新理事長 柿山 隆氏就任 - 学校法人-暁星学園

「あなたがたは地の塩である。……
あなたがたは世の光である。」 (マタイ5章13節)
特報
No.15
新理事長 柿山 隆氏就任
2013年4月暁星学園は、かわりました。1995年
4月より18年間理事長として務められました田上
保幸氏が、経営母体であるカトリックマリア会の異
動人事に伴い3月退任され、新たに柿山隆氏が理事
長・学園長に就任されました。
柿山氏は、1960年3月暁星高等学校を卒業し、
1964年3月上智大学文学部卒業。同年4月から暁
星学園で勤務し、1972年パリ第Ⅲ大学(ヌーベル・
ソルボンヌ)大学院で修士・博士号(言語学)を取
速報
7.2013
高校陸上部
インターハイ
100M出場を獲得!
6月15日埼玉県熊谷で南関東大会男
子100Mが行なわれました。高3の内田
貴一は、予選・準決勝を勝ち抜き、決勝
へと進み、10秒80で6位入賞を果たし
インターハイへの切符を獲得しました。
7月末、大分で行われるインターハイで
は悔いのない走りをしてきたいと期して
います。
(陸上部顧問 後藤 基)
今年2013年、暁星学園は創立125周年
を迎えました。2007年より教職員、後
援会、同窓会の皆様と4つの委員会(建
築、記念誌、式典、募金)を立ち上げ準
備を進めております。以前より、125周年
記念事業として学園の講堂・体育館及び
聖堂・修道院の建築、グラウンド整備が
計画されておりますが、検討確認作業の
ため大幅に工程が遅れております。
また、種々な125周年記念事業の中心
となって活動する組織として「暁星学園
125周年記念事業準備室」を4月に立ち
上げました。教職員、保護者、後援会、
得されました。帰国後、暁星中高で教鞭をとった後、
1976年より亜細亜大学でフランス語を教え、助教
授、教授と進み、1993年教養部長、1994年より理
事として大学経営にも参画されておりました。また、
亜細亜大学の硬式野球部は、東都大学野球の雄であ
り、その野球部長としても多くの学生をご指導され
ておりました。2011年3月に退官、名誉教授とな
りました。
(2ページに柿山氏の「新理事長ご挨拶」
を掲載しています。併せてお読みください。
)
NO.1
サッカー部
「文武両道」を実現、
「夢」の豊富さは日本一
母校のサッカー部を率いて38年。常
に頂点を目指してきましたが、残念なが
ら1988年度の全国ベスト4に留まって
います。運動部の特待生枠を一切設けて
いない本校では、Jリーグ発足で競技人
口が増え、技術レベルが格段に進歩する
中、東京都を勝ち抜くのも難しい状況に
あります。
ただ、
「文武両道」という目標は既に
このコーナーでは、125周年を迎えた
暁星学園の動きをお知らせいたします
125周年記念事業
準備室の立ち上げ
同窓会及び近隣の皆さま方への広報活動
を行うとともに、本件に関わるご意見ご
質問等に対応する組織でもあります。
建物に関しては、講堂・体育館の新築
実現していると思います。最後まで部活
動を続けた生徒たちは未来の自分を見据
え、それぞれの目標に向かって勉強にも
取り組んでいます。特に、医学部進学率
は全国一と自負しています。日本代表の
前田を筆頭にサッカー界の目標もあれ
ば、医者や弁護士の先輩もいます。社会
に出た後の「夢」の豊富さは日本一です。
私の誇りです。
(サッカー部監督・林 義規)
工事よりも、中高の校舎棟と学園事務棟
の前にある所謂三角広場の地盤改良整備
が最優先事項と認識しております。なお、
今年、来年の夏休み期間を中心に2カ年
をかけて、中高の教室棟の空調設備の更
新を予定しております。
式典に関しては、125周年である2013
年には特別な行事を行う予定はなく、講
堂・体育館棟の完成お披露目の際に、記
念式典として挙行する予定です。
募金に関しては、建築計画がもう少し
具体化した段階で、皆様にご協力のお願
いをさせていただく予定をしております。
1
新 理 事 長 ご 挨 拶
暁星学園のミッション
ひとの人格を尊重し、
異文化を理解できる人間を育てること
学園長・理事長
柿 山 隆
私は、本年度4月、暁星学園の理事長に就任いたしま
ディアにも時々取り上げられていますが、当時、築地に
した。私は、
本学園のOBです。大学を卒業してすぐ母校、
は外国人居留地があって、マリア会の5名の宣教師たち
暁星学園に勤めました。その4年後にパリ第Ⅲ大学
もひとまず築地に居を定めました。ここで暁星学園は誕
(Nouvelle Sorbonne)に4年間ほど留学しました。留学
生しました。その後、一時期、学校は麹町(半蔵門近く)
を終えて母校に戻ってフランス語を教えていました。故
に移りますが、最終的には、ここ九段の地に移り今日に
あって大学の教壇に立つことになり、30数余年大学に勤
至っています。
めました。今回、縁あって母校に戻って参りました。
