JRで⾏く九州観光情報「指宿温泉」 【ページ公開⽇:2009年7⽉3⽇】 ・こちらのページに掲載している写真は全てイメージです。現地へ来訪される時期や、当⽇の天候等によって景観は異なります。 ・掲載の事実考証(料⾦、開催期間等含む)については公開⽇時点の情報となりますのでその後、変更されている可能性があります。あらかじめご了承くだ さい。 最近、流⾏に敏感で健康に気を配る⼥性たちの間で評判の“デトックス”。ところが、ここ指宿には、はるか300年以上も昔 の江⼾時代から続いている“デトックス効果が得られる温泉”があるという。温泉取材歴20年の筆者も、これは初⽿。早速、 真偽を確かめるべく指宿温泉へ向かった。 午前11時、指宿に到着。海岸線は名物の砂むし温泉を楽しむ⼈々で賑わっている。と、そこでピンときた。もしや“デトッ クス効果が得られる温泉”というのは、この砂むし温泉のことでは? 砂むし温泉は、温泉成分がしみ出す砂浜に横たわり、体⼀⾯を砂で 覆って浸かる温泉。温泉の蒸気によって蒸された体からは発汗によっ て毒素が排出され、⾼まる⾎⾏や代謝によって健康を得るという仕組 みだ。なるほど、確かにデトックスに近い。1843(天保14)年に薩摩 藩が編纂した薩摩、⼤隅、⽇向の⼀部をふくむ領内の地誌や名所を記 した⽂書「三国名勝図会」にも、神経痛などに効能があるとの記述が ある。どうやら、砂むし温泉は、江⼾時代からたくさんのファンを集 めていたようだ。 むろん当時は効能を科学的に証明することはできなかった。ずっと謎 に包まれていた砂むし温泉の効能が証明されたのは1985年。⿅児島⼤ 学医学部リハビリテーション科が医学的分析を加えた結果、⼼臓から 全⾝へ送り出される⾎液量の増加と深部体温の上昇などの効果が判明 した。しかも砂むし温泉の場合この効⽤は普通の温泉の約3〜4倍に も及ぶという。これまで経験的に「神経痛や腰痛、脳卒中後遺症の疼 痛、こわばりを伴う疾患に効能がある」と信じられてきたのは、これ らの効能によるものだったのだ。 百聞は⼀⾒にしかず! さっそく砂むし温泉を体験してみ る。お世話になったのは摺ヶ浜温泉にあり、気軽に⽇帰り ⼊浴ができる「砂むし会館 砂楽」。浴⾐に着替え、タオ ルを持って砂浜へ繰り出す。係の⼈の話によると、砂むし 温泉は、掘る深さが深いほど温度は⾼くなるそうだ。「今 回が初めてなので浅めに」とお願いした。 砂の上に⾝を横たえると、背中がじんわりと温まってく る。体の上にスコップで砂がかけてもらい、じっとしてい ると、体中がポカポカと温まってくる。やがて、体中の汗 腺から汗が吹き出してきた。係の⼈から「最初は無理をし ない⽅がいい」と聞いていたので、まずは10分で切り上 げた。 浴⾐は汗でびっしょり。砂と汗を落とすため館内の温泉に 向かう。浜を歩いているとほてった体に海⾵が⼼地よい。⼼なしか体が軽くなったような気がする。なるほどリピーターが 全国に広がっているという話にも、素直に頷くことができる。 砂むし温泉でリフレッシュした後は周辺観光へ。指宿の市街から約 15kmの距離にある池⽥湖に向かう。直径約3.5km、周囲約15km、ほ ぼ円形に近いこの九州最⼤のカルデラ湖は、地下からの湧き⽔ででき ているという。このため、池⽥湖に流れ込む川はない。鴨の群れが仲 良く泳ぐ岸辺をのぞき込んでみると、エメラルドグリーンの⽔の奧に 湖底が⾒える。驚くほどの透明度だ。 そんな神秘的な印象からか、1961年頃からこの湖には巨⼤⽔棲⽣物が 棲んでいると噂されている。ネス湖にあやかり「イッシー」と名付け られたこの未確認⽣物の噂は、1978年に20名同時に⽬撃されたことに よって⼀気に全国へと広がった。この湖には、時に体⻑が2mにも達 する「オオウナギ」が⽣息している。正体はこのオオウナギではない かという説もあるが、いまだその正体は明かされていない。 池⽥湖から南を望むと、まるで富⼠⼭のような美しい⼭容が⽬に⼊ る。薩摩半島の南端に位置する⽕⼭「開聞岳」である。円錐形があま りにも⾒事なため、標⾼924mという⼩さな⼭であるにも関わらず、 ⽇本百名⼭のひとつとして数えられている。⼭には螺旋状の登⼭道が 整備されており、3時間程度で登⼭が可能。周囲を遮るものがない独⽴ 峰だけに、頂上から360度広がる⾵景は圧巻である。 今回、指宿を訪れたのは平⽇のしかも午前 中の早い時間。それにもかかわらず、海岸 線は、多くの観光客で賑わっていた。正直 最初は驚いたが、砂むし温泉を実体験して 納得。この爽快感は、指宿の砂むし温泉で しか得られない。皆さんにもぜひ⼀度味 わっていただきたい。 (取材・写真協⼒:⿅児島県観光連盟) JR東海の指宿温泉情報。
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