験
システムを保有するサービスプロバ
イダーのほうが、手作業による試験
機器類の個別搬送・設置する業者と
比較し試験所要時間の短縮となりま
す。)
担当:新横浜本社
EMC課マネージャ
パヴィーン・アクター
(Tel:045-470-1850)
もしくは最寄りのTÜVラインラ
ンドにお問い合わせください。
ISO 自動車
2006年までに全自動車の8割がISO 9001:2000に準拠
自動車業界はこの度、国際自動車タスクフォース
だからというだけではなく、ISO 9001:2000が自動
(IATF)を通じ、ISO(国際標準化機構)により開
車製造業者のOEM業者(同じく自動車製造業者)
発され2002年3月に発行されたサプライヤーの品
の品質要求事項と整合性があるからです。
質の要求事項をまとめた規格ISO/TS 16949:2002を
受け入れることで合意しました。これは競争の激
ISO規格を出発点として利用することはOEM業者の
しい自動車業界で史上初めてのことです。この規
社内規格をそれぞれ用いるのに比べて非常に有効
格ISO/TS 16949:2002は品質マネジメントシステム
です。ISO 9001:2000は1994版と比べてかなり改善
規格で、自動車生産およびその関連の保守部品団
されており、単に「あれこれ書類を作成する」こ
体に適用されるISO 9001:2000の特別な要求事項が
とに終始せず、企業がビジネスを行う上で現実に
カバーされています。
即したものになっています。ユーザに優しい規格
技術規格であるこのISO/TS 16949:2002はISO
であり、各企業それぞれが仕事を異なったやり方
9001:2000規格が文字通りそのまま使用され、さら
で進めるものであることを尊重し、その独自性を
に従業員の能力・意識・訓練、設計と開発、生産
認めています。
と修理、監視・測定装置の管理、測定、分析、お
よび改善など自動車業界に特有の要求事項を盛り
ISO/TS 16949:2002の移行期間である今後3年間、世
こんだものになっています。
界中の多くのサプライヤーがこの規格への移行を
迫られることになります。北米では、ビッグスリー
大多数の自動車製造業者(トータルで世界の車両
であるダイムラークライスラー、フォード、そし
売上の80パーセントを占める)が、彼らのサプラ
てジェネラルモータースがすでに、以前はQS-9000
イヤーを2006年12月までには新要求事項に適合さ
第3版の要求事項に従っていた彼らのサプライヤー
せることを計画しています。
を2006年12月までにISO/TS 16949:2002に移行させ
ることに同意しています。
この記事の執筆段階では、本規格は北米、南米、
既に予期できることですが、この決定により、か
欧州、アジア、アフリカで発行されています。具
なりの数の監査の必要性が出てくることは明らか
体的な国名は以下の通りです。(いくつかの国で
です。ビッグスリーは2003年の移行期間最終期限
は発行過程段階)
までに企業のISO 9001:2000への移行を妨げたくな
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、
いため、ISOと特別な協定を結び、2006年の12月ま
ブラジル、中国、フランス、ドイツ、インド、イ
でQS-9000の文書中ではISO 9000の1994年版を使用
タリア、日本、韓国、メキシコ、スペイン、英国、
することの容認を取り付けました。
アメリカ合衆国。
担当:新横浜オフィス
自動車業界が今回ISO/TS 16949:2002への同意に達
営業部 松井 (Tel:045-470-1850)
する過程で、ISO 9001を基本の文書として扱うこと
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
に決めた理由は、ISO 9001がグローバルモデル規格
せください。
9
EMC指令入門からFCCまでをカバーするEMC総合セミナーを
開催します。10月16日(木)・17日(金)の2日間
テュフ ラインランド ジャパンは、10月16日(木)・
の機会をご利用いただければと存じます。
17日(金)の両日、新横浜にて、EMCサービスに関す
お申し込みは10月3日(金)までにファクシミリ(045-
る総合セミナーを開催致します。EMC指令に関す
470-3460)またはe-mail ([email protected])にて申込用
る基本セミナーから始まり、EMC指令適合のため
紙をご返送下さい。折り返し受講票と会場ご案内
の設計段階での評価、国際認証におけるEMC評価、
をお送りします。
さらにFCCなど、6つのセッションで構成され、幅
なお、セミナープログラムの詳細および申し込み
広い分野がカバーされています。講師は、それぞ
用紙は下記のリンクからダウンロードしていただ
れの分野で長年の経験をもつエキスパートが担当、
けます。
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ご不明の点はお気軽にお問合わせください。
なお、ご希望により1日のみの参加も申し受けます。
詳しくはご相談下さい。
担当:新横浜本社 EMC課マネージャ
また、ご参加の方につきましては、事前にご質問
パヴィーン・アクター(Tel:045-470-1850)
をお受けいたします。EMC評価に関して日ごろ抱
もしくは最寄りのTÜVラインランドにお問い合わ
えておられる問題、疑問点につきまして、ぜひこ
せください。
医療機器、体外診断用(インビトロ)医療機器の海外進出における
規制要求事項に関するセミナーを開催します。10月24日(金)
テュフ ラインランド ジャパンは、医療機器、体外
このセミナーは、10月24日(
金)
新横浜で行われます。
診断用(インビトロ)医療機器の海外進出における
プログラムの詳細及び申し込み用紙は、10月以降
規制要求事項等に関するセミナーを開催致します。
下記リンクにアップロードされます。
セミナーは、欧州のMDD(医療機器指令)、IVDD(体
http://www.jpn.tuv.com/jp/jp/news_events/index.html
外診断用医療機器指令)の規制要求事項に従ったC
ご不明の点はお気軽にお問合わせください。
Eマーキングの手順の解説にはじまり、臨床試験や、
欧州代理人(Authorized Representative)の役割につい
担当:新横浜本社 て、豊富な情報をご提供します。
営業部 尾苗、アカデミー 木村 欧州以外にも、アメリカの代理人の役割、中国の
(Tel:045-470-1850)
規制要求事項、医療機器のEMCに関する国際規格
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10
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テュフ ラインランド ジャパン株式会社 E-mai l:[email protected]
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TEL:045-470-1850 FAX:045-473-5221
九州オフィス
福岡市早良区百道浜 2-1-22福岡SRPセンタービル10F1001号室
TEL:092-845-5431 FAX:092-845-5310
横浜ラボ
横浜市都筑区早渕 1-26-10フェストビル5F
TEL:045-592-1371 FAX:045-592-1374
沖縄オフィス 2003年6月に開設しました。
沖縄県那覇市松尾1-19-27東京生命那覇ビル5階
TEL:098-861-8500FAX:098-861-8514
西日本地域担当オフィス
大阪市北区東天満 2-9-1 若杉センタービル本館16F
TEL:06-6355-5777 FAX:06-6354-8636
CS(
カスタマーサティスファクション)センター
横浜市港北区新横浜 3-19-5新横浜第ニセンタービル
TEL:0120-72-3373 FAX:045-470-3460
大阪ラボ
大阪市北区東天満 2-9-1 若杉センタービル本館16F
TEL:06-6355-5777 FAX:06-6354-8636
※皆様のご意見ご要望をお聞かせいただければ幸いに存じます。
編集責任者 澤 操、新横浜本社
高田屋 紀子、西日本地域担当オフィス
広島オフィス
東広島市鏡山 3-13-26 広島テクノプラザ内302号
TEL:0824-20-0507 FAX:0824-20-0508
TÜV Rheinland
Berlin-Brandenburg
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