5名のマリア会宣教師は、何のために、何を思い、当
今年、2013(平成25)年は、暁星学園創立125周年
時のヨーロッパ人の感覚からすれば、東の地の果て日本
の節目の年に当たります。1888(明治21)年1月、5名
に来たのでしょう? それは聖書の言葉を借りれば、
「地
のマリア会宣教師がフランスから、そしてアメリカから、
の塩、世の光」
(マタイ5,13-16)となるべき日本人を育
40日以上にもわたる船旅を経て東京に集いました。明治
てるためです。あらためて申すまでもないことですが、
21年と言えば、日本では江戸幕府が倒れ、政治の実権が
暁星学園はカトリックのミッション校です。キリスト教
明治政府に移り、廃藩置県が行われて、西洋の文明・技
の理念に基づいて、人間教育をするのがそのミッション
術を取り入れながら、近代的新生日本を創っていこうと
(使命)です。私たちはしっかりとした信念と人生観を
する時代です。
もって自立した人間を育てなければなりません。自らが
今日、築地と言えば魚市場があって、多くの外国人観
自立しなければ、人のため社会のために貢献できる人間
光客がマグロの解体の見学に訪れるということで、メ
になることはできません。
私は、先の4月、中学・高等学校の始業式の時に、生
徒たちに向かって、
「勉強はとっても大切です。それは
将来の自己実現のために必要だからです。しかし、暁星
の生徒にとっては、それよりももっと大切なことがあり
ます。それは人の人格を尊重する心、人を大切にする心
です」と言いました。
暁星学園のもう一つのミッションは異文化を理解し、
国際感覚の素養を備えた人間を育てることです。国際の
場で活躍し、人類の和に尽くすことのできる人間を育成
日本での生活をはじめた5人の宣教師は空地を耕して畑を作り、
野菜を栽培して食卓にのせた(
『写真で綴る暁星学園の100年』より)
福田 拓土
新任教員紹介
もくじ
2
先生
することです。これまで暁星学園は多くの国際人を生ん
できました。今後もこの努力を続けなければなりません。
小学校 英語科
相手の子どもに合わせて変化した玉を投げられるよう
にしたいと思っています。
昨年度より小学校で勤務しております、英語科の福
英語の授業では、子どもたちの「言いたい!」とい
田拓土と申します。
う気持ちを引き出し、自然な言葉のキャッチボールが
昨年1年間は毎日、全力投球で子どもたちと向き合っ
できる授業を目指して精進していく所存です。どうぞ
ていました。今年度からは、力はゆるめることなく、
宜しくお願いいたします。
特報 新理事長 柿山 隆氏就任
はつらつクラブ活動 ………………3
後援会レポート ……………… 6・7
トップを目指す/GYOSEI 125 …1
教室から見る考える ……………… 4
2013年 大学合格者実績 ……… 7
新理事長ご挨拶/学園人の動き… 2
さまざま学園行事 ……………… 5
同窓会だより …………………… 8
シャリテ
今も続けている東日本大震災のボランティア活動
瓦礫撤去などの作業前に行なわれるミーティング
“暁星シャリテ”(シャリテ)はイエスの教え
である隣人愛の実践と連帯感を育むことを目的
に活動しています。この会員は中・高在校生と
すべての教職員です。年間を通じて様々な取り
組みをしていますが、今回は東日本大震災以降
のボランティア活動について紹介します。
シャリテが初めてボランティアに参加したの
は2011年7月。以来、長期休暇毎に岩手や宮城
の被災地に赴き、カリタスジャパンを通じて活
動しています。内容は瓦礫撤去や側溝に溜まっ
た泥を掻きだす作業。農業や漁業支援。地元の
方々とサロンでともに過ごすこと。その他、社
会福祉協議会の依頼に応じたものなど。震災か
ら2年以上が経った今もこれらの活動は続いて
います。
派遣した数はこれまでに延べ75名。決して大
人数とは言えませんが、参加者の中にはその後
も、個人でリピーターとして活動を続ける者も
います。またFacebookや感想文集などで自分
の体験を分かち合い、それが新たな呼び掛けと
なってつながっていく……少しずつではありま
高校陸上部
すが、その輪は確実に広がりを見せています。
います。そして今後も新規・継続を問わず参加
一方、被災地から聞こえてくる声は、ボラン
希望者がいる限りこの活動を続けていきたいと
ティアの激減、とにかく人手が足りない、まだ
考えています。次に参加される皆さん、新たな
できる事、やらなくてはならない事が山ほどあ
一歩をともに踏み出しましょう。
(文責 石井)
る、というものです。風
暁星シャリテ 被災地ボランティア 活動実績
化させないために、自分
カリタス
参加
参加日程
活動内容
たちにできることは何
ベース
人数
塩竈
2011/07/25-07/29
6
瓦礫撤去・側溝ヘドロ除去など
か—まだ企画の段階です
11
塩竈
2011/08/12-08/16
3
ビーチクリーン・新盆祭りのお手伝いなど
