発行日Ｈ19.7.9 発行者小角幸人５号内に貯まった水分は、除水によって血液中の水血液透析の時間ってどうやって決めるの？分が減ったからといって簡単に血管内に戻ってくるものではありません。人によって時間に差はありますが、ゆっくりと細胞から水がしみ出てくるというイメージです。透析療法には大きく分けて２つの側面がありまこのしみ出てくる速度よりも除水速度の方が早す。一つは食事の結果生まれる老廃物の除去とい場合に水分を含めたトータルとしての血液量過剰水分の除去です。老廃物の除去は、患者さが減少し血圧低下となるのです。水分を摂り過ぎん一人一人は体格も食事量も違うので、老廃物ると透析中の血圧がより下がりやすくなるのは、の産生量も違います。このため、個々の患者さんこうした理由によるものです。水分摂取による体の老廃物除去率（透析効率）を評価するために重の増加をできるだけ少なくしましょう。適正な透析量・透析時間を示す指標が必要で、また、筋肉量が少なくなると、ますます透析中それが Kt/V という計算式です。この値は 1.0〜に血圧が下がりやすくなり、除水が困難になりま 1.4 以上が適正となっています。Kt/V が 1.0 を下す。筋肉には血管と血液が豊富であり、その重回ると透析不足であり、死亡する危険性が著しく量のおよそ７０％が水分で占められています。血増加します。この Kt/V では、t が透析時間です。管外の水分は主に筋肉内にプールされ、透析患透析時間は非常に影響力が強いため、患者さん者では特に透析間に貯留した水分はこの筋肉内の採血データをいつも見ながら透析時間を決めに貯留します。透析中には、筋肉内の水分は皮ています。下組織の水分よりも血管内に容易にかえってい高橋ｸﾘﾆｯｸでも測定しています。き、透析で除去されやすいのです。筋肉が減少すると血管外の水分は皮下組織に浸透していき、普段血圧が高いのに何故透析中には低血圧になってしまうのですか。透析中の血管内へのかえりが遅れ、血圧低下の原因になります。透析中にみられる低血圧の原因は、以上のような除水による循環血液量の減少等に加え、そ普段の血圧に関係なく、透析中の血圧低下をれに対する心血管系の代償反応の不良、さらに経験している人は多いと思いますが、ドライウエは血液がダイアライザーや血液回路を流れるたイトよりも増えた量、つまり余分な量しか除水してめに起こる反応等透析治療に直接関連したものいないのに、何故血圧が下がるのでしょうか。があります。これらの他透析中にみられる低血血液中に貯めておける水分量というのは決まっ圧の原因には、不整脈や心筋梗塞、心筋虚血、ています。それを超える水分量については、血液消化管出血や敗血症によるショック等透析治療から細胞の方へ水分が移動し、細胞内に水分がとは直接関連しない原因もありますので、原因を貯まります。細胞内に水分が貯まった状態を「浮よく見極めて適切な対策を講じる必要がありま腫」簡単に言えば「むくみ」となります。この細胞す。