が、7月には被災地の中・
夏季
石巻
2011/08/17-8/21
5
水産業者支援器材洗浄・避難所手伝い
( 仙台1泊)
高生とともに東京の街並
釜石
2011/12/26-12/30
6
写真洗浄・仮設住宅訪問など
11
みを練り走る、
チャリティー
冬季
米川
2012/01/04-01/07
6
瓦礫撤去
瓦礫撤去・写真洗浄・被災者引越し手伝い・
リレーマラソンへの参加
釜石
2012/03/26-03/30
8
12
仮設住宅訪問など
春季
を予定しています。
米川
2012/03/26-03/30
4
瓦礫撤去・漁業支援漁網手入れ
写真洗浄・瓦礫撤去・引越し手伝い・仮設
最後に、ボランティア
釜石①
2012/07/24-07/28
6
住宅訪問など
12
派遣にあたって、事前に
米川
2012/08/01-08/05
6
瓦礫撤去・漁業支援漁網手入れ
夏季
行程や安全面に関する説
草刈り・瓦礫撤去・引越し手伝い・仮設住
釜石②
2012/08/20-08/24
2
宅訪問など
明会を行います。また司
米川
2012/12/25-12/28
6
瓦礫撤去・漁業支援漁網手入れ
12
祭とともに派遣のミサを
釜石①
2012/12/26-12/30
2
瓦礫撤去・仮設住宅訪問など
冬季
釜石②
2013/01/04-01/07
3
瓦礫撤去・仮設住宅訪問など
献げ、祈りのうちに亡く
避難経路整備・家財整理手伝い・仮設住宅
釜石
2013/04/01-04/05
6
13
なられた方、被災された
訪問など
春季
米川
2013/04/01-04/05
6
瓦礫撤去・漁業支援わかめ収穫
方を想い、旅の無事を願
100M、200Mで南関東大会へ進出
全国の高校生アスリートが目標とする全国高
校総体(インターハイ)の予選が今年も4月か
ら各地で始まりました。上位8名及び8チーム
が5月の都大会へと進出することができます。
逆にここで敗退すれば、インターハイへの道は
途絶えることになります。3年生にとっては、
まさに集大成となる大会となります。
暁星の戦績としては、個人2名が都大会への進
出を決め、その中でも100M及び200Mで都大
会進出を決めた高3の内田は、今大会で2年連
続の男子最優秀選手に選ばれるという順調な滑
り出しを見せました。また、800Mで目標とする
都大会進出を決めた高3の高橋も、昨秋の雪辱を
晴らす熱い走りを後輩たちに見せてくれました。
一方、短距離陣を中心としたリレーでは、個
人種目とは異なりエース内田の走りに精彩を欠
き、惜しくも都大会進出を果たすことができま
せんでした。チームとして一人一人が成すべき
こと、個とチームが相互に高め合うことができ
小学校・卓球クラブ
るリレーに関しては、各チーム思い入れも深く、
当然、顧問もメンバーも期するものがあったの
ですが、一歩及ばす今年のチームは幕を閉じる
ことになりました。
5月の都大会、内田にとっては、そのように
一緒に練習をし、汗水流した仲間の熱い思いを
背負っての戦いになります。一人の高校生に重
荷を背負わせることの是非はあるかとは思いま
すが、今年に限っては、それらを背負って戦う
こと、自分一人ではないことを強く意識して都
大会に臨むことを内田には強いたつもりです。
結果的には、100Mでは準決勝で今季東京都
最高記録をマークし、決勝では優勝を意識して
やや走りが固くなったこともありましたが、
しっかりと4位に入り、6月の南関東大会への
進出を決めました。また100Mに続き200Mで
も、激戦の東京都予選を5位で通過し、同じく
南関東大会への進出を決めました。
決して恵まれた練習環境にもない中で、こつ
こつと積み上げてきたものが成果として結実し
つつあります。この中には、過去、先輩たちが
ひたすら都大会の扉をたたき続け、跳ね返され
た苦い思いも当然入っています。支部予選を1
位で通過しつつも、怪我で都大会を走ることす
らできなかった先輩、準決勝に初めて進みはし
たが、あっけなく蹴散らされた先輩、都大会で
敗れた高橋のくやしさ、4月に敗れたメンバー
の無念、そして、そういう先輩や仲間が寄せて
くれる期待。そういった一つ一つの小さな思い
の積み重ねを大切に、一昨年、南関東大会への
扉を開いてくれた吉田先輩の跡を追い、また南
関東大会準決勝で敗れた吉田先輩を越えるべ
く、強い気持ちをもって、
インターハイの切符を
手に入れるため、埼玉熊谷の南関東大会では恥
じることのない走りをしてきたいと思います。
最後になりましたが、常に暖かく陸上部の活
動を見守ってくださる全ての方々に感謝申し上
げます。
(陸上部顧問 後藤 基)
卓球素人が1年で新人に教えるまでに上達
今年度の卓球クラブは、5年生13名、6年生
14名の合計27名を抱え、
正課のクラブ活動では、
もっとも大所帯となっています。活動は、1学
期は基本練習、ミニゲーム中心で、2・3学期
にはシングルス・ダブルスのリーグ戦を中心に
行う予定です。以下は、昨年度から続けて活動
している6年生の感想です。
「卓球クラブは初心者のころはむずかしかった
のですが、ある程度まで上手になるとラリーが
続くのでなかなか伯仲した試合になります。卓
球クラブではものの片付けもきちんとできるよ
うになり、
まじめにやるクラブです。
」
(佐藤 遼弥)
「ぼくは、ラケットを持ったことのない卓球
素人でした。1年たった今年は新しく入った友
達にルールや準備の仕方などを教えています。
卓球は1球1球打つことが気持ちいいです。
」
(石川 成貴)
「ぼくは卓球部の部長としての責任があるけ
れど、卓球部に入って良かったと思います。全
ての学期でシングルスやダブルスの試合があり、
みんなと協力でき、さらに個人で皆と競争でき
るからです。
」
(吉川 凜)
「ぼくが卓球部に入って1年がたちました。5
年のときは下のクラスでしたが、1年間でたく
さん試合をして今は一番上のクラスでがんばっ
ています。卒業までにもっと勝って最後には、
先生と戦い必ず勝ちたいです。
」
(小林 弘忠)
「ぼくが、卓球部に入ったのは、楽しそうだし
運動量も少なくてすむと思ったからです。でも
入ってみるとかなり動く必要がありました。そ
れでも上達するのがうれしくて、どんどん卓球
が好きになりました。
」
(土屋 駿)
3
思いを込めた挨拶
暁星中学・高校 校長
勝部 純明
希望に満ちた新入生には、葉桜より花吹雪が似合うのに
と思いながら、登校してくる生徒をいつものように正門で
迎えていました。そこに、今年は思わぬ助っ人が登場しまし
た。生徒会の役員諸君が並んで、一緒に挨拶をしています。
普段なら、考え事でもしているのか気付かぬ素振りで通
り過ぎる生徒からも、思わず口元を緩めて「おはよう」と
返事が返ってきます。さすが暁星ファミリーです。それも
そのはず、役員諸君は相手の表情を確かめた上で、一人ひ
とりへの挨拶が微妙に違うのです。
ところで、この挨拶ですが、本来は「押す」という意味
の「挨」と「拶」から成り、
「複数で押し合う」意味でした。
そこから、禅の修行で問答を交わして相手の悟りを試すこ
とを「一挨一拶」と言ったことに由来します。生徒同士や
先生と生徒の真剣勝負が、元々の挨拶だったのです。
役員諸君の挨拶は、儀礼の「おはよう」ではなく、
「今
日も頑張ろう」と相手への思いを込めた「おはよう」でした。
このような気持ちを込めた挨拶は、記憶や感情の制御、行
動の抑制など、人間の「人間らしさ」を司る、脳の中でも
重要な前頭連合野を活性化するそうです。前頭連合野を刺
激して活性化させることは脳全体を活性化し、頭が冴えた
状態にしてやる気や集中力をアップさせるのです。毎日何
気なく行っている挨拶ですが、実は私達のやる気を左右す
る力があったのです。
今春の卒業生は素晴らしい進学実績を挙げました。その
要因について、多くの先生方に共通するのが授業面でも生
活面でも真摯な態度の生徒が多かったという意見でした。
そこで、
「丁寧な挨拶で授業を始め、丁寧な挨拶で授業
を終えよう」を “今年度の重点目標” としました。授業準
備を整え、チャイムと同時に着席して先生を迎え挨拶をす
る。自ら進んで考え、気づきや発見のある授業により達成
感を得て先生と挨拶をする。生徒と先生が真剣勝負する授
業を目指したいと思います。
最近、生徒の授業での挨拶の声が大きくなったようだと
役員諸君は言います。校門での爽やかな挨拶に、目標達成
の手応えを感じています。
学校は道場
暁星小学校 校長
佐藤 正吉
昭和38年に発行された『日本マリア会学校教育綱領』に
は、マリア会学校の教育目的として、
「あすの生活に備える」
という項目があります。その内容は、
「学校は生徒にとっ
て一時的に通過する道場である。したがってそこにおいて
は、今日の冷たい社会に生き抜きうる生徒を養成すべく、
けっして温床教育を施してはならない。彼らが将来独立す
るとき、単独でまっすぐに行動できるよう意志の基礎的訓
練がなされねばならない。
」と示されています。幾度読ん
でも、思わず背筋を正さずにはいられない文章です。この
意味することは、
「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会
において自立的に生きる基礎を培い」
(教育基本法第5条
「義務教育」
)ということに通じます。
また、マリア会学校が家庭的な校風を大切にしているこ
とを基本にしていて初めて言える言葉だと思います。子ど
もの自立を考えた場合、様々な困難に立ち向かえる強さも
身につけなければなりません。また、道を踏み外さずに生
きていくためには矜持を保つことが極めて大切です。それ
がこれからの時代を生きていく子どもに必要な力だと思い
ます。
4
学校を道場とするならば、毎日の生活は稽古であると言
えます。稽古は、できなかったり失敗したりということの
繰り返しです。そのつらさを乗り越えてこそ大切な何かを
掴むのです。学校生活では様々な場面があります。子ども
同士のけんかやトラブルということも、いろいろ考え試行
錯誤してこそ互いを理解する人間関係が生まれるのです。
少子化社会は、子どもの一挙手一投足にまで大人からの干
渉が入りやすいものです。大人にとって大切なことは、
「自
分たちもかつて通ってきた道」ということで、辛抱するこ
とかもしれません。転んで怪我をしないようにと、いつも
柔らかな芝生でしか遊ばない子どもであってはならないの
です。
今年4月、
「困苦や欠乏に耐え 進んで鍛錬の道をえら
ぶ気力のある少年以外は この門をくぐってはならない」
のプレートを現校舎になって初めて正門に設置しました。
幾度となく教員同士で話し合いました。また、保護者の方
や同窓会の声も多数いただきました。今、子どもに育てな
ければならないことは、
「建学の精神」です。混沌とした
世の中にあって「神を愛し、人を愛する」ことの大切さで
あり、優しさと困難に負けない逞しさを併せ持った子ども
を育てていきたいと考えます。それが創立125年を迎えた
本校の教育です。
「遊び」を通して「生きる力」の基礎を培う
れ始めています。
「夢中になって思い切り遊ぶ」
「失敗してもくじけない」
「ま
た、挑戦してみよう」
「何だろう?」
「不思議だな?」等、
試したり、確かめたりしながら、好奇心を育み、探究心や
意欲・頑張る力をつけ、友達やいろいろな人とのかかわり
を通してコミュニケ−ション力をつけていきます。
「遊び」
を通して「生きる力」の基礎を培っていきます。
年長児は今、ドッジボールや、水・とい等を使った砂場
遊び等が盛んです。自分達で進める力がついてきました。
チーム分けをし、素早く投げる、協力して狙って投げる、
トラブルを解決する等ができるようになり、白熱した楽し
い遊びになっています。身のこなしも素早くなりました。
先日の日本丸の遠足では様々な船の中の様子をしっかり見
聞きしました。その共通経験から、2クラス合同で大型積
み木・組み木・巧技台等様々な遊具を工夫して使い、グルー
プの友達と相談・協力して日本丸の再現をしています。共
通理解するために「自分の考えを伝える」
「友達の意見を聞い
て協力し合って作り上げる」ことが大事な経験となります。
様々な葛藤体験・トラブルを乗り越え、刺激しあい、育
ちあう関係を育てていきます。自立心・責任感・協同性・
相手を思いやる心・心情面を育てていきます。
暁星幼稚園 園長
櫻井 早苗
4月から、逆井弘子先生の後を引き継ぎまして着任致し
ました。一人一人の伸びる芽を大切にし、
「生活する力」
「考
える力」
「生きる力」をつけた、きらきらと輝く、のびやか
で子どもらしい豊かな心の幼児に育つよう、伝統ある暁星
幼稚園の教育を教職員と協力して進めてまいります。
始業式・入園式での年長組の姿に驚きました。話を聞く
態度・姿勢が良く、年長としての意気込みを感じさせ、堂々
とした姿の見本を見せてくれました。歌声も素敵でソレイ
ユ中に響き渡り、心が洗われてすがすがしくなったのを覚
えています。幼稚園生活の様々な遊びや活動が年少組の良
い手本・刺激になっています。
毎朝、元気に挨拶を交わし、着替えをしてから遊び始め
るのが日課です。年少組も今では手順をしっかり理解し、
ボタン・ホックの扱いにもたたみ方にも慣れ、自分で順番
を確認したり、友達と会話しながら手早く着替えています。
集団生活に必要な決まり・基本的生活習慣をしっかり身に
付けさせ、主体的に行動できる力を育てていきます。保育
室や園庭で、様々なほほえましいかかわりがたくさん見ら
2013年4月~9月
4月に幼稚園は新入園児45名(男子40名、
女子5名)を迎え93名で、小学校は120名の新
入生を迎え708名で、中学校は175名の新入生
を迎え524名で、そして高等学校は525名で、
幼稚園
学園としては、総数1850名
(昨年比29名減)で
平成25(2013)年度をスタートしました。
幼稚園児は友達との
付き合いのなかから
多くを学ぶ
中学・高等学校
4月
●始業式/入園式
●保護者会
●誕生会
●復活祭の集い
●始業式/入学式
●保護者会
●健康診断
●入学式/始業式
●実力テスト
●保護者会
●ソダリティー
●校外活動
5月
●親子遠足
●マリア祭
●一日動物村
●誕生会
●日本丸遠足
●イースターデー
●校外学習
●那須合宿
(6、4、3年)
●参観日
●中間試験
6月
●ファミリーデー
●後援会総会
●誕生会
●歯科検診
●学校ミサ
●歯科検診
●那須合宿(2・5年)
●後援会総会
●参観日(引取訓練)
●大沢小交流会
●運動会
●仏語フェスティバル
●修学旅行(高校2年)
●後援会総会
7月
●誕生会
●保護者ミサ
●終業式/夏休み
●サッカー大会
●終業式/夏休み
●水泳実習
(5・6年、3・4年)
●編入試験
●期末試験
●学校見学会
●終業式/夏休み
●校外学習(中学1年)
8月
●夏休み
●水泳実習(1・2年)
●夏休み
●夏休み
9月
●教職員研修会
●始業式
●幼稚園説明会
●誕生会
●教職員研修会
●始業式
●水泳大会
●保護者会
●那須合宿
(2、3年)
●教職員研修会
●始業式
●校内実力テスト
●文化祭
1学期
小学校・卓球クラブの
練習風景
小学校
2学期
5
宗教教育と
語学がもたらすもの
暁星学園後援会 会長 内
田 隆一
■ 教職員の方々に心より感謝
後援会会員の皆様方におかれましては、日頃より後援会活動に
御理解、御協力を賜り誠にありがとうございます。また、教職員
の方々におかれましても、日々の生徒に対する熱の入った御指導、
心より感謝申し上げます。
今年も早いものでクールビズの季節となって参りました。学園
では皆様御承知の通りですが、3月末に田上先生が理事長職を退
任され、4月1日より柿山先生が新しい理事長に就任されました。
柿山理事長は、暁星学園のOBであられるとともに、かつては、
学園の教壇に立たれた経験もお持ちでいらっしゃいます。従って、
学園のことを良く知り、誰よりも学園に愛を持たれており、これ
からより一層、良い方向へ学園全体を導いて頂けるものと確信致
しております。
もう少し人事のことに触れますと、幼稚園の園長先生が逆井先
生から櫻井先生に、中・高のスクールチャプレンが清水神父様、幼・
小は山崎神父様に代わられております。また、永年、暁星に勤め
られた木寅神父様が調布の汚れなきマリア修道会調布修道院に異
動されました。神父様の下、保護者の間でも大変興味深く宗教を
学ぶことができ感謝致しております。
■「暁星らしさ」とは?
私は常々、暁星学園は暁星らしく、と考えております。
「らしさ」
とは、なかなか概念化することは難しいですが、やはり一つ挙げ
るとすれば、
「宗教教育による、感性豊かな柔軟性のある若者を育
てる」ということかなと思います。 →
文化講演会・新春懇親会
「効率化が図れない、人間関係で成り立つ事業」
ホリプロ社長 堀義貴氏の講演に深い感銘
新春恒例の文化講演会と懇親会を平成25年1月18日(金)にホテル
メトロポリタンエドモントにて開催いたしました。
講演者として暁星学園のOBで芸能プロダクション「株式会社
ホリプロ」の代表取締役社長 堀義貴氏をお招きしました。株式会
社ホリプロは今年で設立53年目を迎えられ、芸能プロダクション
として知らない人はいないほどの知名度と信頼・信用を築かれて
います。所属しているタレントはアイドルから俳優、お笑い芸人
まで400名を超え、年代も5、6歳〜80歳代までと幅広く、まさ
に日本を代表する芸能プロダクションのひとつです。
その代表を務められる堀社長のお話は、芸能プロダクションと
してどう人とかかわるか、そして芸能界の華やかさの中にある厳
しさなど大変興味深いものでした。
まず「人とかかわる」というのは単なるつながりではなく、そ
の人に様々な影響を及ぼす重大なことだということを大前提に話
を進められました。
商品は「人」そのものですが、どんなに技術革新が進んでも人
間をハイテク工場で大量生産することはできませんし、複製もで
きません。近年SNSなど早くて手軽なつながりを持つことはで
きても、
「人とのかかわり方」は昔と変わることはありません。芸
能プロダクションの仕事は昔ながらの人間関係のみで成り立つ、
まさに労働集約型で効率化が図れない事業と言えます。その中で
心がけているのは、浮き沈みが激しくなるブームを作らないこと、
人気スター一人に頼らないこと、タレントを大勢抱えるという3
つの点です。ホリプロはタレントの所属年数が長いことでも知ら
れています。最長は45年、
他にも40年を超すタレントは多数います。
タレントは使い捨てではありません。ブームを起こせば飽きられ
るのも早く継続しませ
ん。結果として使い捨て
に繋がります。先にあげ
た3つの点を念頭に活動
をサポートすることで、
事業も安定して継続して
いくことができます。
子どもを芸能界にとい
う親御さんもいらっしゃ
400人以上のご出席で大盛況の懇親会
6
日本芸能の海
外展開も考え
ている堀社長
ると思いますが、はっきり言ってお勧めしません。何故ならばやっ
ぱり不安定な仕事だからです。スターにするのはTVの前の皆さ
ん、つまりお客様です。売れるかどうかは本人次第です。そこに
時代性や運もプラスされます。売れても売れなくても辛い面があ
り本当に厳しい世界です。東大に受かるより10年売れ続けるタレ
ントである方が難しいと思っています。
ホリプロのマネージャーは一人で5〜6組のタレントを担当し
ます。善意の他人として親密な関係を築き、文字通り「人とかか
わること」が仕事です。チャンスを与え、
活かす環境をつくること、
能力を見つけ育てること、モチベーションを上げてチャンスをつ
かませること。また、
TV局やクライアントと上手に付き合い、
ブー
ムを作らないよう仕事量・内容のコントロールができること、タ
レントを様々な誘惑や障害から守ることや心のケアまで多彩で多
忙です。
「チャーミングな会社を目指しましょう」というのがホリプロの
目標です。チャーミングな人には人も仕事も集まってきます。集
まった人たちでチャーミングな作品ができ、それに携わったチャー
ミングなホリプロに入りたいという人を増やしていきたいと考え
ています。
また今後、文化の海外展開が急速に進んでいくでしょう。海外
では日本文化に強い興味を持つ人は多く、文化を英語で語り、英
語でコミュニケーションをとることができるよう、子どもたちに
ネイティブな英会話力を身に付けさせること、世界史を学ばせる
ことが必須です。
以上のような講演をされ、大きな拍手と反響のなかで講演会は
幕を閉じました。
当日は400名を超える会員の皆様、理事長をはじめ教職員の方々
にも多数ご出席を賜わり、その後の懇親会も大盛況となりました。
今後とも、諸先生方そして保護者の皆様のご出席を賜りますよう、
よろしくお願い申し上げます。
(文・内田隆一会長)
高校の卒業ミサで神父様の教えを頂戴しました。
「いつでも謙虚
に生きていきなさい(実るほど頭を垂れる稲穂かな)
」というお話
や「人間は生きているのではなく、生かされているということ。
人間は食物連鎖の頂点にいて、他の生き物の命を頂いて存在して
います。だとすれば、
人間は何を与えるのでしょう。他人に施しや、
愛や、時間を与えられる立場の人間になれる様に努力して立派な
大人になって下さい」
という教えです。きっと卒業生の心に残り
「暁
星らしさ」として活かされていくと思います。
移動手段や通信システムなどの発達で時間は短縮され、どんど
ん世間が狭くなり便利な事もたくさん増えましたが、日々変化の
激しい世の中に人間が追いついていっていないような気がします。
いつの時代も人が生きていく上で大切なこと、真理は変わってい
ないし、これからも変わることはないでしょう。大人も子供も、
何の為に生きているのかを見つめ直す時間を持つことが時には必
要なのではないかと思います。
■ 語学力があればチャンスはある
話は変わりますが、学校評議会で語学力が話題になった時がご
ざいます。私は自身の経験からこんな提言を申し上げました。そ
れは、恥をかかせて危機感を生徒達に持たせた方が効果的だとい
うことです。私はあまり英語が話せません。いつも通訳を介して
いる為に、なかなか海外のお客様と友達のような関係まで築くの
が難しく、会食の席などでは恥と知りながら身振り手振りでコミュ
ニケーションをとっています。本当に心から英語をもっとやって
おけば良かったと出張毎に思います。
現状、日本で就職もしくは起業、あるいは開院など何をやるに
しても英語(英会話)は必須です。この状況を生徒諸君に理解、
現状認識させて「やらなきゃ」と思わせるには、海外の生徒と交
流を持ち自分の英語がどれ位通用するのか、コミュニケーション
が取れない事がどんなに大変なことかを体験させ、恥をかかせた
方が良いということです。そして英語は文法よりも何よりも歌を
覚えるのと同じ、音で捉える方が上達が早いと私は思います。耳
と喉に音を付けてしまうこと。これが大切だと思っています。学
園の中でも、海外の方と英語で交流できる場面が多々あれば良い
のにと考えています。世間に出れば、やる気と語学力があれば何
でも出来るし、いくらでもチャンスはあると思っているのは少し
乱暴過ぎでしょうか?
学園の生徒諸君が、世界でリーダー的な存在になって、他人に
与える人生を送ってくれることを願います。
2013年
大学合格者実績
(卒業生183名)
◆ 国公立大学 ◆
大学名
合格者数
北海道大学
2
東北大学 2
筑波大学
3
群馬大学 1
千葉大学
5
東京大学
17
東京医科歯科大学
1
東京学芸大学 2
東京農工大学 2
東京工業大学
4
東京海洋大学 1
一橋大学
4
横浜国立大学
5
金沢大学 2
信州大学 1
京都大学 3
大阪大学 1
熊本大学 1
琉球大学 1
首都大学東京 4
横浜市立大学 2
合計
64
◆ 東京大学 ◆
学部名
合格者数
文科Ⅰ類
3
文化Ⅱ類 2
文科Ⅲ類
3
理科Ⅰ類 8
理科Ⅱ類 1
合計 17
◆ 京都大学 ◆
学部名 合格者数
経済学部 2
工学部 1
合計 3
◆ その他の大学 ◆
大学名 合格者数
防衛医科大学校 1
その他合計 1
◆ 私立大学 ◆
合格者数
大学名
早稲田大学
89
慶應義塾大学
58
上智大学
32
東京理科大学
22
青山学院大学
6
麻布大学
1
岩手医科大学
1
上野学園大学
1
桜美林大学
2
学習院大学
3
神奈川大学
1
金沢医科大学
1
関西学院大学
2
関東学院大学
1
北里大学
7
國學院大学
2
国際基督教大学
4
駒澤大学
2
埼玉医科大学
3
芝浦工業大学
6
順天堂大学
7
昭和大学
7
成蹊大学
5
成城大学
2
聖マリアンナ医科大学
5
専修大学
3
大東文化大学
1
拓殖大学
2
多摩美術大学
1
千葉工業大学
1
中央大学
23
鶴見大学
3
帝京大学
2
東海大学
2
東京医科大学
3
東京経済大学
1
東京慈恵会医科大学
3
東京造形大学
1
東京都市大学
1
東京電機大学 1
同志社大学 2
東邦大学
7
東洋大学
4
獨協医科大学
3
日本大学
15
日本医科大学
10
日本薬科大学 1
法政大学
13
武蔵大学 1
武蔵野美術大学 1
明海大学 1
明治大学 71
明治学院大学 1
明星大学 2
酪農学園大学 1
立教大学
23
立命館大学
2
合計
476
◆ 医学部 ◆
大学名 合格者数
東北大学 2
群馬大学
1
千葉大学 1
金沢大学 2
信州大学 1
熊本大学 1
横浜市立大学 2
岩手医科大学 1
金沢医科大学 1
北里大学
3
慶應義塾大学
2
埼玉医科大学
2
順天堂大学
7
昭和大学
7
聖マリアンナ医科大学
5
帝京大学
1
東海大学
1
東京医科大学
3
東京慈恵会医科大学
3
東邦大学
7
獨協医科大学
4
日本大学
3
日本医科大学
10
防衛医科大学校 1
合計
71
国公立大・
私立大・その他
合格者総合計
541
◆ 早稲田大学 ◆
学部名
合格者数
政治経済学部
8
法学部
7
文学部
4
文化構想
6
教育学部
6
商学部
13
基幹理工
8
創造理工
12
先進理工
5
人間科学部
4
スポーツ科学部 5
社会科学部 6
国際教養
5
合計
89
◆ 慶應義塾大学 ◆
学部名
合格者数
文学部 9
経済学部
12
法学部
5
商学部
14
医学部
2
薬学部 1
理工学部 12
総合政策学部
2
環境情報学部
1
合計
58
◆ 上智大学 ◆
学部名
合格者数
神学部
1
文学部 5
法学部
6
経済学部
10
国際教養学部 1
総合人間科学
1
外国語 3
理工学部
5
合計
32
7
同 窓 会 だより
日仏の文化交流に力を入れる同窓会事業
暁星学園同窓会
会長
浅 尾 空 人
暁星学園も大学受験や教育方針が時代と共に変化す
ました。しかし、もう一つフランス語を学ぶことも大
るにつれ、以前は入学希望者もあらゆる分野の子供た
変有意義なことで、言葉だけではなくその背景にある
ちが集まり受験しておりましたが、近年は医科志望の
西洋の文化・芸術など感性を磨く大きな切っ掛けにな
受験者が多くなりその形態が変貌してきたように感じ
るものと思い、フランス語の授業が増えることを願っ
ます。
ております。
この3月の卒業式において、来賓であるフランス大
そこで同窓会の事業でもフランス大使館との交流を
使館フランシス・メジエール氏のフランス語の祝辞に
重視するほか、文化・芸術の分野では歌舞伎・能楽・
おいても、卒業生の諸君がその祝辞のほとんどが理解
音楽を観賞したり、俳句を嗜んだり、その他日本文化・
されているようには思えませんでした。私はその後の
フランス文化を学んだり等と多方面に於いて事業を展
祝辞の中で「卒業生の皆さん、今のメジエール氏のお
開しております。その一例として、昨年は歌舞伎界で
話が解りましたか?」と思わず問い掛けることをして
の市川中車丈(1984年卒 香川照之氏)
・市川猿之助丈
しまいました。フランス語の授業が極端に縮少された
(1994年卒 喜熨斗孝彦氏)の襲名披露の会や、小学校
結果で、大変残念な思いからの問い掛けでした。
の聖歌隊にお願いしたフランス大使館の革命記念日式
いま世界はグローバル化が進み、その共通語が英語
典での
「君が代」
「フランス国歌」
斉唱というセレモニー
であるために、文部科学省による新学習指導要領が全
への参加など、今までにないことも同窓会の事業とし
面実施され、小学生から英語の授業を行うようになり
て行うことができました。
一方、学園に目を向けますと、3年程前になります
が「暁星学園発祥の地」の記念碑建立に多大のご協力
を頂きました田上理事長が、今年3月末をもって退任
され、現在は長崎の海星修道院に移られました。在任
期間17年の永きに亘り暁星学園発展のためご尽力頂
きましたことに心から敬意を表しますとともに、誌面
をお借りして感謝の意を表したいと存じます。
後任の理事長には1960年卒のマリア会・柿山隆先
生がご就任されました。新理事長には学園創立125周
年記念事業という大役が控えており大変なご苦労があ
ることと存じますが、同窓会といたしましても、出来
る限りの応援をして参りたいと考えており、今後のご
香川照之氏の市川中車丈襲名披露の会
活躍をお祈り申し上げます。
【編集後記】
理事長が交替して、学園報もちょっと
変えてみました。コンセプトは、「今の
暁星を正しく伝える」ことです。その
関係で今回の15号の発刊が多少遅くな
りましたことをお詫び申し上げます。
8
暁 星 学 園 報
第 15 号
発行日 2013 年7月1日
発行者 柿 山
隆
発行所 暁星学園事務室